男女共に目標達成!2015年シーズン幕開け

競泳

 新体制初の大学対抗戦であるアリーナ杯東京六大学冬季対抗戦が行われた。日本学生選手権(インカレ)後、加納雅也主将(スポ3=県岐阜商)、野中優女子主将(スポ3=愛知・中京大中京)の下で新たな船出を迎えた早大水泳部。新チームとなって初めて全員で挑む今大会で、男子部は優勝、女子部は2位という目標を達成。今後に向け、弾みをつける結果となった。

競技面でもチームをけん引した加納主将

 2連覇の原動力となったのは主将の力泳だった。200メートル平泳ぎ、加納の最大の敵は今種目の前年度日本選手権覇者・小日向一輝(明大)。レースは序盤から加納が引っ張る展開となった。加納は1度も先頭を譲らず、迎えたラスト25メートル、猛追を仕掛ける相手を振り切り1位でタッチ。自己ベストも更新し、チームを勢い付けた。昨年日本代表メンバーとして活躍した、中村克副将(スポ3=東京・武蔵野)、瀬戸大也(スポ2=埼玉栄)、坂井聖人(スポ1=福岡・柳川)の三選手も多種目でポイントを稼ぎ、勝利に貢献。中でも瀬戸は、出場した5種目全てで優勝、大会記録更新という圧巻のパフォーマンスで最優秀選手賞を獲得した。また、荒木優介(人2=三重・暁)、八木隼平(スポ2=京都外大西)は、専門種目で新たに日本選手権参加標準記録を突破。「夏に向けていい材料になった」(奥野景介監督、昭63教卒=広島・瀬戸内)と、インカレへの期待が高まる結果を残した。

女子部最高学年唯一の競技者である赤尾

 普段はそれぞれがクラブチームで練習をしている女子部。今季から女子部員が学内で練習する機会を増やし、早大の一員としての意識を高め試合に臨んだ。部員数が少ないため、一人一人の選手が多くのレースに出場。疲労が心配される状況下、「自分がつらい中でも声掛けや応援を積極的に」(赤尾愉歩、社3=東京・早実)と最上級生を中心にチームを鼓舞。田村美紅(スポ2=埼玉栄)が400メートル自由形、200メートルバタフライで2冠を達成するなど着実に得点を重ね、目標とする総合2位につけた。一方で、自己ベストを更新する選手が少なく課題も浮き彫りに。少数精鋭の早大が団体戦で成果を挙げるためには、全体の底上げが求められる。次の対抗戦であるアリーナ杯春季六大学対抗戦に向けて、「笑顔が絶えないチーム」(赤尾)づくりを目指す。

 各々が収穫を手にし、幕を閉じた今大会。これから部は春に向け、鍛錬の時期に入っていく。「チーム力をもっと高めて、春六(アリーナ杯東京六大学春季対抗戦)、早慶戦(早慶対抗戦)、インカレへ」(中村)。『Winaffection~勝ちたい想い~』というスローガン通り、勝利への執念を胸に、歩みを進める。

(記事 谷田部友香、写真 河野美樹、大森葵)

男子部集合写真

結果

総合成績

▽男子 344点 優勝

▽女子 294点 2位

個人各賞

最優秀選手賞 瀬戸大也

OB会長賞(新人賞) 寺崎拓海(スポ1=茨城・並木中教校)

コメント

奥野景介監督(昭63教卒=広島・瀬戸内)

――今大会を総括していかがですか

男女共に目標達成できたのは良かったです。6つの大学の中で何位になるという、順位の目標は達成できているのですが、女子は客観的にインカレ(日本学生選手権)に向けて戦えるかというと課題が多く残る試合ではあったので、個々の力を上げたり、チームでどうやってインカレに向けて戦っていくかということをかなり厳しい視点で次のステップに向かって取り組まないといけないのではないかなと感じた試合でした。男子については瀬戸(大也、スポ2=埼玉栄)や中村(克、スポ3=東京・武蔵野)といった日本代表級の選手が自己ベストを更新したというのは非常に大きいことです。それからなによりも、主将の加納(雅也、スポ3=県岐阜商)が自己ベストを更新したというのがチームに活力を与えた大きな要因になったのではないかと思いますので、キャプテンや日本代表メンバーといった中心の選手がトレーニングをしながらでも自己ベストを出しているということを他の選手が目の当たりにして、自分達もやるぞという気持ちになれたと思うので、そういったところが男子の優勝につながって、良かった原因ではないかと思います。また新たに荒木(優介、人2=三重・暁)、八木(隼平、スポ2=京都外大西)といった(日本選手権参加)標準記録突破者も出て、ようやく環境に慣れて自分の力を伸ばすというのができてきているので、これも夏に向けていい材料になったので、この辺りも更にレベルアップしていけると思います。インカレはかなり戦えるのではないかなと思いましたので、男子は結構いい材料がありました。

