納得のいく走りできず

陸上競技

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)から1カ月がたち、新チーム発足後初のレースとなった神奈川マラソン。箱根を走ることはかなわなかった臼田稔宏(基理3=長野・佐久長聖)と三井泰樹(人2=山形東)が出場した。前半はともに1位グループに食らいつくも、徐々にその差が広がっていく。入賞には及ばず、悔しさの残る結果となった。

 レース序盤は渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=千葉・市船橋)から事前にあった指示通りに先頭集団を形成し、好調な走り出しを見せた臼田稔。しかし中盤、集団がペースを上げるがうまく対応しきれない。「落ち着いて対応すればもう一回追いつくことができると思ったが、自分のペースが落ちてしまった」と語るように12キロ過ぎから遅れを取った。その後は一人で淡々と前を追いかけるも、なかなか距離が縮まらない。トップから遅れること約2分、1時間4分53秒の13位でフィニッシュ。前年の神奈川マラソンでは自己ベストを更新し3位入賞を果たしたが、二年連続での入賞を逃してしまった。「練習内容を考えると、先頭のタイム(1時間3分1秒)ほどの記録を出してもおかしくはなかった」と納得のいかない表情で冷静にレースを分析した。

ゴール直後に悔しい表情を浮かべる臼田稔

 臼田稔と同じく前半は先頭集団を形成していた三井だったが、10キロ付近から離れ始めた。12月中旬から終わりにかけてケガをしていたこともあり「冬場の練習で予定通りにこなせなかった」と語ったが、いまできる最大限の調整を行い今大会に照準を合わせてきた。首位との差を詰めようと懸命に足を進めるも体が思うように動かなくなってしまう。見る見るうちに集団の姿は遠くなり、1時間6分25秒でゴール。46位という結果に対し「取り組みが甘かった」と無念さをにじませた。

序盤は先頭集団を形成した三井

 今回のレース、臼田稔、三井の両者は自身の走りに満足していない。箱根に出場することはできなかった2人共、「駅伝では通用しない」(臼田稔)、「箱根を自分での最大の目標にしている」(三井)と箱根を意識した言葉を残した。チーム一丸となって箱根総合優勝という悲願を達成するために、まずは今季のロードレースを納得いくかたちで終えたい。

(記事 八木瑛莉佳、写真 井上義之、副島美沙子)

★平が自己ベストを更新

調子が良かった平は積極的な走りを見せた

 同日開催された、香川丸亀国際ハーフマラソンには、平和真(スポ1=愛知・豊川工)が出場した。好記録を狙える大会とあり、先頭集団は序盤からハイペースを刻んでいく。「皆に火をつけるような走りを」と意気込みを見せた平も、入賞圏内を狙える位置でレースを進めていった。しかし、残り3キロで失速。自己ベストを1分短縮する1時間3分12秒で走り終えたものの、調子が良かっただけに「納得はいっていない」と悔しさをにじませた。

(記事 目良夕貴、写真 松田萌花)

結果

第36回神奈川マラソン

▽ハーフマラソンの部(大学男子)

臼田稔宏 1時間04分53秒(13位)
三井泰樹 1時間06分25秒(46位)

 

第68回香川丸亀国際ハーフマラソン

▽ハーフマラソンの部(男子)

平和真 1時間03分12秒(29位)自己新記録

コメント

臼田稔宏(基理3=長野・佐久長聖)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

先頭集団が良いペースで進めてくれて、前半は自分でも納得のいく走りができました。しかし後半は力のなさが出てしまい遅れてしまったので、全体的にはあまり内容の良いレースではなかったと思います。

――どのようなレースプランを事前に想定されていましたか

監督からは、前半から先頭集団で積極的に行けというふうに言われていたので、最後まで先頭集団に食らいついていこうと思っていました。

――先頭集団のペースはいかがでしたか

10キロまでは余裕があると思っていたのですが、10キロを過ぎて12、3キロのあたりでペースがちょっと上がったときに、反応することができませんでした。

――先頭集団に離されてからは、どのようにレースを進めようと思っていましたか

ペースがあがったときに、落ち着いて対応すればもう一回つくことができると思ったのですが、そこで自分のペースが落ちてしまいました。後半は一人になってしまったので、とにかく追っていくしかなかったのですが、もがいても進んでいかないような感じでした。そこがまだまだ甘いので、駅伝などではそれでは通用しないと思いました。

