初戦を大量得点で飾り快勝

水球女子
TEAM 1P 2P 3P 4P
びわこ成蹊スポーツ大
早大 20
▽得点者
固城8、田中6、小西3、徳用2、大久保

 きのう開幕した日本学生選手権(インカレ)だが、シードのためきょう初戦を迎えたワセダ。序盤は徹底した堅い守備で、びわこ成蹊スポーツ大に攻撃する隙を与えない。GK長島佳世(人4=茨城・聖徳大取手聖徳女)の好セーブが連発し、第2ピリオド終了時点で6-1と差をつけた。第3ピリオドからは、主将の固城侑美(スポ4=東京・藤村女)や田中寧葉(スポ3=埼玉・秀明英光)の攻撃が炸裂。大量得点で勢いに乗ると、その後も攻めの姿勢を貫きリードを保ったまま20-3で圧勝した。

長島らディフェンス陣は3失点に抑えた

 「緊張はなかった」と固城が言う通り、第1ピリオドから果敢にシュートを狙う。しかし、ゴールポストに阻まれ、なかなかチャンスをものにできない。続く第2ピリオドでようやく試合が動き始めた。鉄壁の守備で相手のシュートをかわし、カウンター攻撃を仕掛ける展開に。組織的なディフェンスが機能することでオフェンスにも勢いが増し、点差が開いていく。守備から攻撃の流れを引き寄せることに成功した。

 このままリードを守り切りたいワセダは、第3ピリオドから固城が覚醒。ミドルシュート、ループシュートなど多彩な攻撃が繰り広げられ、相手ディフェンスを翻弄する。「ゴール付近での1対1の争いが得意」(固城)と話すように相手GKとの直接対決も制し、次々に得点を奪っていった。固城の他に、攻撃の要として活躍したのが田中だ。「左サイドからのシュートが得意」(田中)と言うように左から鋭いシュートを決めたほか、残り1秒でミドルシュートを放つなど6得点を挙げ勝利に大きく貢献。第4ピリオドでは大久保映見(人1=大阪・茨木)が公式戦初得点を上げるなど、チーム全体の好調ぶりがうかがえた。このまま相手が反撃する間もなく、試合終了。最終スコア20-3で圧倒的な強さを見せた。

後半で8得点の固城

 初戦で大勝し流れをつかんだワセダは、あしたの決勝に向け準備万端の様子。「ことしは正式にインカレになったので、初代女王を狙ってがんばっていきたい」(田中)と語る通り、女子水球がインカレの公式種目となったのはことしから。初代女王の名誉をかけ、なんとしても優勝を目指す。迎え撃つは昨年インカレ覇者の日体大だが、きょうの勢いそのままに攻め続け、栄冠を狙う。

(記事 安藤愛奈、写真 谷田部友香)

コメント

固城侑美主将(スポ4=東京・藤村女)

――きょうの試合を振り返って

まずは自分たちのプレーがしっかりできるようにということと、4ピリオドをしっかり戦えるようにすることだけを考えていました。だから、勝てて良かったです。

――日本学生選手権(インカレ)初戦ということでしたが、体調は万全でしたか、緊張などはありましたか

特に緊張はなかったです。1ピリオド目はロースコアでしたが、みんな1ピリオド目からしっかり落ち着いてプレーができていたと思います。個人的に肩が痛いという選手などはいましたが、全体的には体調も良い中でインカレを迎えられたと思います。

――キャプテンとして、今回のインカレにはどのような気持ちで臨みましたか

年々順位を上げてきているという良い流れもありますし、ワセダの女子水球を創ってくださった先輩方の気持ちを背負って、ことしは初のタイトルを獲りたいなというふうに思います。

――チームの仕上がりはいかがでしたか

良い感じできていますね。あした自分たちの流れで自分たちのプレーがしっかりできたら、勝てると思います。

――8得点されていましたが、ご自身の調子はいかがですか

8得点でしたか。きょうは個人的にシュートミスがなかったので、調子が良かったです。今シーズンは割と一定の調子を維持しています。普段は初日などは緊張して調子が悪いこともあるのですが、きょうはそれがなかったので良かったです。

