男子やり投予選で82メートル07をマークし、初出場で見事決勝進出を決めたディーン元気(スポ3=兵庫・市尼崎)。1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックで決勝に進んだ吉田雅美以来、実に28年ぶりの快挙となる予選突破を果たした。しかし、新日本王者が目標として掲げてきたのはあくまで決勝で戦うこと。大会第16日目、日本中の期待を背負って、ディーンがついに五輪決勝の夢舞台に立った。
第一投てき者として迎えた1投目。ディーンの放ったやりは右にそれて70メートルラインの手前に突き刺さった。記録はファウル。失敗投てきとなったが、3連覇を目指すアンドレアス・トルキルドセン(ノルウェー)もファウルとなるなど多くの選手が実力を発揮できずに1投目を終えた。少し声を発しながら投げた2投目は79メートル95。トップ8進出に向け80メートルを超えておきたいところだったが、80メートルラインにはわずかに届かなかった。3投目はまたしてもファウルとなり、ディーンはこの時点で8位。4投目以降に進めるかどうかは他選手の結果に託された。その後、スチュアート・ファーカー(ニュージーランド)が80メートル22を投げ8位に浮上。ディーンは惜しくもトップ8進出を逃し、10位となった。
決勝では思うような投てきができず、あと一歩のところで入賞はならなかった。試技後は自身について「まだまだ弱い」とコメントしたものの、晴れやかな表情でインタビューに応じたディーン。オリンピックの大舞台を楽しんだ20歳にやり残したことはなかったようだ。今大会の経験を生かし、今後さらなる活躍を見せてほしい。
(記事 菅原理紗子)
結果
男子やり投決勝
ディーン元気
1投目 ファウル
2投目 79メートル95
3投目 ファウル
最終成績:79メートル95(10位)