【連載】インカレ直前特集『DARE』第10回 松浦優美奈

競泳

 今回インタビューをしたのは松浦優美奈(スポ3=沖縄・県立開邦)。足のけがを乗り越え、インカレに向けて徐々に調子を上げてきている。三度目のインカレを笑顔で終わることができるか。

※この取材は9月14日に行われたものです。

「自分の納得のできるレースをしたい」

――ここまで今シーズン全体を振り返ってみていかがですか

 インカレが終わってからコロナの混乱やその他の影響で泳げない期間があったり、ちょっと試合でも自分の思うようなタイムが出せなかったりすることが多かったのです。あとは5月に少し足首を捻挫してしまって十分な練習が積めなくて、7、8月と試合があったんですが、そこでもベストタイムから遅いタイムしか出せていなくて、今シーズンとしてはあまり良くない状態だなとは思っています。

――今の状態としてはいかがですか

 今はちょっと違和感は残っているんですが、ほとんど練習には支障ないないくらいまで回復はしていて。5月にけがしたので2カ月ちょっとはいい練習ができなかったかなと思います。

――現在夏休みに入ってからはどのように練習を進めていますか

 夏休みに入ってからも練習回数少し増えたというのもあるんですが、8月末ごろからはコロナの感染対策として練習を二つのチームで、時間帯を分けてやっていて、通常の人数の半分くらいの人数でやっている感じですね。

――そうすると、現在は学内の練習に参加されているという事でしょうか

 基本的にそうですね。

――女子選手も今は結構大学で練習をされていますか

 そうですね。現在は数名の女子選手が学校内練習に行って、今私もそうなんですが、キャンパス近くの水泳部の寮に入っています。

――今二つのグループに分かれているというお話でしたが、松浦選手はどの方々と一緒のチームで泳がれていますか

 チームが今4チームに分かれていて、インターチームが中に12~13名、STチーム、あとロングとスプリントで、合わせて12~13名ほどです。私はSTチームに入っています。後半組という感じで泳いでいます。

――今その夏休み期間中の練習で力を入れていた練習や修正された課題はありますか

 ここ最近はレースでも持久力の方があまりないように感じていたので、結構量を泳いで持久力をつける練習をしています。スピードの方もちょっと出ていないので、スイム練習だけでなくウエイトトレーニングやドライの練習も含めて筋力を強化したり短い時間でスピードを出すというのが、100メートル(平泳ぎ)でも前半のいいタイムにつながってくると思っています。

――この夏ハマったことやマイブームはありますか

 寮で過ごす時間がかなり多くて、その引退後の進路について考えるだけだとちょっと気が詰まってしまうので、結構あの映画を見て気分転換をしています。

――寮ではどの選手と一緒にいられることが多いですか

 寮は一人部屋なので人と会わないというか、特に今コロナの状況であまり人と接触しないようにというのもあって、基本的に寮では一人で過ごすことが多いです。

――この夏は東京オリンピックやパラリンピックがありましたが、競泳含めてご覧になられましたか

 あまりテレビでスポーツを見ることは少ないので、ほとんど映像としては見てないのですが、よくニュースとかで結果や日本人選手がメダルを取ったとかは見ていました。

笑顔で話す松浦

――改めて、インカレでの出場種目とその具体的な目標を教えてください

 エントリーしているのは100メートルと200メートルの平泳ぎなのですが、100メートルの方は短水路の標準タイムしかクリアしていないので、おそらく100メートルは出場できないと考えています。なので、200メートルのみの出場を想定して練習しています。200メートルの目標については、昨年度のインカレで3秒ほどベストを更新して以降ベストに近いタイムを出せていないので、簡単ではないですがベストタイムを更新して女子チームに貢献したいと考えています。

――現在の200メートル平泳ぎの調子の方はいかがですか

 7月と8月の試合ではベストより5秒近く遅いタイムしか出せていなく、調子がいいとは言えない状況でしたが、ここ数週間では8月半ばよりは少しずつ調子が残ってきているかなと思います。

――今回で三度目のインカレですが、インカレに対してはどのような思いがありますか

 私は日本選手権やジャパンオープンには出場できていないので、インカレが年に一度の大きな試合ということで、思い入れのある試合になっています。1年生の時は出場するだけで得点を取ることができなかったのですが、2年生の時は得点を取ることができて、今年はそれ以上にチームに貢献できるようにしたいです。

