投手陣が崩れ15失点の大敗 明大が優勝王手に/明大1回戦

野球
TEAM
明 大 15
早 大
(早)●加藤、鹿田、飯塚脩、ユエン、中森―印出、栗田
(二塁打)島川(本塁打)熊田2号ソロ(1回)

 東京六大学春季リーグ戦は第6週に突入。前カードの法大戦で4戦目までもつれ込んだ末に勝ち点を落とした早大は、明大1回戦に臨んだ。初回に明大に先制を許すも、その直後に熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)のソロ本塁打で同点に追いつく。しかし、その後投手陣が被安打17、15失点と大崩れし、大差で敗れた。これにより、明日の2回戦で早大が敗れると明大の優勝が決まるという窮地に立たされた。

9回2死で中飛に倒れ、悔しい表情を浮かべる松江一輝(人2=神奈川・桐光学園)

 先発は法大3回戦から中3日での登板となった、エース・加藤孝太郎(人4=茨城・下妻一)。初回に先頭の堀内祐我(4年)に二塁打、2番の飯森太慈(3年)に四球を許す。続く宗山塁(3年)は左飛に打ち取ったものの、4番・上田希由翔(4年)に右前に運ばれ、1点を先制される。簡単に主導権を渡したくない早大はその裏、2死から熊田副将が今季2号となる右越えのソロ本塁打を放ち、すぐさま同点に追いつく。

初回に本塁打を放った熊田

 しかし、この日の加藤はピリッとしない。3回には1死満塁で今井英寿(2年)に2点適時二塁打を浴び、さらに1死二、三塁から小島大河(2年)に左犠飛を放たれ、合わせて3点を失う。さらに4回にも加藤巧也(3年)と今井の連続適時打で3点を失うなど、4回7失点という本来の実力とはほど遠い投球となった。打線は、3回に尾瀬雄大(スポ2=東京・帝京)の内野安打をきっかけに1死一、三塁とし、熊田副将の遊ゴロの間に1点を奪ったが、逆転は容易ではない。

失点しうつむく加藤

 加藤の後を継いで5回以降に登板した投手陣も、4人全員が失点を喫し、流れを呼び込むような投球ができない。少しでも得点差を縮めたい打線は、諦めない姿勢を見せる。7回に代打・島川叶夢(スポ4=熊本・済々黌)が三塁線を破る二塁打で出塁すると、相手の失策と尾瀬の中前打で1死満塁とする。続く中村将希(教4=佐賀・鳥栖)の当たりを遊撃手・宗山が失策し、その間に1点を奪う。さらに、続く熊田副将が左犠飛を放ち、この回2点を返すことに成功した。しかし、反撃もここまで。投手陣の崩壊をカバーすることができず、4ー15という大敗となった。

代打で二塁打を放った島川

 ここまでチームを引っ張ってきたエース・加藤の乱調、そして打線も単調な攻撃に終わったことで、この試合を落とした早大。優勝へと望みをつなぐため、そして明大に目前で胴上げされるのを防ぐためにも、もう後はなくなった。「やるしかない」と熊田副将が言うように、全てを懸けて挑み、何としてでも勝利をつかみ取りたい。

(記事 齋藤汰朗、写真 荒井結月)

                黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
1 (中) 尾瀬雄大 3 2 0 .429 投ゴ   遊安   中安        
  打左 松江一輝 2 1 0 .200             中安   中飛
2 (左) 中村将希 4 0 1 .355 遊ゴ   三失   中飛   遊失    
  椎名丈 0 0 0                  
3 (遊) 熊田任洋 3 1 3 .406 右本   遊ゴ     空三 左犠    
4 (捕) 印出太一 4 0 0 .297 二ゴ   投ゴ     二ゴ 左飛    
  栗田勇雅 0 0 0 .000                  
5 (右) 吉納翼 3 0 0 .242   空三   左飛   四球   見三  
  文珠玄基 0 0 0                  
6 (一) 野村健太 2 0 0 .143   三ゴ   見三          
  鹿田泰生 0 0 0 .000                  
  飯塚脩人 0 0 0                  
  梅村大和 1 0 0 .000           投ゴ      
  ユエン賢 0 0 0                  
  中村敢晴 1 0 0 .000               一ゴ  
  中森光希 0 0 0                  
7 (三) 小澤周平 4 0 0 .314   中安   空三          
  打三 島川叶夢 2 1 0 .286             左二 二ゴ  
8 (二) 山縣秀 2 1 0 .353   見三     左安        
  打二 茅野真太郎 2 0 0 .000             三失   右飛
9 (投) 加藤孝太郎 1 0 0 .083     遊ゴ            
  打一 前田健伸 3 0 0 .250         三併   三飛   遊ゴ
早大投手成績
名前
加藤孝太郎 5 3 1 4 8 5 0 7 7 2.78
鹿田泰生 4 2 0 1 1 1 1 1 1 9.00
飯塚脩人 2 0 0 1 1 0 1 1 1 9.00
ユエン賢 3 0 0 2 4 1 0 2 2 5.79
中森光希 4 0 0 1 3 1 1 4 4 6.00
 
東京六大学春季リーグ戦星取表
順位   明 大 法 大 早 大 慶 大 立 大 東 大 勝ち点 勝率
明 大 〇5-4
〇3-0
〇15-4 △0-0
〇5-1
●4-5
〇5-2
  〇3-2
〇6-3
.875
法 大 ●4-5
●0-3
●1-3
〇9-6
△0-0
〇2-4
〇10-0
●2-3
〇4-1
△1-1
〇2-1
〇4-3
  .600
早 大 ●4-15 〇3-1
●6-9
△0-0
●2-4
  〇8-2
〇11-3
〇9-1
〇14-1
.625
慶 大 △0-0
●1-5
〇5-4
●2-5
●0-10
○3-2
●1-4
    〇11-3
〇3-0
.500
立 大   △1-1
●1-2
●3-4
●2-8
●3-11
  △6-6
〇2-0
〇4-2
.333
東 大 ●2-3
●3-6
  ●1-9
●1-14
●3-11
●0-3
△6-6
●0-2
●2-4
.000
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コメント

熊田任洋副将(スポ4=愛知・東邦)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 情けない試合だったなと思います。

――法大4回戦から中2日ということでしたが、その影響はありましたか

 影響は多少あるかもしれないですが、もう負けられないという状況でそんなことを言ってられないので、力負けをしたと思っています。

――初回の本塁打を放った打席を振り返っていかがですか

 点を取られた後だったので、簡単に終わらないようにということを意識して打席に立って、それがいい結果につながったかなと思います。

――大差での敗戦となりましたが、その中で明日につながる収穫はありましたか

 特にないかなと思います。やるしかないと思っているので。

――もう一つも落とすことができなくなりましたが、明日への意気込みをお願いします

 なんとか意地を見せて、優勝決定戦まで持ち込めるように勝っていきたいと思います。