新体制で臨む、存在感を示せ

水球女子
TEAM 1P 2P 3P 4P
東女体大
早大
▽得点者
齋藤1、徳用1
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大
秀明大
▽得点者
小泉2、齋藤1
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大
秀明水球クラブ
▽得点者
齋藤2、徳用1、百田1

 第93回日本選手権関東地区予選、早大があたったAブロックには秀明大、秀明水球クラブと実力のあるチームが揃った。新入生が加入して新たな体制となったチームで臨む今季初となる公式戦。ディフェンスを中心として失点を最小限に抑える練習をしてきた早大は、実戦でその成果を発揮することができるか。

 早大の初戦の対戦相手は東女体大。試合前半、互いに一進一退の攻防が続く。試合が動いたのは第3ピリオド開始直後、徳用万里奈(社4=埼玉・秀明英光)が自陣から一気にゴール前までボールを運び先制点をあげると、その後も早大は得点を重ねた。ディフェンスを意識したロースコアな試合運びとなったため、一点一点の重みが痛感される。しかし、早大は第4ピリオドで退水(※)を取られてしまい、人数で不利に立たされて相手に一点を返されるも、2ー1で逃げ切って1回戦を制した。

狙いすましたシュートを放つ徳用

 予選2回戦は強豪・秀明大。前半一方的に攻められ、一時7点差をつけられてしまい、あわやコールド負けかと思われたが、ここから早大の追い上げが始まる。最終ピリオドは両校攻めの姿勢を見せ、激しい展開となった。第4ピリオド開始早々、小泉まお(教3=東京・中大付)がサイドからシュートを決める。小泉のゴールから流れを呼び込んだ早大は、相手のペナルティによるフリーシュートも成功させるなど、3得点を挙げる猛追を見せるも、最終スコア3ー8で2回戦は黒星をつけた。3回戦、実力のある秀明水球クラブ相手に試合は一進一退で進んでいった。「強い選手を抑え込むことができず得点を決められてしまう場面もあったが、失点は多くなかったためディフェンスがしっかりできていた」と小泉は振り返った。試合終了間際、齋藤有寿(スポ4=山形工)が相手の退水で得たチャンスを生かし、同点ゴールを決めて4ー4の引き分けで終幕した。本日の試合結果より早大は予選を2位で通過、翌日からの決勝ラウンドに挑む。

相手シュートを弾く好セーブを見せた松岡美有(スポ3=埼玉・秀明英光)

 「早大は個々がまだ弱い段階にある。ディフェンスを中心に、実力が足りないところはチーム全体でカバーしていき、もっと全員が伸び伸びとプレーできるチームになりたい」と徳用は語ってくれた。頼もしいルーキーが3人加入した女子水球。人数が少ないため対戦形式の練習が満足にできない早大だが、そこは実戦経験を積んで克服していくことだろう。決勝ラウンドで選手の弾ける笑顔を見るのが楽しみで仕方がない。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

(記事 上野真望 写真 上野真望、井嶋梨砂子)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません。

コメント

徳用万里奈(社4=埼玉・秀明英光)

――本日の試合前の意気込みをまずお聞かせください

自分自身、今代表のほうに入っているんですけれども、そちらの方で活動することが多くて。先日ワールドリーグという試合があったんですけれども、それから帰ってきたのが火曜日の夜。なので水曜日と金曜日しか練習でチームと合わせることができていなくて、なので自分がいない間に早大がどのようなチームになっているのか、まず様子を見ました。まず自分がチームに合わせつつ、チーム内でどのような役割ができるのかしっかりと考えて試合に臨もうと考えていました。

――新体制で今年初の公式戦をすることとなりましたが、新たなチームで戦ってみていかがでしたか

ワールドリーグに参加する前にチームで練習したときと比べると、チームメイトがとても上達していて、日に日にレベルアップしていると実感できています。

――本日の試合の得点を振り返らせていただきます。まず1試合目、ワセダの先制点を決めてらっしゃいましたね

すごくロースコアな試合だったので、一点の重みがありました。しっかりと得点できてよかったと思います。

――2試合目は秀明大学相手に苦戦を強いられ、残念ながら敗退してしまいました。敗因はどこにあるとお考えですか

今大会ではディフェンス重視で試合に臨もうとチーム的には考えていました。しかし、すこし守りの意識が強すぎたかなと反省しています。

――3試合目にも1得点あげられていますね。秀明クラブは昨年の日本選手権覇者ですが、その対戦相手と引き分けたという結果はどう捉えていらっしゃいますか

秀明系列の水球チームが去年からガラリと変わったので、昨年の王者に勝ったことには正確にはならないですね。なので、もっとディフェンスもしっかりして、得点も重ねたかったですね。もう少し差をつけて勝てる試合ではあったかなと感じています。それは、集中力が切れてしまっていた部分があったと思います。

――まだまだ始まったばかりだとは思うのですが、今年のチームの課題やどのようなチームにしていきたいか教えてください

まだ個々がすこしだけ弱かったりするんですね。なので、ディフェンス面ではチームで連携してカバーしていけるようにしたいです。オフェンス面では、もっとみんなが伸び伸びとしたプレーが出来るようなチームになりたいですね。

――明日の決勝ラウンドに向けて目標をお願いします

まずは1試合1試合しっかりと集中して、日本選手権の予選ですから、次に向かってしっかりといいスタートが切れるように、毎試合勝利を収めていけたらいいなと思います。

小泉まお(教3=東京・中大付)

――この予選会でのチームの目標を教えてください

1位通過したいというのはあったんですが、秀明大と秀明クラブにグループリーグで当たってしまったので厳しい部分もありました。でも1勝1敗1分けで2次予選には進めるようなので、それは良かったと思います。

――1戦目の東女体大とはロースコアでの試合運びとなりましたが、振り返っていかがですか

あまり無理に攻めずに、ディフェンス中心で点を取らせない試合にできるよう練習してきたので、その成果が出たと思います。ロースコアでの良い試合展開でした。

――秀明大、秀明クラブと強豪チーム相手の試合が続きましたが、意識していたことはありますか

東女体大とのロースコアでのゲームのように、失点を少なくすることを意識しました。コーチからも、0ー0で良いから失点をしないようにと言われていて、1点取られたら2点取り返さないといけないので、失点しないことが大切だったと思います。

――相手チームの強いディフェンスへの対策はありましたか

止まってパスを要求すると、ディフェンスが強いのでかぶられてしまうことが多いです。それを防ぐために、しっかりと泳いで流れを止めないということを考えていました。

――秀明クラブとの試合は一進一退で進んでいきましたが、上手くいったのはどのような点ですか

相手チームで、中に強い人がいたのでその人を警戒して下がりすぎて上から打たれてしまうこともあったんですが、あまり失点も多くなかったのでディフェンスがしっかりできていたのではないかと思います。

――新入生も入りましたが、今のチームの雰囲気はいかがですか

新入生とも結構長い期間一緒に練習していてチームに馴染めているので、良い感じだと思います。

――今、練習で力を入れていることはありますか

人数が少ないのであまり実践的な練習はできていないんですが、無理なパスをしないように、相手が欲しいところに安全なパスを出せるように考えて練習しています。