新シーズン開幕。優勝は逃すも、収穫ある大会に

競泳

 2018年最初の実践の場となる東京六大学冬季対抗戦が、14日行われた。年末年始の泳ぎこみの成果を発揮する場となった今大会。男子部は渡辺一平(スポ3=大分・佐伯鶴城)の欠場もあり優勝を逃したものの、女子部は渡部香生子(スポ3=東京・武蔵野)の活躍もあり、目標であった2位を達成した。

 男子部では冬季対抗戦初出場の幌村尚(スポ1=兵庫・西脇工)が調子の良さをアピールした。専門外の種目にも出場する中、やはり結果を残したのは得意のバタフライ。男子50メートルバタフライで大会新記録タイとなる23秒59をマークすると、続く男子100メートルバタフライでも勢いそのままに素晴らしい泳ぎを見せる。レースでは持ち味である出だしのスピードを活かし、序盤から他をリードする展開に。後半になっても伸びのある泳ぎを維持した幌村は、現在もライバルとして共に練習している坂井聖人(スポ4=福岡・柳川)に競り勝ち、見事1位でフィニッシュ。瀬戸大也(平成29スポ卒=現ANA)のもつ大会記録を0秒56上回り、堂々の大会新記録で優勝した。また今井流星(スポ1=愛知・豊川)も、出場した全種目で好タイムを記録。今大会を欠場したエース渡辺の分も奮闘した。「チーム全体として総合優勝を掲げていたので、それに対して貪欲に取り組むべきだった」と井上奨真主将(スポ3=県岐阜商)が振り返るように、優勝こそ逃した男子部だったが、それでも春に向けて期待の持てる大会となった。

バタフライで坂井をリードする幌村

 一方の女子部。目標であった総合2位を達成したのは渡部の存在が大きい。5種目にエントリーし、平泳ぎを中心にいずれの種目でも地力の差を見せつける。また、そのほかの選手たちも着実に得点を積み重ね、総合2位に貢献した。しかし、そんな中「個人個人のレースを見ているとあまり納得していない人が多かった」と伊藤愛実女子主将(社3=東京・早実)が語ったように、個々のレースには課題も見つかったようだ。

女子優秀選手に選ばれた渡部

 新体制となり初めてのチーム対抗戦となった今大会。年末年始から現在にかけてのチームについて、井上主将が「チームの雰囲気も今までで1番と言っていいほど良くて、全員が前向きに練習に取り組んでいた」と語ったように、応援の様子などからも、チームのまとまりの良さがうかがえた。これから4月の日本選手権までの期間、まずは参加標準記録の突破を目指し、練習を積み重ねていくことになる。いよいよ新シーズンがスタートした早稲田大学水泳部。きっと春の大会では成長した姿を見せてくれるはずだ。

(記事 大島悠輔、写真 藤本壮汰)

結果

総合成績

▽男子 2位

▽女子 2位

個人各賞

最優秀選手 幌村尚

女子優秀選手 渡部香生子

コメント

井上奨真主将(スポ3=県岐阜商)

――チームとしての、大会の振り返りをお願いします

今回はベストなどもあまり出てなかったというのが1番の印象です。今回は渡辺一平(スポ3=大分・佐伯鶴城)が体調不良のために出られなくて、そこでのモチベーションが少し下がってしまったというのがありました。チーム全体として総合優勝を掲げていたので、それに対して貪欲に取り組むべきだったのかなと反省しています。

――井上さん自身は、先月のウィンターカップと比べて何か変化はありましたか

この冬場の年末年始の強化期間では、僕だけでなくチーム全体でいい練習ができていたので、その成果が出せればいいなと思ったんですけど、あんまり調子が良くなかったです。インカレ(全日本学生選手権)などではタフなレースになってくるので、それに向けてもう少しタフにいくべきだったと思っています。

――年末年始の泳ぎこみはチーム全体で取り組んだのですか

年末は順天堂大学さんと毎年合宿をさせていただいていて、そこでのチームの雰囲気も今までで1番と言っていいほど良くて、全員が前向きに練習に取り組んでいたので、その辺の成果が出せればいいなと思っていました。それでもこの練習は春や夏につながってくると思うので、そこで結果が出せるようにしていきたいです。

――4月の日本選手権に向け、チームをどのようにまとめていきたいですか

まずは日本選手権に出場する選手を多くしたいと思っているので、これから続く試合ではたくさんの選手がいい記録を出して日本選手権に出場して、そこでまたいい結果を出してインカレにつなげていきたいと思います。僕自身もさらに努力していきたいなと思っています。

伊藤愛実女子主将(社3=東京・早実)

――きょうの個人のレースの振り返りをお願いします

個人的な結果としては課題がたくさん見つかるレースだったので、またしっかりきょうのレースを考え直して、再来週以降の試合に向けて練習に取り組んでいきたいと思います。

――課題というのは具体的にどのようなところですか

年末年始の強化練習ではしっかり自分を追い込んで練習ができていたんですけど、それがレースに活かせていなかったので練習でしていたことをレースで活かせるようにしていきたいです。

――逆にきょうのレースで手応えを感じた部分はありますか

年末年始の練習ではフォームを崩さないように泳ぐということを意識して練習していました。タイムにはつながらなかったんですけど、泳ぎの方は最後までしっかり練習でやっていたことができたので、そこは良かったと思います。

――チームとして今大会をどのような位置付けで捉えていましたか

新体制になって初めてのチーム対抗戦ということで、ワセダは少し人数が少ないこともあって女子の目標は総合2位に設定していたので目標は達成できたのでよかったと思います。ただ個人個人のレースを見ているとあまり納得していない人が多かったのでまた次の対抗戦に向けてそれぞれレベルアップしていけたらいいと思います。