全日本コメント集

駅伝

 大学三大駅伝の開幕を告げた出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)から約一ヶ月、早くも二度目の戦いの舞台がやってきた。全日本大学駅伝対校選手権(全日本)が愛知県の熱田神宮から三重県の伊勢神宮までをつなぐ、全8区間を結ぶコースで行われた。総合三位以内を目標に伊勢路に挑んだ早大。1区、2区では先頭争いにも絡むなど前半は上位でレースを進めていった。しかし4区で大きく順位を落してしまうと、その後は8位以内に与えられるシード権争いへと巻き込まれる展開に。終盤までシード圏内でレースを進めたものの、最終8区でシード圏外の9位へと転落してしまう。そのままフィニッシュ地点までシード圏内に戻ることはかなわず、10位でフィニッシュ。15位だった2018年以来5年ぶりに全日本のシード権を失うこととなった。

レース記事はこちらから

序盤は好走も、まさかの10位に終わる (11/05)

第55回全日本大学駅伝対校選手権
区間 距離 名前 記録 区間順位
1区 9・5キロ 間瀬田純平 27分20秒 2位
2区 11・1キロ 山口智規 31分20秒 4位
3区 11・9キロ 石塚陽士 34分20秒 7位
4区 11・8キロ 工藤慎作 35分36秒 13位
5区 12・4キロ 菖蒲敦司 37分49秒 12位
6区 12・8キロ 菅野雄太 38分53秒 11位
7区 17・6キロ 伊藤大志 52分37秒 6位
8区 19・7キロ 伊福陽太 64分41秒 19位
早大 5時間22分36秒 10位
コメント

1区 間瀬田純平(スポ2=佐賀・鳥栖工)

スタート前の間瀬田

――スタート前のコンディションはいかがでしたか

 コンディションは良い感じでした。

――監督から指示を受けていたことはありましたか

 集団でリズムよく走って、ラストの橋のところがポイントになるので余裕をもっていこうという指示を受けていました。

――今日のレースプランはどのように考えていましたか

 とりあえず集団で余裕を持って走り、ラストで切りかえることを考えていました。

――最初の1キロは2分45秒とハイペースのスタートでしたが難しさはありましたか

  集団の前の方でリズムよく走っていたので難しさはなかったです。

――4キロ過ぎに青学大の若林選手が飛び出しましたが、先頭を意識することはありましたか

 ラストで落ちてくるだろうなとは思っていたので慌てずに前を追って行こうと考えていました。

――ラスト1キロで駒大の赤津選手との先頭争いとなりましたが、振り返っていかがですか

 自分が先に仕掛けた分勝たないといけないと思っていたのでまだ詰めが甘いと思います。

――最後に、今後の意気込みをお願いします

 駅伝での良いイメージは持てたので箱根では更にレベルアップした姿をお見せできるように頑張ります。

2区 山口智規(スポ2=福島・学法石川)

力走する山口

――今日の調子はいかがですか

 アクシデントなく準備できたので自信を持ってレースに挑めました。

――2区を言い渡されたのはいつでしょうか

 4日前くらいです。

――今日のレースプランを教えてください

 とにかく前半突っ込んで後半は粘ろうと思っていました。

――2位でタスキを受け取った率直な感想をお願いします

 佐藤君(圭汰、駒大)と一緒のスタートだったので嬉しかったです。

――前半佐藤圭汰選手に着いていくハイペースな入りでしたが、そこはいかがですか

 ペースに対しての余裕度はありましたし、区間賞を狙っていこうと思っていたので勝負していこうと思っていました。

――中盤から後半にかけて少しきつかったのでしょうか

 ハイペースで入った分足は重くなりました。

――2位集団に吸収された時何を考えて走っていましたか

 残り2キロだったので、1キロ我慢してラスト1キロで勝ち切ろうと思っていました。

――区間順位、タイムについてどのようにお考えですか

 区間順位、タイムどちらをとっても悔しい走りになりました。

――今回の走りを今後どのように活かしていきたいですか

 出雲の時から僕がエースになってチームを引っ張っていきたいと思いましたが、今回はうまく行きませんでした。箱根に向けてはチームにも気合を入れて頑張りたいです。

3区 石塚陽士(教3=東京・早実)

