全員水球で勝利をつかむ

水球男子
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大 12
慶大
▽得点者
山田3、深田3、深川3、池水2、吉村

 伝統の一戦である、第87回早慶対抗水上競技大会が行われた。『全員得点』を掲げて臨んだこの試合。早大は序盤から得点を重ね、試合を優位に運ぶ。第3ピリオド終了時の12-6と6点リードを奪い、最終ピリオドへ。慶大の追い上げにあうも、12-8で逃げ切った。目標こそかなわなかったものの、選手一人ひとりが勝利に貢献した。

 第1ピリオド開始2分30秒、池水勇太(スポ2=鹿児島南)が幸先よく先制点。続いてきょう代理主将を務めた深田隼輔(スポ4=鳥取中央)が2点目を奪った。慶大も序盤から攻め果敢にシュートを狙ってくるが、GKの高島丈司(社3=東京・明大中野)が好セーブを連発。失点を2点に抑え、5-2でこのピリオドを終えた。続く第2ピリオドも、早大は優勢に試合を進める。中でも高島が相手のペナルティーシュートをセーブした場面では、スタンドからは大きな歓声が沸いた。一方攻撃の手を緩めることもなく、軽快なパス回しで相手を崩していく。池水の得点などでリードを5点に広げ、前半を8-3で折り返した。

試合前、全員で輪になって気合を入れた

 後半の第3ピリオドが始まる。最初の得点は慶大が決めるも、すかさず山田太一(スポ1=埼玉・秀明英光)が深川幹徳(スポ3=福岡工)のパスをワンタッチで押し込んだ。さらに、吉村崇(スポ1=大分商)がゴール右隅へシュートを決め、6点までリードを広げた。早大はここから積極的に選手交代を行い、傳田雅一(創理4=東京・早大学院)、吉成弘紀(法4=東京・早大学院)らを投入する。メンバーからもゴールを期待されていた二人。前線でパスを受け、チャンスの場面もあったが、なかなか決定機を生かせない。吉成は「得点に絡もうとしたが、上手くいかず申し訳なかった」と得点を挙げられなかったことを悔しがった。最終ピリオドでは2点を決められるも、12-8で勝利。試合後、プールサイドに上がった選手たちは清々しい表情をしつつも、時折悔しそうな顔をして見せた。

途中から出場した吉成は最後まで懸命なプレーを見せた

 ベンチ入りのメンバー全員が出場を果たしたこの一戦。試合後、深田は「スタメンだけでなくベンチも交代して戦っていけるのがベスト。夏にはそれが普通だという形にしたい」と語った。日本学生選手権を2か月後に控える早大。夏に向けて、チーム全体のさらなるレベルアップを期待したい。

(記事 竹田真優、写真 井嶋梨砂子、鈴木直人)

コメント

深田隼輔(スポ4=鳥取中央)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

もう少し点差を離したかったです。全員出場、全員得点ができなかったのは残念です。

――瀧川主将(峻也、スポ4=京都・鳥羽)不在の中でしたが、チームの動きはいかがでしたか

下級生たちが生き生きとプレーしてくれたのがよかったです。

――きょうの試合、チームとして何か目標は設定されていましたか

ベンチのメンバーも含めて、全員が得点するという目標がありましたが、達成できずに終わってしまいました。

――最後の早慶戦でしたが、何か特別な気持ちはありましたか

最後はしっかり、締めるところは締めて、楽しむところは楽しめたのがよかったです。

――試合前半の良い流れに変わり、後半は追い上げられる場面もありましたが

そうですね。少し良くなかったです。スタメンとベンチの人との差を詰めていきたいです。

――半月前にリーグ戦が終了してから、チームとしてどのようなテーマを持って練習されていますか

一から、というところです。スイムだったり、フットワークだったり。基礎的なところからもう一度つめ直してしっかりやっていきたいです。

――その成果については、きょうはいかがでしたか

以前に比べて良くはなっていますが、まだまだこれからです。

――きょうの全員出場は当初からの目標でしたか

そうですね。最後のインカレでも、そういうふうにやっていけるのがベストだ思います。

――その点、きょう出場された傳田選手、吉成選手が活躍されていましたが

はい、それはよかったです。夏にはあれが普通というような形にしたいです。

――最後に、夏に向けて強化していきたいところ教えてください

たくさんありますが、やっぱり泳ぎ負けないチームになりたい、というのがあります。どこのチームにも泳ぎ負けないスイングをしっかりやっていきたいと思います。

傳田雅一(創理4=東京・早大学院)

――試合途中からの出場でしたが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

不甲斐ないの一言に尽きますね。得点を決められなかったことであったり、ディフェンス面においても足を引っ張ってしまいましたね。

――きょうの試合で個人的な目標はありましたか

後輩からも得点決めてくれることを期待していますと言われていましたが、チャンスがなくて残念でした。チームとしても「全員得点」というのがありましたが、インカレに持ち越しですね。

――最後の早慶戦でしたが、何か特別な思い入れはありましたか

高校1年生から一度も負けたことなく来ていたので、無事勝てたことはほっとしてますが、得点決められなかったことが唯一悔いの残る部分です。

――これからに向けて強化していきたい点はありますか

インカレに向けて、一対一のディフェンスであったり、また途中交代からでも使ってもらえる選手を目指してやっていきたいです。

――インカレでのゴールが次の目標になりますか

そうですね、頑張ります!

吉成弘紀(法4=東京・早大学院)

――第3ピリオドの途中からの出場でしたが、きょうのご自身のプレーを振り返っていかがですか

全然思うようにならず、その理由もはっきりしています。悔いの残る試合ではありますが、これが現状なので仕方なかったと思います。インカレに向けて気持ちを入れ替えて、また頑張っていけたらと思います。

――ゴール前での積極的なプレーが目立っていましたが、そういったプレーを心がけていましたか

僕が4年で最後ということでチームも得点させてあげようというのがあったので、ゴール前にいって得点に絡もうとしました。あまり上手くいかなくて申し訳なかったと思います。

――大きな歓声を背にした試合となりましたが、その点はいかがでしたか

やはり早慶戦はたくさんの方がいらっしゃるので、その中でできたことを誇りに思います。

――今回で最後の早慶戦となりますが、特別な気持ちというのはありましたか

僕は選手として早慶戦に出たのは初めてですが運営の方に力をいれていて、そちらの方でミスなくスムーズにできたのが良かったと思います。選手としても結果がついてくると良かったのですが、思うようになりませんでした。

――試合前にチームのメンバーから声をかけられたり、期待されたことはありますか

得点することですね。それができなかったので、申し訳なかったです。

――いまは瀧川主将が不在ですが、チームの雰囲気はいかがですか

4年の深田と3年の深川の2人が中心となって、主将がいない分、みんなが周りでサポートしながら深川が引っ張っていき、上手くやっていけてると思います。

――2ヶ月後にインカレを迎えますが、意気込みをお願いします

きょうは主将がいなかったのですが、戻ってきてからは、もっとチーム力を高めて団結して全員で戦って優勝できるように頑張りたいと思います。