夏季オープン戦ダイジェスト(8月5日~12日)

野球

 東京六大学春季リーグ戦を5位で終え、秋での雪辱を誓う早大。8月に入り、いよいよ夏季オープン戦が始まった。「固定観念を持たない」と言う髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)の下、練習と実戦を繰り返す中で再びベストメンバーを選び直す。オープン戦では試合ごとに打順が大きく組み替わっており、まだまだレギュラー争いは続きそうだ。

打線がつながり、夏季オープン戦は快勝スタート!(8月5日・対青学大)

TEAM
青学大
早 大 × 10

2点本塁打を放った尾崎(右)

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)5位という結果に沈み、秋での巻き返しに燃える早大。韓国で行われた高麗大との交流戦を終え、この日から夏季オープン戦に突入した。試合は初回から幸先よく先制点を奪うと、2回以降も得点を積み重ねて計10得点。守っても投手3人の継投で相手打線を2失点に抑えた。

 注目の初戦、4番打者に抜てきされたのは木田大貴(商4=愛知・成章)。「固定観念を持たない」。この髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)の言葉通り、春季リーグ戦で課題が残った攻撃の陣容を早くも変えてきた。初回、その木田の適時二塁打で先制点を挙げる。2回以降も相手のミスが出たところを確実に得点機にし、徐々に点差を広げていった。さらに、3回には指名打者で起用された尾崎資樹(スポ3=静岡・韮山)が2点本塁打を放ち6点差。序盤で試合の行方を決定づけた。

 先発の竹内諒(スポ4=三重・松阪)も打線からのいい流れに乗り、凡打の山を築いていく。直球を続けて三振を奪う場面や、緩い変化球で相手を打ち取るなど様々な投球術を披露し、5回2失点。続く2投手も毎回走者を出しながら、後続を打ち取り相手に流れを渡すことはなかった。

(記事 杉田陵也、写真 井口裕太)

前日と変わり打撃低迷…小島好投も逆転許し敗戦(8月6日・対駒大)

TEAM
早 大
駒 大 ×

5回裏が終了しベンチに戻る小島。序盤から好投しただけに惜しい失点となった

 夏季オープン戦初戦で大量得点での勝利を飾った早大。2戦目となったこの日は駒大と対戦した。2回に相手の暴投で先制点を挙げるが、5回に連打で逆転を許し1-2。その後反撃を試みるも好機を生み出せず敗戦した。

 先発は、東京六大学春季リーグ戦では救援での登板が多かった小島和哉(スポ2=埼玉・浦和学院)。初回に安打を1本許すが、その後をしっかりと締め進塁を許さない。しかし、5回2死一、二塁の場面で、高めに浮いた球を右翼線へはじかれ2失点。好投を見せていただけに悔やまれる瞬間となった。

 一方、前日と打って変わり打線はつながらなかった。試合が動いたのは2回、この日4番を務めた三倉進(スポ3=愛知・東邦)と尾崎資樹(スポ3=静岡・韮山)の連打で無死一、三塁の場面。ここで相手の暴投があり、運良く1点を先制する。しかし、5回に逆転を許して以後は反撃の機会をうかがうも、なかなか得点圏まで走者を進めることができない。計7安打を放つも、打点は0。序盤の好機で相手を引き離せなかったことが敗因の一つだ。

 春も得点力不足に悩まされたが、今後も投手陣を援護できる攻撃力をつけることは大きな課題である。この夏で安定した勝負強さを身に付けたい。

(記事 加藤佑紀乃、写真 越智万里子)

付け入る隙与えず、社会人野球の雄に完勝(8月9日・対東京ガス)

TEAM
東京ガス
早 大 ×

この試合、チームの全得点をたたき出した木田

 夏季オープン戦も3試合目。この日の早大は、社会人野球の強豪・東京ガスを本拠地に迎え対戦した。試合は序盤ゼロ行進となり拮抗(きっこう)するも、木田大貴(商4=愛知・成章)の2本の適時打で奪った2点を投手陣が守り、2-0の完封勝利を挙げた。

 先発のマウンドには大竹耕太郎(スポ3=熊本・済々黌)が上がった。東京六大学春季リーグ戦では思うような投球ができなかったエースだが、この日は直球が冴え、制球、キレともに絶好調。ストライク先行の投球でアウトカウントを積み上げ、ピンチを迎えた場面でもあっさりと後続を切って取る。エースの風格を漂わせるマウンドさばきで、5回を無失点に抑えた。一方、打線は再三の好機をつくりながら決め手を欠く。しかし5回、1死一塁の場面で、木田が甘く入った変化球を快打。打球は左中間を深々と破り、一塁走者が生還した。先制点を挙げた早大は7回、再び1死一塁で打席に立った木田が、またも二塁打を放ち追加点を奪う。リードを得て登板した救援投手陣は、2回を3奪三振含む完璧な投球で抑えた吉野和也(社4=新潟・日本文理)をはじめ、相手打線を完封。強豪との貴重な一戦でスコア以上の完勝を挙げ、大きな収穫を得ることとなった。

(記事 喜田村廉人、写真 難波亮誠)

再三の好機もつなげず。決定力不足現れる(8月12日・対神戸学院大)

TEAM
神戸学院大
早 大

5回以降毎回得点圏まで走者を進めたが、あと一本が出なかった

 関西六大学野球連盟に所属する神戸学院大と対戦したこの日、早大打線は好機で打てないもどかしい試合展開を強いられた。2点を追う8回に反撃を試みるが、返せたのは1点のみ。この試合を1-2で落とし、夏季オープン戦2敗目を喫した。

 先発・二山陽平(商3=東京・早実)は2回に先制点を挙げられるが、5回を投げ2安打5三振と好調ぶりを披露。継投でマウンドに上がった黒岩佑丞(スポ3=早稲田佐賀)らも順調な仕上がりを見せ、最少失点で相手打線を抑えた。

 しかし、投手陣の粘りに肝心の打線が応えることができなかった。唯一の得点は8回、夏季2軍オープン戦でも試合経験を重ねる立花玲央(人4=千葉英和)の右前適時打によるもの。9回には1死から木田大貴(商4=愛知・成章)がこの日3安打目となる三塁打を放ち、同点の好機をつくるも、その後の打者が木田を返せず勝負あり。振り返れば残塁12個と打線に課題が残る試合となった。

 この試合、走者を得点圏に置いてからの凡退が相次いだ。決定力不足では東京六大学秋季リーグ戦を戦い抜くことはできない。しかし、夏季オープン戦はまだまだ序盤。試合を重ねるごとに個々やチームの課題を克服し、王座奪還を目指す秋につなげていきたい。

(記事 中村朋子、写真 川浪康太郎)

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