力走する石塚

――今日の調子はいかがですか

 出雲の時よりは調子は上がっていましたが、標準の調子を0、出雲の調子をー10とすると、依然としてー2くらいの調子でした。

――花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)からはどのような指示がありましたか

 「前半2区間の流れに乗りつつ、少なくともシード権はきっちり確保できるような走りをしてほしい」と、直前に指示を受けたと思います。

――どのようなレースプランを考えていましたか

 間瀬田(純平、スポ2=佐賀・鳥栖工)と山口(智規、スポ2=福島・学法石川)は調子が良く、いい位置でつないできてくれる可能性が高かったので、競ってきたチームと一緒に前を追いかけられればと事前のプランでは考えていました。

――山口選手から2位でタスキを受け取りましたが、山口選手の走りはどのように感じていましたか

 前半から非常に突っ込んで入っていて、1位の駒澤大学に喰らいつくいい走りだと感じていました。青学と秒差のいい位置でつないできてくれたと思います。

――序盤は青学大を離して駒大に近づいていましたが、レース前半の走りはどのように振り返りますか

 4〜6区の選手の調子が良くなかったり、緊張でガチガチだったりなのが見受けられ、なるべく貯金を貯めて精神的負荷を減らしたかったこと、青学の佐藤(一世)選手の走りがあまり調子良く見えず、下手に付いて後方の集団に吸収されたくなかったことなどから、1人で突っ込むことを決意しました。自分が突っ込むことで後ろが少しでも牽制してくれればという淡い期待もありました。山口もいい位置でつないできてくれたので、それを生かして駒澤まで追いつければと当時は考えていました。

――中盤以降、後半の走りは振り返っていかがですか

 付け焼き刃で調子を上げにいったことや実力が伴わなかったことが影響し、中盤以降は昨年と比べてキロあたり2〜3秒常に遅いペースで推移してしまいました。その点は大きな反省材料だと思います。ただ、それらの覚悟を決めた上でのプランではあったので、レースプランに後悔はしていません。

――暑さの影響はありましたか

 暑さの影響はあまりないと思っていて、むしろ心地よい感覚でした。

――チームの結果についてはどのように受け止めていますか

 走るべき人が走れず、全員が万全の状態で迎えらなかった時点でシードを落とす可能性も事前に見えてしまってはいたので、弱いところがさらけ出てしまったかなと感じています。伊福(陽太、政経3=京都・洛南)だけは心配です。

――箱根に向けて一言お願いします

 一から積み直して練習し、周りになんと言われようが3位以内というところはぶらさずに頑張りたいと思います。

4区 工藤慎作(スポ1=千葉・八千代松陰)

力走する工藤

――出雲全日本大学選抜駅伝からどのようなことに重点を置いて練習をされてきましたか

 少しでも調子を上げることに重点を置いていました。

――今日の調子はいかがでしたか

 出雲駅伝後も、全日本大学駅伝の数日前まで調子が上がらず、厳しいレースとなることは予想できるコンディションでした。

――レースプランはどのように考えていましたか

 余裕を持って走り、ラスト2キロでペースを上げるということを意識していました。

――今日のレースを振り返っていかがですか

 プラン通りにレースを進められず、話にならないです。不調とはいえ、実力不足なのは間違いないと感じています。

――中盤以降苦しい走りになりましたが振り返っていかがですかか

 脇腹に差し込みも感じていました。それを考慮しても全く粘れなかったということが反省点です。

――今日の結果を率直に振り返っていかがですか

 私がブレーキをしたため、それまでの流れを完全に切ってしまい、その後の区間が苦しい展開となってしまいました。シード落ちの責任を感じています。

――次戦の意気込みをお願いします

 箱根駅伝には自分が出場できるかという問題がありますが、残りの期間で状態を上げ、失った自信を取り戻したいです。

5区 菖蒲敦司駅伝主将(スポ4=山口・西京)

