大会3日目では、ルーキー松本信歩(スポ1=東京・東学大付)が金メダルを獲得。早大のニューヒロインが誕生した。一方、連覇を狙った田中大寛(スポ2=大分・別府翔青)は悔しい3位。さらに、男子4×100メートルメドレーリレーも連覇の夢は果たされなかった。なお、現在の総合順位は男子が211.5点で3位。女子は4位(188.0点)と目標の3位まであと一歩に迫っている。
☆田中大は2連覇ならず
決勝を泳ぎ終えた田中
男子200メートル自由形には田中大が登場。田中は昨年、ルーキーながら同種目で優勝を果たし、今年は2連覇を懸けて臨んだ。予選では「何も考えずにいい泳ぎができた」という言葉通り、テンポの良い泳ぎを見せ、1位で通過。だが、決勝では連覇への意識から、力みが出てしまった。50メートル通過時点では積極的な入りを見せ、1位に躍り出る。しかし、ラスト50メートルで後続に捉えられ、ゴール前25メートルで二選手に抜き去られてしまった。3位でのゴールににじませた田中。「切り替えて」臨む明日の男子100メートル自由形で、その雄姿を再び見ることはできるか。
☆ルーキー松本が金メダルを獲得!
優勝後喜びを分かち合う松本(左)と牧野
女子200メートル個人メドレーには松本と牧野紘子(教4=東京・東大付中教校)が出場した。松本と牧野は普段から同じスイミングクラブで練習をするチームメイト。予選では両選手が同レースでワンツーフィニッシュを果たし、決勝へ進出。迎えた決勝では最初のバタフライで牧野、松本が1、2位で折り返す。その後は得意の背泳ぎで、松本がトップに躍り出ると、平泳ぎで2位と3秒以上の大差をつけた。松本は自由形でもテンポを落とすことなく、大会記録に迫る大ベストをたたき出し、堂々の優勝。大会前は「表彰台を目指している」と話した松本だが、その目標を上回る金メダルを手にした。
☆佐藤は万感の銅メダル獲得
レースを泳ぐ佐藤
女子800メートル自由形には佐藤千夏(スポ4=埼玉・埼玉栄)。大学での引退を決めている佐藤は、これが個人種目最後のレースとなった。序盤は横一線の展開に。250メートル通過後から難波実夢(近大)、小堀倭加(日大)と共に先頭集団としてレースを引っ張った。しかし、500メートル通過以降は徐々に先頭から遅れをとり3位に。そのまま前方との差を詰められず、3位でのゴールとなった。
☆古畑は悔しい6位
レース後天を仰ぐ古畑
男子1500メートル自由形には古畑海生(スポ4=兵庫・市川)が出場。レースは井本一輝(中大)が序盤から日本記録をはるかに上回るペースで飛び出す展開に。古畑は前半では2位集団に食い込んでいたが、600メートル通過地点から徐々に前方との差が開いていった。その後もその差を縮められないまま6位でゴール。目指していた優勝、表彰台には悔しくも届かず。レース後は悔しい表情を見せた。
チームメイトからは「努力家」の姿に定評がある古畑。レース後は「ここにくるまで最大限の努力をしてきた自分を褒めたい」と振り返った。仲間と共に歩んだ競技人生を終え、新たなステージへ踏み出す。
☆メドレーリレーは男女ともにメダル逃す
今牧を応援する牧野(左)、松本(中央)、浅羽
4×100メドレーリレーの最初に行われたのは女子。第一泳者はレース1時間前に200メートル個人メドレーで優勝した松本。この日4レース目の疲れが出たか、先頭からは遅れをとり5位。引き継いだ浅羽栞(スポ3=東京・八王子学園八王子)は6位となったが、第3泳者・牧野が後半から驚異的な追い上げを見せ、順位を一気に2位まで引き上げた。上位5校がほぼ横並びで引き継いだ今牧まりあ(スポ2=長野・飯田)は、激しい優勝争いからやや遅れをとり、最後は5位でゴールした。
一方の男子は、連覇を目指して迎えたこの種目。予選から3選手を変更し、レースに臨んだ。前半は第2泳者・平河楓(スポ3=福岡・筑陽学園)が前方との差を縮めたが、このレースでバタフライを泳いだ田中が順位を大きく落とし8位に。アンカー伊東隼汰(社4=東京・早大学院)が猛烈な追い上げを見せたが、結果は5位。悔しい結果となった。
(記事、写真 小山亜美)
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結果
◇決勝
男子200メートル自由形
田中大寛 1分48秒81【3位】
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分11秒43【1位】自己新
牧野紘子 2分13秒53【5位】
男子200メートル個人メドレー
田丸敬也 2分01秒58【8位】
女子4×100メートルメドレーリレー
早大(松本、浅羽、牧野、今牧) 4分05秒59【5位】
男子4×100メートルメドレーリレー
