ついに日本最高峰の戦いが幕を明けた。7月の世界選手権およびユニバーシアード競技大会の代表選考も兼ねて行われる日本選手権。初日からレベルの高いレースが繰り広げられている今大会で、早大からは佐藤千夏(スポ2=埼玉栄)が決勝に進出し、見事3位入賞を果たした。
★佐藤、400自で4年ぶりの表彰台へ!
レース後、笑顔でガッツポーズを見せる佐藤
4年ぶりに表彰台へ舞い戻った。女子400メートル自由形には佐藤が登場。合計4種目にエントリーしている佐藤だが、「調子は去年に比べたら全然良くて、疲れも残っていない」と話すように、万全の状態で今大会に臨んだ。予選を3位で通過し、迎えた夕方の決勝。最初の50メートルで6位につけると、徐々に順位を上げ、300メートル時点で一時は2位に立つ。その後は五十嵐千尋(T&G)、小堀倭加(日大)と横一線の2位争いを繰り広げ、最後はタッチの差で3位に。「惑わされずに前半はいつでも狙える位置についていて、後半で少しずつ抜かしていけばいい」と語ったプラン通りのレースを展開し、この種目では高校1年時以来の表彰台に返り咲いた。タイムは4分10秒95と自己ベストにはわずかに届かなかったが、「4月の出だしにしては上々なので、ここから夏に向けてどんどん上げられたらな」と前向きに話した。あすは女子200メートル自由形と女子1500メートル自由形の予選に出場予定。それぞれ自己ベスト更新と決勝進出を目標に掲げている。あす以降も納得のレースを展開し、全ての種目を笑って終えたい。
(記事 宇根加菜葉、写真 宅森咲子)
★自己ベスト更新の快泳で準決勝1位通過
準決勝トップ通過を果たした牧野
女子100メートルバタフライには牧野紘子(教2=東京・東大付中教校)が登場。午前に行われた予選を余裕のある泳ぎで同率2位で通過した。「タイムには満足」という牧野だったが「(前半は)もうちょっといっても良かったのかな」という気持ちも残った。全力で臨むと意気込んだ準決勝では、「前半楽に行きすぎた」という予選の反省を踏まえ、まずは前半の50メートルを27秒55と狙い通りのタイムで折り返す。隣を泳ぐ同級生の実力者・長谷川涼香(日大)にピタリと付くと、ラストの25メートルでギアを上げ1位でフィニッシュ。58秒56というタイムは自己ベストの好記録であり、好調を感じさせる泳ぎで準決勝を1位で通過することとなった。とはいえ派遣標準のタイムは57秒45と牧野にとって「ちょっと派遣には遠いタイム」。それでも本命種目の女子200メートルバタフライでの代表入りへ期待を抱かせる幕開けとなった。
(記事 青柳香穂、写真 宅森咲子)
★惜しくも予選敗退
大学入学後初のレースに臨んだ佐々木
この日惜しくも予選敗退となったのが、池江毅隼(スポ4=東京・日大豊山)と佐々木杏奈(スポ1=神奈川・日大藤沢)だ。池江が今大会で特に力を入れていたという男子50メートルバタフライ。自身初の決勝進出と自己ベスト更新を目標に掲げていたが、8位とわずか0秒02の差で及ばず。この後控える男子100メートルバタフライでは、大学入学後まだ達成していない53秒台を目指す。一方、女子200メートル個人メドレーに出場した佐々木は入学後初のレースとなったが、「思ったようにはいかなかった」と悔しさをにじませた。この後には女子200メートル自由形、そして得意とする女子400メートル個人メドレーを残す佐々木。納得のいくタイムで準決勝、さらには決勝進出を狙う。
(記事 島形桜、写真 宅森咲子)
結果
◇決勝
女子400メートル自由形
佐藤千夏 4分10秒95【3位】
◇準決勝
女子100メートルバタフライ
牧野紘子 58秒56【1位】
◇予選
男子400メートル自由形
古畑海生 3分56秒60【22位】
男子100メートル平泳ぎ
大﨑威久馬 1分03秒01【41位】
白石崇大 1分03秒04【42位】
男子50メートルバタフライ
池江毅隼 24秒12【9位】
女子400メートル自由形
佐藤千夏 4分12秒90【3位】
女子100メートルバタフライ
牧野紘子 59秒32【2位】
女子200メートル個人メドレー
佐々木杏奈 2分17秒12【17位】
コメント
決勝進出者
佐藤千夏(スポ2=埼玉栄)
――予選から大学入学後最もいいタイムを残されましたが、調子はいかがですか
調子は去年に比べたら全然良くて、疲れも残っていない状態でこの大会にこれていて、今までで一番前向きにこれている大会なので、ベストが出る自信はそんなになかったんですけど、決勝には絶対に残るだろうという気持ちでやっていました。
――決勝ではどのぐらいの位置を狙っていましたか
予選はとにかく決勝に残ってもう1回泳ぎたいという気持ちでやっていて、決勝は表彰台に上りたいという気持ちでやっていたので、ちゃんと3位で4年ぶりに上れたので良かったです。
――中盤から順位を上げられていましたが、どういうレースプランで挑まれましたか
周りの選手は比較的前半からいく方が多かったので、惑わされずに前半はいつでも狙える位置についていて、後半で少しずつ抜かしていけばいいなと思っていました。
――自己ベストまであと少しというところでしたが、タイムについてはいかがですか
ここまでいくとベストを出したかったなという気持ちはあるんですけど、4月の出だしにしては上々なので、ここから夏に向けてどんどん上げられたらなと思っています。
――今大会で一番照準に定めている種目はどれですか
一応800(女子800メートル自由形)です。
――あすのレースにはどのように臨まれますか