――(他大学でも)意識されている選手はいますか

 周りを意識し過ぎると自分の泳ぎができなくなるのであまり意識しすぎないようにしているのですが、やはり今早稲田で同期の浅羽栞(スポ3=東京・八王子学園八王子)と斎藤 千紘(商3=東京・早稲田実業)が今回同じ種目に出場すると思うので、3人ともいい結果で泳げたらいいなと思っています。

――現在、インカレに向けて課題だと感じている点はありますか

 まず持久力をつけてインカレまで維持することと、スピードをもう少し出して前半をいいタイムで終えれば後半もその流れで泳ぎ切れることができればいいなと思っています。

――早大としての大会出場などが少ない状態ですが、チームの調子などについてどのように見られていますか

 チーム全体として出場できる唯一の試合だった早慶戦に出場する選手が少なかったので、チーム全体で集まることがあまりなかったことが不安です。でもzoomを用いたレクリエーションなどを4年生中心にやっていて、集まれないからと言って団結力がないわけではないと考えています。また、それぞれ場所が離れていても個人個人で頑張ることができる選手が集まっていると思うので、それがインカレで繋がればいいと思います。

――4年生選手にとっては最後のインカレとなりますが、4年生はどのような先輩方でしたか

1学年しか離れていないので比較的話しやすい存在でした。例えば私が良いタイムが出なくて悩んでいる時も声をかけて下さったり、部活以外の相談事も聞いてくださったりしました。フレンドリーながらもチームのことを考えて真剣に意見を出してくれる先輩方だったので、私たちも先輩たちの良いところを見習って行ければ良いと思います。

――その中で相談をしていた方、特に交流がある方はいらっしゃいますか

何人かいらっしゃるんですが、最近は特に井ノ口茉里さん(スポ4=神奈川・白鴎女子)に水泳のことに関しても、プライベーのこともお互い話をしてストレスを発散したりしています。

――早慶戦欠場などでモチベーション維持が難しかったと思いますが、ご自身としてはいかがですか

やっぱり試合がなくなってしまうと一時的にモチベーションが下がってしまいますが、私は10月のインカレを見据えて動いていました。なので、できるだけ早く気持ちを切り替えて次の試合のことを考えるようにしていました。

――3年生内ではインカレに向けてどのようなお話をされていますか

現在練習チームが別れているため同期の女子部員と話す機会はあまりないので、皆で話し合うというよりはそれぞれが頑張っているという状況です。

――それでは、練習を一緒にしているチーム内ではお話をされているのですか

今STチームは4人で練習しているのですが、スタッフの梶川さんを含めてそれぞれが目標に対して必要な部分を話し合っています。あとはインカレに出場できなくてそれぞれの所属クラブで練習している選手もいるのですが、別の場所でも頑張っているチームメイトがいると考えることで私自身も頑張っています。

――松浦選手ご自身はスタッフの梶川さんからは何が必要と言われましたか。

繰り返しにはなりますが、持久力を維持することと前半のスピードをあげることと、泳ぎのテンポを200メートルのものにできるようにと言われています。

――練習は別かと思いますが、斎藤選手、浅羽選手など平泳ぎチーム内でコミュニケーションはとられていますか

合同練習で一緒になった時などは気軽に話をしたりしています。

――チーム内の注目選手とその理由を教えてください。

頑張っている皆を注目していますが、特に同じチームの高野大祐さん(教4=東京・立教池袋)とか山本拓武(スポ1=千葉・成田)、菅野遼(スポ2=大分・佐伯鶴城)のことは注目しています。特に高野さんは最後のインカレにかける想いが強いと思うので注目しています。

――では、ご自身の注目してほしいポイント(例:後半の追い上げ)も教えてください

私は他の選手に比べるとスピードが出ません。でもその分失速せずにラップを刻んで、後半に追い上げることができる泳ぎに注目して欲しいなと思います。

――いま色紙を渡されたらどのような言葉を書きますか

 「一念通天」という言葉にしたいかなと思います。去年インカレが終わってからは結構苦しい状況が続いていて、その中でやれることはやってきたと思うので、それが今回のインカレで実ればいいなという思いで、一念通天という言葉にしようと思います。

――最後に改めて、インカレに向けての意気込みをお願いいたします

 一言でいうと、自分の納得のできるレースをしたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 阿部健、小山亜美)