【連載】『逆襲』 第10回 平賀翔太

駅伝

 第10回は平賀翔太(基理4=長野・佐久長聖)のインタビューをお送りする。これまで学生三大駅伝の全てに出走しており、東京箱根間往復大学駅伝(箱根)でも活躍が期待される。トラック、駅伝に加えてマラソンにも挑戦した今シーズンの振り返り、そしてチームを引っ張る4年生となったいま、自身の意識の変化についてお話を伺った。

※この取材は12月8日に行ったものです

挑戦と進化の1年

今季長い距離への自信を深めた平賀

――きょうはどのような練習をされていたのですか
きょうは35キロの距離走をやってきました。

――卒論についてはどうですか
それなりには卒論あるんですけど、理工学部の僕のところは提出が2月なので、箱根終わってから頑張ろうかなって。

――もう書き始めているのですか
研究みたいなことはやっていますが、書き始めてはいないです。

――現在の練習環境はいかがでしょうか
学校はそこまで忙しいわけではないので、特に問題なくできていますね。

――調子はいかがですか
一応、例年と同じような流れできているんですけど、故障もなく練習できているので良いのではないかと思います。

――先日はチームを離れ、国際千葉駅伝にも出場されました
普段はライバルである他大学の選手と一緒のチームで走るのは新鮮でした。

――他大の選手とも仲は良いのですか
そうですね、みんな仲良くやっていました。

――昨シーズンは故障がありましたが、今シーズン全体を振り返ってどうですか
ことしはそんなに大きな故障もなくこれているんですけど、いままでの駅伝をみてもそこまで納得のいく走りができていないので、最後の箱根はしっかり走りたいと思います。

――ことし3月にはマラソンに初挑戦しました
渡辺監督(康幸、平8人卒=千葉・市船橋)と1回試しに出てみようかという話になったので。良い経験になりました。

――マラソン後のダメージはありましたか
それなりにはありましたが、故障したりはしなかったので、良かったかなと思います。

――スタミナなど走ってみてどう感じましたか
マラソンを走るにはまだまだ力が足りないなと感じました。

――その後の練習に変化はありましたか
長い距離の練習とかがいままでよりは気持ち的に余裕を持ってできるようになったとは思いますね。

――来年もチャレンジされるのでしょうか
箱根が終わってみて、卒論との兼ね合いもあると思うので(笑)、チャレンジできるような状態であれば、積極的にやっていきたいなと思います。

――将来的にはマラソン選手を目指しているのですか
将来的にはマラソンで勝負したいと思っています。

――トラックシーズンについて伺います。ことしはトラック中心でやりたいということをおっしゃっていましたが
トラック中心というよりは、関カレ(関東学生対校選手権)とかでもいままではずっとハーフ(マラソン)だったので、トラックでも勝負してみたいという気持ちがありました。

――日本学生対校選手権では1万メートルで日本人トップの3位でした
正直3位になれるとは思っていなかったのでちょっとびっくりした部分はあったのですが、出場している選手も、学生のトップレベルの選手がみんなでていたわけではなかったので、日本人トップであっても、いい気にはならないようにしなきゃと思っていました。

――4年間で初の表彰台でした
初めてだったので、それはうれしかったです。

――自信になりましたか
そうですね、自信はつきました。

「もっと力をつけていかなければ」

全日本では好タイムで走り切った

――駅伝シーズンについて伺います。出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)ではどこで他大学と差がついてしまったと思いますか
やはりどちらのレースでもどこかでミスがあって、先頭の方から遅れてしまったりすることがあったので、そういったところが痛かったかなと。

――その差はどうすれば縮まると思いますか
ワセダが優勝するためにはちゃんと力通りの走りをしないと東洋大、駒大には勝てないと思うので、何よりもしっかりと力通りの走りをすることが大切じゃないかと思います。

――共にアンカーを務めましたがどこを評価されて起用されたと思いますか
出雲も全日本もアンカーは距離が長いというのがあるので、あとはいままで何回も走らせてもらっているので、そういったところを含めてことしもアンカーに選んでもらったのかなと思います。

