箱根の悔しさぶつけ、出場者全員自己ベスト!

陸上競技

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)から1カ月。新チーム始動後、初レースとなる神奈川マラソンに6人の選手が出場した。高田康暉(スポ1=鹿児島実)、臼田稔宏(基理2=長野・佐久長聖)が2、3位と表彰台に上る好走。また、出場者全員が自己記録を更新するという、ワセダにとって幸先の良いスタートとなった。

 スローペースで幕を開けた今大会。レース終盤まで先頭集団がばらけることなく安定したペースを刻み続ける。エントリーされながらも箱根出走を逃し、悔しい思いをした高田、臼田は先頭集団前方でレースを進めた。「今は1試合1試合を大事にして戦っていけている」、「その悔しさをバネにしてこの1ヶ月練習してきた」と語った両選手。しかし優勝した中川(東海大)の仕掛けにはついていくことが出来ず、2人で競り合う形になる。ラストで高田が臼田を振り切り、高田が2位、臼田が3位でフィニッシュ。試合後、満足はしていないものの確かな手ごたえを掴んだ様子を見せただけに、今後より一層の期待がされる。一方、2人に先着を許し、4位に甘んじた田口大貴(スポ2=秋田)は「仕掛けただけで終わってしまった」と語り次のレースを見据えている。箱根、都道府県駅伝と立て続けのレースに疲労が溜まっている様子も伺えた。次のレースまでに練習を積み、さらなる飛躍を期待したい。

高田と臼田は始終先頭でレースを進めた

 同日行われた香川丸亀国際ハーフマラソンには山本修平(スポ2=愛知・時習館)、志方文典(スポ3=兵庫・西脇工)が出場した。昨年に引き続いて出場した山本は自己記録を更新する62分14秒をマーク。また、調子が上がってきている志方も63分21秒とまずまずのタイムで走り終えた。

ラストスパートをしかける田口

 層の薄さを露呈したことしの箱根。この2つのレースは来季巻き返しを図る好材料と言えるだろう。1カ月後に控える日本学生ハーフマラソン選手権はユニバーシアード選考会も兼ねており、レベルの高いレース展開が予想される。その中でいかに粘り、自分の走りが出来るかに注目だ。

(記事 目良夕貴、写真 中澤佑輔、目黒広菜)

◆結果

第35回神奈川マラソン

ハーフマラソンの部(大学男子)

高田康暉(スポ1=鹿児島実)   1時間03分57秒(2位) 自己新記録

臼田稔宏(基理2=長野・佐久長聖 1時間04分00秒(3位) 自己新記録

田口大貴(スポ2=秋田)     1時間04分05秒(4位) 自己新記録

相原将仁(教3=東京・早実)   1時間04分39秒(11位)自己新記録

高橋広夢(スポ2=東京・東大付) 1時間06分10秒(33位)自己新記録

藤岡孝彰(商1=東京・早実)   1時間06分18秒(37位)自己新記録

第67回香川丸亀国際ハーフマラソン

ハーフマラソンの部(男子)

山本修平(スポ2=愛知・時習館) 1時間2分14秒(11位) 自己新記録

志方文典(スポ3=兵庫・西脇工) 1時間3分21秒(37位)

◆コメント

相原将仁(教3=東京・早実)

