総合7位で2年ぶりにシード獲得も、悔しさにじむ

駅伝

 10区間中7区間で区間新記録が出るなど、ハイレベルな争いとなった東京箱根間往復大学駅伝(箱根)。『総合3位以内』を目標としていた早大は、2日の往路9位という結果を受けて、攻めの走りが求められる復路のスタートとなった。6区では出遅れシード圏外の12位に転落するものの、7区では鈴木創士(スポ1=静岡・浜松日体)が1年生の区間最高タイムを記録する好走を見せ順位を3つ上げる。その後も前を走る大学との差を着実に縮めていき、最後は駒大に競り勝って、総合7位でゴール。2年ぶりにシード権を獲得した。

 11位とは27秒差の、あわやシード圏外という位置でスタートした復路。6区は半澤黎斗(スポ2=福島・学法石川)が出走したが、ほろ苦い箱根デビューとなった。序盤に、区間新記録の好走を見せた今西駿介(東洋大)にかわされると、6キロ地点では中央学院大にも捕らえられ11位に転落。さらに小田原中継所手前でもひとつ順位を落として、12位で鈴木にタスキを渡した。その鈴木は拓大、日大と集団を形成すると、集団を引っ張るかたちで前を走る創価大を猛追。11キロ地点で単独走になると、さらに差を縮めて18キロ地点で10位に浮上した。その後も鈴木は攻め続けた走りで、小田原中継所では1分55秒差あった中央学院大を捕らえ、9位でタスキリレー。区間2位、1年生としては7区歴代最速の快走だった。8区は太田直希(スポ2=静岡・浜松日体)が出走した。前を走る帝京大、駒大、東洋大の3校が競り合う中、落ち着いた走りで9位を固守。後続との差も平塚中継所での4秒から1分43秒へと広げ、単独走ながら、前を追いかけひとつでも上の順位を目指す攻めの駅伝を確固たるものとした。昨年は同じ8区を走り区間10位と悔しい思いをしたが、今年は1年間の成長を裏付ける区間4位。笑顔で9区の新迫志希(スポ4=広島・世羅)へとタスキをつないだ。

7区区間2位で悪い流れを断ち切った鈴木

 新迫は1分17秒前を行く8位駒大をひたひたと追い続けた。14.5キロ地点で追い付き一歩前に出たが、神戸駿介も簡単には引き下がらない。20キロの地点では4秒差をつけられ再び追う展開に。それでも諦めない新迫は、ラストスパートで駒大をかわして8位でタスキリレー。山あり谷ありの、早大での4年間を彷彿とさせるレースだったが、ガッツポーズで走り切った。最終10区を任されたのは宍倉健浩(スポ3=東京・早実)。宍倉は序盤で3秒差だった駒大にあえて追いつかせ、並走するスタイルをとった。鶴見中継所では49秒差だった東洋大を二人で追った。16.5キロの地点で東洋大をかわすと、後続との差を広げ、勝負を7位争いへと持ち込む。そして残り500メートルの地点、沿道の観客が早大と駒大の順位の行方に注目する中、宍倉がスパートをかけた。駒大も負けじと粘るが、宍倉が前を譲らず総合7位でフィニッシュ地点を駆け抜けた。

9区の新迫は早稲田記録を更新し順位を8位に押し上げた

 13年ぶりのシード落ちとなった前回大会から1年、予選会は9位という想定外の悔しい結果に終わった中で、今年は復路5位、総合7位という成績を収めシード権を獲得することができた。しかし、相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)も「学生たちのがんばりには満足していますけど、(総合)3番以内を狙うということで、予選会で9番で終わったときに、「厳しいけれどチャレンジしよう」と激しい議論をした上で決めて挑んできたので、すごく悔しい思いがあります」と口にするように、『総合3位以内』という目標にはまだまだ遠く及ばず悔しさの残る結果となった。箱根の肝となる山上り、山下りも区間2桁順位にとどまり課題が残った。だが、次の箱根では予選会を経ることなく本戦に臨むことができる。また、今回箱根を走った10人のうち、2区太田智樹駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)、9区新迫を除いた8人が、来年度以降も部に残る。今回の悔しさは次回以降にきっと生きるはずだ。エンジの挑戦はまだまだ終わらない。

