異例の状況ながらも実力発揮!牧野は大会新を更新

競泳

 今年も年に一度行われる早慶大会水上競技大会(早慶戦)が千葉国際水泳場で開催された。新型コロナウイルスの影響もあり、多くの選手を欠いて臨んだ早大であったが、安定した強さを見せる。女子部は牧野紘子女子主将(教4=東京・東大付中教校)が200メートル個人メドレーで大会新を出す活躍を見せるなど慶大と大差をつけて勝利し、伝統の熱戦を終えた。

☆女子4×100メートルメドレーリレーでは慶大に圧勝

女子4×100メートルメドレーリレー第一泳者の松本

 最初に早大が出場したのは女子4×100メートルメドレーリレー。第一泳者の松本信歩(スポ1=東京・東学大学付)がトップに躍り出ると、その後も順位を譲らない。慶大との差を着々と広げ、9秒の大差で勝利を収めた。続いて400メートル自由形に登場したのは小原天寧(スポ1=東京・目黒日大)。前半からトップに立った小原は2位と30秒以上の差をつける圧倒的な泳ぎを披露。自己新に迫る4分24秒台を記録し、1位を獲得した。また、女子100メートル自由形は松本、小原の二選手が出場。松本は前半からトップに立つと、後続と差を広げて1位でゴールした。

☆牧野は出場二種目で1位獲得!

女子200メートル個人メドレーで大会新を記録した牧野

 女子200メートル個人メドレーに登場したのは牧野。バタフライでトップに立つと、その後もテンポの良い泳ぎを見せる。「4種目全てで感覚よく、最後までスピードを維持して泳ぎ切ることができた」と振り返るように、後半でもペースを落とすことなく、最後は2位の松本と4秒以上の差をつけて1位でゴール。昨年自身が塗り替えた2分13秒20を上回る2分12秒86の大会新記録をたたき出した。さらに、牧野は女子100メートル平泳ぎにも出場。「ここ2年ほど苦手意識を感じるほどだった」という平泳ぎだったが、前半から積極的に入ると、2位の斎藤千紘(商3=東京・早実)を抑えて1位でゴールした。今大会出場した全種目でシーズンベストを出した牧野。来月控える日本学生選手権大会(インカレ)ではさらなる活躍が期待できそうだ。

☆伊藤が男子部の強さを見せつける

古賀とのデッドヒートを制した伊東

 男子部で今大会唯一出場を果たしたのが伊東隼汰(社4=東京・早大学院)。まず登場した男子100メートル自由形では自己新に迫る22秒92をたたき出し、1位でのフィニッシュ。さらに、後半で行われた男子50メートル自由形では早大水泳部OB古賀淳也(平22スポ卒=現スウィンSS)とデッドヒートを繰り広げ、ゴール間際で競り勝ちゴール。出場した二種目どちらも1位を獲得し、多くの欠場者を出しながらも、これまでの早慶戦23連覇を誇る男子部の強さを示して見せた。

早慶戦に出場した早大選手6人

 「このような社会情勢、部内の状況の中で、伝統ある早慶戦に参加できたことに感謝」(牧野)。昨年と同様、新型コロナウイルス感染予防のため無観客開催となった今大会。また、今回は全6人での出場という異例の早慶戦となり、昨年以上に厳しい戦いが強いられた。しかし、少数ながらも早大の看板を背負い、それぞれの目標に向け全力を出した選手達。今後に向けて収穫と課題をつかむことができた。次に見据えるのは来月開催されるインカレ。男子部は頂点に向けて、女子部は総合4位に向けて。残り1か月、WUST一丸となって突き進んでほしい。

(記事 小山亜美、写真 長村光、小山亜美)

早慶戦に出場した早慶選手集合写真

☆飛込競技には金子が登場

6回の演技を行った金子

 弾力のある板を使用し、計6回の演技得点を合計して競う3メートル飛板飛込。早大からは金子舜汰(社3=東京・青山学院)が出場した。金子は慶大選手と大差をつける圧巻の演技を披露。合計得点372.95点を記録し、見事個人1位を獲得した。

試合後斎藤マネージャー(左)と写真を撮る金子

(記事、写真 小山亜美)

エキシビションではアーティスティック部門が演技を披露した

結果

◇飛込

金子舜汰 372.95点

◇競泳

女子4×100メートルメドレーリレー

早大(松本、斎藤、川口、牧野) 4分15秒85 【1位】

女子400メートル自由形

小原天寧 4分24秒44 【1位】

女子100メートル自由形

松本信歩 57秒22 【1位】

小原天寧 59秒61 【4位】

男子100メートル自由形

伊東隼汰 50秒01 【1位】

女子200メートル個人メドレー

牧野紘子 2分12秒86 【1位】大会新

松本信歩 2分16秒98 【2位】

女子100メートルバタフライ

川口栞奈 1分02秒85 【2位】

女子100メートル平泳ぎ

牧野紘子 1分9秒23 【1位】

斎藤千紘 1分13秒35 【2位】

女子50メートル自由形

川口栞奈 28秒95 【2位】

男子50メートル自由形

伊東隼汰 22秒92 【1位】

4×200メートルフリーリレー合同レース

早大女子(牧野、小原、松本、斎藤) 8分20秒84 【2位】

コメント

牧野紘子(教4=東京・東大付中教校)

――まず、早慶戦へはどのような気持ちで臨みましたか

 このような社会情勢、部内の状況の中で、伝統ある早慶戦に参加できたことに感謝し、一つ一つのレースを大切に泳ごうと思いました。試合前は様々な思いが交錯していましたが、今自分がしたい泳ぎや出したい記録、レースプランに集中しレースに臨みました。

――例年の早慶戦とは違ったところがあったと思います。大会を振り返っていかがですか

 一緒に出場してくれたメンバー、応援してくださった方、開催関係者の皆さんに感謝しています。早稲田側の出場人数は少ない状況でしたが、入場時など、慶應の皆さんが拍手で応援してくださりとても嬉しかったです。また、早慶の各種目で競う姿を楽しみにしてくださっていた皆さんにはYouTube配信や会場で知るという形になり申し訳ない気持ちです。

――200メートル個人メドレーでは大会新記録を樹立されました。泳ぎを振り返っていかがですか

 大会新記録を樹立することができ嬉しく思います。4種目とも感覚よく最後までスピードを維持して泳ぎきることができました。特に平泳ぎはここ2年ほど調子が悪く、苦手意識を感じるほどでしたが、ここにきてやっとタイムと感覚が一致し、タイムも戻ってきたのでほっとしています。

――ご自身の調子はいかがでしょうか

 今大会出場した種目は全てシーズンベストだったので、調子は上がっていると実感しています。6月から8月にかけて全体的に練習タイムが上がっていたので、結果に表れてきたのかなと思います。

――来月に行われるインカレの目標と意気込みを教えてください

 女子はインカレで総合4位以内を目標にこれまで取り組んできました。チームに貢献できるよう、個人では自己ベスト更新を目標に精一杯頑張ります。先の見えない状況ですが、来月が最後のインカレであることは決まっているので、後悔ないように限られた時間を大切に過ごしたいと思います。