【特集】関カレ直前ルーキー特集『NEW STEP』中距離トリオ対談

陸上競技

 田中言(平28スポ卒)、伊澤賢人(平28スポ卒)、出口翔(平28スポ卒)と早大競走部中距離ブロックを盛り上げた3人がことし卒業。その3人に入れ替わるように全国大会の決勝で戦ってきた新鋭3人が中距離ブロックに加わった。高校からの付き合いがある西久保達也(スポ1=埼玉・聖望学園)、飯島陸斗(スポ1=茨城・緑岡)、齋藤雅英(スポ1=東京・早実)。互いに仲も良く、笑いの絶えないトークが展開される中、早大での今後の抱負についても語ってくれた。

※この取材は4月20日に行われたものです。

「ジャージ派です」(全員)

笑顔の絶えない雰囲気の中、対談は進んだ

――きょうはどんな練習をされましたか

西久保 僕は土曜日(4月23日)の日体大記録会に出場するので、落とし目の練習と少し流しをやって終えました。

齋藤 僕も同じく土曜日に日体大記録会があるのですが、仕上げの練習で短めで早いペース走をやりました。

飯島 僕も日体大記録会がある関係で調整として、60分軽くジョグを行いました。

――大学の練習はいかがですか

西久保 高校の時に比べてメニューなどを自分で考えることが多いです。教わるというより、先輩達から聞いて吸収していくという感じで、そういったところが高校と違って自分が主体的に動いていかなければいけないなと感じました。

齋藤 メニューを自分で考えなければいけないというのと、僕は1500メートルを専門でやっているのですが、1500メートルを専門でやっているひとは少ないため一人で考えてやっていかなければならないところがいまはすごく難しいのですが、自分なりのやり方をつかめていければ、それに応じてどんどん強くなっていけると思うので、これからがすごく楽しみです。

飯島 高校時代は走るだけの練習で、体作りなどはいまいちやってこなかったのですが、大学では体を作ることも大切ですし、自分たちがまだどれだけ体が作れていないかというのを先輩と比べてみると実感して、最初はケガをしないためにも体を作っていくことが大切なんだなと実感していて、そのような練習にも取り組んでいきたいと思っています。

――大学の練習には慣れられましたか

西久保 慣れてはきているのですが、僕自身はけっこう単調というか100メートルとかの練習をすることが多いので、中距離というとみんなでやることが少なくて。僕は短距離よりの中距離で

齋藤 僕も長距離よりの中距離で

飯島 僕は普通の中距離なので、別々に練習していることが多いです。

西久保 一応、曜日を決めてみんなでやる日は決めているのですが、やはりみんなのレベルが高いので、高校の時に比べて良い練習ができているなと思います。

齋藤 僕はまだ自分の練習のリズムがつかめてなくていまはなかなか難しいなと感じています。同期はすごく強いですし、一緒に競い合って行きたいなと思っているので、合わせられるところは上手く合わせてできたらいいと思います。

飯島 僕も齋藤と一緒でまだ自分の練習の方法が確立できていなくて、どこで中距離的な練習をするか長距離的な練習を取り入れようかというのもまだ決まっていないです。まだ高校より何かが足りなくなってしまう部分もあってはいけないし、僕は中間的な立場なのでうまく西久保と一緒にスピードを上げる練習をしたり、齋藤と一緒に心肺機能を加えたりとしていきたいです。

――大学生活のお話しに移りたいと思います。三人ともスポーツ科学部ということで、教養演習のクラスなどあると思いますが、クラスや学生生活はいかがですか

齋藤 僕たちは全員違うクラスですね。みんな私服を着ないでジャージで登校したりしていて、あまり大学生感がない(笑)。

西久保 ジャージ派ですね。そのまま練習に行くので。

飯島 僕たち(齋藤と飯島)は教職の授業を取っているので、本キャン(早稲田キャンパス)に行くときだけ私服を着ます。でも齋藤は本キャンに行くときもたまにジャージです。

