出口、悔しい自己新

陸上競技

 今季、急成長している中距離ブロック。その中から5人の選手が日本体育大学競技会の800メートルに出場した。うち2人が自己ベストを更新。その調子の良さをアピールした。

後続を引き離す出口

 1組目に登場したのは出口翔(スポ2=東京・開成)と伊澤賢人(スポ2=栃木)。狙うは日本選手権のA標準記録、1分50分00だ。たった3人でスタートしたレースを最初に引っ張ったのは、平成国際大のマロンアジィズ航太。400メートルを54秒で通過すると、500メートルを過ぎたところで出口が前に出た。そのまま加速し、追随を許さず1着でゴール。一方の伊澤は出口のロングスパートに反応したが、ついていくことができず最後はマロンにも振り切られた。

 ゴールした出口が険しい表情で見ていたのはタイマー。表示された記録は1分50秒15とあと一歩目標には届かなかった。レース後、自己ベストを更新しながらも悔しさをにじませた出口だったが、今季何度も自己ベストを更新していることに関しては「120パーセントの出来」と評価。今シーズンがいかに充実しているかを感じさせた。4組目では田波康太(スポ2=埼玉・早大本庄)が9月に行われた日体大長距離競技会に引き続き、自己ベストを更新。着実に力を付けている姿を見せた。

出口はゴールしてすぐにタイムを確認した

 今季の中距離ブロックはまさに「切磋琢磨(せっさたくま)」という言葉がふさわしい。特に2年生の実力は拮抗(きっこう)しており、ことしに入ってから自己ベストを幾度となく更新している選手も多い。1分50秒のカベを突破しているのは吉田貴洋(スポ2=和歌山・田辺)ただ一人だが、今回出口があと一歩のところまで迫った。今後、そのカベを破る者はさらに増えるだろう。「中距離と言えばワセダ」と言われる日を目指して、中距離ブロックの躍進は続く——。

(記事、写真 川嶋悠里)

結果

▽男子800メートル
出口翔 1分50秒15(1組1着)自己新記録
伊澤賢人 1分51秒63(1組3着)
永井大己(スポ1=神奈川・横須賀) 1分56秒00(4組4着)
田波康太 1分56秒98(4組5着)自己新記録
廣出和樹(教1=愛知・豊丘) 1分57秒95(7組1着)

▽男子ハンマー投
中川雄太(スポ1=近畿大付和歌山) 54メートル19(2等)

▽女子400メートル
杉田望美(スポ1=・栃木女) 62秒11(3組5着)

▽女子100メートル障害
佐藤あゆ子(スポ1=東京・早実) 15秒86(2組5着)

▽女子三段跳
中澤希緒(政経1=埼玉・早大本庄) 11メートル41(2等)

コメント

出口翔(スポ2=東京・開成)

——自己新でしたが、終わったあとに悔しそうにしていたのが印象的でした

日本選手権(A標準記録)の1分50秒00を目標にやっていたので、0.1秒足りなくて悔しかったです。

——きょうは3人でのレースでしたが、走りづらさなどはありましたか

マロンさん(アジィズ航太、平成国際大)が前に出てくれていたので、だいぶ走りやすかったです。ラストは1人で出ようと思っていたので、レースプラン通り走ることができました。

——先月の早大対関学大学対校大会では1500メートルの自己ベストを更新されて、今回は800メートルの自己ベスト更新となりましたが、今季の手応えは

120パーセントの出来というか、思った以上のタイムが出ているかなと思います。

——先月の日体大長距離競技会で吉田貴洋選手が1分49秒09という記録を出したことで、チームに影響はありましたか

中距離ブロック的にも吉田がタイムを出したということで、皆盛り上がっていますし、ライバル意識も強くあるので、吉田に負けずに自分も頑張るぞという感じでやっています。

——今季の残りのレースは

あと僕は2レース残っていて、来週の川崎(かわさき陸上競技フェスティバル)と再来週の日体大の長距離記録会で1500メートルに出ます。

——では今季も残りわずかですが、目標などがあったら教えてください

できれば、きょう800メートルで1分50秒を切って、1500メートルに専念しようと思ったのですがかなわなかったので、川崎は800メートルで記録を狙っていきたいです。その次の日体で1500メートルの関カレ(関東学生対校選手権)A標準を狙って頑張っていこうと思います。