(記事 姉﨑珠有、写真 町田華子、朝岡里奈)

第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(復路成績)
区間 距離 名前 記録 区間順位
6区 20.8キロ 半澤黎斗 1時間00分49秒 19位
7区 21.3キロ 鈴木創士 1時間02分56秒 2位
8区 21.4キロ 太田直希 1時間05分30秒 4位
9区 23.1キロ 新迫志希 1時間09分17秒 4位
10区 23.0キロ 宍倉健浩 1時間10分23秒 8位
早大 復路 5時間28分55秒 第5位 総合 10時間57分43秒 第7位

直前インタビュー

区間エントリー発表!/第96回東京箱根間往復大学駅伝(12/29)

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コメント

※なお7区・鈴木創士選手(スポ1=静岡・浜松日体)は都合上取材できませんでした。お詫び申し上げます。

相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)※囲み取材より抜粋、編集

――総合7位という結果については

一度は12位というところからシード権を取ったことについてはホッとしていますし、学生たちのがんばりには満足しています。ですが、(総合)3番以内を狙うということで、予選会で9番に終わったときに、「厳しいけれどチャレンジしよう」と激しい議論をした上で決めて挑んできたので、すごく悔しい思いがあります。

――来年については

今年の順位が当てにならないくらいに、青学大、東海大を中心になると思いますが、予選会から上がってくる学校に対しても油断できないくらいまた混戦になると思います。それに負けない強靭なチームをつくっていきたいと思います。

駒野亮太長距離コーチ(平20教卒=東京・早実)

――総合7位という順位についてはいかがでしょうか

予選会9位の、あの状態からすれば、よく持ち直したと思います。ただ全日本(全日本大学駅伝対校選手権)ほど噛み合わなかったところもあるので、そこは悔しさもかなりある7位という感じですね。

――選手10人のオーダーについてはどのように考えていましたか

狙いは例年どおり、往路では主力を注ぎ込んで、そこでしっかりいい位置取りで折り返して復路で我慢するという感じでしたが、結果的に今年は7、8、9区に(1万メートルの持ちタイムが)28分台を3人置けたことは、過去を見てもなかなかないことでした。往路でうまくはまれば復路で優勝争いができるかなという見通しを立てて組んだオーダーでした。

――往路が9位になったことに関しては

2区までは申し分ない状況で、3区であの状況(先頭の青学大と1秒差でタスキリレー)で来たら井川(龍人、スポ1=熊本・九州学院)も付かざるを得なかったでしょう。彼はそれに付いていく度胸がありますし。ただ、彼の持っているポテンシャルを引き出して上げられなかった悔しさがあります。

――復路での巻き返しについてはいかがでしょうか

やはり、半澤(黎斗、スポ2=福島・学法石川)でうまくスタートを切れるかなと思ったので、そこが失敗してしまって。ただ、本来ならそこで悪い流れを引きずってしまうのですが、7区の鈴木(創士、スポ1=静岡・浜松日体)ががらっと流れを変える反撃ののろしを上げてくれました。本当に1年生らしからぬいい走りをしてくれたなと思います。

1区 中谷雄飛(スポ2=長野・佐久長聖)

――当日の区間変更で1区で出走となりました

去年が不完全燃焼のレースだったので今年は思い切っていくレースにしようと自分自身思っていましたし、去年の経験から周りに合わせるのではなく自分のペースで行くように監督とも話をしていたので、レースの展開を見てペースが遅くなった時に自分で行こうと考えていました。特に具体的なペースは深くは考えていませんでしたが、速くても遅くても初めはペースに乗って付いて行こうと思っていました。

――序盤は青学大の吉田圭太選手の後ろにつけていました

自分が前に出ると周りの選手が引いて初めから引っ張らざるを得ない展開になると思ったので、初めは様子を見ようと考えて慎重に入りました。

――昨年よりも速いペースでレースが推移しましたがペースについて何か感じていましたか

ここまで練習がしっかりできていて自信を持ってスタートができていましたし、身体もよく動いていました。ある程度速いペースで走っている感覚はありましたが、それ以上に身体が動いていたので、最後潰れてもいいからひたすらこのハイペースでいこうと考えていました。