――教職の授業を取られているのですか

齋藤 はい、僕と飯島は。

――教職の授業は大変ですか

飯島 まだ始まったばかりなのでよく分かりませんね。

――高校の教師になりたいと思われているのですか

齋藤 僕は具体的なことは考えていないのですが、選択肢の1つとして教師とかあればいいかなと思って。

飯島 僕は高校の体育の教員になりたいと思っています。

――教養演習のクラスの友達などとはしゃべられたりしましたか

西久保 仲の良い友達というか、絡んでくれる人も結構いて、(僕は)いじられキャラみたいな。

齋藤 僕はあまりしゃべれていないです。系属校を出ているので、系属間同士でのつながりもありますし、そういう人と狭くやっています。

飯島 僕は5、6人とはそこそこ話せて仲良くなったのですが、まだ話せていない友達が多いです。

――いま、マイブームだとか何かはまっていることはありますか

齋藤 僕はアマゾンプライムで映画を。最初は洋画のアクション系を見ていたのですが、いまは『SPEC』だとかを見ます。

飯島 僕も映画を見ます。

齋藤 やはり1年生でまだ寮の当番などもあって、自分の時間を作れないので趣味とまではいかないです。

西久保 僕はあまり趣味とかないのですが、暇なときに自転車で出かけたりだとか。僕は家がこの近くなのでだいたい何があるか分かるので

「勝負強い選手になりたい」(飯島)

高校時代の実績十分の飯島。大学ではどのような走りを見せるか

――それでは本題の方に入っていきたいと思います。陸上を始めたきっかけについて教えてください。

西久保 僕は中学まで野球をやっていて、野球の練習の一環というかたちで、メニューのなかで400メートルを走るものがあって、そのタイムが良くて大会に出てみようとなり、それがきっかけで陸上を始めました。

齋藤 僕も小学校まで野球をやっていて、あまり野球の才能がないなと気付き始めて。走るのは得意な方だったので中学で始めようと思い始めました。長距離はやればやるほど伸びていく種目で、記録が伸びていくのがとても楽しいなと思って、記録が伸びていくのが楽しみでいまもやっています。

飯島 僕も中学まで野球部だったのですが、助っ人みたいな感じで駅伝部に借り出されました。駅伝でみんなとタスキをつなぐのが楽しくて、高校では長距離をやりたいと思って高校から陸上を始めました。でも顧問の先生との間で中距離向きだなということで、中距離を始めました。

――みなさん野球の経験者ということですが、いまでも野球をやられたり、観戦されたりしますか

西久保 僕は(野球を)やるのが好きでキャッチボールなどたまに中学の同級生とやるのですが、でも全然投げていないので肩が痛くなります。

齋藤 僕は西武ファンで、いまここに住んでいるので時間ができたら試合を見に行きたいなと思います。

飯島 僕も野球をやるのが好きで、高校のときはよく中学の友達とかと野球をやっていました。

――高校時代に印象に残っている試合や恩師からの言葉などはありますか

西久保 僕はインターハイ(高校総体)で優勝を目指してやっていたのですが、そこで5位と負けて悔しくやりきれない気持ちがあって、次は負けたくないなという気持ちもありました。飯島が早大に行くことを小耳に挟んでいたりしたので、同じ環境で走りたいなと思い、早大を選びました。

齋藤 僕は印象に残っている試合は高校1年生の時の国体です。印象に残っている言葉としてはインターハイに付き添いで来てもらった1個下の後輩の言葉なのですが、インターハイの時にアレルギーでアナフィラキシーショックを起こしてしまって、当日は不安な気持ちでいっぱいだったのですが、後輩が「みんながついていますよ」と言ってくれて、すごいうれしくて、その言葉が一番印象に残っていますね。