力走する菖蒲

――全体としては順位を1つ押し上げました。レースを全体的に振り返っていかがですか

 0点です。調子が上がらない中、自分の力を信じて走りましたが戦えませんでした。

――レースプランはどのように考えていましたか

 ゆったり入って後半ビルドアップしていこうと考えてました。

――主将としてどのような気持ちで臨みましたか

 主将というより4年生が僕だけだったのでみんなの分までと思って走りました。

――東農大、国学院大、東国大と、前が見える位置でのスタートとなりました。序盤のご自身の走りはどのように評価しますか

 ゆったり入ろうと思っていたのでそれを実行していたのですが、ペースが遅いのに早い段階できつくなってしまいました。

――中盤から後半にかけてはいかがですか

 かなり苦しかったです。

――終盤はどのような気持ちで走っていましたか

 前の東京国際大に少しでも近づこうと思いながら走りました。

――区間順位やタイムについてはいかがですか

 狙っていたところには程遠く、苦い(全日本)ラストランになったと思います。

――2回目の5区出走となりました。前回のご自身の記録や区間順位は意識していましたか

 前回よりは間違いなく力はついているので、確実に記録更新したいと思っていました。

――チームでは10位という結果になりましたが、チームとして振り返っていかがですか

 狙っていた目標を達成出来ず、後輩たちにシードも残すことが出来ず、ふがいない気持ちでいっぱいです。

――箱根駅伝へ向けての思いや意気込みをお願いします

  色々な方面からたくさんの応援を頂いていることに感謝して、箱根ではしっかりと早稲田の文字が目立てるように頑張ります。

6区 菅野雄太(教3=埼玉・西武文理)

力走する菅野

――今日の調子はいかがでしたか

 状態自体は悪くはないと思いますが、直前の練習量が不十分だったかなと思います。夏合宿はほぼ完遂できたので、合宿後に体調不良で一時調子を落としましたが、レガシーハーフで刺激が入った後は疲労が抜けるに連れて状態は上がっていきました。ただ疲労回復に注力しすぎて満足のいく練習量は踏めていなかった印象です。

――レースプランはどのように考えていましたか

 花田さんからは、気温が高いので後半失速する選手が出てくるから前半落ち着いていこうと指示があり、自分としても同じ意図がありました。創価は後ろに留学生が控えているので、大志(伊藤、スポ3=長野・佐久長聖)にタスキを渡すまでに十分に離しておきたいと考え、後半に力を残しておこうというプランに至りました。

――どのような思いでタスキを受け取りましたか

 シード権争いギリギリのラインだったこともあり、自分の区間で絶対に安全圏にもっていきたいという思いでタスキを受け取りました。

――シード権前後でのレース展開となりましたが、レース中はどのようなことを考えていましたか

 大東大のワンジル選手に付けなかったため、序盤から創価大と8位集団を形成する形になり、終始創価大と差をつけることを考えていました。しかし、気温が高かったこともあり、思うようにペースを保てず、かなり苦しみました。

――6キロ付近で創価大が後ろをピッタリついてくる展開となりましたが、ご自身の走りに影響はありましたか

 実際はかなり序盤から後ろに付かれていました。どちらかというと揺さぶる側だったので、自分の走りは崩さずにいけましたが、アップダウンで仕掛けたりして離そうと試行錯誤していたため、思ったより力を使ってしまったかなと思います。また、離した後も差を広げる必要があり、恐怖心というのは終始ありました。

――全体を通しての走りはどのように振り返りますか

 箱根駅伝を見据えると、まだまだ全然戦えないなと感じました。自分の区間で流れを変えられたら残り2人にも良い流れを作れたかなと思うと非常に悔しいです。

――今日のレースで得られた収穫や課題を教えてください

 課題としては、タフな展開でも余裕をもって1キロ3分を切って押せるようなベースは箱根で必須なので、再度この11月、12月でポイント練習を完遂して、力を十分につけていきたいです。また、スタミナも同様、今大会以上に必須なので、あと2カ月十分に距離を踏んで備えたいです。収穫としては、箱根よりも前に今季駅伝を経験できたこと、他大と比較した自分の相対的な力を認識できたことだと思います。今回の悔しさを糧に箱根駅伝まで十分に準備していきたいと思います。

7区 伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)

スパートをかける伊藤大志

――2年連続での7区起用となりました。調子はいかがでしたか

 出雲(駅伝)以降も継続して満足のいく練習を積むことができており、あまり不安はなかったです。

――8位でタスキをもらいましたが、どのような気持ちでスタートされましたか

 昨年と似たような流れだったことに加え、後続の創価大の選手が留学生だったので、できるだけ早く前方の集団に追いつきたかったです。スタートすると想像以上に前方との差が大きかったですが、とにかく追いつくことを考えていました。

――過酷なコンディションの中、前半は単独走が続く展開でしたがいかがでしたか

 とにかく前に追いつこうと、前半から単独ではありましたが昨年と同じくらいのペースで入りました。しかし前方の2選手で良いペースを作っていたので、差を縮めるまでにかなり時間がかかり、その間の長い単独走でキツさが早めに回ってきてしまいました。

