拙攻響き完封負け 春季リーグ戦を4位で終える/慶大3回戦

野球
TEAM
慶 大
早 大
(早)●加藤、伊藤樹―印出

 2回戦では慶大に屈辱の大敗を喫した早大。勝ち点を獲得し3位で東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)を終えるべく、慶大3回戦に臨んだ。試合は加藤孝太郎(人4=茨城・下妻一)、外丸東眞(2年)の両エースによる投手戦となるも、4回に廣瀨隆太(4年)に本塁打を浴び先制を許す。加藤はその後は0で抑えるも、打線は外丸を打ち崩すことができない。最終回にチャンスをつくるが得点できず、完封負けを喫し、春季リーグ戦は4位に終わった。

打ち取られうつむく印出

 早大は初回、先頭の尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)が相手の失策で出塁すると、中村将希(教4=佐賀・鳥栖)が送り、先制のチャンスをつくる。しかし、後続が倒れ、得点にはつながらない。それ以降は相手先発・外丸から安打はおろか、走者すら出せない状況が続く。

 早大の先発・加藤は3回まで毎回走者こそ出すものの、なんとか0で慶大打線を封じる。しかし4回、先頭の廣瀨にリーグ戦通算18号となるソロ本塁打を浴び、先制を許した。加藤はその後もチャンスはつくられるも、要所要所を抑える投球で8回を1失点で抑え、打線の援護を待つ。

8回1失点の好投をした加藤

 打線は5回、先頭の吉納翼(スポ3=愛知・東邦)が今試合チーム初安打となる中前打を放つと、野村健太(スポ4=山梨学院)が犠打を決める。さらに小澤周平(スポ2=群馬・高崎健康福祉大高崎)が四球を選び、1死一、二塁の好機をつくる。しかし、続く山縣秀(商3=東京・早大学院)は浅い右飛、加藤は三振に倒れてまたも得点できない。7回には先頭の印出太一(スポ3=愛知・中京大中京)が右前打で出塁する。1死から野村が送り2死二塁となるも、小澤が中飛に倒れ無得点で終わった。

 9回のマウンドには伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)が上がる。慶大打線は4番から始まる好打順だったが、打たせて取る投球で三者凡退で抑え、裏の攻撃に流れを持ってくる素晴らしい投球を見せた。

9回を3人で抑えた伊藤樹

 迎えた最終回の攻撃。先頭の熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)が中前打で出塁すると、印出が犠打を決め、同点のチャンスをつくる。続く吉納はヒット性の鋭い打球を放つも、二塁手の正面に飛び2死三塁に。6番・野村は2球で追い込まれると、4球目を打ち上げて一邪飛に終わり試合終了。春季リーグ戦最終戦は完封負けに終わった。

好機で打ち取られ悔しい表情を見せる小澤

 2回戦の大敗からなんとか盛り返したかった3回戦。しかし2回戦同様に拙攻が響き、勝ち点獲得とはならなかった。リーグ戦中盤以降は投打がかみ合わず、3カード連続で勝ち点を落とし、悔しい結果に終わった早大。「一人一人感じたものを秋につなげていかなければならない」と加藤が語るように、今季の収穫、課題をどう秋季リーグ戦に生かしていくかがこれからは大事になってくる。秋にはどのような姿を見せてくれるのか、期待したい。

(記事 田中駿祐、写真 湊紗希)

                黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
1 (中) 尾瀬雄大 4 1 0 .347 遊失   二ゴ     遊ゴ   左安  
2 (左) 中村将希 3 0 0 .311 投犠     中飛   見三   空三  
  伊藤樹 0 0 0 .000                  
3 (遊) 熊田任洋 4 1 0 .349 左飛     二ゴ   遊ゴ     中安
4 (捕) 印出太一 3 1 0 .255 遊飛     中飛     右安   三犠
5 (右) 吉納翼 4 1 0 .245   二ゴ     中安   二ゴ   二ゴ
6 (一) 野村健太 2 0 0 .175   遊ゴ     投犠   一犠   一飛
7 (三) 小澤周平 2 0 0 .283   遊ゴ     四球   中飛    
8 (二) 山縣秀 3 0 0 .267     二ゴ   右飛     遊飛  
9 (投) 加藤孝太郎 4 0 0 .063     空三   空三        
  前田健伸 1 0 0 .200               空三  
  松江一輝 0 0 0 .200                  
早大投手成績
名前
加藤孝太郎 7 3 2 8 5 2 4 1 1 2.54
伊藤樹 8 0 0 1 0 0 0 0 0 1.80
 