飯島 印象に残っている試合は高校2年生のときの日本ユースの試合なのですが、それまでタイムは持っているのに高校2年生まで全国大会に出たことがなくて大きい大会での実績がなくて、自信もありませんでした。日本ユースで初めて全国の舞台で勝つことができて、そこから自信も生まれて、勝ったからにはここから勝ち続けていかないとダメだという思いも生まれました。その大会をきっかけに練習への取り組みなども変わりました。

――高校時代から同じ試合で一緒に走られていますが

齋藤 同じ試合もそうなのですが、長期合宿でも一緒になったりしました。だから仲はだいぶ良いのかな(笑)。

西久保 2年の時は国体で飯島と走りました。僕はほとんど負け越していたので…。

飯島 同じ北関東だったので、インターハイの北関東予選から高校総体、国体で5連続くらい同じ組で、毎回西久保がいるみたいな(笑)。

齋藤 顔も小島よしおに似ているし(笑)。

――早大を選んだ理由は

飯島 卒業した田中言さんたちの代が強くて、一番印象に残っていたのが日本選手権です。出口さんが走っているレースを見たときに、早大は勝負強いなと思いました。タイムは日大とかのが上なのですが、早大は大きな大会でみんな結果を残し活躍しているのを見て、勝負強い選手になりたいと思って早大を選びました。

齋藤 僕は高校を選ぶときに早大に行きたいなと思って早実を受けたのですが、早大は勉強もすごいしスポーツも全部すごくて、日本で一番すごいのではないかと思っていて憧れを抱いていました。

西久保 僕は理由の1つは先ほど言ったように、飯島や齋藤といっった知り合いで勝つ強い選手がいるというのを聞いて、そういう環境でやりたいなと思ったからです。あとはワセダという、社会的にも認められているというか、そういうところで活躍したいなと思いました。僕自身正直インターハイも5位とかで、(早大へ)行けるチャンスがあるとは思わなかったのですが、せっかくチャンスを頂いたので、そこに懸ける、チャンスをものにしたい気持ちで、ワセダに進学することを決めました。

――合格が決まったときは誰に報告されましたか

齋藤 早実の推薦入試って、確約とかもなくて倍率も2.5倍と受かる保証が無かったので、受験番号を見つけたときは本当にうれしかったことはいまでも覚えています。

西久保  合格を知ったときにはお世話になった方々に「受かりました」とだけ報告しました。親に報告したときは軽いなという印象を受けました(笑)。

飯島 僕も同じですね。軽いなという感じで(笑)。推薦の話が来たときには良かったねと言ってもらいました。初め僕は筑波大を考えていて、でもやはり早大が強いということで早大に行きたいと親に言いました。私立でも親は行かせてくれたので、うれしかったです。

――高校で部活を引退されてから、大学での練習が始まるまでどのように過ごされていましたか

西久保 僕は2月まで駅伝の方の練習をしていて、最後の駅伝が終わってその1週間後ぐらいに大学の練習に顔出ししたので、そんなに期間は空かなかったですね。基本練習はしていません。

齋藤 僕は1月下旬の都道府県対抗駅伝に合わせてやっていて、そのあとは早実で授業があったのと車の免許を取りに行っていたので、大学の練習にはあまり早く合流できませんでしたが、早実の部活の方で練習していました。

飯島 僕も2月まで授業があったので、高校の部活に行って練習していました。そのあとは各自自分で朝などに練習もしましたが、遊んだりもしました。

――大学に入る前から顔を合わせる機会が多かったとおもいますが、初めて会ったときのお互いの印象など覚えていますか

齋藤 (西久保が)とにかく小島よしおに似ていて、いきなり「小島よしおに似ているよね」と言ってしまいました(笑)。

西久保 あー、そうだったよね。

齋藤 顔を合わせたのは日本ユースなのですが、実際にちゃんと話したのは高校2年生の時の12月の合宿です。印象は本当に(西久保の)顔が小島よしおに似ているなと。

西久保 まあ、齋藤の第一印象は特に覚えていないのですが、飯島は2年生の時のインターハイ北関東予選で3位に入っていて、同じ学年ででかいやつが俺の前にいる、みたいな感じですね。その日からものすごく会うようになってあの時のやつだ、みたいな。