――創価大に迫られる展開でしたが前との差を詰めてタスキを渡しました。走りを振り返っていかがですか

 シード権争いをしている後続が留学生ということは把握していたので、できるだけ追いつかれないように前半から突っ込んだのですが、正直なところいつ追いつかれるのか怖かったです。ぎりぎりシードラインを守って渡せたものの、チームの流れを変える走りには程遠かったと思います。自分に求められる走りができず、率直に悔しいですし、チームには申し訳ないと思っています。チームの結果のためには、前半から前を追いハイペースで入るのは当たり前ですが、後半までもたせる力が足りなかったです。コンディションが悪い中でも平林(清澄、国学院大)や芽吹先輩(鈴木芽吹、駒大)は51分台で走れている。そういった選手と比較すると、他チームのエース格とは勝負にもなっていないと思います。

――チームの結果を振り返って

 準備段階からの詰めの甘さ、選手層の薄さ、一度流れが崩れると立て直せない脆さなど、チームの悪いところがモロに露呈した結果だと思っています。駅伝において、駒大のように隙のないレースが理想ですが、仮にミスがあったとしても立て直すことのできる者が、僕含めこのチームにはいないです。チームを流れに乗せる、崩れた流れを立て直すゲームチェンジャーが必要です。これから箱根(駅伝)までの期間で新たな戦力として増員できる可能性は少ないという現状の中で、今日走ったメンバー全員がゲームチェンジャーを目指す必要があると感じています。

――箱根駅伝への意気込みをお願いします

 このままで終わるわけにはいかないです。必ず立て直して、箱根ではゲームチェンジャーとなる走りを必ずします。

8区 伊福陽太(政経3=京都・洛南)

力走する伊福

――レガシーハーフでもしっかり記録をだし、徐々に調子が戻られてきたという印象でしたが、ハーフでの疲労を含め、前日までの調子はいかがだったのでしょうか

 レガシーハーフである程度状態が戻ったことは、確認できていました。監督からもそこでは出し切りすぎないようにと言われていたので、余裕は残していました。その中での63分01秒だったので収穫はあったと思っています。その後、1週間は多少疲労感が残る中での練習となりましたが、出雲組と合流して良い形で練習ができ、直前の調子としては悪くなかったと考えています。

――初の全日本駅伝出場を果たし、8区に選ばれたことについて率直な感想はいかがでしたか

 去年は補欠として2区の井川さん(龍人、スポ卒=熊本・九州学院)の付き添いとして行動し、航希さん(佐藤航希、スポ4=宮崎日大)のゴールをその場で見届けました。その時から来年は走りたいと思っていたので出走が決まった時は素直に嬉しかったです。

――当日の体調コンディションはいかがでしたか

 前日刺激、当日の朝練習共に問題なかったと考えています。

――レースプランはありましたか

 当日の走る時間帯は気温がかなり上がる予報が出ていたことに加え、8区は後半上るという特徴があるため、前半は力を使い過ぎないようにと考えていました。

――花田監督からの指示は出ていたのでしょうか

 監督からも後半しっかりまとめてこれるようにという指示は出ていました。

――集団レースを振り返っていかがでしたか

 レースに関しての記憶は正直ほぼありません。2kmで体に力が入らなくなったことだけは覚えています。アップの段階で若干体が火照っている感覚はありましたが、しっかりアップで体が温まったと感じていました。今思うとあれが黄色信号だったのかもしれません。

――今後に向けて一言お願いします

 今後に向けては、まずは体調の回復と気持ちを整えることが第一かなと思います。レガシーハーフから割と調子よく走れていたので、そこから3週間というタイトなスケジュールの中でレースの疲労に気付けていなかったのかなと思いますし、直前まで走るかどうか分からない状況だったこともあって、気持ちにも余裕はありませんでした。その中でアンカーを務め、結果としてシードを落としてしまったことについてはものすごく責任を感じています。レースからゴール後までの記憶は、ほぼなく、運ばれた病院で点滴を受けて意識がはっきりしてきて初めて状況の整理ができ、本当に申し訳ないと悔やみました。ひどい走りでしたが沿道では最後まで応援の声が聞こえ、その声とぼやけた視界を頼りに何とか最後まで走れましたし、応援にはとても感謝しています。箱根でもう一度応援してもらえるように残り2カ月頑張ろうと思います。