出場さえも叶わず涙をのんだ昨年度から1年、花田駅伝監督率いる早稲田が出雲全日本選抜駅伝(出雲)に帰ってきた。学生三大駅伝3位以内をチーム目標に掲げる早大は1区の伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)が区間4位、2区の山口智規(スポ2=福島・学法石川)が区間3位と好発進したが、中盤での他大の追撃に応じきれず6位で大会を終えた。ここでは、出場選手のコメントを掲載する。
閉会式での伊藤大志(写真左)と山口(写真右)
▽1区
伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)
力走する伊藤大志
――夏合宿から早大競技会を含めて、レース当日までの調整具合はどのような感じでしたか
トラックシーズンから海外遠征後までは故障などはなかったものの、満足した練習を積むことができず、海外遠征後からもう一度体を作り直すイメージで最後の合宿に参加しました。鍛錬期の前半は、疲労感のコントロールに苦労しましたが、少しずつ練習を積むことができるようになり、最後の合宿は満足のいく程度まで戻すことができました。(9月28日の)早大競技会は練習の一環として中間走をイメージして、余裕を持ったペースメイクにフォーカスし、調子が戻ってきていることを確認できました。早大(競技会)をきっかけに当日まではコンディションはさらに右肩上がりだと感じていました。
――その中で1区を言い渡されたのはいつごろですか
確か2週間切ったくらいです。
――1区起用に関して監督から何か言葉はありましたか
「1〜3区に主力を置き、前半で貯金を作りたい。そのために1区ではできるだけ先頭と戦える位置でつなぎたい」と言われました。
――作戦やレースプランはありましたか
1区に来る(他大学の)メンバーでレース展開が変わると思ったので、ペースがハイでもスローでも対応できるよう、集団内で動くのを待つ想定でした。
――当日のコンディションはいかがでしたか
コンディションはここ数カ月の中ではかなり良い方でした。
――レース序盤からペースの変動が激しかったと思いますが、いかがでしたか
ハイペースも予想はしていました。ただ予想以上のハイペースに、集団が早くから小さくなってしまったので勝負のタイミングを逃さないように位置取りや前に出るタイミングを考えながら走っていました。3キロ過ぎの下り坂で集団後方から転倒した音が聞こえたので、巻き込まれないようにそのタイミングで集団の先頭に出て、篠原(倖太朗、駒大)や野村(昭夢、青学大)に対応しながら前方でレースを進めました。
――ご自身の走りや結果を振り返っていかがですか
レース展開は悪くなかったと思いますが、篠原との差は紛れもなく地力の差だと思っています。スターターとしてできるだけ先頭に近い位置で渡したかったが20秒離されてしまい、チームを勢いづけるには足りなかったと思います。
――これからの意気込みをお願いします
やはり大学駅伝は甘くないということをチーム全員が痛感しました。残り2戦は安定感以上の走り、ゲームチェンジャーとなる走りをしたいです。
▽2区
山口智規(スポ2=福島・学法石川)
駆け出す山口
――当日のコンディションはいかがでしたか
体のコンディションは良かったですが、向かい風はきつかったです。
――今日のレースプランを教えてください
ハイペースで入りつつも後半しっかり動かそうと考えていました。
――今日のご自身の走りをどのように評価しますか
まとめる走りしかできなかったので不甲斐ないと感じています。
――4位でタスキを受けたのは想定内でしたか
上位で来るとは思っていました。
――國學院大學の選手を追う形でスタートしましたが、前半の走りはいかがでしたか
強い選手だったので、ついていけば良いと思っていましたが、ペースが遅かったので前に出ました。
――後半、青学の選手が追ってきましたがそれについてはいかがですか
対応できる余力がなかったので、なんとかスパートで追いつける距離で我慢しようと思っていました。
――区間3位という順位について率直な感想をお願いします
チームに求められている走りができなかったので悔しいです。
――チームの結果についてはいかがですか
非常に悔しい結果になりました。
全日本、箱根では表彰台に登れるように頑張っていきたいです。
▽3区
石塚陽士(教3=東京・早実)
力走する石塚
――今日の調子はいかがでしたか
今夏は元々あまり調子が良くなかったですが、先月中旬に体調を崩してしまったのが決め手で、悪い状態で迎えてしまいました。それだけであればまだ良かったですが、当日も夜中の3時半に目覚めてしまって、そこからなかなか寝付けなかったり、後期の授業が始まり久しぶりに長時間の実験をして、背中や腰が異様に張っていたりと、短期的にも長期的に見ても良くない状態だったと思います。
――3区を伝えたれたのはいつですか
1カ月くらい前から1〜3区で海外遠征組3人で固めたいとおっしゃられていて、正式に決まったのは1週間前くらいだったと思います。
――花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)からはどのような指示がありましたか
今の調子を伝えた上で、「不調なりにも周りのリズムも使いながらまとめてきてほしい」と指示されていました。
――レースプランはどのように考えていましたか
