『総合優勝』の目標は変えない。早稲田のプライド背負い、いざ箱根へ!

駅伝

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)まで2週間を切った12月23日、早大所沢キャンパスにて公開取材が行われた。相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)は「実績のある推薦の選手に混じり一般でコツコツやってきた選手も入って、非常にワセダらしいチームエントリーができた」と言及。また、集中練習に関しては近年の流れを変更し、2008年頃に行っていた外部のレースを利用しながら練習に取り組む方法を採用。消化率など単純に昨年との比較はできないが、しっかり練習は積めたという。出雲全日本大学選抜駅伝、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)と苦しい戦いが続いた早大だったが、箱根への調整は着実に進んでいる。

 4年生は6人全員がエントリーを果たした。もともと人数は少ない代だが、実直にコツコツ距離を積むことができる選手が多い。Bチームに関しては夏からの練習を完璧にこなしたという谷口耕一郎(スポ4=福岡大付大濠)を筆頭に、『20キロ専用機』としてチームの核となっていってほしい。4年生の中でも注目すべきなのは、やはり駅伝主将の安井雄一(スポ4=千葉・市船橋)だろう。1年時はアップダウンのある8区、2年生からは天下の険・5区を経験してきたタフな選手だ。5区に関してはまだ満足した走りができておらず、駅伝主将の『三度目の正直』に懸ける思いは強い。また全日本の8区で好走を見せた石田康幸(商4=静岡・浜松日体)の存在も頼もしく、「集中練習では、全ての練習を完璧にこなせた」(石田康)と、現在の調子に対し自信をのぞかせた。一方で全日本で主要区間の4区に出走するも本領発揮とはならなかった藤原滋記(スポ4=兵庫・西脇工)や、ロードでの成功体験が欲しい光延誠(スポ4=佐賀・鳥栖工)と、リベンジに燃える選手もおり、最上級生の気合は十分だ。

公開取材での集合写真

 下級生は勢いのある選手を中心にエントリーが組まれた。2年生の大木皓太(スポ2=千葉・成田)、遠藤宏夢(商2=東京・国学院久我山)は夏に故障などで戦線離脱するも、ここにきて調子を上げエントリー入り。3年目にして初選出となった小澤直人(スポ3=滋賀・草津東)とルーキー渕田拓臣(スポ1=京都・桂)は山下りの準備をしているとのこと。「1年目だからというのは全く考えていなくて、チャンスがあればいつでもつかみに行きたい」(渕田)。同じく1年生の吉田匠(スポ1=京都・洛南)は全日本での反省を生かし、得意の単独走で力を発揮したいところだ。宍倉健浩(スポ1=東京・早実)は全日本後から足の調子が思わしくなく、集中練習は回避。個別で組んだメニューをこなし、当日までに調子を上げていく予定だ。

 ことしのトラックシーズンで不調が続いた永山博基(スポ3=鹿児島実)、新迫志希(スポ2=広島・世羅)は、11月の記録会で実戦を経てから集中練習に入った模様。現在の調子は上向きということだが、レース勘を取り戻すためにも集団走の展開が予想される前半3区間での出走が濃厚か。また全日本の1区で、先頭と4秒差の区間3位の走りを見せた太田智樹(スポ2=静岡・浜松日体)も「箱根では特に希望する区間はなく、どこの区間でも行けるように準備を進めている」とコメント。これからのコンディション次第でこの三人の配置は変わっていくだろう。

4年生を中心にチーム一丸となって挑戦する

 層が薄いと言われてきたことしの早大だが、ここにきて4年生6人を中心に戦力が出そろってきた。「目標は『総合優勝』、これは変えません」(相楽駅伝監督)。年間を通してチームが一番大切にしてきたのが箱根で、Bチーム以下の選手は箱根だけに照準をしぼり夏から準備を進めてきた。ついに迎える最終決戦は、早大のプライドをかけて挑む覚悟だ。

(記事 鎌田理沙、写真 藤岡小雪)

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