――ご自身の強みを教えてください
長い距離でもちゃんと走れるところだと思います。そこまで大きく外したレースはないですね。

――走るときに一番意識しているところは何ですか
走り込むとそれなりに疲労も溜まってくると思うので、一番はやはりケガをせずにしっかりと練習を積めるように気を付けています。

――速くなっていくのは体で分かりますか
調子が良いかなというのはわかりますが、実際どれくらいのタイムが出るというのはレースで走ってみた方がわかります。

――陸上を始めたきっかけを教えてください
小学校の高学年の時に地元の陸上クラブがあって、それに誘われてから行き始めたのがきっかけですね。昔から、小学校のマラソン大会や長距離が得意だったので、やろうかなと思って始めました。

――これからどのような選手になっていきたいですか
将来の目標としてはオリンピックで勝負できるような選手になっていきたいです。

――そのためにもっと強化したいところは
ロードとか目指すなら、スピードもスタミナもいろいろな面でまだまだ力不足だと思うので、そういったところでトータル的にもっと力をつけていかなければならないなと思います。

――ご自身をどんな性格だと思いますか
意外と負けず嫌いですね。

チームを引っ張り、箱根優勝へ――

――4年間で一番成長したなと思うところはどこですか
入学する前よりは長い距離がしっかりと走れるようになったと思います。

――最上級生になり、意識の変化はありましたか
去年までだったら先輩がいて、チームを引っ張るというよりは、どちらかといえば、ついていけばいいって感じだったのですが、やはり最上級生になったらチームを引っ張っていかなければならないと意識としては変わってきました。

――4年生の存在とは
チームをしっかりと引っ張ってくれる存在です。

――その中でご自身の役割は
練習でしっかり引っ張ったり、レースでちゃんと結果を残して、競技面でもしっかり引っ張っていければ良いかなと思います。

――下級生に声を掛けたりはされますか
最初のころはあまりしていませんでしたが、駅伝が近くなってからは、4年生みんなでなるべく下級生ともコミュニケーションを取っていこうというふうになって、前よりは話すようになりました。

――4年生はどの試合も最後となってしまいますが、毎試合どのような気持ちで臨んでいますか
やはり、1試合ずつが最後なので、悔いの残らないようにしようと思ってやっています。

――いまの4年生が多く駅伝を走っていることについてどう感じますか
4年生がしっかり走れていることが、チームを引っ張っていけることにつながるとおっもうので、駅伝経験者が多いのは良いことだと思います。

――現在のチームの雰囲気は
いまは集中練習の最中ですが、みんな集中して練習に取り組めていて、駅伝に向けて士気も上がってきていると思います。

――平賀選手自身、全ての駅伝に参加しています
毎回選んでいただいてうれしいという気持ちもありますし、選んでもらったからにはちゃんと走らなくてはいけないという気持ちもあります。

――監督からの信頼も厚いのですね
そうだと…いいですね(笑)。

――具体的にどのようなお話をされるのですか
走りが具体的にどうこうというよりは、これからのこととか、どういう感じでこれからやっていこうかという話が多いです。

――いままでで最も印象に残ったレースを教えてください
やはり2年生のときの箱根ですね。優勝したので。

――箱根独特の雰囲気はありますか
チーム全体的に良い緊張感になってくるので、良いと思います。

――これからの期間をどのように過ごしていきたいですか
もう少しで集中練習も一段落するので、そこからしっかりと調子を合わせて、万全の状態で臨めるようにしたいです。

――最後の駅伝でどのような走りをしたいですか
最後に優勝して終われるように、自分もそれに貢献できるような走りをしたいです。

――最後に意気込みをお願いします
優勝できるように頑張ります。

――ありがとうございました!

(取材・編集 和田真朱乃) 

◆平賀翔太(ひらが・しょうた)
 1990年(平2)4月10日生まれのO型。169センチ、50キロ。長野・佐久長聖高出身。自己記録:5000メートル13分45秒83。1万メートル28分41秒42。ハーフマラソン1時間02分08秒。2010年箱根駅伝3区1時間03分27秒(区間4位)、11年2区1時間07分50秒(区間4位)、12年2区1時間08分47秒(区間5位)