強敵相手に一歩及ばず

水球男子

 2連敗を喫し、A1リーグ4位が決まっているワセダ。3戦目は、日本代表経験のある選手を数多く擁する強豪・ブルボン柏崎と対戦した。格上の相手に一時はリードを奪うなど健闘を見せるが、14-16と惜しくも敗戦。今季初勝利とはならなかったものの、積極的な攻撃で流れを作りワセダの意地を見せた。

エースの働きを見せた戸張主将

 総力戦として挑んだ一戦は序盤から接戦を繰り広げ、緊迫した展開が続いた。ワセダは第1ピリオド開始直後に先制点を奪われるが、すぐにエース戸張真寿(スポ3=埼玉・秀明英光)のミドルシュートで追いつき、相手に流れを渡さない。続く第2ピリオドでは前の2試合控えだった戦力が躍動。今大会初出場のGK山田留唯(スポ1=岐阜・大垣東)が「持ち味である飛び出しをうまく決めることができた」と積極的な守りで好セーブを見せると、そこから傳田雅一(創理2=東京・早大学院)が相手の隙を突くシュートで自身初得点。前半終了間際には戸張がカウンターから相手のゴールを陥れ、7-6と1点リードで試合を折り返した。

 前半戦の良い流れを守りたいワセダ。第3ピリオド前半、深田隼輔(スポ2=鳥取中央育英)が2ゴールを奪い、9-7と相手を引き離す。しかし後半、味方の相次ぐ退水(※)により立て続けに3失点し、ついに逆転を許してしまう。ワセダはそのまま点差を詰めることができず、11-13でこのピリオドを終えた。勝負をかけて臨んだ最終第4ピリオド、強敵に勝って新チームに勢いをつけたいワセダだったが、パスミスに付け込まれ3点ビハインドに。万事休すかと思われたが、味方の好アシストから深田が連続でゴールを決め1点差まで追い上げる。さらに、山田が好セーブでチームの危機を救うなど、最後まで勝利を目指して戦い続けたが、一歩及ばず試合終了。今大会初勝利とはならなかった。

深田はきょう4得点を挙げる活躍

 敗れはしたものの「作戦が型にはまったプレーが多かった」(武田望、スポ3=富山北部)と手ごたえをつかんだワセダ。主力以外の選手が多くの活躍を見せたことは、選手層が課題のワセダにとって大きな収穫となった。次週はA2リーグ上位の相手との入れ替え戦に臨む。格下相手だが「自らチャレンジしていく気持ち」(戸張)で新チーム初白星を目指す。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

(記事 谷田部友香、写真 角田望)

結果

●早大 14-16 ブルボン柏崎

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コメント

中嶋孝行監督(平13年教卒=福岡工)

――ブルボン柏崎との試合を終えて、感想をお願いします

2点差ということで、勝つにはあと3点取るか3点抑えなきゃいけない。その3点は水球ではけっこう大きいので、接戦のように見えつつ実際は・・・といったところですね。選手はいろいろと考えていたみたいなんですけど、細かい一つ一つのところをもうちょっと詰めていかなきゃいけないですね。日体大なんかは選手層ももっと厚いですし。インカレ(日本学生選手権)のことを考えるなら、もっとレベルアップしなきゃいけないのかな、と。

――先週の試合と比べ、試合に出ているメンバー全員が攻撃に絡んでいるように見えました

ブルボン柏崎だったからやりやすかったというのもあるかもしれないし、経験積んで少しずつよくなっているというのもあるでしょうし。なかなか一概にはよくなったとは言えないかもしれませんね。僕らがそう思うぶんには構わないでしょうけど、選手自身がもしそう思っているのだったら、これから進歩がないのかなと思います。そこはもっと絵ベルアップすることを考えてやらないと駄目だと思いますね。

――きょうは先週は起用していなかった選手を長い時間起用していました

きょうみたいに全員出て勝つというのが一番理想なので、きょうが特別だったというわけではありません。

――次戦、入れ替え戦に向けて一言お願いします

下のリーグのチームが相手なので、接戦とかではなくきっちりと勝ちたいです。上位リーグらしく、勝っても当然だよね、という試合展開にしたいです。

戸張真寿主将(スポ3=埼玉・秀明英光)