――1区の役割をどのように考えていましたか

なるべく他大の選手、特にライバルになるであろう選手たちとの差を広げないといけないと考えていました。また、次の太田さん(智樹駅伝主将、スポ4=静岡・浜松日体)に良い位置で渡して気持ち良く走ってもらいたいと考えていました。

――自身の走りの評価は

80点くらいかなと思います。最後に他の選手に抜かれた時に対応できなかったので悔しい気持ちがあります。ただ、初めに決めていたようなあのレースパターンで負けたことに悔いはないですし、しっかりやり切ることのできたレースでした。ただ単に前の5人の選手には力負けというか、実力が及ばなかったのでまだまだこれから力をつけていかないといけないと感じました。

――2年連続で1区を走り、どのような課題を感じましたか

あのような状況で振るい落とすには、速いペースで初めからいかないいけませんし、今回はそんなに速いペースで引っ張ることができず、全体的には比較的速いタイムでしたが多くの選手がついていけるペースで集団を引っ張ってしまったことが課題に感じました。ペースの切り替えやベースとなるペース、速いペースで押していくことが今後の強化ポイントだと考えています。

――今の率直な気持ちで来年以降走りたい区間はありますか

やはり1区か3区かなと思います。特に今回でいうと仮に3区を走っていたら駒澤の田澤(廉)と同じ区間で勝負ができていたので、今回あれだけの走りを(田澤が)していたので3区で戦ってみたかったです。

2区 太田智樹駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)

――結果を受けて今のお気持ちは

このチームのベストのメンバーで走った結果なので悔いはありません。

――どのようなお気持ちでアンカーの宍倉選手(健浩、スポ3=東京・早実)を迎えましたか

彼にとって来年につなげるためにも、最後あそこは勝ちきってほしいなと思っていました。頑張ったと思います。

――7位という順位についてはいかがですか

特に山などで失敗がなければ3位も目指せたかなという思いは多少なりともあるので悔しいですし、目標が3位以内なのでこの結果に満足してはいけないかなと思います。

――2区では6位でタスキを受け取りました

先頭が見える位置だったので、とにかく先頭までいこうという思いでした。先頭にたったときは集団のペースが落ちていたので、ここで上げないと後ろにも追いつかれると思ったので前に出ました。

――最後は4番手から2位まで順位を押し上げましたね

自分自身はそんなに上がっているつもりはなかったのですが、前が落ちてきたので抜けたという感じです。

――タイムは早大歴代2位ということでした

いいタイムで走れたなとは思いますが、区間順位はあくまでも6位だったので、最後も勝ちきれませんでしたし、多少心残りはあります。

――点数をつけるならば何点でしょうか

85点くらいですかね。いつもよりは頑張りました(笑)。

――最後に後輩のみなさんに何かあれば

きょうのこの結果が来年以降にもしっかりつなげられるようにあしたからまた頑張って欲しいなと思います。

3区 井川龍人(スポ1=熊本・九州学院)

――初めての箱根でした。率直な感想は

小さい頃から目標にしていた大会に出られたということはうれしさもありますが、自分の区間ですごく順位を落としてしまった悔しさもあります。どちらかというと今は悔しさの方が強いです。

――3区と言われたときのお気持ちは

単独走は苦手ではなかったので、どの区間で来てもしっかり順位を落とさないことと上げることをイメージして走り出しました。

――監督からの指示はありましたか

近くに青学大や東海大がいたので、そういった人たちに付いて行って、粘って走れと言われていました。

――ハイペースの入りとなりました。走っていてどう感じていましたか

思っていたよりハイペースの展開で自己ベストよりもはるかに早いタイムで入ったので、途中からはわざと離れて自分のペースで行った方がいいと判断したのですが、それでも後半は、前半に(脚を)使った分動きませんでした。そこは自分の力不足を感じました。