飯島 齋藤の第一印象は覚えていないのですが、

齋藤 なんで(笑)。

飯島 西久保は走り方が挨拶の仕方などが堅いんですよ。すごく堅いなと(笑)。走る時に上半身が全く動かなくて、固まって走っているみたい。レーン紹介されたあとにみんな挨拶するのですが、みんなと違ってすごく堅い(飯島が真似をする)。

西久保 そんなんじゃない(笑)。それはやりすぎ。

飯島 でもこんな感じでしょ(笑)。堅いなと。

――西久保選手は性格は真面目な方ですか

西久保 真面目というか不器用な。堅い。自分で言うのもなんですが、融通が利かないというか。とは周りからよく言われたりします。真面目というのは、言われることがあります。

齋藤 小島よしおをやってよ(笑)。

西久保 なんでそんなこと言うの(笑)。

――同期の仲はいかがですか

飯島 みんなと仲がいい感じです。

齋藤 競走部の中では幅広く人間関係ができているかなと思います。

西久保 短距離で合宿なども行っていたりするので、仲がいいです。長距離もこっちに戻ってきてから顔を合わせるという感じなのですが、当番をしていたりだとかで話したりします。

齋藤 練習でも僕や飯島は長距離の方に顔を出していたりするので、しっかりコンタクトも取れています。仲はいい方だと思います。

――上級生の方の印象はいかがですか

西久保 やはり早大という組織に僕たちよりも長くいるので、受け答えや考え方がしっかりしていると思いました。高校から上がってきた僕らとは違うなと思いました。大人の考え方というか、こんな風になれたらいいなと思いました。

齋藤 西久保と同じく、大人だなとかんじます。本当に同じ大学生なのかなと思うぐらい大人だなと思います。あと、メリハリがすごいなと思います。競走部として守らなくてはいけない規律だとか上下関係などが必要な場ではしっかりと守り、和やかな雰囲気の場では優しくしてくださったりします。切り替えがすごいなと感じました。

飯島 自分の考えをしっかりと口に出して話せているところがすごいと思います。一緒にご飯に連れていってもらったりすると、先輩の話を聞いて、先輩の考え方を教えてもらって、僕たちと違ってしっかり自分の考えを持っている感じがしました。

――陸上競技について、高校と大学で違いは感じますか

西久保 高校時代、僕は短距離と一緒に練習して、がっつり中距離というわけではなく、中距離ブロックがなかったので、中距離ブロックとして動いて練習するというのが大学で初めてで。なので同じブロックの人と練習できるというのが高校のときと練習の質を変えています。よりレースに近い練習ができて、そこが違いだと感じています。試合自体はまだあまり出ていなくて分からないのですが。

齋藤 僕の場合は中学・高校と陸上があまり強い高校ではなかったので、自分の好きなように自由にしていたのですが、競走部に入ってみると伝統とか責任とか一試合に対するプレッシャーだとかがいままでと比べ物にならないくらいありました。でもそういう伝統のある強いところにいられるというのがいまは楽しくて、陸上競技が楽しいなといま思えています。

飯島 僕は二人と違って六大学(東京六大学対校大会)には出ていないので、試合の中での陸上競技の違いはまだ分からないのですが、練習の中だと、大学は絶対スピードを出す練習が多いので、高校と違ってすごく新鮮です。まだ練習の中では置いていかれることが多いのですが、その違いにも早く対応したいです。

――ことしのトラックシーズンの目標は

西久保 僕自身のベストは(1分)51秒29で(※対談後の日本体育大学長距離競技会で自己ベストを1分50秒07に更新)、51秒を切ると関カレに出場できるので、それを目標にしています。それとあと1番は日本選手権に出てみたいなというか、出られるように、頑張って1分50秒を切れるようにしたいなと思っています。