今日のコンディションで、自分で積極的に引っ張っていくのはできないと感じていたので、前2区間で良い位置でもってきてくれることを信じて、できる限り他の選手の後ろについて流れを使いたいと考えていました。
――その中で実際のレースは振り返っていかがですか
大志(伊藤、スポ3=長野・佐久長聖)と山口(智規、スポ2=福島・学法石川)が良い位置でもってきてくれたので、前半は青学の選手のリズムを使いながらプラン通りに走れたかなと思います。後半は今の力不足が露呈して苦しい走りになってしまいました。
――前後に留学生もいましたが、展開的に難しい部分はありましたか
留学生に追いつかれたタイミングでペースが大きく変わり、それが大きく離れるきっかけの1つであったのは間違いありませんが、それがなければ、さらにズルズルと下がってしまったことも考えられるので、一長一短だったという印象です。
――個人のタイムや区間順位については
全く満足のいく結果ではありませんが、これが今の自分の実力と受け入れています。
――チームの6位という結果についてはどのように受け止めていますか
自分の区間で流れを止めてしまったせいで留まってしまった順位であることは間違いないので、申し訳ない気持ちでいっぱいです。全日本(全日本大学駅伝対校選手権)では、こんなもんではないというところを見せられるように頑張りたいと思います。
▽4区
工藤慎作(スポ1=千葉・八千代松陰)
力走する工藤
――自身の結果について率直にどのように捉えていますか
厳しい結果であると考えています。稼げる区間であるはずが、借金となってしまい申し訳ない気持ちです。
――目標としていた区間順位やタイムなどはありましたか
区間3番以内を狙っていました。
――今日の調子はいかがでしたか
完全ではなかったです。とはいえ、実力不足と感じています。
――タスキをもらう位置は想定内だったでしょうか
想定外でした。その分、焦りも出てしまいました。
――なかなか国学院大の選手に追いつけない展開で難しさはありましたか
最序盤にハイペースで入って追いつけないのがきつかったです。その後も並走出来ず、辛い展開となってしまいました。
―― 学生駅伝デビューとなりましたが緊張はありましたか
程よい緊張感で臨めました。
――同期の長屋匡起(スポ1=長野・佐久長聖)選手の活躍についてはどう思いますか
復活したのは、チームにとってプラスだと思います。これからも、切磋琢磨(せっさたくま)していきたいです。
――チームの結果についてはどのように捉えていますか
この結果を受け止め、全日本(全日本大学駅伝対校選手権)に向けて修正したいです。
▽5区
間瀬田純平(スポ2=佐賀・鳥栖工)
タスキを渡し終えた間瀬田
―― チームの6位という結果を振り返っていかがですか
チームの目標が表彰台、最低でも5位だったので、6位という結果は物足りないなと思っています。
―― レース前のコンディションはいかがでしたか
合宿後から調子が良かったので、コンディションは良かったです。
―― 6位でタスキを受けましたがどのような気持ちでタスキを受け取りましたか
タスキを受けた時はとりあえず前との差を詰めることだけを考えてました。
―― レースプランをどのように考えていましたか
レースプランは風が強くなかったので前半から積極的にいって前との差を詰めることを考えていました。
―― 区間5位でしたが自身の走りを振り返っていかがですか
2キロまでは動きもリズムも良く走れていたのですが、2キロ過ぎで夏合宿中から気にしていた胃の痛みが再発してしまい思うように走れず前との差も詰まらなかったので悔しいです。
―― ほとんど単独走となりましたが難しさはありましたか
風の影響を受けやすいので難しいなとは思っていましたが、今回は特に気にならなかったです。
―― 今後の駅伝シーズンへの意気込みをお願いします
昨年から6位という順位が続いているので全日本、箱根では表彰台以上を確実にとっていけるように頑張りたいです。
▽6区
長屋匡起(スポ1=長野・佐久長聖)
力走する長屋
―― 大学駅伝初出走となりました、どのような気持ちでレースに臨みましたか
今回は初めての大学駅伝ということで1年生らしく臆さず思い切って走ろうと臨みました。
―― レース前のコンディションはいかがでしたか
合宿の疲労も徐々に抜けてきていた中でだんだん上がってきていたと感じていました。
―― レースプランはどのようなものを想定していましたか
レースプランとしては前を追う展開だったため、前半積極的に入り追いついた後は相手選手の背中を借りながら勝負しようと考えていました。
―― 前後との差があまりない中でタスキを受けとることになりましたがこの点はどう感じていましたか
前が常に見える状況だったため相手のスピード感がわかりやすく追う展開としては良いところでタスキを貰ったと感じていました。
―― レース中はどんなことを考えて走っていましたか
レース中は目標としていた総合順位に足りていなかったためひたすら前を追うことだけを考えて走りました。
――ゴールした瞬間はどんな気持ちでしたか
ゴールした時は前が見えていただけに自分の力の足りなさを感じ悔しさが残りました。
―― 自分自身の走りを振り返っていかがですか
もっと一気に詰めて相手選手についていればまた展開が変わったのではないかと思うとまだまだだと感じました。
――最後に、今後への意気込みをお願いします
今回はただ順位を維持するだけのレースとなってしまい、流れを変えられなかったという悔しさと力量のなさを感じたので、もっと自信と力をつけて次に向けて取り組みたいと思いました。