インカレ2日目。この日も早大が躍動した。男子400メートルメドレーリレーでは大会新記録をマークして優勝。さらに男子100メートルバタフライでは坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)、男子200メートル個人メドレーでは瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)がそれぞれ2位となり、着実に対抗得点を重ねている。いよいよあすは大会最終日。最後までワセダのプライドを胸に、チーム全員で戦い続ける。
★昨年の雪辱を果たす結果に
歓声に応えるリレーメンバー
昨年わずか0秒01差で敗れ2位となり、悔し涙を飲んだ男子400メートルメドレーリレー。しかし、リオ五輪を経験した3選手を擁することしのチームは一味違う。第1泳者の瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)は、「自分がカギだと思っていたので、個人種目みたいな感じで自分の最高のパフォーマンスをしようと思っていた」と語るように、苦手とする背泳ぎで他大学のエース級選手に粘りを見せ、2位で後続へつなげる。すると、第2泳者の渡辺一平(スポ2=大分・佐伯鶴城)が「僕は僕のできることをしようと思って、思い切った泳ぎをしました」という言葉通り、徐々に差を詰め東洋大をかわし、トップで第3泳者の坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)へつなぐ。坂井も着実に差を広げ、トップでアンカーの荒木優介副将(スポ4=三重・暁)へ。「この3人のあとで情けないレースはできないなという気持ちで、全力で泳ぎました」(荒木)。東洋大の追い上げを振り切って、見事1着でフィニッシュ。昨年の雪辱を果たしたこの競技では、2014年の中村克(平28スポ卒=現イトマン東進)らが出場した大会記録を塗り替えての優勝となった。「中村克さんがつくり上げてきたワセダのスプリントは強いというイメージを崩さないように」と語った荒木。あすも素晴らしい結果を出してくれるに違いない。
(記事 石田耕大、写真 中川歩美)
★坂井、好タイムで2位!
バタフライを泳ぐ坂井
男子100メートルバタフライには坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)が出場。きのうは男子200メートルバタフライで3連覇を達成し大会新記録をマーク。勢いに乗る坂井はこの日も奮闘した。予選はまずまずの泳ぎで全体を3位で通過。「52秒台前半を狙う」と意気込んで臨んだ坂井。決勝ではスタートから昨年の世界選手権代表の川本武史(中京大)に大きく離される。しかし、後を追う展開でもしっかりとしたストロークで粘りを見せ3着で折り返した。後半も焦りを感じさせない落ち着いた泳ぎを披露し、自己ベストとなる52秒22の記録で2位。優勝こそ逃したものの、好タイムで表彰台入りを果たした。あすの男子800メートルフリーリレーでも、チームの中枢としての活躍に期待がかかる。
(記事 難波亮誠、写真 大島悠輔)
★瀬戸、ライバル対決を制せず2位
表彰式で歓声に応える瀬戸
センターレーンを陣取る両者の対決に、ことしも会場が沸いた。男子200メートル個人メドレー決勝では瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)と萩野公介(東洋大)が激突。「100メートルまで上手く泳げなかった」という瀬戸の言葉のとおり、得意のバタフライでリードを奪えず、波に乗ることができない。背泳ぎを終えた時点で体一つ分の遅れをとってしまう。続く平泳ぎでは差を縮めたものの、再び自由形で突き放され、2位でフィニッシュ。昨年からの連覇とはならなかった。しかしレース直後には萩野のコメントを受け、「4個メ(男子400メートル個人メドレー)では勝とうかな」と笑みを浮かべた。あすはついにインカレでの最終決戦。二人のライバル対決から目が離せない。一方、女子200メートル個人メドレーには渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野)が登場。こちらも前半を終えて8位という苦しい展開となる。得意の平泳ぎで順位を上げるも、結果は4位。前日の女子100メートル平泳ぎに続き、表彰台を逃す悔しい結果に終わった。