――ブルボン柏崎との試合、終えてみて感想は

先週負けてしまってチームを一から立て直さなくてはいけないということで、ディフェンスから見直して、相手は格上ですしチャレンジャーの気持ちで臨みました。現時点でやれることはやったのかな、と。

――先週と比べ、試合にでている全員が攻撃に絡んでいるような印象を受けました

初めてスタメンで出るメンバーは先週は動きが硬かったので、お前らはスタメンなんだ、練習のように自信を持ってプレーしろと精神面でアドバイスした結果、自信を持ってプレーしていたのでそこは良かったと思いますね。

――強豪・ブルボン柏崎と2点差。この結果については

ミスがあって、最後の最後でみんなが焦らなければ同点くらいまでは持っていけたんじゃないかなとは思いますね。最後の最後で詰めが甘くなってしまってので、そこは向こうのほうが一枚上手だったのかなと。

――先週から厳しい試合が続いています。チームに足りないものは何だと思いますか

まだ結束力というか、チームの意思がひとつにまとまってないかなと思います。

――来週の入れ替え戦に向けて一言お願いします

下のチームと戦うという気持ちはありません。自らチャレンジしていく気持ち、強豪と戦うような気持ちで一試合一試合しっかり勝っていきたいです。

武田望(スポ3=富山北部)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

今までの試合よりは雰囲気は良かったのですが、僕自身の失敗が多かったので、足を引っ張ってしまったかなと思いますね。

――個人としてはどういったところが反省点ですか

最上級生として落ち着かなければいけないのですが、やはり焦ってしまって失敗が多かったですね。もっと落ち着いて周りを見て、後輩を引っ張れるようなプレーヤーにならなきゃいけないなと思いました。

――チーム全体としてはどうでしたか

チーム全体としては雰囲気も良くて、シュートも結構入っていましたし、作戦が型にはまったプレーが多かったので良かったですね。

――試合前はチームではどのような話をしていましたか

格上なので胸を借りるつもりでやってみようと。将来的には勝つので、その前段階で力強さとかを一人ずつ体感していこうという感じでした。

――実際に戦ってみていかがでしたか

社会人なので力強さはすごいのですが、動きのスピードとかならワセダの方が勝っているかなという感じなので、将来的には勝てるかなと思いました。

――次は入れ替え戦ですが、どのような意気込みで臨みますか

僕がワセダに入ってから2部には落ちたことがないので、やはり負けるわけにはいかないです。絶対勝つつもりでいきます!

傳田雅一(創理2=東京・早大学院)

――ブルボン柏崎との試合、終えてみて感想は

予想以上に戦えたのではと思います。

――14対16というスコアについては

もうちょっと決めるべきところを決めれば勝てる試合だったと思います。

――得点もありました。ご自身のプレーについては

マークが上手い方だったので、正直に言うとびびっていたんですけど、シュート決めてからは楽になって思い切ってプレーできました。

――先週から3連敗と厳しい戦いが続いています。いまのチームの状況については

3年生が就活でチームが揃わずに連携の練習はあまりできていない中、勝つためにその分個々のスキルアップという面でみんな頑張っています。

――来週の入れ替え戦に向けて一言お願いします

下のリーグのチームということを考えずに、油断せずに、自分も出番があれば頑張りたいです。

深田隼輔(スポ2=鳥取中央育英)

――きょうは強敵のブルボン柏崎が相手でしたが、どのような気持ちでこの試合に臨みましたか

きょうは明らかに格上の相手だったので、当たって砕けろという挑戦者の気持ちで挑みました。

――きょうの試合を振り返って

大事なところで僕のパスミスが目立ったので、最後の詰めのところでしっかりやりたいなと思いました。

――14対16という結果についてはいかがですか

正直なところラッキーだったのかなと。実力差は今の段階だったらもっとありました。

――前回、前々回の試合と比べてチームの雰囲気は

前回、前々回と違って後が無かったので、試合の入り方が全然違ったと思います。

――どのように違っていましたか

後が無いのでみんな必死でした。

――ご自身は4ゴールと活躍されていましたね

みんながおいしいところでボールをくれたからかな、と。お膳立てが良かったです。

――ルール変更により退水が増えましたが、それについての対応は

退水が増えるということは分かっていたのですが、今回僕たちのディフェンスの形がマンツーマンディフェンスで、退水は仕方ないという考えだったので、きょうの試合の退水の数は仕方ないかなといった感じです。

