柄本、藤原らが自己ベスト更新

陸上競技

 本格的に春のトラックシーズンを迎えつつある。シーズン開幕直前のきょう、早稲田大学競技会が開催された。今回は長距離の選手が中心となって出場。あくまで練習の一環としての記録会ではあったが、柄本勲明(スポ4=早稲田佐賀)をはじめとした選手が自己ベストを更新するなど、まずまずの感触をつかむレースとなった。

 今回の競技会では、各選手が1500メートルと3000メートルにそれぞれエントリー。1500メートルではラストに浅川倖生(スポ4=兵庫・西脇工)と谷口耕一郎(スポ3=福岡大大濠)の一騎打ちとなる展開となったが、谷口が逃げ切り1着でゴールした。3000メートルでは、1組目に関東学生対校選手権でハーフマラソン出場を狙っているという柄本らが登場。柄本は箱田幸寛(スポ4=広島・世羅)、西田稜(政経2=東京・早大学院)らとともに終始集団をけん引する。3周目を過ぎたあたりで柄本がペースアップすると、それに対応した西田とともに競り合いながらレースを進めた。自己ベストを更新する8分29秒で走り切り、「良いかたちでトラックシーズンに入れた」(柄本)と話した。

柄本はレース終盤に抜け出した

 3000メートル2組目には藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工)や井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)といった東京箱根間往復大学駅伝の経験者に加え、4月からの新入生、太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)らが出走した。2000メートルでペースメーカーが外れると、残りの1000メートルで藤原が一気にピッチを上げる。ルーキー太田も追いすがったが、藤原は最後まで先頭を譲らず、自己ベストの走りでフィニッシュした。「(このようなレースは)思い描いていた通り」(藤原)。昨季は駅伝での活躍が目立ったが、シーズンイン以降はトラックでもその走力を発揮していくことだろう。

ルーキー太田(右)とともにレースを進めた藤原

 4月以降始まるトラックシーズンだが、徐々に部内の競争も激しさを増している。練習の一環の記録会とはいえ、競り合ったときには互いに前へと出る強い姿勢が見受けられた。選手たちは互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、これからのシーズンに挑んでいく。

(記事 平野紘揮、写真 杉野利恵、本田京太郎)

※学年は新学年のものです。

結果

▽一般男子1500メートル

谷口耕一郎(スポ3=福岡大大濠)  3分58秒75(1着)

浅川倖生(スポ4=兵庫・西脇工)  3分59秒60(2着)


▽一般男子3000メートル

1組目

柄本勲明(スポ4=早稲田佐賀)   8分29秒20(1着)自己新記録

西田稜(政経2=東京・早大学院)  8分29秒66(2着)自己新記録

河合祐哉(スポ3=愛知・時習館)  8分37秒88(3着)

箱田幸寛(スポ4=広島・世羅)    8分50秒14(4着)

川村裕幹(基理4=和歌山・桐蔭)  9分06秒61(5着)

井上翔太(スポ2=愛知・千種)   9分18秒21(6着)



2組目

藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工)  8分18秒73(1着)自己新記録

太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体) 8分19秒30(2着)自己新記録

井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)    8分27秒47(3着)

新迫志希(スポ1=広島・世羅)   8分37秒52(4着)

コメント

柄本勲明(スポ4=早稲田佐賀)

――今回の記録会はどのような意気込みで臨みましたか

今回の3000(メートル)は、1万(メートル)や5000(メートル)などのレースに向けて練習の一環として臨みました。練習はしっかり積めていて、その中で3000(メートル)のレースで8分30秒でいけたのは良かったと思います。