(記事 吉田優、写真 笹澤桜)
★田村女子主将、表彰台には届かず
チームメイトから激励を受ける田村女子主将
田村美紅女子主将(スポ4=埼玉栄)はこの日も表彰台には惜しくも届かなかった。自身が「本命」としていた女子100メートルバタフライ決勝では1分0秒09で5位につける。自己ベストの59秒台を狙ったが、惜しくも届かなかった。しかし田村女子主将は前日のレースやきょうの予選の疲労もある中、予選の1分0秒31よりもタイムを上げたことについて、「勝ち切れなかったっていうところはすごく悔しいですが、(自分の力を)出し切れたと思うので悔いはない」と振り返り、充実の表情を見せた。あすの最後の種目である女子800メートルフリーリレーでは女子主将のプライドをかけチームをけん引し、是が非でも表彰台に登りたい。
(記事 寺脇知佳、写真 笹澤桜)
★力を振り絞るも悔しい7位
レース前、仲間とハイタッチをするリレーメンバー
女子400メートルメドレーリレー決勝は山口真旺(スポ3=兵庫・須磨学園)、渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野)、田村美紅女子主将(スポ4=埼玉栄)、伊藤愛実(社2=東京・早実)の4名が出場。第1泳者の山口が6位で引き継ぎ、渡部も食らいつく。第3泳者の田村が力強い泳ぎで後半に5位まで追い上げ、いよいよ最終泳者の伊藤へ。必死で順位を上げようと力泳したが、結果は7位。順位は予選と同じであるものの、0秒65タイムを上げた。多くの選手が疲れの溜まっている状態で迎えたこのレース。「去年(女子400メートル)メドレーリレーではメダルを取っていたので、ことしも表彰台に乗りたかったですが、全員がベストを尽くした結果だと思います」(伊藤)。あすはこの悔しさをバネに巻き返しを図りたい。
(記事 平川さつき、写真 笹澤桜)
結果
◇決勝
男子100メートルバタフライ
坂井 52秒22【2位】
女子100メートルバタフライ
田村 1分0秒09【5位】
男子200メートル個人メドレー
瀬戸 1分59秒93【2位】
女子200メートル個人メドレー
渡部 2分13秒71【4位】
男子400メートルメドレーリレー
瀬戸、渡辺、坂井、荒木 3分35秒00【1位】
女子400メートルメドレーリレー
山口、渡部、田村、伊藤 4分8秒60【7位】
◇B決勝
男子200メートル自由形
井上奨真(スポ2=県岐阜商) 1分49秒99【1位】
女子200メートル自由形
伊藤 2分1秒83【1位】
◇予選
女子200メートル自由形
伊藤 2分2秒84【9位】
男子200メートル自由形
井上 1分50秒28【10位】
女子100メートルバタフライ
田村 1分0秒31【4位】
志賀珠理奈(スポ2=埼玉・武南) 1分1秒59【19位】
男子100メートルバタフライ
坂井 52秒79【3位】
池江毅隼(スポ1=東京・日大豊山) 54秒48【26位】
女子200メートル個人メドレー
渡部 2分15秒63【6位】
滝本純子(社4=東京・早実) 2分20秒47【30位】
男子200メートル個人メドレー
瀬戸 2分1秒16【2位】
男子1500メートル自由形
寺崎拓海(スポ3=茨城・並木中教校) 16分6秒08【39位】
男子400メートルメドレーリレー
瀬戸、渡辺、坂井、荒木 3分38秒24【1位】
女子400メートルメドレーリレー
山口、渡部、田村、伊藤 4分9秒25【7位】
コメント
決勝進出者
荒木優介副将(人4=三重・暁)、瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)、坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)、渡辺一平(スポ2=大分・佐伯鶴城)※囲み取材より抜粋
――今の男子400メートルメドレーリレーの感想をお願いします
瀬戸 自分がカギだと思っていたので、個人種目のような感じで自分の最高のパフォーマンスをしようと思っていました。その結果、きょうの朝に泳いでいて、メリレ(男子400メートルメドレーリレー)で勝ちたいなと思っていました。去年は100分の1秒差で負けているので、とにかく無我夢中で泳ぎました。