――今日のレースを振り返って率直な感想をお願いします

箱根が終わってから調子を落としていて、渡辺監督にも「ダメもとで走ってこい」と言われていました。とりあえずベストが出て良かったです。

――レースの内容はいかがでしたか

途中引っ張る場面があるなど、積極的に前に出られた部分は良かったです。

――調子はどのくらい悪かったのですか

練習は最近1回もしっかりできていませんでした。

――自己ベストですがタイムはどう捉えていますか

悪くはありませんね。調子が悪かった中でも走れて次につながる記録になりました。

――部内4位という順位はどう捉えられていますか

あまり意識はしていません。後輩達がベスト出たので良かったです。

――次の大会の予定を教えてください

次は日本学生ハーフマラソン選手権があります。今日よりはタイムが出るかなと思っています。

臼田稔宏(基理2=長野・佐久長聖)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

大学に入ってから一度も自己ベストを更新できていなかったので、ベストを更新できてよかったと思います。

――先頭で集団を引っ張る場面も見られましたが

スローペースだったので、(引っ張るのは)当然のことかなと思います。

――全体的にどのようなレース展開でしたか

最初からスローペースで、ずっと同じようなペースでいって、最後は粘りの勝負だったのかなという感じです。ゆっくりとしたペースで、安定したレースでした。

――箱根駅伝は出場することができませんでしたが

明らかにあのときは力不足だったので、その悔しさをバネにしてこの1ヶ月練習してきました。その成果が少しずつ出始めているのかなと思います。

――山を走る準備はされていましたか

ことしの箱根の時点では走れるような実力ではなかったので、試走などはしていましたが、完全な準備はしていませんでした。

――箱根が終わってからはどのように過ごされていましたか

自分が情けなかったので帰省せずに埼玉でずっと練習して、このレースに向けて準備していました。

――次はどのレースに出場される予定ですか

日本学生ハーフマラソン選手権(立川ハーフ)に出場すると思います。

――立川ハーフでの目標は

まずは63分前半というタイムを目標にしていきたいと思います。

田口大貴(スポ2=秋田)

――今日のレース展開を振り返っていかがですか

とりあえず15キロくらいまでは様子を見て、15キロで自分が仕掛けるということを考えていました。

――思い描いていたレース展開になりましたか

そうですね。今日のレース展開は僕の思い描いていたとおりのレースができたと思います。
レースは後半になって動いてくると思っていたのですが、まずは自分から仕掛けたいと思っていて、それまではそのレースの流れに合わせて走るということを意識してやっていました。

――自己新でした

試合が続いている中でベストで走れたということに関してはよかったかなと思っています。

――収穫はありましたか

レースが立て続けになっているなかでも毎試合、合わすことができているようになってきているということを実感できたことです。

――課題は何かありましたか

仕掛ただけで終わってしまっているので、仕掛けたらそこで勝負を決められるくらいの力をつけるにはまだまだ練習しなくちゃいけないなとわかったことです。

――今後の予定は

1カ月後の立川ハーフになります。今は立川に向けて立て続けにレース出ているのでその疲労を抜きつつ、それが出来たら立川の練習に移る感じです。

――立川での目標を教えてください

ことしの立川はレベルが高いので、その高いレベルのレースでも自分の力を出し切ることです。それと、タイムで言えば、3分台の中でも、2分台にどれだけ近づけるかを僕自身考えてやりたいと思っています。

高田康暉(スポ1=鹿児島実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは調整もそんなにしていなかったのですが、去年は(試合を)まとめてこられなかったので、自分の中で積極的に走る中でしっかりとまとめるということを考えていました。

――自己ベストで学内トップ、全体2位という結果でした

箱根前から最近ずっと調子が良くて、きょうも勝てたら良いなと思っていたので勝てなくて悔しいのです。ただ試合で走れないというのを克服できたので、そこまでタイムも結果も良くはありませんが、自分としては凄く良いきっかけになりました。次の試合もあるのでそこでもっと上を狙っていけるかなと思っています。

――レース展開としては先頭を引っ張る形でしたが

そうですね。15キロくらいから余裕があれば出ようかなと思っていたのですが、あまりペースも早くなかったので10キロから前に出ました。そうしたら意外と向かい風で16キロくらいまでしか引っ張れなかったのですが、そこできつくなった割には粘れたので、良いレースができたなと思います。

――箱根駅伝の時はどのような思いでしたか

自分自身で練習は凄くできていると思っていたのですが、大事な大会で結果を出せなくて走ることができませんでした。1つ1つの試合に対して、これくらいできていたら走れるだろうというような気持ちでいて大事にしていなかった部分がありました。今は1試合1試合を大事にして戦っていけています。箱根に関しては応援するのも正直悔しかったのですが、自分は箱根が全てではないので、ことしのトラックシーズンから全開でしっかりといけたらいいと思います。

――次のレースの予定は

福岡クロスカントリーにもしかしたら出るかもしれません。立川ハーフにも出るので、ライバルたちもいますが、そこでもしっかりと上で走りたいと思います。

――この1年どのような年にしていきたいですか

ことしはしっかりと結果にこだわりたいと思っています。ワセダでは今大迫さんと山本さんしか存在感がないので、しっかり自分の存在感を出していきたいなと思います。

藤岡孝彰(商1=東京・早実)

――初めてのハーフを走ってみていかがでしたか

初めてで緊張はしたが、走ってみたらそんなに長く感じず楽しんで走れました。

――結果については満足していますか

結果に満足はしていませんが、感覚は良かったので、一ヶ月後にまたハーフを走る予定なのでそちらに向けていいステップになりました。

――レースはどのような展開でしたか

コーチに先のことは考えずに行けるところまでついて行けと言われていました。目標としていた10キロまで先頭についていけたのでいい収穫になりました。

――次のレースの目標を教えてください

きょうより1分以上は速く走って、箱根駅伝に向けてチームの上位10位以内に入りたいと思います。