瀬戸、渡部共に悔しい結果に

競泳

 大会も終盤に差し掛かった六日目。きのうから一転、この日は悔しい結果が続いた。瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)は男子200メートル個人メドレーで3位に終わり、代表権獲得ならず。また渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野)も、すでにリオ五輪代表内定をしている女子200メートル平泳ぎでトップと大差の2位となった。

★渡部、1位に離された2位

リオ五輪ではうれし涙で終わりたい

 女子200メートル平泳ぎ決勝は渡部にとって今大会最後の種目だ。すでにリオ五輪代表に内定している種目ではあったものの、泳ぎ終わった渡部の目は涙であふれていた。スタートから大きく伸びのある泳ぎを見せ、ゴールまで2位を守ってそのままフィニッシュ。独走状態をキープし2分19秒65の日本新記録をたたき出した金藤理絵(Jaked Elite Team)には3.89秒届かず、後続とは僅差だった。涙のわけにはさまざまな感情が入り混じっているかもしれないが、今回の大会を「いままでとは違う経験ができましたし、この経験で少しでも成長できたかなと思います」と前向きに振り返った渡部。リオ五輪までに残されている時間は約4ヶ月。この経験をバネに悔いのない練習を積み、本番では勝って笑って終わりたい。

(記事 寺脇知佳、写真 大森葵)

★瀬戸、代表権獲得ならず

レース後、萩野と健闘をたたえ合う瀬戸

 「悔しいです。ですが練習の成果がこの結果なので素直に受け止めたいです」。率直な気持ちを吐露しながらも、この敗戦を受け止めていた。男子200メートル個人メドレー決勝。瀬戸は3種目目の代表権獲得を目指しレースに臨んだ。得意のバタフライで隣を泳ぐ萩野公介(東洋大)に先行され、序盤から苦しい戦いを強いられた。続く背泳ぎでその差を広げられ、萩野とは体一つ分の差をつけられてしまう。ここから平泳ぎで追い上げたかったが、疲労の影響でなかなか萩野に追いつくことができない。逆に2番手を藤森太将(ミキハウス)と争う展開となり、ラスト50メートルを藤森太とほぼ同時に折り返す。最後の自由形で意地を見せたいところだったが、スピードが上がらず3位でフィニッシュ。派遣標準記録を突破することもできなかった。「認めたくないが疲労もあった」と語った瀬戸。リオ五輪は2種目での出場となったが、その2種目に全てをぶつけてほしい。

(記事、写真 大森葵)

★坂井、表彰台を目指しあすの決勝へ

予選のレースを泳ぐ坂井

 きのう男子200メートルバタフライでリオ五輪代表の座を勝ち取った坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)は男子100メートルバタフライの予選・準決勝に臨んだ。「いい感じのタイム」と振り返るように、予選を53秒10で泳ぎ7位で通過する。準決勝のレースではタイムを上げたものの「これでは戦えない」と語り、決勝での更なる力泳を誓った。課題としているこの種目だが、昨年の準決勝敗退からは大きく成長。表彰台を狙えるところまできている。一方、ルーキー池江毅隼(スポ1=東京・日大豊山)も予選に出場。「思っていたタイムより1秒近く遅かったです」とレースを振り返り、納得のいくデビュー戦とはならなかったようだ。

(記事 大森葵、写真 本田理奈)

結果

◇決勝

女子200メートル平泳ぎ

渡部 2分23秒54【2位】

男子200メートル個人メドレー

瀬戸 1分58秒30【3位】

◇準決勝

男子200メートルバタフライ

坂井 52秒85【4位】

◇予選

男子50メートル自由形

荒木優介副将(人4=三重・暁) 23秒67【29位】

高木遼司(スポ3=大阪・生田) 23秒76【31位】

男子100メートルバタフライ

坂井 53秒10【7位】

池江 54秒70【34位】

男子1500メートル自由形

寺崎拓海(スポ3=茨城・並木中教校) 15分46秒55【19位】

コメント
決勝進出者

渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野)※囲み取材より抜粋

――涙のいまの率直な気持ちをお聞かせください

このタイムに関しては期待もしていなかったですし、これは冬場の追い込みができていなかった結果がそのまま出たのかなと思っていて、でも無事最後まで自分なりには頑張れたと思うのでほっとしたというかいろいろな感情が湧いています。

――この6日間というのは渡部選手にとってどのような6日間でしたか

またいままでとは違う経験ができましたし、この経験で少しでも成長できたかなと思います。

――同じレースで金藤選手があのようなタイムを出したことについて悔しい思いはありますか

いまは悔しいというよりも、練習の成果っていうのはそのままレースに出るんだなってすごく感じているので、オリンピックまでにまた練習を積んでいきたいなと思います。

――残り4ヶ月、どのように過ごしたいですか

これからの4ヶ月はほぼ水泳に集中できるスケジュールになっているので、残り4ヶ月しかないのでしっかり悔いのないように練習していきたいと思います。

――4ヶ月後、その涙がうれし涙に変わるといいですね

4ヶ月後はレース後にしっかり笑顔でいたいと思います。

瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)※囲み取材より抜粋

――いまの率直な思いをお聞かせください

悔しいですね。全然自分の思うように泳げなかったので。

――そうなってしまった理由はどのように考えていますか

認めたくはないですけど疲労があったかなというのはありますし、練習の成果がこの結果だと思うので、素直に受け止めて(男子)400(メートル個人メドレー)と(男子)200(メートルバタフライ)で頑張りたいと思います。

