前日は昨季の準優勝校・東女体大に勝利し、創部以来初の決勝進出と勢いに乗る早大女子。男子も順当に勝ち上がり、早大初の男女アベック優勝をかけて、共に日体大との決勝戦を戦った。
女子は初の決勝にも関わらず、「プレッシャーは感じずにチャレンジャーという気持ちで挑みました」(固城妃美主将、教4=東京・藤村女子)というように気合いの入ったいい雰囲気で試合に臨んだ。しかし前半、日体大のカウンター攻撃に苦しむ。早大は積極的に敵陣に攻め込むも決定力に欠き、逆に連続してカウンターから失点。斉藤美奈都(スポ3=茨城・聖徳大附女子)が前半だけで4つの退水(※)を誘発しチャンスメイクするも、得点に結びついたのはわずかに1点。第2ピリオドまでに2―9と大きく点差をつけられた。
この大会チームの核となった斉藤美
後半に入ると、早大は守り重視に作戦を切り替える。すると前半のようにカウンターを受ける回数は激減し、攻撃面では第3ピリオド、斉藤美が個人技から相手ディフェンスを突き放し2連続得点。第4ピリオドには固城侑美(スポ3=東京・藤村女子)と斉藤美を中心に得点、守りの面ではGK長島佳世(人3=茨城・聖徳大附女子)の好セーブも光り、このピリオド同点と最後に意地を見せた。それでも結果は7―16と惨敗。「来年こそは絶対に勝ちます」試合後つぶやくように言った斉藤美の言葉には、悔しさと今後への決意が込められていた。
創部以来最高順位の2位に輝いた女子
男子も同じく前年の優勝校・日体大に挑戦した。関東学生リーグではあと一歩のところまで追いつめたが、この日はまさかの前半無得点。徐々に点差は開いていき、試合は完全に日体大ペースで進んだ。第3ピリオドに三浦悠輔主将(スポ4=京都・鳥羽)がようやく1点目を決めたが、その後も日体大のプレスディフェンスに苦しむ。結局最後まで早大の水球をさせてもらえず、大差で敗れた。スコアは、奇しくも女子と同じく7―16。男女共に悔しさの残る決勝戦となった。
準優勝に甘んじるも、笑顔で大会を終えた男子
4年生にとっては最後の日本学生選手権(インカレ)。シーズン最大の大会の終焉に、「すごく悔しかった」(三浦主将)という思いと同時に、「最後までやってくれたチームメイトは本当にもう僕にとっては宝物」(GK加藤廉也、スポ4=埼玉栄)と仲間への感謝の言葉が聞かれた。また、固城妃主将は「来年は絶対に優勝してほしい」と後輩たちに自らの思いを託した。次戦は10月の日本選手権。社会人も参加するハイレベルな大会で、今季の集大成をみせる。
※重大なファールを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事 森健悟、写真 加藤恵、森健悟)
結果
▽男子
●早大7―16日体大
▽女子
●早大7―16日体大
コメント
固城妃美主将(教4=東京・藤村女子)
――日体大との決勝戦。戦ってみていかがでしたか
連覇している日体大との試合だったのでプレッシャーは感じずにチャレンジャーという気持ちで挑みました。敗れてしまってので悔しいという思いはもちろんありますけど、決勝の舞台に立てたっていうことと、きょねんより順位を上げられたということで満足はしています。
――きのう東女体大に劇的な勝利をして、チームの雰囲気は
東女体大に勝ったということで、ちょっときのうはモチベーションが下がってしまっていたんですけど、朝起きてみんなで声を掛け合って、モチベーションを上げて試合に臨めたと思います。
――前半にカウンターから失点する場面が目立ちました
前半は自分たちも攻めていこうという思いがみんなあったと思うんですけど、後半は守り重視ということでみんなで声を出していたので、それが理由だと思います。
――創部初のインカレ2位。大会全体を総括して、いかがですか
今シーズンの試合を全部通して考えた中だと満足のいく試合ができたと思いますし、練習がなかなかできない期間でここまで仕上げて順位を(きょねんより)一つ上げられたというのは、来年にもつながると思いますし、また来月の日本選手権でもいい試合ができるのではないかなと思います。
――最後のインカレ。特別な思いはありましたか