――後半はきつくなりながら何を考えて走っていましたか

フォームとピッチを落とさないようにして、ラップタイムを落とさないように、「耐えて耐えて」というレースでした。

――区間記録や順位に関しては

14位という結果で。同じ1年の田澤(廉、駒大)などはすごい速いペースで走ったので……。(区間)1桁で走りたかったし、2桁だったのがすごく悔しかったです。

――集中練習ではメニューを選びながらこなしたということでした。その点で不安はありませんでしたか

それは特になかったです。どちらかというと1年間の積み重ねがここで出たと思います。

――1年間ということで、4月から振り返るといかがでしょうか

入学してずっと自分に甘んじていたところが多くあったように感じています。それに気付いたのが全日本(全日本大学駅伝対校選手権)だったので、すごく遅くなってしまいました。この箱根で挽回することはできず、自分が今足りないことや弱くなったことに気付いたので、ここから挑戦者の気持ちで田澤などを狙ってやっていきたいと思います。

――足りないことというのは

言われただけの練習をやるだけで満足していたら、みんなと同じ選手にしかならないと思うので、今年からは設定された練習プラスアルファのことを1年間継続してできたらと思います。

――箱根を走って何か感じたことはありましたか

応援の数は今まで経験したことのないような人数で。すごく応援されていたのですが、今回は応えられる走りができなかったので、来年走るときには応援に応えられるような走りをしたいと思います。

4区 千明龍之佑(スポ2=群馬・東農大二)

――今の率直な気持ちを教えてください

チームで7番ということでシード権は取れたんですけど、個人としてもチームとしてももっとやれた部分はあったと思うので、ここで満足していてはいけないと思いますし、しっかりこれからの1月、2月を大切にしていいスタートを切って、また来年に向けて練習していけたらいいなと思います。

――コンディションはいかがでしたか

準備の段階ではうまくいっていましたし、コンディション的にも走っていて良かったんですけど、前半ハイペースで突っ込んで、突っ込めたのは良かったんですけど、それから思ったよりも粘ることができなくて、後半ラスト1キロも課題であったラストスパートを今回は頑張ることができたので、課題は中盤の中だるみだなと感じました。

――レースプランや目標はどのようなものでしたか

62分前半で区間3位以内を目指していたんですけど、タイムとしてはそれ通りでいけて設定通りではあったんですけど、周りのペースも早くてその目標タイムでいっても区間7位ということだったので、そこでもう少し軌道修正をして1秒を削り出していけていればもう少し駒澤大学との差も詰められましたし、前半詰めることができたんですけどやっぱり後半離されてしまったので、駒澤大学に後半離されてしまったのは良くなかったなと思いました。

――前半は表情に余裕が見えましたが、苦しくなってきたのはいつからでしたか

10キロから15キロ辺りでアップダウンが激しくなってきてそこで前を走っていた創価大学にどんどん離されてしまったので、もう少しそこで我慢したかったです。

――区間7位という個人結果についてはどのように感じていますか

区間3位以上で区間賞も狙っていたので本当に悔しいですし、まだまだ中谷(雄飛、スポ2=長野・佐久長聖)や(太田)智樹さん(駅伝主将、スポ4=静岡・浜松日体)に頼ってしまっていたので、来年からは智樹さんくらいの選手にならないといけないと思っているので、まだ準エースだなというのは感じました。

――ご自身の結果にはまだ満足していないのでしょうか

そうですね。まだいけるところはあったと思います。

――チームの総合7位という結果はどのように感じていますか

復路のみんなが頑張ってくれて順位を上げてくれて本当に感謝しかないですけど、何度も言っているように(総合)3位を(目指していて)、一時期2位までいっただけに本当に悔しいですし、もっと俺たちはやれたのではないかと思うので、安心している気持ちも少し持ちながらも次に向けて準備していかなければという気持ちはあります。

――今後に向けての意気込みをお願いします

今年はトラックでも13分台や28分前半を出して、他大学との主力とも渡り合えるくらいの力量をつけてから駅伝シーズンで勝負したいというのがあるので、去年は春シーズンでつまずいてしまったので、今年は春シーズンから自己ベストを連発してエースたちと渡り合えるくらいの実力をつけたいと思います。

5区 吉田匠(スポ3=京都・洛南)

――初の箱根でしたが、調子はいかがでしたか

調子は悪くはなかったんですけど、12月半ばに一回足が痛くなって練習をとんでしまって、その分の体力の低下もあって今回の結果につながってしまったんですけど、そもそも力が及ばなかったかなと思うのですが、今回は調子が悪かったというわけではなかったです。