――やっぱり一時期体調を崩してから調子を上げきれなかったということですか

きのうの(男子)200メートルバタフライではベスト近くで泳げているのですが、4種目になってくると体力のほうもつらくなってきてそれに耐え切れない自分もいたのでまだまだだなと思いました。

――改めて2種目での意気込みをお聞かせください

4年前は出場もできなかったので、今回は2種目となってしまったのですが、(男子)200メートル個人メドレーのぶんも(男子)400メートル個人メドレーと(男子)200メートルバタフライにぶつけていきたいと思います。

――男子400メートル個人メドレーのほうも派遣を切れない結果になったと思いますが見えた課題はありますか

なかなかベースがついてないのがわかったので、持久力のトレーニングをして、もっともっとタフにならなければなと思いました。オリンピックに向けてどんどんタイム上げていきたいので、男子200メートル個人メドレーは出られないですけど、やはりスピードで見てみると萩野公介(東洋大)よりもタイムが出ていないので、400メートル個人メドレーでベストを出していきたいなと思います。

――五輪で男子200メートル個人メドレーでは萩野選手と戦えないというのはご自身の中でどのようにお考えですか

戦いたかったのですが、そのレベルには届かなかったということでかなり悔しいので、男子400メートル個人メドレーにまたこの悔しさをぶつけたいなと思います。

――男子200メートルバタフライであれだけ良いタイムを出して男子200メートル個人メドレーでは出せなかった理由というのは

やっぱり疲れてしまいましたね。疲れを感じるというのは練習不足だと思うので改善していきたいなと思います。

――いま一番感じている課題はスピードですか持久力ですか

スピードですかね。バタフライのほうでもリードをとられるようになっているのでスピードに耐えられるような持久力も上げていきたいです。

準決勝進出者

坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)※囲み取材より抜粋

――きのう代表を決めて、きょう2本のレースでしたが

安心してほっとしているところもありますが、課題は100メートルなので引き締めて臨んだつもりだったのですが、このタイムでは戦えないので決勝はもっと上げていきたいと思います。

――レースとしてはいかがでしたか

前半力んでしまって、ラスト15メートルで失速してしまいました。決勝はもっと緊張すると思うのですが、前半はもっとリラックスして入ってラスト15メートルで追いつけたらいいなと思っています。

――200メートルを意識しながらのこの種目なのですか

前半は200メートルのペースくらいで入ってしまうので、100メートルでは切り替えてスピードつけて入りたいです。つながってはいないので、200メートルとは違う泳ぎをしていきたいです。

予選後

坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

予選からこのタイムで泳げているので、まだ余力もありますし準決勝はもう少し上げて、決勝に残れたらいいなと思います。

――朝のレースでしたが体は動いていましたか

昨日の疲労が朝あって、アップの時に動きづらい部分もあったのですが、立て直すことができたので良かったと思います。

――前半のタイムに関してはいかがでしょうか

前半を抑えて後半に上げようと思っていたので、後半もあまり上がっていないですが、良い感じにはいけているのではないかなと思います。

――準決勝ではどのくらいのタイムを狙いますか

52秒台を出さないと残れないと思うので、52秒5くらいで決勝に残れたらなと思います。

――一夜明けましたが、改めてリオ五輪内定はいかがですか

嬉しいですけど気を引き締めて、まだ100メートルも残っているので良い結果を出せたらなと思います。

――この種目での具体的な目標を教えてください

メダル争いにくい込んでいけたらなとは思っています。

高木遼司(スポ3=大阪・生田)

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

緊張しすぎてレース中も何を考えているか全然わからなくて、一瞬で終わってしまったなという感じですね。

――初めての日本選手権となりましたがやはり緊張は大きかったですか

そうですね。周りには緊張するなと言われていたのですが、全国大会の経験数が少ないのでかなり緊張しました。

――この大会に向けて強化をしてきたポイントはありますか

僕の中ではスタートを意識したつもりなのですが、やはり両隣が相当早かったので、通用しなかったですね。

――今後への課題などあったら教えてください

ノーブレで50メートルを泳ぎ切りたいです。

寺崎拓海(スポ3=茨城・並木中教校)

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

調子が悪かったので、ベストというよりは早稲田基準を狙っていたので切ることができてよかったです。

――レースプランとしてはどのようなことを考えていましたか

隣の人が結構速い選手なので、できるだけついていこうと考えていました。

――この大会に向けて強化した点などは

コーチが代わってしまったので、そのコーチに適応しようと思ってやってきました。

――どのような変化がありましたか

最初は違和感があったのですが、新しいコーチの梶川さん(悟監督、平17人卒)も僕のことを考えてくれていました。

――今後に向けての課題を教えてください

まずはベストを更新することと、インカレ(全日本学生選手権)でA決勝にことしこそ残りたいなと思っています。

池江毅隼(スポ1=東京・日大豊山)

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

思っていたタイムよりも1秒以上遅かったので残念です。

――早大の一員として臨む初めての大会となりましたが気持ち的にはいかがでしょうか

やはりデビュー戦なのでしっかりとベストを出せたらいいなと思っていたのですが、全然ダメでしたね。

――早大の4年間での目標を教えてください

4年後のオリンピックを狙っていて、そのために早稲田大学に入学したので、しっかりとこのチャンスを無駄にしないように頑張っていきます。