齋藤 僕は具体的なタイムだと、800メートルが1分49秒、1500メートルが3分43秒、5000メートルが13分台というのが目標です。あとは関カレ(関東学生対校選手権)、全カレ(日本学生対校選手権)で入賞、日本選手権で決勝に残るというのがあります。

飯島 僕もタイムで言ったら、800メートルが1分49秒を切るということと、1500メートルで3分45秒を切ること、あと関カレでしっかり活躍することです。大学に入ると環境の違いに対応できないで、1年目は不調に終わってしまうという選手が上の代とかを見てもたくさんいるので、自分はしっかり1年目からタイムを出して関カレでも勝てるようになりたいですし、ことしは世界ジュニア選手権があり、その選考タイムが1分49秒50なので、それを切って世界ジュニアにも出場したいと考えています。

――関カレという、高校時代には無い初めての形態の試合が目前にありますが、出るとしたらどのようなレースをしたいですか

西久保 僕自身、高校の時は先頭を切って、そのまま逃げ切るというレースがほとんどだったのですが、できればそのようなレースがどこまで通用するか試してみたいです。そこが僕の長所・レーススタイルだと思うので、それがどのくらい大学でもやれるのか。それで戦っていきたいと思いますし、それでも勝ちにこだわらなければいけないレースもあると思いますので、そういったところでも、たとえ前半遅れてしまっても、粘り強くラストで巻き返せるようなスピードというのも目標にしています。

齋藤 僕の持ち味がラストスパートなので、それを発揮して、しっかり勝ちにこだわったレースが出来ればと思います。

飯島 勝ちにこだわって、齋藤と一緒で僕もラストスパートが一番の武器だと思っているので、リラックスして最初の1周を迎えることを大事にして、後半しっかりスパートをかけて、良い順位を獲れるようにしたいと思います。

「上を目指すのであればワセダかなと思いました」(西久保)

西久保は入学早々の記録会で自己記録を更新するなど躍動

――早大に入ったということで、学生三大駅伝には興味はありますか

齋藤 僕は長距離に入るか最後まで悩んで、いまでも長距離の練習に混ざったりしているので、箱根(東京箱根館往復大学駅伝)は未練みたいなものがあります。できれば出たいなと思います。

飯島 僕は箱根(の距離)までは長いかなと思うのですが、礒繁雄先生にここの3人は5000メートルまで走れる選手にしたいと言われているので、出雲の短い区間であれば走れるような力は付けていきたいと思います。

西久保 僕はできれば見る側に回りたい…(笑)高校時代も駅伝は走っていたのですが、走ってみたいというよりは、とりあえずワセダとして応援したいかな。でもこれから僕の種目がどうなっていくのか分からないので、箱根は注目度の高い大会ですし、今後次第で出られたら…というくらいです(笑)。

――自分の走りの強み・長所はどこだと思いますか

西久保 やはり先頭を切る強気のレースでずっと高校時代はやってきて、それが僕に合っていると思います。でもやはり最後に抜かれてしまうレースが多かったので、僕自身最後に踏ん張りがきくと思うので、最後をもっと強くしたいです。あと、試合の波があまりなくて、記録自体も出すところでしっかり出してやってこられたので、安定してしっかり保っていければと思います。

齋藤 僕はスピードの切り替えが得意でラストスパートでそれが生かせるので、それを強化したらしっかり勝ち切れると思います。

飯島 僕はいろいろなレース展開にしっかり対応できる方だと思うので、大学ではさまざまな走り方、予選では予選の走り方、決勝では決勝の走り方があると思うので、レースに応じた走り方をして、そして順位を獲れる走りをしたいです。

――大学で強化したいこと、自分の課題は

西久保 僕が短距離の練習をしているというのは、スピードをより向上させる意図でやっているというのがあって、400(メートル)のスピードを上げないと800メートルで生きてこないというか、1周目でいかに楽に入れるかが重要だと思うので、そういった面でも、400をどれだけ早く走れるかが楽に走れるかに関わると思います。400の自分のスピードの限界値を上げることを考えていまはやっています。