――レースを引っ張っていこうという意識はありましたか

はい。ほんとは1600(メートル)まで箱田(幸寛、スポ4=広島・世羅)と2人で引っ張ろうと考えていたのですが、1200(メートル)あたりから前に出ました。

――今回の結果に対してはどのように受け止められていますか

今回の8分30秒は自己ベストでもあるので、良いかたちでトラックシーズンに入れたのではないかなと思います。毎年僕はトラックシーズンに調子を崩してしまって、大学1年から自己記録を全然更新できていないのですが、ことしは最後の1年ということもあるので、しっかり自己記録を更新して駅伝シーズンに臨めたらと思います。

――春合宿は順調にこなせましたか

ケガなくしっかりこなせました。手応えもあります。

――次のレースの予定は

4月10日に1万メートルのレースを早大記録会でやります。その後、僕は関カレ(関東学生対校選手権)のハーフの種目を狙っているので、その練習に臨むというかたちです。

藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工)

――春合宿の方は順調にこなせましたか

箱根(東京箱根間往復大学駅伝)が終わってから疲労が出てしまって、なかなか走れない状況で合宿に突入したので、Bチームの方でまずは体調を戻すという感じでメニューを組んで下さったので。鴨川での合宿ではまず体調を戻すというかたちの合宿になりましたね。

――合宿以降初レースとなりましたが、意気込みは

きょうは練習の一環ということで、1万メートルで記録を狙っているので、その過程の中での3000(メートル)ということなので2000メートルまでは余裕を持って走り、ラストの1000(メートル)で上げるというプランで臨みました。

――今回の結果に対してはどのように受け止められていますか

2000メートルまで余裕を持って走ることができて、なおかつラスト競り勝つというようなレースは思い描いていた通りなので、今の段階では順調に来ているなというのは感じました。

――タイムとしては

久々の3000(メートル)で自己ベストだったので、着実に地力というか、底力は付いているなと感じました。

――次のレースの予定は

4月10日に早大競技会の1万メートルのレースに出場させていただくので、そこも練習の流れなのですが、関カレの出場標準記録である29分30秒を切るという目標設定でいます。

太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)

――きょうを振り返って

最後、藤原さんに競り負けてはしまったのですがしっかりとラスト1キロでペースを上げられて、良いところと悪いところがはっきりとしたレースだっだと思います。次につながる良いレースだったとも思います。2キロまでいかに余裕を持って走ってラスト1キロで切り替えられるかというのが自分の中での課題です。

――レースプランは

2キロまで余裕を持って走り、ラスト1キロはフリーでペースを上げるというプランを持って臨みました。これから大学でやっていく上でラスト1キロのところでペースをあげられるというのを課題として取り組んでいこうと思います。

――春合宿は順調にこなすことはできましたか

はい。しっかりケガをすることなく走りこむことができました。大学に入って初めての合宿ということで少し緊張はしたんですけど、しっかり練習ができてよかったです。

――高校時よりも練習量に違いはありましたか

高校と比べるとやはり多かったですね。脚とかに結構疲労がきて、筋肉痛とかなったんですけどアイシングとかをする時間が設けられてて、その時にしっかりケアをしてケガ予防ができてましたね。

――早大のユニホームを着て臨む初のレースだったと思います

初めてのレースが3000メートルの記録会ということで、これから勝負をしにいく大会や記録を狙っていく大会に向けてつながるレースができて、初めてにしては上出来だと思います。

――同じ組に同期の新迫志希選手(スポ1=広島・世羅)がいました

新迫は高校の時から自分の中でライバル視している選手です。こうやって大学で一緒の大学に入って一緒に練習して、仲は良いんですが競技の面ではライバルとして見てます。きょうも彼を意識して走ることができました。これからはチームメイトになるんですが、その中で仲の良い1番のライバルとしてこれから頑張っていきたいと思います。

――次レースに向けての意気込みをお願いします

次は4月10日に行われる記録会で1万メートルに出場させていただきます。今シーズン、僕は世界ジュニア(世界ジュニア選手権大会)1万メートルの出場を目指していて、そこでの選考会が24日にあり、そこでしっかりと勝ちにいけるように10日は勝ちにいけるイメージを作って世界ジュニアにつなげたいです。