200(女子200メートル自由形)は選手権(日本選手権)に出るのが初めてなので、チャレンジ種目ではあるので、ベストタイム自体も高校生で止まっているので取りあえず2フリはベストタイムを目指しています。1500(女子1500メートル自由形)は確実に決勝に残れるようにやっていきます。
準決勝進出者
牧野紘子(教2=東京・東大付中教校)※囲み取材より抜粋
――前半のタイムについてはいかがでしたか
予選前半が28秒0だったので27秒5に近いタイムで入ってベストで泳げればなと思ったので。ベストで泳げたので決勝は、インターCがもうちょっとなのでインターCに向けてあともうちょっとずつ改善したいです。
――この種目にはどういう位置付けで臨みましたか
1バタ(女子100メートルバタフライ)はちょっと派遣(標準記録)には遠いタイムなので、どちらかというと2バタ(女子200メートルバタフライ)の代表入りにつながるような泳ぎができればなと思ってエントリーしました。
――スピードが出てるなという感じはありましたが
そうですね、スピードも感覚もちょっとずつ戻ってきているのでいいかなと思います。
――腰のけが等もありましたが今体の感覚はいかがですか
今は何も問題ないです。
――自分が一番伸びたと思うところは
1回2バタが伸びてから1回落ちてそこから泳ぎがうまくハマってなくて前に詰まる感じがしてたんですけど、冬場というかコナミオープン前後くらいからちょっとずつ体重移動というか足を使える感じが戻ってきたかなというのがあったので、具体的にはわからないんですけど泳ぎの感覚がつかめたような気がします。
――何か意識して変えたことはありますか
呼吸が残る感じ、頭が残る感じがずっとあってそれを意識して、でもつんのめらないようにうまく前に体重を乗せるのを意識はしていました。
――200メートルバタフライの目標タイムは
取りあえず自己ベストを出したいなと思います、結果は結果で。
予選後
池江毅隼(スポ4=東京・日大豊山)
――最近の調子はいかがですか
最近調子いいです。
――今回照準を合わせていた種目は、男子50メートルバタフライと男子100メートルバタフライのどちらですか
50です。
――この種目の目標は
一応ベストと決勝に残るということでした。
――この後男子100メートルバタフライもありますが、そこはどういう目標で臨まれたいですか
1バタはまだ大学に入って53秒台を出せていないので、まずは53秒を出すことを目標にしたいです。
大﨑威久馬(スポ2=神奈川・桐光学園)
――今の調子は
ちょっと前まではいい調子で泳いでいて、合宿とかもすごくいい調子で強化できていたんですけど、この1週間はちょっと不安定な感じで泳いでいたのがそのままレースに出てしまって、後半少し疲れてしまったのが良くなかったと思います。
――タイムについて
ベストタイムとは程遠いタイムだったので、もう1種目出場するのでそっちの方にしっかり切り替えて頑張りたいなと思います。
古畑海生(スポ2=兵庫・市川)
――今の調子は
この大会に合わせてきて、疲れも抜けていたので調子は良かったんですけど、ベストが出なかったのでちょっと悔しいです。
――予選での目標は
ベストが(3分)56秒0で、54秒前半で泳ぎたいなと思っていました。
――次のレースに向けて
3日に男子800があって、6日目に一番自分が頑張りたい1500があるので、そこに向けてまた疲れを取って、調子を上げていきたいなと思います。
牧野紘子(教2=東京・東大付中教校)※囲み取材より抜粋
――予選を泳いだ感じはいかがでしたか
タイムは59秒前半で泳ごうと思っていたので、タイム自体はいいんですけど、前半が楽にいき過ぎたというか、もうちょっといっても良かったのかなという感じです。後半は余裕を持って泳げたのでいいかなと思います。
――今大会を迎えるに当たっての目標は
日本選手権の前まで、試合でのタイムは良くないんですけど、2月のコナミオープンから徐々に調子は上がっていっているので、2バタ(女子200メートルバタフライ)は争える位置にはいると思います。
――一番の目標は
一番は世界水泳(世界選手権)の代表に入ることですね。
佐々木杏奈(スポ1=神奈川・日大藤沢)
――最近の調子はいかがですか
1カ月前に練習環境が変わって、自分が思っているタイムを出すというのは難しいとは思っていたんですけど、この前にあったジュニア五輪の時に思ったよりもいい結果だったので、選手権(日本選手権)に向けて気持ちの面でもいい感じではあったんですけど、思ったようにはいかなかったです。
――女子200メートル個人メドレーの目標は
まずは準決勝に残って、決勝に加われるように。200と400だと200の方が苦手な部分はあるので、それでも決勝に残れるぐらいのレベルにはならないといけないなと思っていたので、こういう結果だったのはいいとはいえないかなと。
――今後の練習拠点は早大でしょうか
はい。
――この後女子200メートル自由形と女子400メートル個人メドレーがありますが、どのように臨んでいきたいですか
この1週間、400に基準をおいて今までやってきたので、200のフリーは個人メドレーで良くなかった分を、取りあえず1レースで終わらないようなかたちにするのと、200が終わってから400までは時間があるので、上手に修正していけたらなと思います。
白石崇大(スポ1=広島・沼田)
――最近の調子はいかがですか
調子は良かったんですけど、試合ではあんまりタイムが出なかったです。
――大学最初のレースですが、いかがでしたか
あんまり結果が残せなかったので。最低ベストは出そうと思っていたんですけど、ちょっと悔しいです。
――次は男子200メートル平泳ぎだと思いますが、そこでの目標は
準決勝に残ることです。