TEAM | 1P | 2P | 3P | 4P | 計 | |||||
日体クラブ | 3 | 4 | 5 | 2 | 14 | |||||
早大 | 1 | 0 | 2 | 2 | 5 | |||||
▽得点者 小路2、田中、固城、齋藤 |
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今シーズン最終戦であり、4年生の引退試合でもある日本選手権が開幕した。初戦の相手はカウンターを得意とし、きょねんの優勝チームでもある強豪の日体クラブ。ワセダは連携プレーで攻めるものの、固城侑美主将(スポ4=東京・藤村女)がマークされなかなか得点を挙げることができない。しかし下級生が積極的に得点を狙いにいき、今後チームを担うメンバーの頼もしさが垣間見えた戦いでもあった。
第1ピリオド、開始2分弱で相手にカウンターからシュートを決められ早々にペースを奪われてしまうと、その後もロングパスを通され失点。しかし終了間際にはGKが好セーブを決め、その後のピンチを守り切った。続く第2ピリオドは固城が相手の退水(※)を誘い好機をつくるも、残り6分40秒でカウンターからシュートを決められてしまう。相手のミスで再びチャンスをつくったが、田中寧葉(スポ3=埼玉・秀明英光)のシュートがGKの真正面に向かってしまい得点に結びつけることができず。我慢の時間が続いたまま6点差をつけられ、1-7で試合を折り返した。
固城主将は相手にマークされながらも得点を決めた
後半戦、日本代表を入れた相手チームとの体力の差は見られたもののワセダは4点を挙げ意地を見せた。田中のシュートは一度は阻まれるが、すぐに続くカウンターのチャンスを落ち着いて見定め確実にシュートを決める。そして残り21秒、斉藤美奈都(スポ4=茨城・聖徳大取手聖徳女)から小路安希(スポ2=埼玉・秀明英光)へのパスが決まり第3ピリオドが終了した。最終ピリオド、右サイドの小西晃代(スポ3=埼玉・秀明英光)から泳ぎでフリーになっていた左サイドの齋藤有寿(スポ1=山形工)にパス、見事な連携プレーで得点を決める。残り39秒、相手の退水のタイミングでワセダはタイムアウトをとり、連携プレーで攻めるものの失敗し5-14でゲーム終了。「もう少し競った試合にしたくて、本当に悔しいです」(固城)と、選手たちは涙を流した。
息の合った連携を見せた小路
試合を振り返り、「シュートの決定率の部分で差が出てしまった」と、敗因を語った斉藤。事実、ほぼ同じシュート数を放ちながら、日体クラブの得点が14点であるのに対し、ワセダはこれを大きく下回る5点に終わった。引退を迎え、固城は「優勝という目標に向かって、チーム全員で盛り上げてやってほしい」と後輩にバトンを託した。斉藤も「後輩がすごく支えてくれた部分があった、たくましい後輩」と、来季のメンバーに絶大な信頼を置く。 引退するメンバーの期待を背負い、チーム一丸となったワセダの今後の活躍に注目したい。
※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事 寺脇知佳、写真 角田望、伊藤なつ実)
コメント
固城侑美主将(スポ4=東京・藤村女)
――今大会はどのような気持ちで臨みましたか
日本選手権は最後の試合だったのですが、もう少し競った試合にしたくて、本当に悔しいです。
――試合を振り返って
シュートは日体クラブと同じくらい打てていたと思うのですが、シュートの決定率の部分で差が出てしまったので、そこですね。
――この試合をもって引退となってしまいました
1年生の時から日本選手権に出ていたのですが、一度もベスト4に入れなくて、インカレ(日本学生選手権)でも優勝することができなかったので、振り返ってみると正直悔しいのですが、ワセダの水球で4年間やれたことは自分にとってすごいプラスになったと思うし、このチームで水球ができたことは本当に良かったなと思います。
――後輩へ伝えたいことはありますか
一年後のこの舞台で後悔しないように、できることを全力で、みんなで協力しながら、優勝という目標に向かって、チーム全員で盛り上げてやってほしいと思います。インカレで優勝してほしいです!
