日本グランプリシリーズの第一戦、兵庫リレーカーニバルがことしもユニバー記念競技場で開催された。早大からは初日のアシックスチャレンジ男子1万メートルに井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)、太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)が出場。特に太田にとってはU20世界選手権代表選考レースも兼ねており、「世界につながる1つのレースだったので世界を目指した」(太田)という。しかし井戸、太田ともに後半からペースを上げることができず精彩を欠く走りに。トップの選手に大きく水を空けられ、課題の残るレースとなった。
入りの400メートルこそ73秒というスローなラップを刻むも、2キロ目以降は1キロ2分55秒前後のペースでレースは進んだ。先頭集団の入れ替わりによる細かなペースの上げ下げはあったものの、井戸、太田はともに落ち着いた走りで集団の後方に待機。しかし4000メートルを過ぎ集団が崩れ始めると、太田の表情が険しくなる。5000メートルを過ぎたところで太田の脚は止まってしまい、前との差はジリジリと広がっていった。井戸は田中瑞穂(マツダ)と競り合いつつ前を追ったが、6000メートルの時点で先頭とは10秒以上の差が開いていた。
先頭争いに絡めず、後方でレースを進めた井戸
レース終盤には東海大の川端千都、關颯人らを中心に先頭集団は大幅にペースアップ。1キロ毎のラップが2分50秒台前半となり、激しいトップ争いが繰り広げられる一方で、依然早大勢の厳しい走りは続いた。「離れてからもワセダのユニホームを着ていたので、それなりのプライドを持ってやりたかった」(太田)。しかしハイペースを刻む先頭の背中は遠かった。最後まで前との距離を詰めることはできず、井戸が辛くも30分を切って1組19着フィニッシュ。太田はレースを立て直すことができず1組22着に終わった。
太田は他大のルーキーたちにも敗れ、悔しさの残るレースとなった
3月に行われたびわ湖毎日マラソンに出走した関係で疲労を抱えていた井戸だったが、今回の結果については「全然駄目だった。正直に歯が立たなかった」と厳しい評価。対する太田も「他大の同学年の人に1周差をつけられたというのは自分の中で屈辱でした」と唇をかんだ。1カ月後には春シーズンのヤマ場である関東学生対校選手権(関カレ)が控えている。対校戦では早大の大きな力となるはずの二人。今回のレースで感じた悔しさをかみ締め、関カレでの雪辱を誓う。
(記事 平野紘揮、写真 曽祢真衣)
結果
▽アシックスチャレンジ 男子1万メートル1組
井戸浩貴(商4=兵庫・竜野) 29分49秒12(19着)
太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体) 30分22秒15(22着)
コメント
井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)
――きょうの目標は
マラソンの疲れがあったので、自己ベストが出れば万々歳という感じだったのですが、29分前半から29分を切るくらいはトラックシーズンに勢いをつけるという意味でも狙っていきたいというレースでした
――3月に行われたびわ湖毎日マラソンの疲労は今もあるのでしょうか
そうですね、本当はもう少し、1カ月くらいは引きずるかなと思ってたんですけど、思ったよりはいかなくて。3月末からポイントには復帰できたのですが、その休んだ分だけまだ走り込みが足りないかなという感じですね。
――きょうの結果自体はどのように受け止めていますか
全然駄目だったかなと。正直に歯が立たなかったというところで、きょねん失敗したのをまた繰り返してしまったなという感じです。
――これから関カレ(関東学生対校選手権)が始まろうとしていますが
おそらくハーフマラソンを走ることになるので、きょねんの結果を超えられるようにということで。ハーフマラソンなのでまたこれまでとは違った練習をしているんですけど、それも自分の調子を合わせながら、マラソンの疲労がどれだけあるのかということを考えて練習をしっかり積んでいきたいと思います。
――関カレでの目標を教えてください
きょねんが2位だったので、それをことしは超えたいなと思っていて。優勝して得点でしっかり貢献できるようにしたいなと思います。
太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)
――きょうはU20世界選手権選考レースでしたがどのような目標、意気込みで望みましたか
世界につながる1つのレースだったので世界を目指してやっていたんですけど、内容も順位も全然駄目でまだまだ実力不足だなというのはすごく感じました。
――レースを振り返っていかがですか
前半は少し余裕があって、いけるかなという感じだったんですけど、途中から脚にきてしまってそこから気持ちも全部駄目になってしまって、これが今の実力だなっていうのをすごく感じて。他大の同学年の人に1周差をつけられたというのは自分の中で屈辱でした。また次に向けて頑張ろうと思います。
――序盤の位置取りはどのようなことを意識しましたか
後ろ過ぎると離れてきた人を抜くのがすごく大変になってしまうので、半分より前という意識だったんですけど、場所としては悪過ぎではなかったんですけどそこで我慢しきれなかったというのがあって。それが後半のタイムが落ちてしまった原因になってしまったかなと思います。
――後半一人でレースを進めていた時はどのようなことを意識して走りましたか
やはり離れてからもワセダのユニホームを着ていたので、それなりのプライドを持ってやりたかったんですけど、そこでもまた離されてしまって反省しなきゃいけないなと思います。
――同組では同じ1年生の關颯人選手(東海大)が優勝ということで、悔しさがありますか
とにかく悔しいというのが一番にあって。また何回か戦うときがあると思うので次は勝てるようにしっかり準備したいと思います。