東京六大学春季リーグ戦星取表
順位   明 大 法 大 慶 大 早 大 立 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大 〇5-4
〇3-0
△0-0
〇5-1
●4-5
〇5-2
〇15-4
〇6-3
〇1-0
〇11-3
〇3-2
〇6-3
10 .909
法 大 ●4-5
●0-3
〇10-0
●2-3
〇4-1
●1-3
〇9-6
△0-0
〇2-4
△1-1
〇2-1
〇4-3
〇11-0
〇2-0
.667
慶 大 △0-0
●1-5
〇5-4
●2-5
●0-10
○3-2
●1-4
●3-5
○15-1
〇1-0
△3-3
〇6-3
〇7-2
〇11-3
〇3-0
.615
早 大 ●4-15
●3-6
〇3-1
●6-9
△0-0
●2-4
〇5-3
●1-15
●0-1
〇8-2
〇11-3
〇9-1
〇14-1
.500
立 大 ●0-1
●3-11
△1-1
●1-2
●3-4
△3-3
●3-6
●2-7
●2-8
●3-11
△6-6
〇2-0
〇4-2
.200
東 大 ●2-3
●3-6
●0-11
●0-2
●3-11
●0-3
●1-9
●1-14
△6-6
●0-2
●2-4
10 .000
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コメント

小宮山悟監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)

――早慶戦3試合を振り返っていかがですか

 残念な結果に終わったので大いに反省はしておりますが、2戦目の大敗を糧に秋、巻き返したいと思います。

――この3試合で課題と収穫はどのようなものが見つかりましたか

 もう優勝が懸かっていない状況の試合で、優勝みたいな雰囲気の中で試合をしていた時と比べると学生たちも気持ちに張りみたいなのがなかったので、そうは言っても早慶戦なので負けてはいけないという中での戦いで、1勝1敗で迎えた第3戦が本当に緊張感ある試合はできたのでそれはそれで収穫かなとは思います。ただ、やっぱり打てなかった、点を取れなかったというのが一番の反省点かなと思っています。

――2回戦では岡西佑弥選手(スポ1=智弁和歌山)と越井選手がリーグ戦デビューを果たしました

 将来早稲田を背負って立ってもらわないといけないので、お客さんの入った早慶戦で、早稲田に入学していろんな思いを持って試合に臨んでくれたと思うので、彼らが秋に戦力として大いに期待ができるという感じには見て取れたので、良かったとは思います。

――春季リーグ戦は4位で終わりましたが、シーズンを振り返っていかがですか

 5連勝してそこからバタバタいってしまったんですが、やっぱり法政戦がターニングポイントになりましたので、ここでのいろいろな反省点を秋に生かさないといけないと思います。

――ここから夏の期間に入りますが、秋季リーグ戦に向けてどのようなチームを作っていくでしょう

 とにかく勝てるチームをつくらないといけないので、足りない部分をすべて補って一回りも二回りも大きくなったチームにするということですかね。

――来季への意気込みをお願いします

 この春滑り出し5連勝で、投打ともにいいかたちで試合ができたという経験があるので、秋はその経験を生かして息切れせずに最後まで好調を維持できるようにというチームづくりをしたいと思います。

加藤孝太郎(人4=茨城・下妻一)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 ホームランを打たれてしまったので、あの1球に泣いたかなという感じですね。

――走者を出しながらも要所で抑える投球でしたが、振り返っていかがですか

 今日は変化球でうまくカウントをつくれて、チェンジアップ、カットボールが生きていたのでどうにか抑えることができました。

――チームとしては春季リーグ戦を4位で終える結果となりましたが、今シーズンを振り返っていかがですか

 チームは優勝を目指してやっていたんですけど結果的には4位という結果で終わってしまって、優勝した明治との差もすごくあったので、一人一人このリーグ戦で何を感じたのかというのをしっかり秋につなげていかなければいけないと思います。

――投手陣ではどういった課題が見つかりましたか

 大量失点で負けてしまうという試合が目立ったと思うので、もう一度一人一人が自分のやるべきことというか、任された役割をしっかり全うできるような技術をつけていかなければいけないと思います。

――夏や秋季リーグ戦への意気込みをお願いします

 この春のリーグ戦は4位という結果に終わってしまったので、秋はなんとしても優勝できるようにこの夏頑張っていきたいと思います。