――今回の順位を受けていかがですか

先頭のタイムがわりと良かったので、優勝争いは難しかったかもしれませんが、いままでの練習の内容を考えれば、それぐらいのタイム(1時間3分1秒)が出てもおかしくはなかったと思うので、きょうのタイムと順位には納得していないです。

――次回出場される予定の試合について教えてください

次は青梅マラソンがあって、そのあと日本学生ハーフマラソン選手権(立川マラソン)があるので、両方に出るか立川にだけ出るかはまだわからないのですが、どちらにしても長い距離のレースなので、今回の反省を生かせるようなレースをしたいです。練習は立川マラソンに照準を合わせる形でしています。

三井泰樹(人2=山形東)

——きょうのレースを振り返っていかがでしたか

駄目でしたね。

——どのようなレースプランを立てていましたか

先頭集団にずっとついていって、できれば最後に勝負できるぐらいの位置まで居たかったですけど、全然力が足りなくて駄目でした。

——先頭集団のペースは速かったですか

1キロ3分ちょっと切るくらいだったので、そんなに速いわけではなかったです。でも10キロ手前くらいから全然つけなくなってしまいました。そこはペースが速いというよりは、自分の力が足りなかったと思います。

——先頭集団に付いていけなくなった原因としては、どのように考えていますか

体全体がもう動かなくなってしまいました。練習量が冬場少なかったというのもあると思います。

——12月の練習はいかがでしたか

12月は、一回取材していただいたじゃないですか。あの時にもうケガをしていて。それから12月の末ぐらいまでずっとケガをしていて、そこから練習を始めました。

——今回、万全とは言えないコンディションだったということですか

でも、それなりに、いまできる最大限で調子を合わせてきたつもりでした。

——見つかった課題はありますか

他大学の、自分の全然知らない選手が前に居ましたから…。取り組みが甘かったなと思います。

——次は何に出場されますか

次は多分、30キロの青梅マラソンに出ます。

——1年の意気込みをお願いします

ことしは箱根を自分の最大の目標にして、絶対10人に入って走るという気持ちで挑みたいと思います。

平和真(スポ1=愛知・豊川工)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

記録が出る有名な大会なので、思いきって狙っていこうと思っていました。しかし、上尾と一緒で後半ペースが落ちたという感じですかね。

――4キロ過ぎからいた集団から落ちたということですか

そうですね。その集団からはラスト3キロくらいで離れました。集団からさらにどんどん上がってゴールするんですけど、少し離れたら置いていかれてしまうので。そこからずるずる下がってしまいました。

――ペースはいかがでしたか

予想通りくらいでした。もう少し速いと思っていたので、それなりにゆとりを持って走っていけました。集団としては終盤、少しけん制があったのでそこでペースが稼げなかったかなと思います。

――先ほど後半ペースが落ちてしまったと言っていましたが、それでも自己ベストを更新しました

箱根の走りと、最近の調子を踏まえて、2分台はいけると自分では思っていたので、かなり納得はいっていないです。

――目標は2分台ですか

はい。あわよくば2分30秒くらいまではいきたかったです。

――いまの調子はいかがですか

いまはかなり良いです。

――箱根が終わってから1カ月がたちます。どのように過ごされてきましたか

家に1週間ほど帰りました。その時はあまり走らなかったので疲れは一気に抜けたのですが、疲れが抜けきれていなかった部分もあって、練習していくうちに若干脚が痛くなってしまって、大事な練習を1つ飛ばしてしまいました。それが距離走だったので少し走り込み不足というか、そういうのが若干出てしまったのかなと思います。

――エントリーの時点では平選手だではなく、高田選手、武田選手もエントリーされていました。そのなかで平選手だけ出場した理由というのはなんですか

二人は調子がいまいちだったのでやめるというかたちになりました。僕は調子良かったですし、一人でも行ってこいと言っていただいたので出場を決めました。みんなが出ない試合ですし、ここで一回良い所というか、皆に火をつけるような走りをしたかったんですけど、うまくいかなくて悔しいですね。

――今後の試合を教えてください

きょうそんなにうまくいかなかったので、これから監督、コーチと相談です。僕の理想としてはクロカンに出て、トラックシーズンに早く入りたいという気持ちがあります。

――最後に今後に向けて一言お願いします

上尾と丸亀で若干ハーフに弱いっていう印象を自分でもつけてしまいましたし、周りからもついてしまったと思います。このままだと箱根で1、2、3区という大事な区間を任せてもらえないと思うので、来季が勝負かなと思っています。夏ですね。夏頑張ります。たくさん走ります。