齋藤 僕はまず貧血が出てしまうので、いままで食生活などを考えてきたのですが、なかなか良くならないため、せっかくスポーツ科学部に入ったので、そこの対策をやっていきたいです。あとはケガに高校時代は苦しめられたので、そこに気を付けてやっていきたいです。

飯島 僕はさっきも言ったようにスピードがまだ足りていないので、西久保とかにくらべるとスピードが足りていなくて、練習でもおいていかれる部分があるので。いまは関カレに向けて合わせていく時期なので(スピード練習が)できないのですが、関カレが終わったら、僕も短距離のほうに混じってみて、スピードを上げる練習をしたいです。

――他大にライバルの選手はいますか

齋藤 全員一致で田母神(一喜、中大)だと思います。すごく強くて、とにかくラストスパートが強いというのがあるのですが。彼が勝ったとき手を上げて喜ぶのを見ていると悔しいので、なんとか倒してやりたいと思います。

西久保 同学年だと田母神なのですが、2・3・4年の先輩たちにも臆することなく、引かずに攻めていけたらと思います。

飯島 僕も第一に田母神を倒したいというのがあります。僕はきょねんインターハイだけ(田母神に)勝ったのですが、国体や日本ジュニアは負けてしまったので、まずはその借りを返します。関カレでも同じ(レース)だと思うので。でもいま(田母神は)ケガしているみたいで…。3人で田母神に勝ちたいと思います。

――目標の選手は

西久保 やはり日本記録を持っている川元さん(奨、スズキ浜松AC)であるとか、僕らの近い代、1つ上に前田恋弥さん(明大)という方がいらっしゃいまして、基本的にそういうタイトルを持っている選手、その記録を抜くのを目標にやっています。

齋藤 僕は川元さんの前の日本記録保持者の横田さん(真人、富士通)です。練習を一緒にさせていただく機会があったのですが、やはりトップの選手のレベルの差などを間近で痛感して、考え方など次元が違うなと肌で感じたので、目指すべき選手だと思っています。

飯島 川元さんと一緒に合宿をしたことがあって、その時に考え方とかいろいろ聞いて、やはり違うなと思いました。川元さんは僕と違って筋肉がすごくてゴリゴリのスピード型なのですが、川元さんに教えていただいたそういう体の作り方とかも参考にしてやっていきたいと思います。

――川元さんは日大で、前田さんにしては明治大で、どちらも早大の選手ではないですが、他大は進路候補にあったのでしょうか

西久保 正直僕は先輩の強さにこだわらないというか、川元さんは僕らが入学するもっと前に大学を卒業されていますし、前田さんに関しても、いまは5000メートルでやっているというお話も聞いていたりしたので。他の大学で進路先に考えていたところもあったのですが、別に先輩が強いからというわけではなく、そこのコーチに関東の合宿などでお世話になって、良いなと思ったからです。でもやはり上を目指すのであればワセダかなと思いました。

齋藤 僕はもう、さっきも言いましたようにワセダに行きたかったからです。

飯島 僕の1つ上の先輩で、茨城県出身でインターハイに入賞した小林(航央)選手が、筑波大に行った影響で、僕も小林さんと練習がしたく、筑波大に行きたいと思っていました。でもやはり先ほども言ったように、日本選手権や関カレでワセダが活躍している姿は印象的で、それで早大の方からお話も頂いたので、早大に進学しました。

――将来的にどんなランナーになりたいですか

齋藤 僕が理想としている選手は、僕なんかが(名前を)言うのは恐縮なのですが、1500メートル世界記録保持者のヒシャム・エルゲルージ 選手(モロッコ)という方です。その選手は1500メートルが専門なのですが、5000メートルなどいろいろな距離を走れて、長い距離から1500メートルにアプローチされています。いま1500メートルを走られている方って、800メートルとかのゴリゴリの中距離型の方が多いのですが、僕としては長い距離から、長距離的なアプローチで1500メートルを走りたいと思うので、1500・5000メートルをしっかり走れるようにしたいです。