――走る前に監督からの指示はありましたか

「自分の判断で」という指示だったので、前が見えて後ろも見える位置で渡されたんですが、それに対して「最初に絶対付け」というような指示はなくて「付ければ付いた方がいいけど自分の判断で無理やり突っ込んで付くことはしなくていいから任せる」というふうに言われました。

――途中、創価大と明大との集団になりその後は単独走となりましたが、上りを振り返っていかがですか

課題となる後半の上りがきつくなるだろうなと最初からわかっていたんですけど、そこで粘れなくて明治と創価から離れてしまってからしばらくは耐えられたんですけど、きつくなってしまってから一気に離されてしまったので、そこのペースダウンが課題なのかなと思っています。

――ゴール後、チームメートから言葉をかけられましたか

責められる感じはなかったんですけど、前と離れて後ろからも詰められて、きょう(復路が)ゴールして往路のゴールでは感じなかったものがあって、きのうよりきょうのほうが失敗の重みを感じています。

――ゴール後のお気持ちはいかがでしたか

反省点が多かったので、自分の結果やタイムがどうこうというのももちろんあったんですけど、それより来年を考えたときにどう改善すればいいのかわからなかったので、悔しさも感じつつ来年のことも考えていました。

――区間15位というご自身の結果はどのように受け止めていますか

目に見えるブレーキなので、2区の太田さんが終了時点で1位とほぼ同着でつないだタスキがすごく差が開いてゴールしてしまって、井川も区間順位はあまり良くなかったんですけど1年生で、失敗が許されてもいいような攻めたレースだったのでよかったですが、僕に関しては失敗できない学年、立場だったのでそういう面では責任のある失敗になってしまったなと思います。

――復路はどのような思いでご覧になっていましたか

チーム3位以内を目指すというのはもちろんあったんですけど、渡した位置が位置だったのでシード権も見えてきていて、実際6区の半澤で一旦シード圏から外れてしまったときにはなんとしてもシード圏内に入ってほしいというのが強くあってそういう気持ちで復路を見ていたんですけど、3位以内を目指していたチームだったのに結局シードに入って安心している時点で気持ちとして駄目だったのかなというふうに感じています。

――総合7位となりましたが、この結果をどのように感じていらっしゃいますか

一応シードを取ったということについては喜びよりは安心が強いんですけど、そこで安心していることがそもそも気持ちで負けているということだと思うので、これから新しいチームになるんですけど(駅伝)主将にもなっていくので、次のチームで決める目標を追求していけるようになっていきたいなと思います。

6区 半澤黎斗(スポ2=福島・学法石川)

――初めての箱根でしたが、調子はいかがでしたか

きちんと準備できていて、万全の状態で走り出せました。

――山下りの率直な感想をお願いします

きつかったです。長かったです。

――往路が終わった時点で、すぐ後ろに拓大、東洋大、中学大がいました。レースプランはありましたか

東洋大学の選手にはすぐ追い付かれると思ったので、それは頭の中に入れて、追い付かれてからもしっかり自分のペースで行こうと思っていました。あまり考えすぎずに、そのまま状況をしっかり見て、臨機応変に対応しようと思っていました。

――スタート時の9位という順位は、シード権のことを考えるとプレッシャーもあったのではないかと思います

7、8、9、10区と強い味方がいるので、自分は自分の位置を少しでも下げずに、しっかり前が見える位置でタスキをつなぐのが役割だったと思います。プレッシャーというよりも、しっかりと自分の責任を果たさないといけないなと思いました。

――ご自身の走りを振り返ってみていかがでしたか

結果的に区間19位ということで…また失敗してしまったなというか……、悔しい結果に終わってしまいました。毎回になってしまうのですが、次こそはしっかりリベンジできるように……。1年間かけてしっかり練習して、最後笑って終われるようにしたいなと思います。

――相楽豊駅伝監督からは何と声を掛けられましたか

正確にはあまり覚えていないのですが、(終盤には)最後だからしっかり腕を振って、後ろの人のために走れと言われました。

――チームの7位という結果についてはいかがですか

目標が3位以内だったので、自分のところでしっかり区間1桁で抑えておけばもっといけたなと思ってしまうところがあります。それでも、後半僕の後ろを走ってくれた人たちには感謝しかありません。

