トラック優勝を射程に捉え最終日へ

陸上競技

表彰台に登った4継メンバー

 2日目を迎えた日本学生対校選手権(全カレ)。きょうも多くの種目で白熱したレースが繰り広げられた。花形種目の男子100メートル決勝では九鬼巧主将(スポ4=和歌山北)が意地の激走で3位入賞。雨中の中行われた男子4×100メートルリレー(4継)では中大にわずかの差で敗れるも2位と健闘した。2日目終了時点で男子対校トラック得点は37点と独走状態。目標とするトラック優勝だけでなく、トップ順大に17点差と迫り総合優勝も視界に入ってきた。トラックの点数だけは厳しい戦いになることは予想されるが、奇跡の大逆転へ――。あす以降も負けられない戦いは続く。

(記事 石丸諒、写真 副島美沙子)

★主将が意地の走りで3位

100分の1秒差の大接戦の中、3位に入った九鬼主将

 男子100メートル決勝の舞台には、九鬼主将ら3選手が出場した。スタートから慶大の山縣亮太が一歩出る展開に。九鬼が追い上げを見せるも、やや力みが感じられる。山縣との差を詰めることはできず、九鬼は3位でフィニッシュ。ゴール手前から混戦となり、2位から4位までが僅か0.02秒の中にひしめく結果となった。関東学生対校選手権(関カレ)では4位に終わり、あと一歩のところで表彰台を逃した九鬼。今回はリベンジが果たせたに違いない。一方の竹下裕希(スポ4=福岡大大濠)は6位。予選で自己新記録を出し、好調さが伺えた須田隼人(スポ2=神奈川・市橘)は7位に終わった。トラック優勝を掲げる競走部にとって、主将である九鬼が表彰台に立つことができたのは好材料と言えるだろう。チームの士気が高まった今、目指す頂は一つしかない。

(記事 佐藤亜利紗、写真 副島美沙子)

★4継、惜しくも優勝ならず

2番目にゴールラインを駆け抜けたアンカー三原

 無情にも冷たい雨が選手たちに降り注いだ。悲願の優勝ならず――。準決勝では早大記録にあと一歩まで迫る走りを見せた早大。メンバー変更はなく盤石の布陣、リベンジの舞台は整っていた。静寂に包まれる中、開始を告げる空砲が鳴る。1走・竹下がスタートダッシュを決めると、さらに後半で加速し主将・九鬼に優勝への思いをつなぐ。主将としてチームとして負けられない一戦。気持ちが前面に現れる。序盤からスピードに乗るとトップ争いに加わりデットヒートに。続く橋元晃志(スポ2=鹿児島・川薩清修館)が200メートル予選で好タイムを出した勢いそのままに先頭に立つ。最後まで他の追随を許すことなくアンカー三原浩幸(スポ4=千葉東)へ勝負の行方が託された。しかし後方から中大が迫り来る。逃げ切りたい三原だったが粘り切れず、トップでゴールラインを踏むことはかなわなかった。無念の2位。優勝を狙っていただけに今回の結果は決して満足できるものではない。また、目標としていた学生新記録を塗り替えることもできなかった。だが、エンジの戦いはまだ終わってはいない。最後のタイトルとなる日本選手権リレーで必ずや借りを返してくれることだろう。

(記事 三上雄大、写真 八木瑛莉佳)

★ワセジョは無念の敗退

予選敗退が決まり天を仰いだ羽角

 関カレ覇者として全国の舞台に挑んだ羽角彩恵(スポ4=北海道・札幌一)の動きは明らかに精彩を欠いていた。初陣の110メートル障害予選では、有力選手の集まる組の中で3着に終わり、予選突破はならず。わずか0.01秒差という悔しさが残る敗退となった。この結果がさらに羽角の歯車を狂わせる。続く400メートル障害予選でも序盤からスピードに乗ることができず、見せ場を作れないままゴール。組で4着に終わり、早々と羽角の挑戦は終わりを告げた。
4年間の集大成となる全カレで女子走高跳決勝に挑んだ土川萌子(スポ4=栃木・那須拓陽)。1メートル70を二回失敗した後、次の跳躍でも無情にもバーがマットの上へ落ちる。結果は1メートル65で11位。追い続けた高校時代の自己記録を超えることはついにかなわず、最後の大舞台から退いた。
 エンジのユニフォームを着て戦う最後の日。敗れた4年生にとっては、悔しさがこみ上げる結果となってしまったかもしれない。しかし、数少ない女子選手の奮闘も部にとっては欠かすことはできない大事なピース。共にエンジを背負って戦った二人の存在は、チーム一丸となってトラック優勝を目指す早大に必ずや力を与えてくれたはずだ。

(記事 中澤佑輔、写真 杉田陵也)

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結果

2日目

▽男子100メートル決勝

九鬼巧  10秒38(3位)

竹下裕希 10秒50(6位)

須田隼人 10秒53(7位)

▽男子200メートル予選

三原浩幸 21秒25(-1.0)(4組2着)

竹下裕希 21秒14(-0.2)(5組2着)

橋元晃志 20秒86(-0.1)(6組1着)

▽男子800メートル

予選

伊澤賢人(スポ3=栃木)   1分50秒78(2組4着)自己新記録

出口翔(スポ3=東京・開成) 1分52秒34(3組4着)

田中言(スポ3=東京・早実) 1分51秒51(4組1着)

準決勝

田中言  1分55秒44(1組6着)

伊澤賢人 1分56秒13(2組5着)

▽男子5000メートル決勝

荒天により3日目に延期

▽男子110メートル障害予選

野本周成(スポ1=愛媛・八幡浜) 14秒37(+1.1)(1組4着)

▽男子400メートル予選

中野直哉(スポ2=長野吉田)   50秒98(1組3着)

永野佑一(スポ4=福岡・育徳館) 51秒88(3組2着)

▽男子4×100メートルリレー決勝

早大(竹下ー九鬼ー橋元ー三原) 39秒10(2位)

▽男子4×400メートルリレー予選

早大(愛敬ー木村ー中野ー加藤) 3分5秒83(2組1着)

▽女子100メートル障害予選

羽角彩恵 14秒17(-1.4)(4組3着)

▽女子400メートル障害予選

羽角彩恵 61秒39(2組4着)

▽女子走高跳決勝

土川萌子 1メートル65(11位)

▽女子三段跳決勝

中澤希緒(政経2=埼玉・早大本庄) 11メートル77(20位)

▽男子対校トラック得点(6日終了時点)

1位 早大  37点

2位 中京大 20点

3位 城西大 16点

▽男子対校得点(6日終了時点)

1位 順大  54点

2位 筑波大 41点

3位 早大  37点