ことしで2回目を迎えるセイコーゴールデングランプリ川崎。国際陸上競技連盟主催のワールドチャレンジ・ミーティングス第3戦に指定されているこの大会には、国内外から一流選手が参加する。早大からは先日ロンドン五輪参加A標準記録を突破し勢いに乗るディーン元気(スポ3=兵庫・市尼崎)ら4人が出場。ディーンは1投目から80メートルを超える大投てきを見せると、力のある選手たちをおさえて見事優勝した。
ビッグスローに両手を突き上げ喜んだディーン
またしても1投目だった。ディーンが大きく振りかぶって放ったやりはぐんぐん伸びていく。電光掲示板に表示された記録は81メートル43。スタンドが一気に沸いた。ディーンは振り返ると力強くガッツポーズ。満足げな表情を見せた。その後も2投目に79メートル03、3投目に79メートル98と80メートル近いビッグスローを連発。先月29日に行われた織田幹雄記念国際大会で優勝したスチュアート・ファーカー(ニュージーランド)ら85メートル以上の自己記録を持つ選手たちも80メートルラインを越すことができないまま試技は進み、暫定2位の村上幸史(スズキ浜松AC)の最終投てき。80メートル26の記録が表示された瞬間、ディーンの優勝が確定した。迎えた6投目でも79メートル99と、ディーンは終始安定した投てきを披露。1週間後に迫った関東学生対校選手権(関カレ)や6月に行われる日本選手権に向け、不安要素は全く見られなかった。
男子100メートルには九鬼巧(スポ2=和歌山北)が登場。追い風2、9メートルで参考記録とはなったものの、10秒37と上々のタイムで8位となった。自己ベスト9秒台の外国人選手と競り合う貴重な機会となった今レースは、関カレに向け良い刺激となったことだろう。また、4×400メートルリレーにはルーキーの佐藤拓也(スポ1=埼玉・越谷西)、木村賢太(スポ1=大分・杵築)が出走。佐藤拓がスターターを、木村が2走を務め、静岡国際大会に引き続き大きな大会での経験を積んだ。
追い風参考記録ながら好タイムでゴールした九鬼
ディーンを筆頭に好調を維持しているワセダ勢。大記録を生むだけでなく、安定して結果を残せている点が非常に頼もしい。今後はこの上昇気流をどこまで保てるかがカギとなる。まずは昨年男子1部総合優勝を果たしている関カレで、その力を見せつけてほしい。
(記事、写真 菅原理紗子)
結果
▽男子やり投
ディーン元気 81メートル43(1位)
▽男子100メートル
九鬼巧 10秒37(8位)
▽男子4×400メートルリレー
日本ジュニア(1走:佐藤拓、2走:木村) 3分09秒77(4位)