――坂井聖人選手(スポ1=福岡・柳川)は7レースに出場していましたが、坂井選手の働きについてはいかがですか

7レースの出場というのはあるのですが、どれだけ高い強度で泳げたかというのが大事な課題なんですね。結構いい種目もあったのですが、自分の一番専門種目である200メートルバタフライというのがあまり良くなかったので、そこは大きな課題なんじゃないかなと思いました。

――加納主将を中心に、チームの雰囲気というのはいかがですか

いい方向になっている者は勢いがつくのですが、体調を崩したりだとか、自分の課題が明確になっているかというのを本当に客観的に捉えられているかというところをもう一回紐解かないといけないと思いましたので、とにかく全員が良い成果になるというのを目指して頑張りたいと思います。

――監督ご自身も世界短水路選手権にコーチとして参加されましたが、そこで得てチームに還元したことはありますか

スピードを出すというのは世界の一流選手も必死で『スピードを出す』という技術でやっているので、大学生がゆっくり伸びて、大きく泳いでなんてやっていたら絶対に追いつけないなと思いました。世界のトップ選手が一生懸命腕を回して、カベをすごい速さで回ってというのを必死でやっているのを見て、高いレベルの選手もそれなりに必死でやっているんだなというのを本当に目の当たりにして見てきたので、すごく良かったです。画面でしか見ていなかったものを生で見てきて、ビシビシ伝わってくるという大会だったので、僕の細胞一つ一つが活性化されて帰ってきたような感じですね。

――日本選手権に向けて、チームは強化期間に入っていくと思いますが、どのようなプランで強化していきますか

まず2月が、試験が終わって次のステップですね。3月がグアムで、第2ステップで日本選手権に臨むというかたちです。一応グアムは全国大会の標準記録突破者以上が対象なので、その合宿に参加できるかできないかというのは大きく分かれてしまうので、できるだけ多くの選手が参加できるようにしたいなと思います。

――これからどんなチームになっていってほしいですか

ここ数年変わらないのですが、目標を絶対に達成するというチームにしたいですね。

加納雅也主将(スポ3=県岐阜商)

――ご自身のレースを振り返って

最初に200メートル(平泳ぎ)でベストが出せたのは良かったと思います。残りはまだ自分の力不足でベストには遠く。遠くというほどではないかもしれませんが、ベストを出せなかったので課題だと思っています。

――明大の小日向一樹選手に勝てたというのも大きいのではないでしょうか

そうですね、戦略勝ちですかね。向こうも前にレースに出ていたのもあって、これでもしかして勝ったら、チームに勢いがつくのではないかなと考えていました。

――レース前の目標は

ベストが出ればいいかなと思っていました。

――4レースに出場されましたが最も力を入れて調整していたのはやはり200メートル平泳ぎでしょうか

どうですかね、でもことしは200メートルを頑張りたいなと思っています。200メートルが良いと100メートルも調子が良くなってくるので。結果として200メートルが良い感じで終えることができて良かったと思います。

――以前フォームを意識されているとのお話を伺いましたが、どのようにどのように練習されていますか

大学生活での競泳も最後の1年なので、自分が思う一番速いフォームで泳げたらいいなと思っています。これが速いと自分で思うフォームで泳ぐことしか考えていません。

――チームとして、優勝という結果についてはいかがですか

自分のベストよりも、本当にそれがうれしいです。9月の新チームが始動した時から、冬六(東京六大学冬季対抗戦)で厳しいけれど優勝しようと話していましたので。それを目標にやってきて、きょうも午前中は負けていて、どうしたら勝てるかをみんなで本気で話し合っていたので、勝てて良かったです。

――チームメイトの泳ぎはどのようにご覧になっていましたか

タフに泳ぐというのが今回のテーマで、全員3種目以上出場という決まりがありました。いつもだと多少はチーム事情も考えながらも、自分の出たい種目を2種目とか多くても3種目だったのですが。今回はタフに頑張ろうということで、そんな本当にきつい中でもベストを出してくれた人も居ますし、新たに基準(大会参加標準記録)を突破してくれた人も居ますし。きょうはみんな輝いていたなと思います。

