全日本大学駅伝展望

駅伝

 名古屋から伊勢までの106.8キロを8区間で結ぶ全日本大学駅伝対校選手権(全日本)があすに迫った。前回6位以上のシード校に加え、全国8地区の選考レースを勝ち抜いた代表校、オープン参加する地元の東海学連選抜を合わせた計26チームが伊勢路を駆ける。ことしは連覇を狙う駒大、前回2位の東洋大の二強とする見方が多いものの、出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)では青学大が優勝を果たすなど各大学の戦力は拮抗。どこが優勝してもおかしくない状況にある。早大は出雲6位とシード落ちに終わった悔しさを今大会で晴らせるか。

1年生らしい勢いのある走りが期待される柳

 1区を任されたのは今回が初駅伝となる柳利幸(教1=埼玉・早大本庄)。今季自己ベストを何度も更新し、いま最も勢いに乗る期待のルーキーだ。『先行逃げ切り』を狙う早大にとって1区で遅れをとることは許されない。初駅伝の重圧に負けず、好位置でタスキをつなぎたい。エース区間である2区には大迫傑(スポ3=長野・佐久長聖)が3年連続で起用された。大迫が他の有力校を相手にどこまでリードを奪えるかがレースの流れを左右する。勝敗を分けるポイントとされる3、4区は駅伝主将・佐々木寛文(スポ4=長野・佐久長聖)と山本修平(スポ2=愛知・時習館)が担う。今季駅伝初出走となる佐々木駅伝主将。9.5キロと最短区間ではあるが、序盤のリードを生かし混戦から抜け出したい。中盤区間で遅れてしまえば優勝戦線に絡むことは難しくなる。主力が並ぶ2〜4区で一気に仕掛けられるか。5区には出雲で好走した高田康暉(スポ1=鹿児島実)が配置された。6区以降に控える4年生に首位でタスキを渡せれば、優勝はぐっと近づいてくる。前田悠貴(スポ4=宮崎・小林)、市川宗一朗(スポ4=愛知・岡崎)は経験を生かした走りに期待だ。アンカーは平賀翔太(基理4=長野・佐久長聖)。各校のエース級が集う最長19.7キロを先頭で駆け抜けてほしい。

主将としてチームを率いる佐々木

 今大会は出雲以上にチームの総合力が試される戦いとなる。「大迫に頼りきっているのがきょうの結果に出てしまった」(前田)という前回の反省を生かし、最上級生が意地を見せたい。大学駅伝三冠を知るメンバーと、上り調子の高田、柳ら新戦力とがうまくかみ合えば、二強に劣らない強さが生まれるはずだ。学生三大駅伝2つ目となる全日本で、まずは出雲のリベンジを果たす。

(記事 菅原理紗子、写真 西脇敦史)

第44回全日本大学駅伝対校選手権
区間 距離 名前 学部・学年 出身校
1区 14.5キロ 教1 早大本庄
2区 13.2キロ 大迫傑 スポ3 佐久長聖
3区 9.5キロ 佐々木寛文 スポ4 佐久長聖
4区 14.0キロ 山本修平 スポ2 時習館
5区 11.6キロ 高田康暉 スポ1 鹿児島実
6区 12.3キロ 前田悠貴 スポ4 小林
7区 11.9キロ 市川宗一朗 スポ4 岡崎
8区 19.7キロ 平賀翔太 基理4 佐久長聖
補欠    相原将仁 教3 早実
      田中鴻佑 法3 洛南
      田口大貴 スポ2 秋田