「人生で一番楽しい大会だった」(村上雅弥主将、スポ4=香川・坂出)。終わってみれば男子は5位(293.0点)、女子は6位(245.0点)。思うような結果が出ず悔しさをにじませた選手もいたが、15レースで自己新を記録するなど、多くの選手が活躍した。喜びと悔しさが入り混じった激動の4日間。WUST全員がベストを尽くした。
☆大﨑、平河 メダルならずも笑顔
試合後にたたえ合う大﨑(左)と平河
200メートル平泳ぎに女子唯一決勝への進出を果たしたのは浅羽栞(スポ3=東京・八王子学園八王子)。前半は同種目連覇を目指す宮坂倖乃(明大)が引っ張る展開に。浅羽は3位で前半を折り返したが、ラスト50メートルで今井月(東洋大)に抜かれ、最後は4着でフィニッシュ。今大会好調の浅羽だったが、わずかにメダルを逃す、悔しい結果となった。
男子は予選を大﨑威久馬(スポ4=神奈川・桐光学園)と平河楓(スポ3=福岡・筑陽学園)が突破。大﨑は4年目にして同種目初の決勝進出を飾った。3レーンに平河、6レーンに大﨑となり、4レーンの佐藤翔馬(慶大)、5レーンの深沢大和(慶大)の慶大コンビを挟む形となった決勝。レースは下馬評通り、佐藤、深沢の二人が引っ張る展開に。平河は先頭の二選手を必死に追い3位につけるが、ラスト50メートルで順位を落とし、5位でのゴールとなった。一方の大﨑は先頭争いから少し遅れをとっていたが、後半にペースを上げ、平河を抜き4位で終えた。
☆女子4×200メートルフリーリレーでは銀メダル獲得!!
ゴール後の四選手
「最後に最高のかたちで締めくくれた」(牧野紘子女子主将、教4=東京・東大付中教校)。予選を4位で通過し、迎えた決勝で早大女子は素晴らしい泳ぎを見せた。第一泳者の牧野は日大に続き2位でつなぐと、第二泳者は今大会で競技引退を表明している佐藤千夏(スポ4=埼玉栄)。1位との差を0.27秒差まで縮め、目標としていた4分1秒をマークした。第三泳者の松本信歩(スポ1=東京・東学大付)は後半から驚異的な追い上げを見せる。残り50メートルで先頭に立つと、日大と激しい攻防を繰り広げる。そしてアンカーはルーキー小原天寧(スポ1=東京・目黒日大)。先頭の池江璃花子(日大)に差をつけられたものの、3位の神奈川大から逃げ切り2位でフィニッシュ。ラストイヤーの4年生二人と頼もしいルーキー二人が、早大女子部に銀メダルをもたらした。
一方の男子は悔しい結果となった。第一泳者のルーキー長牛太佑(スポ1=京都外大西)は先頭から少し遅れを取り、3位争いを繰り広げる。第二泳者・田中大寛(スポ2=大分・別府翔青)は先頭争いに食い込む泳ぎを見せ、3位でつないだ。第三泳者の伊東隼汰(社4=東京・早大学院)は前半で1位に立つが、その後は遅れをとり4位となった。続くアンカー古畑海生(スポ4=兵庫・市川)は順位を一つ落とすと、その後前方との差を埋められず5位。悔しさのにじむフィニッシュとなった。
試合後の集合写真
(記事、写真 小山亜美)
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結果
◇決勝
男子100メートル自由形
伊東隼汰 50秒00【6位】
女子200メートル平泳ぎ
浅羽 栞 2分27秒76【4位】
男子200メートル平泳ぎ
大﨑威久馬 2分10秒88【4位】
平河 楓 2分10秒94【5位】
女子4×200メートルフリーリレー
早大(牧野、佐藤、松本、小原) 8分04秒95【2位】
男子4×200メートルフリーリレー
早大(長牛、田中大、伊東、古畑) 7分20秒67【5位】
◇予選
男子400メートル個人メドレー
田丸敬也 4分21秒63【12位】
高野大祐 4分27秒09【28位】
女子100メートル自由形
今牧まりあ 57秒04【13位】
男子100メートル自由形
伊東隼汰 49秒91【4位】
田中大寛 50秒34【13位】
須田悠介 50秒40【17位】
男子100メートル背泳ぎ
米山 毅 56秒09【14位】
村上賢之慎 56秒38【21位】自己新
女子200メートル平泳ぎ
浅羽 栞 2分28秒11【3位】
斎藤 千紘 2分32秒73【13位】自己新
松浦優美奈 2分35秒45【26位】
男子200メートル平泳ぎ
平河 楓 2分11秒25【3位】
大﨑威久馬 2分11秒28【4位】
白石 崇大 2分14秒82【26位】
女子4×200メートルフリーリレー
早大(牧野、佐藤、松本、小原) 8分12秒10【4位】
男子4×200メートルフリーリレー
早大(長牛、田中、古畑、伊東) 7分25秒24【6位】
コメント
村上雅弥主将(スポ4=香川・坂出)
――個人種目の50メートル自由形を振り返っていかがですか
人生最高のレースでした。4位という結果は悔しかったですが、今野(太介、スポ3=山形・羽黒)がメダルをとってくれたことをうれしく思っています。自分の努力と考えて行動した結果が大ベストにつながり、水泳の楽しさを最後に感じることができました。
