慶大にリベンジ!5位でリーグ戦を終える

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
慶大 10
早大 14
▽得点者
深川5、池水4、中安2、岩井、山田、吉村

 関東学生リーグ戦(リーグ戦)はいよいよ最終週に入った。順位決定トーナメントの初戦を突破した早大は、5位を懸けて慶大との一戦に臨んだ。試合前半は、両チーム一進一退の展開が続き、第2ピリオドを終えてスコアは6-6。このまま僅差のまま進んでいくかと思われたが、第3ピリオドで大きくゲームが動く。池水勇太(スポ3=鹿児島南)らの得点で大量6点を奪い、12-8と4点差にリードを広げた。最後までリードを守り抜き、14-10で勝利。最終順位は5位となり、1ヶ月に及ぶリーグ戦を終えた。

 予選リーグ3戦目、慶大にまさかの敗戦を喫した早大。連敗が許されない一戦は、前回同様、慶大の大応援が鳴り響く独特の雰囲気に包まれた。相手の勢いに飲まれたかのように、試合序盤、早大はなかなか流れをつかめない。ディフェンス時に退水(※)を取られ、攻め込まれる場面が目立った。「もう少し失点を抑えて(第1ピリオドを)3-2か3-1にできれば、展開はもっと良かったと思う」と深川幹徳主将(スポ4=福岡工)。試合の主導権をつかみ切れず、6-6の同点で試合後半を迎える。

この日、4得点を挙げた池水

 第3ピリオド、一気に試合の流れを引き寄せたのは早大だった。開始1分、ゴール前でチャンスを作ると、山田太一(スポ2=埼玉・秀明英光)が相手ディフェンスに囲まれながらもゴールを決め、7-6と逆転に成功。「カウンターがチームとして出ていたので、いいリズムがつかめた」と中安正巳(スポ2=静岡・磐田南)が振り返るように、その後は効果的に得点を重ねていった。ゲーム前半は不安定だったディフェンスも落ち着いた動きを見せ、慶大の追撃を阻止。最後までリードを保ち、14-10で試合終了。予選リーグでの雪辱をしっかり晴らす結果となった。

積極的なプレーを見せた中安

 「結果は悔しいですが、このリーグ戦で気付けたことも多かったので、謙虚に捉えて課題を明確にしてインカレに向かっていきたい」(深川)。チームとしては2008年(平20)以来となるリーグ5位に沈んだ。1ヶ月の戦いを通して浮かび上がったのは、シュートの決定率、そして1対1のディフェンスという課題だ。中嶋孝行監督(平13教卒=福岡工)も「いかに個々のレベルアップをしていくか」とチーム全体の底上げを求めた。チームの最大の目標である日本学生選手権(インカレ)に向け、乗り越えなければならないカベは高い。13人の水球戦士たちは、スケールアップを図るべくこの夏を迎える。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

   

(記事 井口裕太、写真 本田理奈、吉田安祐香)

☆バースデーの深川が5得点の大活躍!

攻撃の中心となる深川主将

  この日が誕生日だった深川がチーム最多の5得点を挙げる活躍を見せ、自らのバースデーを彩った。主将であり、そしてエースでもある深川。「僕だけが変わってもチームは変わらないので、どうチームのモチベーションを上げて、どう負けを生かすかというのを考えてチームに伝えた」。この1ヶ月、最後までなかなか波に乗り切れなかったチームを、常に先頭に立って引っ張った。試合中はさることながら、インターバルには周囲に積極的に声をかけるなど、その存在感は抜群。迎えたリーグ最終戦では、ミドルシュートを2本決めるなど攻撃の要として勝利に大きく貢献した。目標とするインカレ優勝に向けて、大黒柱であるこの男がこれからもチームをけん引していく。

(記事 井口裕太、写真 吉田安祐香)

コメント

  

中嶋孝行監督(平13教卒=福岡工)

――この試合、第1ピリオドは苦しい展開となりましたがどのように振り返られますか

1、2ピリオドで退水が8、9個あったと思いますが、そのほとんどが向こう(慶大)が攻めてきたあとの止まってからのプレーに対しての退水でした。そこは慶大に限らず、特に日体大は回転してくるチームなので、対応していかないときょうみたいな試合になってしまうかなと思います。

――第3ピリオドはいい展開に持ち込めましたが、何か指示などはあったのですか

大きくは2つで、ディフェンスのところと、中で声を出しなさいということですね。

――前回の対戦から何か対策した点はありましたか

いや、もう対策はいつも通りで、慶大だからこれをするというのはなくて、いつも通りのうちのプレーをするということでした。

――改めて、リーグ戦5位という結果にはどのように感じていますか

リーグ戦の順位はかなりインカレにイコールに近いものがあるので。昨年はインカレが4位でしたけど、ここから順位を4、3、2、1と上げていくのは例年通りのことをやっていてもなかなか厳しいのかなと思います。普段の練習の中で、いかに個々のレベルアップをしていかないと厳しいところかなと思います。泳ぎ、パワー、戦術もそうかもしれないですが、試合に出るメンバーはほぼ8人か9人で、ベンチにいるメンバー含めて全員が戦えるチームにしないといけないなと思います。