渡辺 大也さんがすごく良い泳ぎをしてくださいましたし、後ろにも心強い先輩方がいてくれたので、僕は僕のできることをしようと思って、思い切った泳ぎをしました。
坂井 個人的なタイムとしてはあまり上げられなかったので、足を引っ張ってしまったのですが、4泳の荒木先輩が1位で帰ってきてくれたので、うれしかったですし、興奮しました。
荒木 非常に重いバトンだと思いますし、きのうのリレーで表彰台を逃していたというのもあったので、きょうのメドレーリレーにかける思いも強かったです。この3人の後で情けないレースはできないなという気持ちで全力で泳ぎました。
――あすへの意気込みをお願いします
瀬戸 あしたの4個メ(男子400メートル個人メドレー)は、きょうの2個メでは自分が思っている課題である前半からいこうと思っていたのが、うまく泳ぐことができませんでした。あしたの4個メは2分を割って入れたらなと思います。あとは、(男子)800メートル(フリー)リレーもあるので、800メートルの方でもみんなで表彰台目指していきたいなと思うので、あしたの4レースうまく泳ぎ切りたいなと思います。
渡辺 僕は(男子)100メートル平泳ぎであまり良い泳ぎができなかったので、(男子)200メートル(平泳ぎ)ではこんな結果ではダメだと思うので、思い切ったレースをして、また2分7秒台を出して、ぶっちぎりで優勝したいと思います。
坂井 8継(男子800メートルフリーリレー)一本なので、ワセダに貢献できるように頑張ります。
荒木 A決勝に残って、克さん(中村、平28スポ卒=現イトマン東進)の抜けた100メートル自由形をしっかり受け継いでいけるように頑張ります。
田村美紅女子主将(スポ4=埼玉栄)
――女子400メートルメドレーリレーの泳ぎを振り返っていかがですか
チームのためにと思って全力で泳いだのですが、タイム見たらなんとも言えないですね。最後に詰まってしまって伊藤につなげられなかったので、反省点です。やはり主将としてみんなを引っ張っていかなければならなかったので、もっとしっかりしていかなければいけないなと思います。
――女子100メートルバタフライのタイムについてはいかがでしょうか
やはり59秒台を目指していたのですが、きのうの疲労やきょうの疲労もある中で、勝ち切れなかったっていう点はすごい悔しいです。ですが、予選よりはタイムも上げることができましたし、出し切れたと思うので悔いはないです。きのうからのメンタルの面ではすごくリフレッシュして臨めました。
――監督から言われた言葉などはありますか
監督からは、わたしが疲れているというのをわかった上で、それでもいくしかないし自分から怖がらずに行っておいでと言われました。その通り前半は今までのベストでいけました。
――リレーについて何かチームで話し合ったことなどはありますか
決勝では一つでも順位をあげようと言っていたので、7位で惜しかったですね。タイムとしては上がっていたので、みんなそれぞれ頑張ったのだなと思います。
――あすの女子800メートルフリーリレーで最後となりますが、意気込みをお聞かせください
これも必ずA決勝にいきたいです。個人としては、きょうみたいに怖がらずに前半から勢いをつけて泳ぎたいと思います。
荒木優介副将(人4=三重・暁)
――きょうの男子400メートルメドレーリレーではアンカーとして臨まれましたが、どのような意気込みでしたか
きのうのリレーで表彰台を逃すという悔しい思いをしたのもありますし、きょねんメドレーリレーでは中京大に100分の1秒差で負けていたということもあるので、きょねんのリベンジと、きのうのリベンジという意味で、非常に重いレースだと感じていました。なので、一生懸命に泳ぎました。
――優勝という結果についてはいかがでしょうか
リレーは得点が稼げる種目なので優勝だけを目指していて、多くの得点を取れたってことには非常にうれしく感じています。
――予選の50秒41、決勝の49秒51というタイムについてはいかがでしょうか
決勝は49秒真ん中あたりで行ければ、十分優勝できるタイムだと思っていたので、このタイムでいけたのは予定通りというか、うまく決まったレースだったなと思います。
――男子100メートル自由形に向けての意気込みをお願いします
一つ上の先輩の中村克さん(平28スポ卒=現イトマン東進)がつくり上げてきたワセダのスプリントは強いというイメージを崩さないように、しっかりとそれを受け継いで表彰台を目指して頑張りたいと思います。
瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)※囲み取材より抜粋
――男子400メートルメドレーリレーの背泳ぎのタイムは自己ベストですね
大ベストですね、まさか53秒台が出るとは思わなくて。背泳ぎだけインターナショナルタイムが個人種目で切れていなくて、今回こうやって全種目(200メートル・400メートル個人メドレー、200メートルバタフライ・平泳ぎ・自由形)で切ることができたので、まずことしの目標はクリアというところですね。
――背泳ぎでこれだけのタイムを出しましたが、らいねん以降個人種目での出場はいかがですか
背泳ぎで代表権はかなり厳しいと思うので(笑)。ただ個人種目で苦手な種目にも出ることというのは、個人メドレーをやっていく上で強化になっていくと思います。インターナショナル選手にもなったことですし、背泳ぎを苦手と思わず、公介もかなりびっくりしていてちょっとはインパクトを与えられたと思うので、背泳ぎも強化しつつ個人メドレーを底上げしていけたらなと思います。
山口真旺(スポ3=兵庫・須磨学園)
――レースを振り返っていかがでしょうか
(1分)1秒台で次の人に良い感じで渡したかったので、あとの人に申し訳なかったなと思っています。
――第1泳者としてどのような気持ちで臨みましたか
あとの人に良いかたちでいけると思えるように、しっかりと私は1泳としての役目を果たしたいなという思いでいました。
――チームの雰囲気はどのような感じでしたか
美紅さん(田村女子主将、スポ4=埼玉栄)が引っ張って下さって、みんなで頑張ろうというようなとても良い雰囲気で臨めたなと思います。
――タイムとしてはどれくらいを目指していたのでしょうか
(1分)1秒をずっと出していなかったので、私としては1秒を出したかったです。
――明日は個人種目の女子100メートル背泳ぎを控えていますが、意気込みを教えてください
この悔しさをバネに、個人ではきちんと決勝に残って、1秒台を出して戦える位置にいたいです。そしてワセダに貢献したいと思います。
伊藤愛実(社2=東京・早実)
――女子400メートルメドレーリレーのレースを振り返っていかがですか
ひとつでも順位を上げようとみんなで話していたので、ちょっと悔しいです。
――7位という順位についてはどう感じていますか
去年(女子400メートル)メドレーリレーではメダルを取っていたので、ことしも表彰台に乗りたかったですが、全員がベストを尽くした結果だと思います。
――個人種目の女子200メートル自由形では課題としていた午後のレースでタイムを上げましたが、振り返ってみていかがですか
B決勝でタイムを上げられたのはすごくよかったのですが、やはりA決勝とB決勝では全然違いますし、来年こそはA決勝で泳げるように頑張りたいと思います。
――B決勝1位ということで、やはりA決勝に進むことができなかった悔しさをバネにという感じだったのでしょうか
そうですね。絶対にA決勝に残ろうと思って頑張ってきたので本当に悔しかったです。ですが、9番で残った以上はそれ以上順位は落としてはいけないと思って泳ぎ切りました。
――あすの女子800メートルフリーリレーの意気込みをお願いします
きのうきょうと個人種目とリレーを合わせて4レースずつだったのですが、あすはもうリレーだけで、4年生と泳げる最後のチャンスだと思って全力で泳ぎたいと思います。
B決勝後
井上奨真(スポ2=県岐阜商)
――いまのレースを振り返ってみてどうですか
予選でA決勝に残れなかったことが本当に悔しくて、今回B決勝の方で絶対一番をとってやろうと思って泳ぎました。
――B決勝のタイムは自己ベストでしたが、狙っていたタイムでしたか
そうですね。(1分)50秒を切るのが目標だったので、ほんとぎりぎりですけど切れて良かったです。
――きのうの男子400メートル自由形に続いてのベスト更新となりましたが、調子はいかがでしたか
本当に調子が良いっていうのは分かっていて練習の時から手応えはあったので、あとは(タイムを)出すだけだなと思っていました。
――あすは男子800メートルフリーリレーがありますが、どのように貢献していきたいですか
きょうのタイムも良かったので、ベストをまた出してチームに貢献できるように頑張ります。