――インカレを通して、チームメイトの泳ぎについてどのように感じていましたか
全員が最高のレースをしたと感じました。今大会では、早稲田勢のベスト記録更新が目立ち、大きな舞台で自分のベストレースができた選手が多かったことは、必ず来シーズンにつながると考えています。
――早大男子部は全体5位となりました。結果をどのように捉えていますか
目標達成には至りませんでしたが、とても良いインカレでした。私の結果は副産物に過ぎないと考えています。今シーズンの仲間の練習の取り組みや、目標達成に向けて努力した過程がベスト記録更新につながったと確信しています。この1年間で学んだこと、感じたことをいかして次のシーズンも大きく成長してほしいと思います。
――最後のインカレはどのような大会となりましたか
人生で一番楽しい大会でした。
――今後に向けて意気込みをお願いします
私はこの水泳部で多くのことを学び、多くの力をつけることができました。残りの大学生活も常に挑戦することを忘れず、新たなステージでも日本一を目指して日々努力し続けたいと思います。そして、早稲田大学水泳部がいつかまた天皇杯を獲得するその日まで応援し続けたいと思っています。
牧野紘子女子主将(教4=東京・東大付中教校)
――最初の個人種目、200メートルバタフライの泳ぎを振り返っていかがですか
もう少しタイムは出せると思っていました。3位になれたことは良かったです。
――200メートル個人メドレーの泳ぎを振り返っていかがですか
後半うまく伸びなかったです。
――昨日の4×200メートルフリーリレーについて、チームとして振り返っていかがですか
最後に最高の形で締めくくれて良かったです。チームの力が結果につながったと思います。
――銀メダルが決まったときは、率直にどのように感じましたか
メダルが取れるなんて思っていませんでした。みんなありがとう、よく泳いでくれたって、思いました。最高でした。3人と応援してくれたチームメイトのおかげです。
――早大は全体6位となりました。大会を終えて結果をどのように捉えていますか
目標は4位だったので、目標達成とはなりませんでしたが、総合得点245点はこの10年間で最高得点でした。結果としては悔しいですが、一丸となり健闘したと思います。結果以上のものを得ることができました。
――最後のインカレはどのような大会となりましたか
個人の結果としてはなかなかうまくいかない試合でしたが、後輩や同期に支えられました。このチームで戦えたことがとても楽しかったです。
――今後に向けて意気込みをお願いします
まだまだ競泳頑張ります!
佐藤千夏(スポ4=埼玉・埼玉栄)
――個人種目の泳ぎを振り返っていかがですか
400も800も、やれることはやりました。思い残したことは何もないです。あの緊張感も競っているときの苦しさも、全て楽しかったです。
――昨日の4×200メートルリレーの泳ぎを振り返っていかがですか
牧野と予選の時に「決勝は2人合わせて4分1秒で帰ってきたいね」と話していて、私がタッチした時4分1秒で有言実行できたのがうれしかったです。あとは、予選が終わったあとに、1年の松本(信歩、スポ1=東京・東学大付)が「まだタイムを上げられる」と言ってくれたのがすごく頼もしくて、決勝は松本がこのあとに待っている、と安心して泳げました。
――銀メダルが決まった時、率直にどのように感じましたか
まさか早稲田の8継でメダルを取れるとは思っていなくて、本当に本当にうれしかったです。それと、とにかく3泳と4泳で泳いだ1年の松本と小原が頼もしかったです。
みんなで勝ち取ったメダルは人生で一番と言っても過言ではないくらい、うれしかったです。
――最後のインカレはどのような大会となりましたか
今までで、一番楽しい大会でした。チーム全体の雰囲気というか、空気も良かった。みんなに感謝です。幸せなインカレでした。
小原天寧(スポ1=東京・目黒日大)
――4×200メートルフリーリレーはどのようなレースプランで臨みましたか
前の3人がとても良い位置でつないでくださったので、最後まで諦めずにとにかく逃げ切ることを目標に泳ぎました。
――決勝の泳ぎを振り返っていかがですか
技術面、体力面でみると完璧な状態とはいえないレースでしたが、チームの応援や先輩方のアドバイス、激励のお言葉おかげでそれ以上の力が出せたと思います。
――ゴール後2位とわかり率直にどのように感じましたか
順位が分かった時は安心とうれしさで胸がいっぱいでした。
――初めてのインカレはどのような大会となりましたか
純粋に速くなりたいと思った大会でした。また、チームで戦うことの素晴らしさ、楽しさを改めて感じました。
――今後に向けて目標と意気込みをお願いします
今回は先輩や同期の力を沢山お借りしてしまったので、来年は実力をつけて今年よりもチームに貢献できるように頑張りたいと思います。