――現段階でのチームの完成度はいかがでしょうか

まだまだだと思います。一番手っ取り早いのはカウンターで点を取るのがいいですが、(相手を)抜けてはいるんですが、シュートにこぎ着けていなかったり、無理打ちして逆にカウンターを食らうのは良くないですけど。結構余裕で抜けているのに、つぶれてしまうケースが多々あるので、そこで点数をいかないと。セットで1点、1点ゆっくり取っていきましょうというのは、やはり球技ではないと思うので、もっと磨いていかないといけないと思います。

――1対1のディフェンスが選手も課題に挙げていますが、どのように克服していきたいですか

結局ただ泳ぐ、みたいな練習をしていても体力は付くかもしれないですけど、泳ぎながらもっとフットワークを入れるような練習だったりだとか、基礎練習でもっとウエートの部分もそうかもしれないですが、きょう、あさってで急にということはないので1個1個コツコツとやっていくしかないと思いますね。

深川幹徳主将(スポ4=福岡工)

――慶大は前回悔しい思いをした相手ですが、どのような対策をして臨みましたか

主に2つあって、まず僕たちがディフェンスの時はエースや核となる人間にチャンスメイクさせないということと、僕らがオフェンスの時に相手が下がりのディフェンスをしてきたのでその対策をしました。

――第1ピリオドで点を取り合う展開となりましたが、チームの立ち上がりの部分はいかがですか

3点は取れていたので、もう少し失点を抑えて3-2か3-1にできれば、展開はもっと良かったと思います。ディフェンスの課題が残る形になりました。

――退水が多くつきましたが、その点についてはいかがですか

微妙な判定が多かったんですが、かと言って火のないところに煙は立たないという感じで何かしらやっているから取られているんだと思うので、そこはビデオを見て確認したいです。

――後半の切り替えはどのように行いましたか

辛抱強く我慢してやっていたのが流れにのったという感じだと思っていて、あんなに離れるとは思っていませんでした。

――慶大に14-10という結果はどう捉えますか

14点取れる相手に10点取られていては苦しい試合を繰り返すだけなので、練習しなきゃいけないところだと思います。

――リーグ戦全体を振り返っていかがですか

負けを経験してどう変わるかというのを考えてやってきているので、課題は克服できてきていますし、試合ごとに次の課題も生まれていってチームにとってプラスなリーグ戦だったと思います。

――厳しい戦いもありましたが、主将としてどのようにチームを引っ張っていきましたか

一言では言えないんですが、僕だけが変わってもチームは変わらないので、どうチームのモチベーションを上げて、どう負けを生かすかというのを考えてチームに伝えました。

――リーグ5位という結果はどう感じていますか

異例といえば異例ですがこのリーグ戦で気付けたことも多かったので、結果は悔しいですが、謙虚に捉えて課題を明確にしてインカレに向かっていくという感じですね。

――チームの調子はいかがですか

僕たちは泳げるチームで、泳ぎを生かせないと厳しい戦いが続くので30メートルになった時にどれだけできるかということ、カウンターでの得点や、数的有利な状況でどれだけ失点を抑えられるかというのが重要で、それが勝利につながるポイントだと思っています。ここ(専大生田)のプールは狭くて、そういうところを生かせずにやられたところもあったので、これが正式な大きなプールになった時にどれだけ僕らの強みを生かせるかだと思います。

――インカレまでの期間で強化していくべきところはどこでしょうか

シュート全体的にカウンターも単純なシュートも決定率が悪くて、そこを上げていくというのと、退水時のディフェンスが守れていなくて失点が多くて、厳しい戦いでそういうのをポンポン入れられてしまうと普通に負けてしまうので、そこが課題です。

中安正巳(スポ2=静岡・磐田南)

――今回の試合にはどのような意気込みで臨まれましたか

前回負けた相手なので、今回は全力でボロボロにしようという意気込みでした。僕はスタメンじゃないんですけど変わった時でも全力で泳いで点を取ろうと思っていました。

――リーグ最終戦ということですが、試合内容としてはいかがでしたか

点が拮抗して厳しい時間帯とか、ボールが手に付かずに外してしまったりとかミスも多かったですけど、全体の流れとしてはなかなか上手く行ったんじゃないかと思います。

――積極的に攻撃するシーンが目立ちました

一番攻撃の中心となるポジションをやらせていただいているんですが、ディフェンスも勿論そうなんですが、オフェンスでまず一番点を取れるように、ゴールを見てプレーしました。

――3ピリオド目から調子が上がったように見えましたが、その要因などはありますか

やっぱりカウンターがチームとして出ていたので、いいリズムが掴めたんじゃないかなと思います。

――続いてリーグ全体を振り返っていかがでしょうか

ことしは去年よりも負けが多くて、試合ごとに見ていくと内容が悪い試合も何試合かあったんですけど、最後は予選リーグで負けていた相手に勝つことが出来たので良かったです。

――見えてきた収穫や課題などはありますか

自分としてはやっぱり、オフェンスも勿論まだまだなんですけど、守備がまだまだなので、まずは守備からしっかりして、その後攻めに行くことが出来るようにしたいです。最後のフィニッシュを外してしまったり、ボールが手に付かなかったりしたので、そういったハンドリングの面でもしっかりやりたいなと思います。

――インカレへの意気込みをお願いします。

一応早慶戦もあるんですが大きな大会ではとしてはインカレなので、まだそれまで期間はあるので夏の間に色んなチームと対戦して、チームの人数が少ないのでセットプレーとかがまだ完全にできていないところがあるので、そこをさらに上へとレベルアップ出来たらなと思います。