――チームが始動して4カ月が経ちましたが、新チームはどのような雰囲気ですか

僕たちの代が最初に(イメージとして)出し合ったのが2つ上の伊藤慶太主将(平26スポ卒=東京・本郷)が率いたチームで、その時は本当に楽しく、でもやる時はやるという、オンオフを考えるということができていました。水泳に打ち込んで、でも遊ぶ時は遊ぶみたいな、そんな楽しいチームですね。

――スローガンである『Winaffection』の意味を教えてください

これは僕たちで話し合って作った言葉です。『Win』が勝ちたい、『affection』は色んな意味があるのですが優しい思いという意味を取って、『勝ちたい思い』という意味です。それを強く持てば目標も達成できるのではないかと考えています。まあその程度の意味です(笑)。

――2015年最初の大会を終えて、改めてことしの意気込みをお願いします

大学生最後なので後輩に協力してもらいながら、僕たち4年生も最後のインカレ(日本学生選手権)で笑って終われるようにしたいです。

野中優女子主将(スポ3=愛知・中京大中京)

――新年最初の大会になりましたが見ていての感想はありますか

ベスト率はあんまりよくなかったとは思うのですが、(人数が)少ない分得点を取るために一人一人が泳ぐ本数が多くてかなりみんなしんどそうだなとは思いました。現時点では最終段階の得点がまだ手元に来ていないので分からないのですが、みんな一人一人頑張っているなと思いました。

――全体の順位の部分では2位を目指してということだったと思うのですが

午前中の段階では2番につけていたので、割といい感じかなとは思っていたのですけれども。本当は「VSメイジ」ということで、明大を倒すためにみたいな感じでやってきたのですが恐らく明大さんの出場選手が少なくて、あまり結果としては奮っていないのかなという感じもありました。ワセダがいい結果というよりは他のおかげなのかもしれないなとも思います。春六(アリーナ杯東京六大学春季対抗戦)に向けて底上げが必要かなとは思いました。

――主将としてここまではどういうことに気を付けて取り組んでいらっしゃいますか

私は選手ではないので。選手の気持ちは、やっていたので全く分からなくはないですけれど個々の苦しみとかつらさがあると思うので、あまり口出しはできないです。ただマネージャーという全体を見渡す役柄を生かして全体を見つつ、選手個々の様子を見られたらいいなと思いながらやっています。

――新チームの印象というのはいかがでしょうか

結構個性的な子が多いなとは思いますね。

――女子チームとしてはインカレ(日本学生選手権)などの大きな大会に向けて、今後はどういった取り組みや目標をお持ちですか

とりあえずオープン(ジャパンオープン2015参加標準記録)とかワセダ基準を一人でも多く切っていくことはことしのインカレにつながると思うので、練習場所はそれぞれ異なるのですけれど、各所属のコーチの方にも協力していただけるようにして競技力向上をここで図ってもらいたいなと思いますね。

――女子部員で集まって練習をする機会というのはなかなか少ない状況でしょうか

今シーズンに入って、前のシーズンよりも合同練習という女子が学内の練習に参加する日を定期的に設けるようにしたので、なるべく呼びかけて月に1回はそこに顔を出すようにというかたちにして。それによって春六とか早慶戦(早慶対抗戦)とかインカレといった対抗戦で学内の男子選手たちとの試合に対する思いに差が生じないようにということでやっていますね。

――春の東京六大学対抗戦では優勝をということで、1年生も入ってきてまた新たなチームになると思います。今後に向けて一言お聞かせください

今回の冬六(アリーナ杯東京六大学冬季対抗戦)で2番に入って、春六で優勝するっていう長期的な目標があるので。期待のルーキーも入ってくることですし。力を借りながらもやはり対抗戦ですので、底上げもできないと全体としての得点にはつながらないと思っているので、頑張っていかないといけないなと思っています。

中村克副将(スポ3=東京・武蔵野)

――新チームとしての初戦となりましたが、どのような意気込みで臨みましたか

新チームになってから全員が揃う初めての試合だったので、やはりせっかくみんな揃うというのもありますし、初めてのチーム戦ということで男子は総合優勝を狙っていました。それを達成することができてすごくうれしかったです。