――次戦への意気込みをお願いします

次は格下が相手なので、油断せずしっかりと戦いたいと思います。

桜井祐太(人1=東京・城北)

――きょうの試合を振り返ってみて

この前の2試合が負けてしまっていてチームが良い雰囲気じゃなくて。試合後のミーティングで反省して、きょうはプレスでいこうというディフェンスの方針でした。それは上手くいけたかなと思うんですけど、試合に負けたのは悔しいです。

――プレーして先週から変わったと感じたことはありましたか

ディフェンスの作戦が下がりからプレスになって、上手くはまったんじゃないですけど、そこからカウンターとかありましたし、泳ぐようになって退水をもらう数も増えたと思います。

――自身の出来はどうでしたか

前の2試合はカウンターでもシュートを打てなかったので、シュートを打てたことに関しては良かったと思いますけど、ディフェンスがあんまり上手くいかなかったのでそこは反省したいです。

――積極的な攻撃参加がみられましたが、意識していましたか

そうですね。クォーター間に同期の深川君(幹徳、スポ1=福岡工)がアドバイスをくれたので、それに従ってやりました。

――来週からは入れ替え戦が始まります

ブルボン柏崎に比べたら劣るチームだと思うんですけど、しっかり自分たちの良さを出して生きたいと思います

――入れ替え戦に向けて一言お願いします

入替戦は危なげなく勝って、そこでワセダの色を出していきたいです。

岩井雄太郎(文構1=東京・城北)

――きょうの試合振り返ってみていかがでしたか

もう4位が決定してしまっていたのですが、自分たちでこの冬やってきた練習の成果を出そうということで、ディフェンス全部プレスにして勝負するということで、競れたので良い収穫にはなったと思います。

――相手は社会人チームのブルボン柏崎でしたが、何か意識されたことはありましたか

相手が強いのは分かっていたので、少しでも食らいついて何か得るものがあれば良いなという気持ちでやっていました。また、力が強いので、泳ぎで掻き回すという気持ちでやっていました。

――きょうはチーム内でアシストされる場面もありましたね

きょねんから試合に出ている人たちは頼りになるので、自分はことしから主に出るようになったのですが、迷惑をかけないように助けてアシストしました。

――前半はワセダがリードして折り返しましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか

総力戦ということで、全員で試合に出てワセダのチームというものを見せれたらなと思っていたので、良い雰囲気だったと思います。

――最後に次の試合に向けて一言お願いします

入れ替え戦になってしまうのですが、この一週間またしっかりとチームで連携を確認して練習して勝てるようにしていきたいです。

山田留唯(スポ1=岐阜・大垣東)

――きょうの試合にどのような気持ちで臨みましたか

きょうの相手は日本で一番強いチームだったので、挑戦者の気持ちで臨みましたね。自分達のできることをしよう、と考えました。

――きょうの試合をチームとして振り返っていかがでしたか

きょうはディフェンスをプレスで行うことが事前に決まっていたのですが、みんな凄い頑張っていましたね。欲を言えば勝ちたかったのですが、今のチーム状態でこれだけ競れたのはこれからの戦いに繋がることだと思います。

――個人としてはいかがでしたか

僕はことし初めての試合だったので、特に気合が入っていました。ゴール前の選手にボールが渡った際に、自分の持ち味である飛び出しを上手く決めることができたのも良かったですね。緊張はしなかったです。

――今後の意気込みをお願いします

4年生が抜けてしまった影響で「ワセダはGKが弱い」と他のチームからは言われると思うのですが、少しでも先輩に近づけるように頑張っていきたいです。