東京箱根間往復駅伝競走(箱根)から早1カ月。雲一つない晴天の中、神奈川マラソンが開催された。早大からは石田康幸(商2=静岡・浜松日体)が出場。前年に続き2回目ということもあり、海からの強い風が吹き、往復が多い難コースであることは想定内だった。「5位以内を目指していた」(石田)ものの、結果は9位に終わるという悔しいものに。だが、自己記録を更新すると同時に自身の走りに対する課題を見つけ、さらなる成長へのきっかけをつかむレースとなった。
ことしの箱根ではメンバー入りを果たすも、悲願の初出場はかなわなかった。「陸上に対して本気になっていかなければならないと感じた」と、憧れの舞台へ向けての新たな一歩を刻むべく、気持ちを新たに臨んだ今大会。スタート直後から、ことしの箱根2区・区間3位の一色恭志(青学大)を中心とした先頭集団が形成された。石田は序盤からその集団につき、走り出しは好調。青学大の選手が集団を独占する状況だが、中盤では追い上げる様子を見せるなど積極的なレースを見せる。
積極的な走りを見せた石田
しかし、16キロ過ぎに先頭集団から一色らが飛び出し、集団が崩れ始めた。石田は集団からを抜け出した選手に食らいつくことができず、苦しい展開となる。その後も思うような走りができず「離れてからどれだけ粘れるかが課題」と、自身の課題を痛感した。それでも最後まで意地の走りを見せ、自己ベストを30秒近く更新する1時間4分13秒でフィニッシュした。
自己ベストを更新するも悔しさの残る結果に
今回のレース全体を振り返り、「練習時から動きが固いと感じていた」と語った石田。3月に行われる日本学生ハーフマラソン選手権に向けて、練習で自身の目指す柔らかい動きを手に入れていく。ことしの箱根で総合2連覇を達成した青学大の選手が上位を独占した今大会。来シーズンを戦い抜き、勝利を手にする上で勝負をせねばならないカベを改めて実感するレースとなった。箱根総合優勝に向け、自らの力でチームを勢いづけることができるか。自身を冷静に分析する石田の目線は、さらに先を見据えていた。
(記事 榎本透子、写真 吉村早莉、榎本透子)
☆ルーキー永山、自己ベスト更新!
箱根でも好走が光った永山
毎年2月の第1日曜日に行われる香川丸亀国際ハーフマラソン。今回は神奈川マラソンと同日開催となった。ワセダからはルーキー永山博基(スポ1=鹿児島実)が出場し、讃岐地を力走した。序盤からハイスピードの展開となるも、永山はことしの箱根4区・区間4位の意地を見せ、先頭集団に食らいつく。5キロ過ぎから日本記録とほぼ同じペースで走るトップに徐々に離されたが、折り返し地点では先頭集団との差を1分以内に収める我慢の走りをみせる。そのまま自らのペースでレースを進めた永山は、1時間02分55秒と自己ベストを約3分縮めフィニッシュ。1年間の成長を見せ、次へとつながる結果となった。
(記事 中村朋子、写真 吉村早莉)
、
結果
▽神奈川マラソン・ハーフマラソンの部(大学男子)
石田康幸(商2=静岡・浜松日体) 1時間04分13秒(9位)自己新記録
▽香川丸亀国際ハーフマラソン・男子ハーフマラソンの部
永山博基(スポ1=鹿児島実) 1時間02分55秒(33位)自己新記録
コメント
石田康幸(商2=静岡・浜松日体)
――レースを振り返ってみていかがですか
とにかく青学大で東京箱根間往復大学駅伝(箱根)を走ったメンバーにつけるとこまでつこうと考えていました。結構練習を積んだ中で迎えたレースだったので、もう少し頑張れたのかなと思います。現時点ではこんなものかなと。
――レース展開については
16キロ地点までは先頭集団について走ることができていたんですが、向かい風が強くなってきて、青学大の選手が1人集団から飛び出したところで離れていっちゃいました。離れてしまってから、どれだけ粘れるかというのが課題だときょうのレースを通じて感じました。
――天候については
天候は走りやすい天候でしたね。気温とかもちょうど良く、風が強いというのも昨年走っていて知っていたので、想定内でした。
――きょうつかんだ修正点はありますか
練習の中の時から、ずっと調子は良くなくて、動きが固い状態でどこまで行けるのかと思って、きょう臨みました。やっぱり、動きが固い分だけ後半にきつくなって、柔らかい動きが全くできていませんでした。日本学生ハーフマラソン選手権(立川ハーフ)までの1ヶ月は15キロ地点まで柔らかい動きで走れるような練習をしていきたいと思います。
――9位という結果に対してはご自身でどう思われていますか
青学大の選手や他大の強い選手が結構出ていましたが、3位や5位以内を目指してやっていきたかったですね。納得のいく結果ではなかったです。
――ことしの箱根でメンバー入りを果たしましたが、レースを走ることはできませんでした
箱根の1週間に体調を崩してしまったんですけど、それが本番へ向かっていくにあたって自身が本気になれていないからだと気付きました。ことし箱根で外れたことをきっかけに、自分はもっと陸上に対して本気にならないといけないと感じました。
――今シーズンの目標をお願いします
今シーズンは5000メートルや1万メートルのトラック種目から記録を狙っていって、去年は練習は積めていても持ちタイムがなくて駅伝を走れなかったこともあったので、ことしは日本学生対校選手権や関東学生対校選手権から参加標準を切る記録を狙っていきたいですね。
――立川ハーフでの目標をお願いします
次の立川ハーフではチーム全体で記録を狙いにいくと決めているので、しっかり1キロ3分のペースで走れるようにやっていきたいと思います。