今までは先輩たちの背中に一生懸命ついて行って、先輩方の足を引っ張らないようにという思いで臨んでいたインカレだったんですけど、やっぱり最後のインカレは、私一人が一番上だったので、後輩をいかに引っ張っていくかっていう難しさと、後輩が付いてきてくれる嬉しさとか楽しさっていうのを学べたので、やっぱり今回のインカレは私にとって特別なものになりました。
――後輩たちには、来年以降どんなインカレにしてほしいですか
いま、年々ひとつずつ順位を上げているので、来年はもちろん1位なので、絶対に優勝してほしいと思います。
――次戦は全日本選手権。意気込みを
まだ初戦の相手がわかっていないんですけど、やっぱりどことやるにも一生懸命頑張って東女体大に勝ったみたいな、ああいういい雰囲気で臨めたらいいなと思います。
固城侑美(スポ3=東京・藤村女子)
――きょうの試合振り返ってみていかがでしたか
もっと互角に戦いたかったんですけど、私達のミスも多かったし、うまく戦うことができなくて応援してくれた方にちょっと申し訳ないです。
――きょうの決勝はどのような気持ちで臨まれましたか
決勝に行けたからには真剣に戦うという気持ちで臨んだんですけど、日体に今まで勝ったことがないので挑戦者という気持ちで臨んだんですけど、残念な結果でした。
――試合中の気持ちの切り替えはありましたか
前半の方は点を取られた時も声が出てたんですけど、連続失点してしまってからはチームの空気がちょっと落ちてしまったということもあるので、そういうところは切り替えできなかったというのがきょうの反省かなと思っています。
――今後の課題は何かありますか
10月に日本選手権がありますので、日体と戦うかはわからないのですが、リベンジという形でとりあえず1勝して初のベスト4に入りたいなと思っています。
――最後に今後の意気込みをお願いします
まだ日本選手権があるんですけど、インカレで考えると来年は2位でシードということでほんとに年々ひとつずつ順位を上げていけてるので、来年こそは本当に優勝を目指して、1年間頑張っていきたいなと思っています。
三浦悠輔主将(スポ4=京都・鳥羽)
――日体大との決勝戦。戦ってみて
気合いを入れていったんですけど、僕のミスをはじめ、けっこうミスが多くて、最初の方に大差がついちゃったのがすごく悔しいですね。
――前半無失点で流れに乗れなかった感じがありました
(関東)学生リーグのときの改善点が改善されないままだったので、そこがいけなかったのかな、と。最初から点が取れていればもっといい流れになっていたと思います。
――きょうの点差は、実力通りの点差ですか、それとももっとやれたという思いがありますか
やっぱり対策ができていなかったというのが一番の反省点なので、この点差は妥当だと思います。
――最後のインカレ。特別な思いは
一回も優勝できてなかったですし、高校の時に優勝した思い出がすごく蘇ってきて、最後は優勝したいなと思ったんですけど、できなかったのですごく悔しかったです。
――チームのオフェンス面ではどうでしたか
相手のプレスが他のチームよりも強いっていうのは分かっていたんですけど、それでも押し負けてセットが広くなるというのが良くなかったかな、と。
――次戦は最後の大会・日本選手権。意気込みを
また日体大とあたる機会があればリベンジですし、ブルボンとかも出てくるので、次こそは優勝できるように頑張りたいと思います。
加藤廉也(スポ4=埼玉栄)
――きょうの決勝を終えていかがですか
まあ、よくやったなって思う自分が50%とまだ出来たんじゃないかなっていう自分が50%くらいあるので、正直なんとも言えなかったです。ですけども、まあここまで仲間を信じてきて良かったなっていうふうには思います。
――ゴールキーパーからみて、試合全体やチーム全体はいかがでしたか
ほんとに序盤から相手の流れにずっとおされる展開だったんですけども、でもそれでも最後までやってくれたチームメイトは本当にもう僕にとっては宝物になりましたね。
――きょうは最後のインカレでしたが、特別な気持ちで臨まれましたか
やはりもう最後なんで、楽しくやろうという気持ちは常に持っています。
――最後、10月には全日本選手権がありますが、それに向けてはいかがですか
日本一を決める大会ということで、まあ一つでも順位を上げられるように悔いなくほんと終われたらいいなとは思います。