渡辺が専門外の個人メドレーで3位に入る!

競泳

 競泳のワールドカップはついに最終日。男子400メートル個人メドレーに出場した渡辺一平(スポ4=大分・佐伯鶴城)と竹内智哉(スポ2=神奈川・湘南工大付)は、疲れが残る中ではあったが、それぞれ3位と5位に入る活躍を見せた。また、渡辺は男子200メートル平泳ぎにも出場したが、不運なアクシデントも重なり、8位でのフィニッシュとなった。一方、佐藤千夏(スポ1=埼玉栄)と牧野紘子(教1=東京・東大付中教校)の1年生コンビも決勝レースに臨み、それぞれ現時点での立ち位置を再確認して大会を終えた。

 

★渡辺がメダル獲得もそれぞれ悔しさ残る結果に

今大会初のメダルを獲得した渡辺

 男子400メートル個人メドレーには200メートルに続き渡辺と竹内が出場。今大会では午前と夜に分けてタイム決勝が行われ、午前に泳いだ萩野公介(ブリヂストン)が好タイムを記録していた。渡辺は、前半の200メートルを5位で折り返したものの、続く専門種目の平泳ぎでは、貫禄の泳ぎで2位へと浮上する。最後の自由形でも追い上げを見せたが、先を泳ぐDavid Verraszto(ハンガリー)には惜しくも及ばずこの組2位、総合では3位となった。個人メドレーは専門外の渡辺。しかし平泳ぎと自由形それぞれで全選手中最も速いタイムを記録するなど、存在感を示した。一方、先月下旬に自身初めてのシニアの世界代表となる、世界短水路選手権の代表に選出された竹内。最も得意とする種目だけに好成績が期待されたが、大会で蓄積した疲労に足を引っ張られる形となってしまった。前半の200メートルを終えて、先輩の渡辺よりも上の3位という好位置につく。そこから激しく順位の変動が起きたものの、竹内自身は残り50メートル時点まで3位をキープした。しかし最後は自由形で失速し、この組4位でフィニッシュ。全体5位でレースを終えた。とはいえ「後半の平泳ぎとクロールは上のレベルの選手と比べてもラップタイムはそこまで劣っていない」(竹内)と収穫はあったようで、前半2種目でのスピード強化をしたいところ。12月の世界短水路選手権という強豪が集まる大舞台にて、鮮烈なシニアデビューを飾れるか。
 また、得意の男子200メートル平泳ぎにも出場した渡辺だったが、スタート直後にゴーグルが外れてしまうというアクシデントに見舞われてしまう。目をつぶって泳ぐことを強いられ、ターン回数の多い短水路では致命的なハンデを抱えることとなってしまった。なかなかうまくターンを合わせることができず、「情けないレースになってしまった」(渡辺)。悔しい8位でのフィニッシュとなった。今大会では、複数種目に出場した渡辺。体がきつい中でも強い気持ちでレースに臨めたという点では満足のいく大会になったようだ。世界のライバルから刺激を受けながら、これからも東京五輪に向けて研さんを続けていく。

(記事 青柳香穂、写真 大島悠輔)

★ルーキー女子2人、鍛錬の冬へ

女子200メートル個人メドレーで決勝に進んだ牧野

 女子800メートル自由形には佐藤がタイム決勝最終組で登場。前後半共に4分15秒ほどのイーブンペースで泳ぐというプランでレースに臨んだ。ところが序盤こそ速いラップで入ったものの、体力が持たず徐々に失速してしまい、8分34秒84の全体10位でフィニッシュ。8分30秒を切るという目標には手が届かなかった。
 また、この日が本大会初レースとなった牧野は、女子200メートル個人メドレーの予選を6位で通過。ホッスー(ハンガリー)や大橋悠依(イトマン東進)といった世界トップクラスの強豪がそろった決勝へと駒を進めた。自己ベスト更新を狙って挑んだレースだったが、平泳ぎの後半からスタミナが切れてしまい一歩及ばず。8位で終わり、悔しさの残る結果となった。
 「まだ立ち上げ段階」(佐藤)。新シーズンは始まったばかり。課題も残ったが、泳ぎ込みが十分ではない時期のこの結果には2人とも手応えを感じていた。冬を越えると本格的な競泳のシーズンがスタートする。まずは来月ある関東学生ウインターカップで好タイムを残し、今後に向けて弾みをつけたい。

(記事 宇根加菜葉、写真 大島悠輔)