飯島 タイムを持っていても主要な大会で勝てない選手も多いので、僕としては主要な大会でちゃんと勝つことのできる、タイムを出すのは当たり前ですが、タイムを出しつつ、勝負強い選手になりたいです。

西久保 僕は選手としては、飯島みたいな強い選手になりたいと思っています。あとは競技以外のことでも、しっかりといまできることをする人間になりたいと思っているので、総合的に強い選手になりたいです。

――大学入学した現時点での、将来の夢を教えてください

齋藤 僕はメディア関係に就職したいなと思っていて、政治とかに興味があるので、スポーツではなくて社会系の方に興味があります。

――政治に興味がおありなのですか

齋藤 政治というか社会学の方面ですね。父が社会科の教員というのもあるのですが、日本の現状を知りたいなと思い、メディア関係を考えています。

――では大学の授業でもそういうものを取られたりするのですか

齋藤 それは追々という感じです(笑)。

西久保 将来の夢というほどでもないのですが、漠然と競技は続けたいなと考えています。それが実業団なのか個人でクラブチームに入るのかは分からないのですが。いまはそんなに考えていないのですが大学を卒業しても競技自体は続けていきたいです。僕の中学の先生が50歳くらいになるのに、ガンガン試合に出て、良いタイムも出しているのも見て、そういう人になりたいな、将来なれたらなと思います。どういう仕事に就きたいか、というとやはりスポーツ関係の仕事ですね。教師というよりはトレーナーなど、もっと専門的な、選手に教えられる、僕の競技で得たこともしっかり選手に伝えていけるようなそういう人になりたいと、漠然と考えています。

――最後に、ルーキーイヤーの目標・意気込みを教えてください

飯島 僕はやはり1年目から対校戦など大きな大会で結果を出すということを大きな目標にしています。先ほど言った田母神にもしっかり借りを返せるように、タイムも意識しつつ頑張っていきたいと思います。

齋藤 先ほども言ったのですが、目標タイム800・1500・5000メートルのクリア。あと関カレ・全カレで優勝、日本選手権での決勝を目標にしています。

西久保 大学1年生ということで、いままで高校でやってきたことを抜きにして、1からの西久保達也というのをアピール出来たらと思います。高校の自分ではなく、早稲田大学の西久保を印象付けられるように、1年のうちはやっていけたらと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 杉野利恵・鎌田理沙)

今季の意気込みを書いていただきました!

◆飯島陸斗(いいじま・りくと)(※写真左)

1997(平9)年7月17日生まれ。181センチ。64キロ。自己記録:800メートル1分51秒09。茨城・緑岡出身。スポーツ科学部1年。高校の体育の先生を目指し、1年から教職の授業を取っています。高校時代負け越したライバル・田母神選手を倒すため、大学でも練習に励みます!

◆齋藤雅英(さいとう・まさひで)(※写真中央)

1997(平9)年10月27日生まれ。168センチ。54キロ。自己記録:1500メートル3分48秒00。東京・早実出身。スポーツ科学部1年。アマゾンプライムで映画を見るのが趣味で、政治方面に興味がある一面も。会話の中ではツッコミ役でみんなを盛り上げてくれました。本キャンの授業にジャージで行くこともしばしば…。

◆西久保達也(にしくぼ・たつや)(※写真右)

1997(平9)年9月14日生まれ。176センチ。62キロ。自己記録:800メートル1分50秒07。埼玉・聖望学園出身。スポーツ科学部1年。齋藤選手・飯島選手からは「小島よしおに似ている」と言われ、一発ギャグをお願いされるシーンも。今回の対談後に行われた記録会では早速800メートルの自己ベストを更新するなど調子は上向きのようです!