――副将として迎えた試合で男子は総合優勝という結果でしたが、今大会の感想は

総合優勝をしたいという気持ちが本当に強くて、そのためにみんなが動いてきました。良い結果が出た時はみんなで褒め合ったりして、逆に良くない選手がいたら、みんなで大丈夫だという声を掛け合って次へ向けるように気持ちを立て直してあげたりしていました。今回は本当にみんながチーム思いで、みんなで協力して達成できたという感じなので、まだまだ課題はあるとは思いますがチーム力をもっと高めて、春六(東京六大学春季対抗戦)、早慶戦(早慶対抗戦)、インカレ(日本学生選手権)へとつなげていきたいです。

――ご自身のレースとしては、50メートル自由形で自己ベストの更新がありました

自己ベストは出るかなとは思っていて、自分の予想タイムぴったりくらいでした。この時期に自己ベストが出るというのは良いことですし、強化の中だったので本当に力がついているのではないかなという風に思うことができました。50メートル自由形に限らず他の種目でもベストがあったので、いま自分の力がついているのではないかなと確認することができたので、すごく良かったと思います。

――200メートル自由形はいかがでしたか

本当は大也(瀬戸、スポ2=埼玉栄)に勝つつもりでした。100メートルまではすごく楽に良い位置につけていたのですが、100メートルから150メートルのところで離されてしまったので、そこでターゲットを変えてしっかりと2番を死守するというかたちになりました。200メートル自由形は面白かったので、今後もチャレンジしてみたいなという気持ちはあります。

――専門外のバタフライにも挑戦されていましたが振り返って

バタフライに関しては気分転換の一環でもありますし、強化にもつながるので新鮮な気持ちで泳ぐことができました。そのなかで2種目優勝してチームに貢献できたので本当に良かったですね。

――今後の課題を教えてください

やはり50メートル自由形で、出遅れるということはなかったですがスタートで失敗してしまった分、もっともっとリードできると思うので、スタート動作をしっかりと改善して4月はしっかりとしたスタートをしたいです。

――ことし1年の意気込みをお願いします

来年はオリンピックがあるので、オリンピックに行けるか行けないかはわからないですけど、オリンピック選考につながる良い年にしたいと思います。

赤尾愉歩(社3=東京・早実)

今大会を終えての感想をお願いします

個人としては、4種目出たのですけれども全部目標を達成できなくて、残念な結果だなという感じです。チームとしては、目標が総合2位だったので、その目標を達成できたことは良かったのですけれども、やはり学外女子しかいなくて、チーム力というのが他のチームに比べて劣っているなと思って、春六(アリーナ杯東京六大学春季対抗戦)が4月にあるので、それに向けてまたチーム力を向上していって次は優勝を目指したいなと思います。

個人として、目標としていたことは何ですか

100メートル自由形で日本選手権の記録を狙っていたのですけれども、それにも及ばず、またベストにも及ばず、もうダメダメなレースだったので。また、3年生としてチームを引っ張っていくためにもドカンとタイムを出したかったのですけれども、それが叶わなくて責任を感じています。

見えた改善点は何ですか

練習環境が今後就活などもあって、少し色々とバランスをとっていくのが難しいとは思うのですけれども、課題を明確にしてやることをしっかりとやっていきたいと思います。具体的には今後は体作りをしっかりとやっていって、ベストパフォーマンスが出せるようにしていきたいと思います。

最上級生としてチームを引っ張っていく上で、何か今大会に向けて考えていたことはありますか

まず3年生として、自分がベストを出していって高い点数を取るということも考えていましたし、あとは、後輩たちに対しての自分がつらい中でも声掛けや応援を積極的にやって、笑顔を絶やさずにやっていこうと思っていました。その部分では、完璧ではなかったのですけれども、少しはできたかなと思って、それが今後私たち3年生だけではなくて、1、2年生にも伝わっていってみんなが良いチームとして、笑顔が絶えないチームになっていけば良いかなと思っています。

きょうはチームの雰囲気はいかがでしたか

今大会は一人一人の種目がすごく多いので、自分に集中してしまっていて、周りが見えていない子が多かったので、100点満点中60点くらいなのですけれども。それでも初戦で応援などはしっかりとできていたので、まあまあ良かったかなという感じです。

