「やっと4年目で」――。頂へ、準備万端!

駅伝

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)まで10日を切ったきょう、早大所沢キャンパスで、箱根のエントリーメンバーらによる公開取材が行われた。相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)はことしの集中練習について、「昨年より設定タイム内で練習をこなせる選手が多く、充実した内容になった」と振り返り、故障者ゼロの状態で終えられたと語った。新春の大一番に向け、早大は万全の態勢を敷けそうだ。

 ことしのエントリーメンバーの主軸はなんと言っても、およそ半数を占める4年生たち。今季、駅伝主将としてチームを率いてきた平和真(スポ4=愛知・豊川工)は好調で、「箱根は自分の好きなようにレースを作れると思う。自信を持っていきたい」とコメント。下級生の時から主力として活躍してきた武田凜太郎(スポ4=東京・早実)や井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)も状態を上げており、集中練習を経て不調から立ち直ったという佐藤淳(スポ4=愛知・明和)の存在も頼もしい。4年目にして才能を開花させた鈴木洋平(スポ4=愛媛・新居浜西)は「優勝を決定づけられる走りをしたい」と意気込みを語った。初選出となった今井開智(スポ4=神奈川・桐光学園)や箱田幸寛(スポ4=広島・世羅)らも、最後の箱根に懸ける思いは強いと口にした。

公開取材での集合写真

 下級生たちにも注目だ。5、6区に起用する選手について相楽駅伝監督は以前、「決め打ちにはしていない」と明言を避けていたが、上りの5区は前回経験者の安井雄一(スポ3=千葉・市船橋)が有力か。安井は取材に対し「どんな順位でもらっても、必ず往路はトップでゴールする」と天下の険への決意を口にした。下りの6区は箱根に絞って練習を積んできたという石田康幸(商3=静岡・浜松日体)が希望するなど、複数候補がいる状況。そのほか、昨季の箱根では力を出せなかった光延誠(スポ3=佐賀・鳥栖工)や藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工)も、「笑ってタスキを渡したい」(光延)、「去年の借りを返す走りを」(藤原)と、リベンジに燃えている。

 さらに、1カ月ほど前に1万メートルでチームトップの記録をたたき出した永山博基(スポ2=鹿児島実)は「全日本(全日本大学駅伝対校選手権)から自分の走りができています。箱根はやるしかない」とコメント。永山はことしの全日本4区で区間賞を獲得するなど、駅伝での実績は申し分ない。前回の箱根は距離延伸前(※)の4区に出走したが、今季はチームの浮沈に関わる重要区間を担う覚悟だ。同じく2年生の清水歓太(スポ2=群馬・中央中教校)も「優勝のためには区間賞を狙いたい」と意気込む。高校時の持ちタイムを見てもポテンシャルの高い選手だが、ついに頭角を現してきた様子だ。大木皓太(スポ1=千葉・成田)、太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)、新迫志希(スポ1=広島・世羅)ら、期待度の高い1年生たちも順調に集中練習をこなした模様。特に太田は「先輩に食らいついていけた」と、充実した練習になったという。

チーム一丸となり、優勝を目指す

 ことしは力のある4年生を中心に、それぞれの選手がケガなく本戦に臨むことができそうだ。全日本では終盤まで青学大に先行するなど、今のチームのレベルは間違いなく高い。早大が最後に箱根路を制したのは6大会前までさかのぼる。以来、これほどまでに『優勝』の2文字が現実味を帯びてきた年はそう多くはないだろう。「平たちが上級生になった時に優勝が狙えるチームになると思っていました。(今の4年生は)故障が多かった代ですが、やっと4年目になって選手がそろった」(相楽駅伝監督)。いざ頂へ。準備は整った。

※今季から箱根の4区は距離が20.9キロに延伸される。昨季までは18.5キロのコースだった。

(記事 平野紘揮、写真 太田萌枝、鎌田理沙)

主力の4年生の選手方に、Wピースをしていただきました!

関連特集

【連載】『頂』/第93回東京箱根間往復大学駅伝(12/15~21)