結果

◇決勝

男子200メートル平泳ぎ

渡辺 2分06秒37【8位】

女子200メートル個人メドレー

牧野 2分08秒89【8位】

◇タイム決勝

女子800メートル自由形

佐藤 8分34秒84【10位】

男子400メートル個人メドレー

渡辺 4分03秒52【3位】

竹内 4分05秒83【5位】

◇予選

女子100メートルバタフライ

牧野 58秒96【15位】

男子50メートルバタフライ

幌村 23秒49【18位】

池江 23秒56【21位】

男子100メートル背泳ぎ

大芦 53秒80【32位】

女子50メートル平泳ぎ

井ノ口 32秒05【18位】

男子200メートル平泳ぎ

渡辺 2分05秒37【7位】

大崎 2分08秒59【21位】

今井 2分10秒56【27位】

女子200メートル個人メドレー

牧野 2分09秒38【6位】

コメント
タイム決勝/決勝後

渡辺一平(スポ4=大分・佐伯鶴城)*囲み取材より抜粋

――ハードな最終日だったと思いますがきょう1日を振り返っていかがでしたか

まず400メートル個人メドレーでは、レース前に萩野くんに「2番とってくるんで」と言ったくらい2番と言うのを狙っていて、勝ちたかったんですけど最後力不足で差せなくて悔しさが残りました。200メートル平泳ぎでは体のきつい中で絶対にやってやるという気持ちを持ってレースに臨んだんですけど、スタートでゴーグルが全部とれちゃって何も見えない状況で2ブレを泳いだので、そんな経験初めてでちょっとびっくりしました。タイム的にも納得のいくものではなかったんですけど、体がきつい中で、レースまでにやってやるという気持ちを持ってレースに臨めたのは良かったと思います。ロシアの選手ワンツーは世界でもトップのタイムでしたし、そういうのもしっかり研究してライバルとの差を縮めて追い抜かせるようにしっかりと強化していきたいなと思います。

竹内智哉(スポ2=神奈川・湘南工大付)

――きのうは200メートル個人メドレーを泳ぎましたがきょうのコンディションはいかがでしたか

結構きのうの疲れが朝から残っていて、決勝前のアップも感覚がそんなに良くなくていまいちだったので、タイムを見てまあそんなものかなという感じでした。

――きのうの200メートルでは背泳ぎと平泳ぎをもう少し頑張れたら良かったと振り返っていましたがその辺りきょうはいかがでしたか

今大会バックとブレは、頑張れたか頑張れなかったかで言えばちょっとあまり頑張れてなかったかなと思うので。今回どれもちょっと微妙な感じのレースになってしまったのでそこは反省点かなと思います。

――12月に世界短水路選手権が控えていますがその目標を教えてください

1種目しか出ないのでまずはしっかり決勝に残ることを目標にして、残ることができたらさらに上の順位を目指して頑張りたいと思います。

佐藤千夏(スポ1=埼玉栄)

――泳いでみていかがですか

まだ泳ぎ込みを始めてないので、こんなもんかなというのもあるし、もうちょっとタイム欲しかったなという部分もちょっとだけあります。

――どのくらいのタイムを目標にしてましたか

せめて(8分)30秒は切りたいなとは思ってたんですけど、34秒なのでまだまだ足りてないなと。

――レースプランはどのような感じでいこうと考えていましたか

400(メートル自由形)があんまりタイムが良くなかったので、プラス2、3秒でいってイーブンペースで前後半合わせて帰ってこれればいいかなと思ってました。

――現在のコンディションはいかがですか

割と調子はいい方だったんですけど、体力が足りずという部分が大きくてこういう結果でした。

――ウインターカップはどの種目で出られますか

まだ悩んでるんですけど、400メートル自由形は自分の中で決まってて、あとは200メートルにしようか800メートルにしようか悩んでるところです。

――今後に向けての意気込みをお願いします

まだ立ち上げ段階で、きょうの結果はその過程だと考えて自分にとっては4月が本番だと思っているので、そこに向けて練習をしっかり取り組んでいきたいと思ってます。

牧野紘子(教1=東京・東大付中教校)

――タイムは予選より上がりましたがいかがですか

ベストが(2分)8秒6とかなので、ベストを出したかったので悔しいですけど、シーズン始まってあまり泳ぎ込んでないのでまあいいかなと思ってます。

――前半は結構いいところにいましたが

前半いこうと思ったんですけど、ブレストの後半からバテたので、そこはこれからかなと思ってます。

――ウインターカップにどの種目で出るかは決まっていますか

2個メ(200メートル個人メドレー)・2バタ(200メートルバタフライ)です。

――今後に向けて

ウインターカップは12月で泳ぎ込みの時期に泳ぐことになるので、そこでベストタイムに近いタイムで泳いで、その後1月に冬の合宿を乗り越えて試合があるのでそこでどれぐらい上げられるかを考えて泳ぎたいと思います。

予選後

渡辺一平(スポ4=大分・佐伯鶴城)※囲み取材より抜粋

――レースを振り返って

昨日は200メートル個人メドレーで出場して、予選・決勝と自己ベストは更新して、体はきつかったんですけどここでしっかりと決勝に残りたいという気持ちがあって、多分残ったかなというふうには思います。(200メートル平泳ぎの)決勝前に400メートル個人メドレーのタイム決勝が控えてますので、それからの200メートル平泳ぎの決勝となるとすごく体はきついと思うんですけど、まず4個メからしっかりといって、その体がきつい中でしっかりとやれればなと思います。