きょねん同様2位という結果についてはいかがですか

やはり1位が法大で法大も人がそろっていて、結構強豪なので今回つらいかなと思っていて目標が2位だったので。欲を言えば優勝したかったのですけれども、今の力ではこれが精一杯かなという感じです。

男子はきょねん同様優勝されましたが、この結果についてはいかがですか

やはり男子は代表選手などそろっていて、結構1番手がすごく早くて課題は2番手、3番手を育てることだと思うのですけれども、インカレを振り返って。それが今回すごくできているなと思って。やはり1番早い人に続いて2番、3番の子たちもタイムを上げていっていてチーム全体として競技力が上がっているなというイメージを持ったので、1位という結果で納得です。

最後に今年度の意気込みをお願いします

9月が引退のレースになるので、それに向けてやはり悔いのないようにやっていきたいなということと最上級生としてチームを引っ張っていかないといけないので、チーム力が上がるように交流を深めていったり、色んなことを考えて引っ張っていきたいかなと思います。

瀬戸大也(スポ2=埼玉栄)

――新年最初のレースとなりました。終えていかがですか

すごくよかったです!最初の4個メ(400メートル個人メドレー)は朝イチだったので身体があまり動かなかったのですが、そのあとの2バタ(200メートルバタフライ)と2フリ(200メートル自由形)とかは高強度で泳げました。あと1個メ(100メートル個人メドレー)でベストタイムが出ましたし、最優秀選手賞ももらえたのでうれしかったです。

――出場全種目で優勝、そして大会新記録をマークされましたね

5冠で全部大会新ですね。まあ、これくらいは(笑)。とにかく一本一本に集中しました。体力的にきつくて乳酸が出ている状態、例えば2バタのあとの2フリで44秒(1分44秒76)とかすごく良いタイムで泳げていたということがよかったです。次のBHP(BHP4カ国対抗戦)では少しでも良い結果で泳ぎたいと思います。

――5種目に出場されたなかで見えてきた課題は

とりあえず全力でレースに臨んだところ、個人メドレーのなかの背泳ぎと平泳ぎという真ん中種目の2つで良い泳ぎができていないと感じたので、そこをしっかりと決めることが必要になってくると思います。練習からギアの個数を作っていかなければいけないですね。

――BHP4カ国対抗戦の後はどういった予定でいますか

BHPの次のレースは日本選手権です。(高地トレーニングのため)メキシコに2月16日から3月16日まで行って、そのあとはJISS(日本スポーツ科学センター)で調整します。いまは良い練習もできているし、結果も出ているし、自信もついてきているので、このまま引き続きがんばっていけたらなと。きょうも調子は全然良くなくて、キレも良くなかったのですが、泳ぐたびに少しずつレース(仕様)の体になってきて、良い結果が出ましたね。この感じを維持して追い込んでいきたいです。

――BHP4カ国対抗戦では何に出場されますか

2個メ、4個メ、2バタ、あとおそらく2フリに出ることになると思います。ロクテ(ライアン・ロクテ、米国)も出てくるので、2個メは胸を借りるつもりで泳いで、どれだけ戦えるかというところですね。

――日本選手権前最後のレースとしてつかみたいことはありますか

どんな体調で臨むことになるかは分かりませんが、しっかりと(世界選手権の)派遣標準記録を切っていけたらと思っています。そこで派遣標準が切れればさらに自信になると思いますし、選考会や世界選手権を見据えて何か一つでも課題を持って臨みたいです。

――今後、具体的にポイントをおいていきたいところは

やっぱり背泳ぎと平泳ぎの安定性で、キックで膝が曲がらないような(水の)抵抗が少ないキックをうちたいので、練習で身に付かせたいです。

――最後に日本選手権への意気込みをお願いします

4月はとにかく代表入りをすることが目標です。最低でも2個メ、4個メ、2バタ、800メートルフリーリレーで代表に入りたいので、4月に向けてしっかりと調整してBHPも頑張ります。

坂井聖人(スポ1=福岡・柳川)

――2015年初レースになりました。振り返っていかがですか

今回は練習の一環で7種目に出ることになりました。思っていたよりも持久力がなくなっていることが分かって、体力面の弱さが見えました。課題が残るレースでした。

――7レースに出場されて、特に午前中は距離が長いものが多かったと思います

本当につらかったです(笑)。4個メくらいまでは良かったのですが、2バック(200メートル背泳ぎ)を泳いだ後の2バタが本当にしんどくて…。ベストタイムからプラス5秒くらいかかってしまって、納得いくレースではなかったですね。