――シュートに関して、得意な方向やシュートしやすい展開などを教えてください

1番得意としているシュートとしては、ミドルシュートというよりも、カットインで、相手の前に入ってそこから相手を背負ってからのシュートですね。キーパーをおびき寄せてからのゴール前でのシュートなど、プレースタイル的に、ゴール付近での攻撃が得意です。シュートは、相手のキーパーを上に釣ってからの脇下のシュートや、フェイクで左に撃ちキーパーを左に引き寄せてからの逆ループシュートなども個人的に得意です。

――あしたの決勝に向けて一言お願いします

あしたは、今まで準備してきた成果が出せるように、優勝できるようにチーム一丸となって頑張りたいと思います。

田中寧葉(スポ3=埼玉・秀明英光)

――日本学生選手権(インカレ)初戦を終えて

1番は無事に勝てて、あすの決勝にいけるということが良かったです。ただ、内容はまだ完璧なゲームができたかといったらそうではなかったので、課題が残る試合だったかなと思います。

――具体的な課題点はどこですか

個人的なミスなのですが、私がディフェンス面で反応の遅さと判断ミスで2点、失点につなげてしまった点です。

――6得点の活躍でしたが、シュートで得意な角度などはありますか

右利きなので、左サイドから撃つシュートが得意です。ただ周りの動きが良かったからこそ、最後良いポジションでシュートが撃てたので、他の5人の選手のおかげの得点だと思います。

――インカレ初戦はどのような気持ちで臨みましたか

メンバーが違っていたのですが、日本選手権の二次予選の時にびわこには負けてしまったので。関東のチームではないのであまり試合慣れをしていなくて、どのようなチームか分からなかったのですが、1番初めから気を抜かずにいこうということはチーム全員で共有していました。

――実際に戦ってみてチームの状況はいかがですか

最終スコアはとても点が離れたのですが、1ピリオド目はどうしても1ー1というロースコアでなかなか離せなくて、スタートもどういうチームか分からなかったということもありますが、もう少し1ピリオド目から点が離れていたらもっと楽な試合だったかなと思います。

――最後にあすの決勝に向けてお願いします

日体大にはきょねんの決勝でもあたっていて負けてしまっているので、ワセダはまだ女子チームができてから優勝もしていないですし、ことしは正式にインカレになったので、初代女王を狙ってがんばっていきたいと思います!

徳用万里奈(社1=埼玉・秀明英光)
――日本学生選手権(インカレ)初戦を終えて、感想はいかがですか
やっぱりまだ先輩方に助けてもらっている部分があるので、一対一で対応できる能力をつけていきたいと思います。
――緊張はありましたか
最初はありましたね。
――ご自身の中で、緊張が解けてきたのはどのあたりでしょうか
最初にシュートを外してしまって焦ってしまったところがあったのですが、自分がシュートを決めたと きから動くようになりました。
――チームとしてはどこに重点を置いてきたのでしょうか
私は個人でユースジャパンのほうに行っていたので、全然チームで練習できていないんです。
――チームに合流したのはいつだったのでしょうか
9月3日です。2日前なんですよね。
――では、不安はありましたか
そうですね、大会前に一度練習試合に参加したんですけど、自分が合わせるのももちろんそうで、みんなが気にかけてくれて合わせてくれたのでやりやすかったです。
――世界の舞台で戦ってみて、いかがでしたか
すごくいい経験ができて、もちろんやられた部分もあったんですけど、学べたこともいっぱいありました。
――具体的にどのようなことがありますか
一番足りないのがウエイトの部分で、力負けをしてしまいました。ウエイトしても敵わない部分はあるかもしれないんですけど、力をつけていこうと思いました。
――インカレの目標は
もちろん優勝です。
――その中でどのような役割を果たしていきたいですか
自分はディフェンスの中心でやっているので、点を取らせないで、できるだけ先輩たちの負担を減らしていきたいです。