――決勝は世界トップレベルの戦いになると思いますが、決勝に向けて自分の中でポイントになる部分はどのようなところですか

ここ最近ずっとロシアの2人の選手がいいタイムで泳いでますし、世界レベルの戦いをこの東京でできるということはうれしく思うので、400メートル個人メドレーからあるんですけど、この中で僕らしい泳ぎをして、世界の選手といい勝負ができればなと思います。

大芦知央主将(スポ3=大阪・関大北陽)

――泳いでみて感覚はいかがですか

200(メートル)が初日にあって、そこで全然駄目でちょっと不安な感じはあったんですけど、きょうできることをやろうかなと思ってやったらベストではないんですけど、取りあえず良かったかなと思います。

――ウインターカップに向けて

ウインターカップは強化の一環として出ると予定しているので、出れるなら1日4種目をしっかり泳ぎ切りたいなと思います。

――背泳ぎ以外は何に出られますか

200メートル個人メドレーとリレーが2つと、50メートルの背泳ぎなので、しっかり頑張りたいと思います。

今井流星(スポ2=愛知・豊川)

――タイムはいかがですか

元々泳げる自信がなかったので、こんな感じかなって感じですけど。遅いですね。

――どれぐらいのタイムを狙っていましたか

ベストは(2分)7秒なので10秒はかかりたくないなと思ってました。

――前半か後半どちらからいこうなどはありましたか

前半いったら体力が持たないなと思ってそんなにいかなかったんですけど、後半も上がらずって感じで。まあ50・100(メートル平泳ぎ)はそんなに悪くなかったんですけど、ちゃんと練習しなきゃなという感じですね。

――ウインターカップに向けて

大学生の試合なので、他のみんなに勝てるようにしていきたいなと思います。

幌村尚(スポ2=兵庫・西脇工)※囲み取材を含む

――泳いでみて感覚はいかがでしたか

50(メートルバタフライ)は苦手で、その中でも自己ベストを出したかったんですけど、少し及ばなくて残念です。

――大会3日間を通していかがですか

これが今シーズン一発目の大会で、肩もあんまりいい状態じゃなくて不安だったんですけど、タイムは思ってたよりも良かったので、少しずつは良くなってきてるんじゃないかなと思うので、冬場の追い込みをこれからしっかりとしていければなと思います。

――今後に向けて

練習を頑張るというよりはまずは肩を治すことに専念したいかなという感じです。

――今後試合の予定はありますか

再来週東スイ招待(東京スイミングセンタージュニア優秀選手招待公認記録会)に1バタだけ出るんですけど、あとは12月に相模原でウインターカップっていう大学の大会に出ます。

井ノ口茉里(スポ1=神奈川・白鵬女)

――泳いでみて感覚はいかがですか

最近はあんまり練習が積めてなかったので、もうちょっと(タイムを)出したかったというのはあります。

――狙っていたタイムはどれくらいですか

31秒6くらいは狙ってました。

――来月のウインターカップに向けて

ウインターカップでは少し時期が空くので、もう一回しっかり練習して、100(メートル平泳ぎ)で選手権(日本選手権参加標準記録)を切れるように頑張ります。

大﨑威久馬(スポ1=神奈川・桐光学園)

――泳いでみていかがですか

2週間前に日本短水路(世界選手権(25メートル)代表選考会)という25(メートル)の試合があったんですけど、その試合でいいレースができなかったんですけど、そこの修正点をしっかり修正して、今回はベストタイムからは1.7くらいは遅いんですけど、今の時期にしては満足できるレースができたかなと思います。

――どのようなレースプランでしたか

なかなかスピードのあるタイプではないので、しっかりラップを刻み、後半100から150の間に少し上げて、後半最後は粘るという泳ぎだったんですけど、最後の25メートルぐらいでバテてしまった部分が練習不足だった部分かなと思います。

――新チームが始まったばかりですが、チームの雰囲気はいかがですか

主将も明るいキャラですごく楽しくやれてるかなとは思います。また去年までとは違うチームの色を支えられるようになりたいなと思ってます。

――来月あるウインターカップに向けて

ウインターカップも25の試合なので、きょうできなかったことを踏まえてまた新しい目標に向かって泳ぎたいと思います。

牧野紘子(教1=東京・東大付中教校)

――今のレースで決勝進出を決めました

決勝は運良く残ればという感じだったんですけど、10位を切れたので良かったんじゃないかなと思います。

――レースプランは前半から攻めていく感じでしたか

練習をまだそんなにしてなくて、取りあえず全力を出そうと思って泳ぎました。

――100メートルバタフライは58秒96というタイムでしたが、いかがですか

1バタははターンの直後に水を2回飲んじゃって、それですごい失速した感じがあって、ベストは多分出せると思っていたので、そこがすごく悔しかったです。

――決勝に向けての意気込みは

今も結構全力なので、少しでもタイムを上げて、まあ全員上げてくるとは思うので、食らいつけるように頑張ります。