――大会を迎えるにあたってのコンディションは

調子はそんなに悪くなかったのですが、後半(体力が)持たない体になっているので、泳ぎ込みがまだ足りていないと感じました。

――きょうは1本目として出場された400メートル自由形でまさかの失格スタートとなってしまいました

はい、失格です(笑)。もうびっくりしました!スタートでの失格だけでなく、ゴーグルにも全部水が入ってしまったんです。パカッと(笑)。これは(好タイムで泳ぐことは)無理だと思って、すこし抑え目で泳いで、そこから気持ちを切り替えていこうと思ったんですけど、あまりタイムも順位も良くなかったので残ったのは課題ばかりです。

――特に印象に残ったレースは

2バタですね。僕じゃないって感じだったので(笑)。前半からきつくて、これは厳しいなと思いながら泳いでいて、2バタが一番印象に残るレースでしたね。

――背泳ぎや個人メドレーなど専門種目外のレースへ積極的に出場したことによる収穫はありますか

バックはドルフィンキックの強化の一環でやっていて、個メは周りのバタフライの選手は何でも泳げる選手ばかりなので僕もいろんな種目を泳げるようになれたらと思って、こういったいろいろな種目に挑戦しました。

――一方で、本職のバタフライについてはどんな手応えでしたか。さきほどお話に挙がった200メートルだけでなく、課題でもあったスピードが必要な100メートルと合わせて教えてください

2バタは遅すぎて話にならないんですけど、1バタに関しては前半が5秒2くらい(25秒22)かかっていて、スピードがあまり出ていなかったのでそこも。ワセダに戻ってもう一度スピードの強化をし直さないといけないと思っています。なので、今大会で出た課題はスピード持久力とスピードと…課題は全部ですね。まだまだ練習がたりないという感じでした。

――レース数を少なくしていたらまた違う結果になった可能性もあったでしょうか

そうですね。ある程度種目を絞っていたらそこそこのタイムが出たとは思いますが、今回は練習の一環として臨んでいましたし、2バタは遅くてショックでしたけど、良い経験にはなりました。

――先月の世界短水路選手権のことも少し振り返ってもらってもいいですか

僕はちょっと失格が多くて…。慌ててしまうので、もうすこし冷静に泳げるようになりたいです。

――200メートルバタフライの予選でターン時の片手タッチの判定を受けたということでしたね

インカレ(日本学生選手権)のときも予選でそういった判定を一度は受けたことがありましたし、世界短水路では完全に(違反を)取られたのでそうなりがちなのかもしれないと思いました。多分、癖でそうなってしまっていると思うので、そこは直さないといけないですね。

――以前からターンが課題だとお話されていましたが

多分、それを意識しすぎて、急いでターンをしようと思って片手になっていたのかなと。戻ってもう一度見直します。

――悔しさが大きい大会という印象ですか

あのときは相当落ち込みました。決勝に残れるタイムではなかったのですが、記録が残らないのはやっぱり悔しかったです。

――失格がなかったとすると予選9位のタイムでした。世界のカベを感じたということはありましたか

そうですね。それに僕は短水路が苦手なので、短水路も上げつつ長水路もしっかりと上げていかないといけないと思います。

――技術面での課題と今後日本選手権に向けて強化していきたいところは

ターンと、スタートの入水角度、ドルフィンキックだったりで欠けているところがあるので、補っていかなければいけないと思います。大也君(瀬戸、スポ2=埼玉栄)と比べるとジャパンオープン2014のときは(途中で瀬戸選手に)追いつくことができたりしていたのですが前半も遅いですし、54秒0(瀬戸選手のアジア大会で記録した1分54秒08)が出たときは後半も桁違い(の速さ)でした。技術面もそうですが、練習をとにかく頑張るだけです。諦めないで泳ぎこんでいくことが必要だと思います。

――今後日本選手権までの実戦とトレーニングの予定は

長水路のレースもやっておかなければいけないなと思って、来週の東京都選手権と招待選手としていくきららカップに出る予定です。あとはグアム合宿に参加させてもらいます。3月の初め頃から2週間くらい。そこは調整期なので、しっかり調整して、日本選手権に臨みたいです。

――最後にことしの目標を聞かせてください

(世界選手権の)代表に入って、大也くんと一緒に世界水泳に出て、世界水泳でメダルをとれるような位置にいきたいと思います。