日本選手権展望

競泳

 リオデジャネイロ五輪の代表選考を兼ねた日本選手権が、今月4日についに開幕する。競泳の代表選考レースは一発勝負。各種目、2位以内かつ派遣標準記録を突破したものが選出される。早大からも五輪内定者を含め数多くの選手がエントリーしており、見どころ満載の7日間となりそうだ。

坂井はリオ五輪代表の座を獲得できるか

 まず注目すべきは、瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)。瀬戸は昨年の世界選手権で金メダルを獲得した男子400メートル個人メドレーの代表が内定しているが、それに加えて男子200メートル個人メドレーと男子200メートルバタフライでの代表権獲得を目指す。個人メドレー種目では萩野公介(東洋大)とのライバル対決も注目だ。男子200メートルバタフライで瀬戸と共に代表入りを狙うのが、坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)。昨年の世界選手権でも自己ベストで4位に入るなど、大舞台での勝負強さも見せつけた。この種目は派遣標準を突破している矢島優也(明大)や、五輪メダリストの松田丈志(セガサミー)らも代表争いに絡んでくるだろう。プレッシャーがかかる場面で、坂井はいつも通りの力を発揮できるか。また、大会全体を通じて話題になっているのは男子平泳ぎ。男子200メートル平泳ぎは小関也朱篤(ミキハウス)を追いかけ、小日向一輝(明大)と渡辺一平(スポ2=大分・佐伯鶴城)が2番手を争うという構図になりそうだ。さらには、北島康介(日本コカ・コーラ)の存在も忘れてはいけない。大混戦が予想される中、成長著しい渡辺の力泳に期待したい。

大混戦の男子平泳ぎでの渡辺の泳ぎにも注目だ

 女子200メートル平泳ぎでの代表が内定している渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野)は、2つの個人種目での代表権獲得を目指す。女子200メートル個人メドレーでは、有力候補として確実に優勝を狙いたい。一方で、女子100メートル平泳ぎは混戦模様となりそうだ。好調の金藤理絵(Jaked Elite Team)やロンドン五輪代表の松島美菜(セントラルスポーツ)、さらに若手の今井月(本巣SS)なども控えており、ハイレベルな戦いが繰り広げられそうだ。

 早大自由形短距離のエースとして、中村克(平28スポ卒=現イトマン東進)の後を継ぐ荒木優介(人4=三重・暁)は男子50メートル自由形と男子100メートル自由形にエントリー。果たして上位に食い込む泳ぎができるか。また、背泳ぎ種目では男子100メートル背泳ぎと男子200メートル背泳ぎの安田純輝(スポ4=千葉商大付)や、女子100メートル背泳ぎの山口真旺(スポ3=兵庫・須磨学園)にも注目したい。また、上野聖人主将(社4=神奈川・法政二)と田村美紅女子主将(スポ4=埼玉栄)の早大主将コンビにも期待がかかる。入学して間もないルーキーからは総体チャンピオンの大芦知央(スポ1=大阪・関大北陽)や池江毅隼(スポ1=東京・日大豊山)らが、エンジを背負い初の大舞台に挑む。

 ことしの日本選手権は五輪選考を兼ねるため、独特な緊張感のある大会になることが予想される。早大の選手たちが、それぞれ納得のいくレースができるか。いよいよ戦いの幕が切って落とされる。

(記事、写真 大森葵)