8区 太田直希(スポ2=静岡・浜松日体)

――箱根に向けた準備はうまく出来ていましたか

調整もうまく行ったので、うまく出来ていたと思います。

――練習での位置などは気にされてましたか

特に意識してなかったですけど、余裕を持ってこなすことは意識してました。

――8区を走ると決まったのは

1週間前くらいですね。だいたいわかっていたので覚悟はできてました。

――事前にレースプランや監督からの指示はありましたか

レースプランはあまり立ててなかったんですけど、最初からいいリズムで入って我慢する形で走りました。

――攻めの走りということでしょうか

そうですね

――鈴木選手の好走を受けてのスタートでした

そうですね、創士が結構頑張ってると聞いたので、自分も頑張らなきゃなと思いました。

――笑顔でのタスキ渡しが印象的でしたが、何か言葉はかけられましたか

おつかれとは言いましたけど、聞こえてたかはわからないです。

――昨年は区間10位でした。区間4位という結果はいかがですか

去年よりは成長できたと思うんですけど、区間3番まで40秒というのは悔しいですね。

――走りながら、自分がいいペースで走れているという自覚はありましたか

最初の10キロとかは結構いいペースで、みんな区間4番で走ってると言ってくれたんで、走れてるんだなと思いました。

――いいペースの中でもなかなか前が見えてこなかったと思いますが、今回の単独走に関しては

そうですね、単独でくることは予想出来ていて、そこで攻める気持ちを出せたので。単独走でも自分でちゃんとリズム作っていけました。

――前後の選手を意識することはありましたか

最初後ろから追いつかれてたんですけど、3キロくらいで離れたので、後ろは気にしなくていいと監督からも言われました。前は速かったので、差も開いていって苦しかったんですけど、前だけを見て走れればなという感じでした。

――今日の走りで自分で1番良かったところは

最初の10キロいいペースで走れたことが、距離で守らずに速いペースで行けたことが良かったと思います。

――昨年と1番大きく変わったなと思う部分はありますか

度胸ですかね。覚悟とか、今年の方が出来ていたと思います。

――練習の中で培われたものですか

そうですね、あと調整期間で心の準備ができたかなと思います。

――2年生の走りを受けて、来年どんな学年を目指しましょう

僕らは核の学年になると思うので。そこは自分たちでも自覚しているので、チームを引っ張っていく存在でいたいです。

――今年はどんな1年にしましょう。

昨年はインフルエンザから始まって、不調もあり苦しい1年だったので、今年は序盤からいいスタートが切れるように頑張りたいです。

9区 新迫志希(スポ4=広島・世羅)

――ナイスランでした。今の心境をお聞かせください

晴れ晴れしいです。やっと終わったので。思い残すことはないです。

――コンディションはいかがでしたか

バッチリでした。

――レースプランはどのようなものでしたか

とりあえず駒澤に追いついて、さらに前との差を詰めるというのだけを考えて走りました。

――実際のレースを振り返っていかがですか

タフなコースで我慢するべきところで、しっかり我慢ができたので、良かったと思います。

――ラストスパートが印象的でした。タスキ渡しの部分を振り返っていかがでしたか

「走り切ったぞ」っていうガッツポーズです。

――タイムに関してはいかがですか

結果的についてきたものですね。区間賞は取れなかったのて、まだまだ上がいるなと思いました。

――復路全体を振り返っていかがですか

強いて言うなら6区がしんどかったですけど、悪い流れを創士が断ち切ってくれたので、そこが一番良かったですね。

――チームとして箱根を振り返っていかがですか

本当にまだまだできるチームだと思います。また来年後輩たちがしっかりやってくれると思うので、それに期待しています。

10区 宍倉健浩(スポ3=東京・早実)

――10区の出走を告げられたタイミングはいつでしたか

1月2日の前日練習が終わった後ですね。自分か多聞先輩(三上多聞、商4=東京・早実)のどちらかで、「お前でいく」と練習が終わった後に言われました。

――調子が良かったということですか

そうですね。ずっと練習もできていて、調子を落とすことなくやってこられました。そこで選んでもらえたのかなと思います。

――三上選手から何かお話はありましたか

表情を見ただけで、すごく悔しいのが分かりました。ですが、「お前なら絶対に大丈夫だから」という一言をもらいました。多聞先輩の悔しい思いは、去年自分も経験していることなので、すごく分かりました。なので、その思いも含めてしっかり走り、チームに貢献できたらなと思っていました。