早大(米山、平河、田中、伊東) 3分38秒12【5位】
◇タイム決勝
女子800メートル自由形
佐藤千夏 8分37秒37【8位】
男子1500メートル自由形
古畑 海生 15分24秒98【6位】
武井凜太郎 15分43秒00【15位】
◇予選
女子200メートル自由形
小原天寧 2分04秒70【15位】
男子200メートル自由形
田中大寛 1分48秒81【1位】
伊東隼汰 1分50秒27【9位】自己新
蓑田圭太 1分53秒43【36位】
男子100メートルバタフライ
山本拓武 53秒92【18位】自己新
峯野友輔 54秒55【28位】
女子200メートル個人メドレー
牧野紘子 2分15秒84【3位】
松本信歩 2分16秒09【5位】
男子200メートル個人メドレー
長牛太佑 2分01秒57【9位】自己新
田丸敬也 2分01秒35【7位】自己新
高野大祐 2分03秒37【20位】自己新
女子4×100メートルメドレーリレー
早大(松本、浅羽、牧野、今牧) 4分08秒21【6位】
男子4×100メートルメドレーリレー
早大(米山、大﨑、峯野、須田) 3分40秒07【5位】
コメント
古畑海生(スポ4=兵庫・市川)
――1500メートル自由形はどのようなレースプランで臨みましたか
前半から積極的に行くことを意識して臨みました。
――決勝の泳ぎを振り返っていかがですか
前半のラップは悪くなかったですが、中盤のキツいところを粘りきれず悔しかったです。
――タイムや結果に関してはどのように感じましたか
タイム、順位共に目標のところには及ばず残念でした。
――登場時は観客席の早大選手から歓声が沸きました。仲間の応援は支えになりましたか
とても支えになりました。仲間の声がなければ心が折れていたと思います。
――最後の個人種目となりました。現時点での率直な思いを教えてください
結果はでませんでしたが、ここにくるまで最大限の努力をしてきた自分を褒めたいと思います。
田中大寛(スポ2=大分・別府翔青)
――予選、決勝ともにどのようなレースプランで臨みましたか
予選は、何も考えず良い泳ぎで決勝に進むことを考えていました。決勝は前半から積極的にいくことを、理想としていました。
――決勝の結果や泳ぎを振り返っていかがですか
2連覇しなきゃという思いがあり、硬くなってしまいました。
――決勝を振り返って反省点や良かった点を教えてください
最初に50メートルは積極的に行けたのは良かったと思います。あとは全てにおいて反省点です。
――大会前に「インカレという舞台をいかに楽しめるか」というお話をされていました。その点に関して、現時点ではいかがですか
正直、決勝も楽しもうと思ったのですが、どうしても2連覇に気を取られました。
――100メートル自由形に向けて意気込みをお願いします
切り替えます。
松本信歩(スポ1=東京・東学大付)
――予選、決勝ともにどのようなレースプランで臨みましたか
予選では決勝に進出できるタイムを出し、できるだけ楽に、疲れないように泳ぐことを意識しました。決勝では背泳ぎで前に出て、100メートルを1分1秒前半で折り返し、前半から積極的なレースをすること。そして、最後のクロールで追いつかれないような差を、平泳ぎまでに作っておくことを意識しました。
――予選から決勝へ修正した点はありますか
キーとなる背泳ぎのテンポが上がっていないと感じたので、メドレーリレー予選とアップで感じをつかみました。結果、決勝では浮き上がりから理想的な泳ぎができました。
本日リレーを含めて4レースあり、すべて全力では持たないと思ったので、予選と決勝は別物と捉え、体も心もリセットして臨みました。
――決勝の泳ぎを振り返っていかがですか
150メートルまではとてもいいレース展開ができました。背泳ぎで抜け出し、平泳ぎもテンポを落とさずに泳ぐことができました。苦手のクロールではバテてしまい、追いつかれましたが、それでも抜かれないほどの距離が後続選手との間に作れていたのは良かったです。種目の切り替えがうまくできたのもよかったと思います。
今までにない自信を持ってレースに臨めたので、積極的なレースができたと思う。
――インカレ初出場初優勝となりました。今の率直なお気持ちを教えてください
早稲田大学に点数で貢献できたことをうれしく思います。応援が力になりました。8月のころは絶不調でしたが、泳ぎのことを考えることが多くなり、徐々に調子は上がってきていました。2年ぶりのベスト更新、目標(表彰台)を上回る優勝ができてよかったです。
――これからの目標は何かありますか
2分10秒を切り、日本代表争いに絡むことです。そのために、クロールまでばてずに泳ぎ切れる力をつけること、予選と決勝の2本を高い記録で泳げるようにすることが今の目標です。