長島佳世(人4=茨城・聖徳大取手聖徳女)
――強豪チームが相手ということでどのような戦略を練っていましたか
きょねんの優勝チームということで、カウンターが出てくると思ったのでカウンター重視のディフェンスをするように心掛けていました。
――試合内容を振り返っていかがですか
止めなきゃいけないところが多かったのに止められなかったのと、もっと自分が的確に指示を出せば止められたし防げたシュートもたくさんあったということが反省です。
――点差が開いてしまいましたが見ていて相手ディフェンスの強さは感じましたか
ディフェンスも強いですしGKもの人もすごいうまいので警戒はしていました。
――この結果にはやはり悔しさはありますか
そうですね。最後だったので勝ちたいですし、負けてしまっても競って終わりたかったというのはあるのですが、すごい大差で負けてしまったのでそれが悔しいです。
――今大会で引退となりますがどのようなお気持ちですか
自分は2年までマネージャーとしてやっていて3、4年で選手に復帰というかたちで戻ってきたのですが、一番下手なのでチームに迷惑をかけてしまった点もあります。インカレ(日本学生選手権)みたいに競れなかったですが、ここまで成長させてくれたチームには感謝しています。
――後輩へ何かメッセージをお願いします
インカレも悔しい思いをして日本選手権も1回戦で負けて悔しい思いをしたので、らいねんこそはインカレも優勝して日本選手権もメダルを取れるように頑張ってほしいと思います。
斉藤美奈都(スポ4=茨城・聖徳大取手聖徳女)
――相手は強豪・日体クラブ。どのような準備をしてこられましたか
選手として戦う最後の試合で、このチームで戦う今シーズン最後の試合でもあったので気合いを入れてきたつもりだったんですけど、気合いよりも準備が足りなかったのかなというのはありますね。
――相手には代表クラスの選手もいました。戦っていかがでしたか
あっちも前半スタメンの強いメンバーできていて、そういうところでやられて流れをつかまれてしまったのが大きかったかなと思っています。
――引退となります。どのような4年間でしたか
個人的には、15年間続けてきた水球の集大成という意味もありました。大学水球を選んで進学して、チームのメンバーもなかなかそろわなくて、苦しい戦いが多かったんですけど、やっとここまで上り詰めてきたと思います。それと、環境を作ってくれた周りの人たちにも感謝しないといけないなと思います。
――この試合でも、後半固城侑美主将(スポ4=東京・藤村女)がマークされるなか下級生が得点をとるなど、頼もしい後輩たちだと思います。どのようなチームをつくっていってほしいですか
毎日の練習でも侑美が不在のことも多いなかで、後輩がすごく支えてくれた部分があったので、たくましい後輩だと思います。らいねんは絶対にインカレ(日本学生選手権)で優勝して、日本選手権でもメダルを獲得してほしいなと思います。
田中寧葉(スポ3=埼玉・秀明英光)
――きょうの試合を振り返って
試合が終わって率直に思うのは、悔しい、ということです。
――シュート数がワセダは21本、日体は22本と両者ともシュート数は変わらいと思いますが、ワセダはなかなか得点につなげることができませんでした。その原因はなんだと思いますか。
相手のキーパーが強いというのはあると思うんですけど、自分のシュートも焦って打ってしまって、コントロールが効かなかったというのも、要因だと思います。
――シュートをたくさん打てたことは、オフェンス面から見るとプラスと捉えてもいいと思いますか
そうですね、シュート数を下げればシュートの決定値も下がると思うので打った本数はいいと思うんですけど、焦って打ってしまうという制度が悪かったので、それが敗因に直結していると思います。
――ディフェンス面ではいかがでしたか
日体がカウンターを得意とするチームで、マークミスや中のセンターフォワードの方も強くて、下がるタイミングやスピードが遅かったので、全体的に言えるのはチーム内の声がなかったから連動ができずにシュートを決められてしまったのも負けてしまった要因として大きいと思います。
――他に課題点は見つかりましたか
今季最後の大会ということもあって思い入れが強かったのですが、それがプレーに焦ってでてしまうという形で反映してしまったことです。
――では、練習の成果は十分に発揮できたと思いますか
チーム内で工夫して練習してきたのでそれが出せた部分と出せなかった部分があります。うまく出せた部分は、パス回しをしっかりして決めるところできちんと決める場面もありましたし、相手の退水で点を決められたチームメートもいたので、そういう所は出せたと思います。
小西晃代(スポ3=埼玉・秀明英光)
――5−14という結果を振り返っていかがですか
やっぱり力不足だったと思います。
――どのような点が足りなかったところだと思いますか
シュート本数を見ても大体同じで、決定力がないところと、シュートまできちっとした形で持っていけなかったというところが大きかったと思います。
――ご自身の働きを評価していかがですか
センターフォワードなので本来点を取るべきポジションなのですが、無得点なので役に立ててなかったなと思います。
――今試合の相手は強豪でしたが、どのような対策を心掛けて試合に臨みましたか
日体クラブはカウンターのチームでよく泳ぐので、無理なパスや攻めをしないということを心掛けて、しっかりディフェンスをしてそこから攻撃するということを心掛けました。
――今試合で4年生は引退となりますが、4年生に向けてメッセージをお願いします
ずっと代が被っていてすごくお世話になった先輩方なので本当に感謝しかないですけど、4年生が悔しい思いをした分、自分たちが取り返せたらなと思います。
――らいねんは最高学年としてチームを引っ張る立場になりますが、どのようなチームをつくっていきたいですか
ワセダは学生主体というのが一番の特徴だと思うので、みんなのいいところを生かせるように、みんなの意見を合わせていいチームプレーができるようなチームになれたらなと思います。
――来シーズンに向けての意気込みをお願いします
インカレ(日本学生選手権)で必ず優勝するということと、日本選手権でこの悔しい思いを来年にもう一度リベンジするということです。