――5.9キロ地点では、区間17位でした。入りについてはいかがでしたか

そうなんですね(笑)。初めはリズムに乗ることだけを考えていて、ペースなどはあまり考えずにスタートしました。すぐ後ろに駒澤がいたので、絶対に追い付いてくるだろうと分かりました。なので、駒澤にとりあえず追い付かせて、二人で行きたいと思っていました。最後は順位を気にしないで走っていましたね。

――駒大の選手と終始並走というかたちになりました。事前のレースプランを教えてください

来た展開次第で変わるので、特には決めていませんでした。ただ、スタート前に相楽さん(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)から電話で「前が東洋と50秒差、すぐ後ろに駒澤がいるから、その二校には絶対に負けるな」という風に言われていました。駒澤が2年生、東洋が1年生ということで、学年としても自分が上なので、絶対に負けない、この二校にどうやって勝つかというのを考えてスタートしました。

――シード権争いになりましたが、その点については何かお話はありましたか

スタートする時に7位が見えていたので、後ろのことは気にせず、どうやって東洋を倒すか、駒澤に負けないかということを考えていました。

――「二人で前を追っていこう」という指示が運営管理車の大八木弘明監督(駒大)から飛んでいましたが

そうですね。正直自分が楽をしたくて、ずっと後ろに付いて引っ張らせていました。なので、大八木さんもそれに対してストレスを抱えていたのかなというのがありました。それで、「お前だけ引っ張るのではなく、二人で行け」と言われました。ペースもそれほど上がっていなかったので、1回自分が前に出て、そこからは二人で並走するかたちでずっと行きましたね。

――ラスト500メートル程からスパートをしていましたが、どのタイミングで決めましたか

本当はラスト100メートルくらいでもいいかなと思っていて。自分が絶対に勝てると思えるタイミングでいこうと思っていました。いつキツくなるのかも分からなかったので、自分が確信を持てるタイミングでいこうと思っていました。ですが、後ろから創価大が来ていたこともあり、3キロ地点で相楽さんに「自分で攻めていけ。それで負けたら仕方ないから」と言われて、一度前に出ました。ですが、前に出たら多少キツくて。ラストで負けたくなかったので一度下がって、ラスト1キロを切ってからいこうと思っていました。なので、そこで仕掛けました。

――スピードには自信があったということですか

そうですね。ある程度余裕を持って走れていたので、絶対ラストは負けないと思って。本当に気持ちだけという感じですが。

――きょうのレース全体を振り返っていかがでしたか

スタート前は周りから「不安だ」、「大丈夫か」、「ブレーキする」などと言われていたのですか、結果的にしっかり仕事はできたのではないかと思います。区間順位などはまだ上を目指さなければいけませんが、とりあえず今回の結果に関しては最低限の仕事ができたので、後は来年度にどうつなげていくかということを考えていきたいと思います。

――事前に宍倉選手が言っていたように、大舞台やロードでも結果を残せるということを証明できたのではないでしょうか

そうですね。自分と周りからの評価のギャップというものがあり、それを埋めたいという思いがずっとありました。きょうはそのきっかけになったと思うので、来年度は本当に信頼されるような選手になりたいなと思います。

――ゴール前少しガッツポーズも出ました

6位とのタイム差が10キロ付近で把握でき、正直厳しいかなと思いました。なので、本当に7位だけをそこから考えるようになりました。本当に自分の出せる最高の順位だったので、少しだけですけど(笑)、うれしかった部分もあり、ガッツポーズが出ました。

――来年度は最上級生となり、チームの中心選手になると思います。最後に、来年度へ向けての意気込みをお願いします

やはり太田キャプテン(太田智樹駅伝主将、スポ4=静岡・浜松日体)がこれまでチームを引っ張ってきて、2区であれだけいい仕事をして、信頼されてきたので、自分もそういう選手になりたいと思います。なので、一番はどんなときでもしっかりと結果を出し、信頼されるようなエースになりたいと思います。