【連載】春季リーグ戦開幕特集『新章開幕』 第9回 中澤彰太副将

野球

 昨年は自身初めてとなるリーグ戦優勝、大学日本一を経験した中澤彰太副将(スポ4=静岡)。しかし、秋は打撃不振に陥り、チームと個人の成績の差に苦しむシーズンとなった。副将を務めるラストイヤーは何を思い、試合に臨むのか。東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)が迫ったいま、心境を伺った。

※この取材は3月30日に行われたものです。

「自分たちが引っ張っていこう」

――最近は寒暖差の激しい日が続きますが、調子の方はいかがですか

 きょう体調を崩しました(笑)。沖縄から帰ってきた日に東京は寒いなと思っていて慣れてきたつもりだったのですが。

――お体の方は大丈夫ですか

 大丈夫です。

――春季オープン戦では適時打を放つ活躍をされています。打撃面の調子はいかがですか

 安打などの成績は出ていますが、しっかりリーグ戦でも打てるように 調整していきたいです。

――沖縄キャンプでも打撃面に力を入れているとおっしゃっていましたが、特にどのような点を意識して練習していますか

 味方に信頼されて、打って当たり前と思われるような打撃をしていきたいと思っています。打率を残せるように意識しています。

――3番打者としての起用は出塁が大事になってくると思いますが

 1、2年生の頃は1番や3番を打つことが多かったので、 特に考えることはないです。

――下級生の頃と比べて気持ちの変化はありますか

 下級生の時は先輩方に引っ張ってもらっているという気持ちが大きかったです。ことしは試合を経験しているのが自分と石井(一成主将、スポ4=栃木・作新学院) しかいないので、自分たちが引っ張っていこうという思いはあります。

――やはり以前よりもプレッシャーは大きいですか

 いや、プレッシャーはそこまで感じていないですね。

――あまり緊張もされないタイプですか

 はい。プレッシャーも緊張もないです。

――試合前もされないのですか

 しないですね。

――集中している方が大きいですか

 あまり深く考えないので。だからだと思います(笑)。

――リラックスしていることが打撃に出ているのでしょうか

 はい。でも、(調子が)悪い時はそれでも考えてしまいます。やはり考えずにやっていきたいと思います。

――昨年の7番打者としての役割とは3番打者は変わってくると思いますが、ご自身の役割は何だと思いますか

 好機をつくることであったり、走者を置いた場面では打って返すなど、状況に応じての打撃が大事だと思います。

――不動の中堅手ですが、守備面で普段から意識していることはありますか

 投手が打ち取った打球は絶対アウトにするというのは大前提です。味方が安打だなと思う打球もアウトにしたいというのは常に思っています。

――両翼の選手がことし上級生から代わりました。プレーでの変化はありますか

 両翼ともリーグ戦は初めての選手だと思うので、しっかり自分が声を掛けて守りやすいようにはしていきたいです。

――プライベートでもコミュニケーションを取られることはありますか

 ありますね。八木(健太郎、スポ3=東京・早実)とかは朝点呼前に打撃練習をしたりだとか、きょうもこの後に練習をします。そういう練習や食事にも行ったりしています。

――自主練習はいつも同じメンバーでやられているのですか

 そうですね。いつも石井か八木です。

――下級生と一緒にやることは

 ありますよ。新1年生にティーを上げてもらうこともあります。

――盗塁を積極的に行っていきたいという思いはありますか

 そうですね。塁に出たら盗塁というのは常に意識してやっています。

――ことしの盗塁数の目標は

 10個はしたいですね。

――やはり盗塁王を意識しますか

 そうですね。何でも一番がいいので。

――昨年まで重信慎之介選手(平28教卒=読売ジャイアンツ)がいらっしゃいましたが、アドバイスを受けることはありましたか

 きょねんは特にありませんでしたが、1、2年生の頃はスライディングなどを一緒に考えたり教えてもらったりしていました。

――重信選手や茂木栄五郎選手(平28文構卒=東北楽天ゴールデンイーグルス)がプロに行かれましたが、チェックはしていますか

 そうですね。チェックしなくてもニュースで流れてくるので見ますね。いい刺激になっています。

――チームメイトと先輩のお話をされることは

 石井とはしますね。

――お世話になった中村奨吾選手(平27スポ卒=千葉ロッテマリーンズ)もいらっしゃいます

 中村さんとはいまでも食事に連れていってもらっています。一番良くしていただいている先輩です。

――先輩の姿を見てプロ野球選手に憧れを持つことは

 はい。ことしプロに行きたいなという気持ちもありますし、先輩方に自分たちの活躍が届くように、しっかり結果を残したいと思っています。

――ここまで冬から春にかけての練習や春季オープン戦は順調に行えていますか

 まだまだ細かいミスもありますし、チームとしてもミスがあるので、(オープン戦は)あと3試合残っているので、もう一度気を引き締め直してやっていきたいと思っています。

――沖縄キャンプは雨天が多かったですが

 天候にあまり恵まれませんでしたが、チームとしてやろうと思っていたことはできました。

――こちらでやるよりも暖かい気候でやった方が良いのですか

 そうですね。体が動くのでやりやすかったです。

――沖縄ではオフの日はどのように過ごされましたか

 同期と首里城に行ったり海に行ったりしました。

――オフの日でも自主練は欠かさないのですか

 夜はしましたね。素振りは毎日するようにしています。

――春季オープン戦で見えた課題は

 走塁や犠打のミスがありました。接戦だと走塁や犠打が重要になってくるので、そこは課題だと思います。打撃もいまみんな打てていますが、リーグ戦で打たなければ意味がありません。本番に向けてしっかりやっていきたいと思います。

――石井主将とは主将副将コンビということで、頻繁にお話をされるのですか

 石井とはずっと一緒にいます。

――お二人でチームをどのように引っ張っていくかというお話はされますか

 あまりそういう話はしないですが、プライベートでも一緒にいる時間が多いのでたまにしますね。

――最上級生ということで先輩としての理想像はありますか

 ああいう先輩になりたいなと思われるような先輩になりたいです。

――1年生も入ってきましたが、チームの雰囲気はいかがですか

 あまり1年生としゃべっていないので分かりませんが、1年生は元気がいいので、自分も負けないようにやっていきたいです。

――先ほどティーを上げてもらっているというお話もありましたが、直接教えることはありますか

 1年生にはまだないですね。自分からはあまりいかないので、基本的に聞かれないと。

――聞かれたら教えてあげますか

 自分は教えてあげられるほどではないので…(笑)。

「チームに貢献することが一番」

昨季の不振から徐々に本来の姿を取り戻しつつある

――春季リーグ戦開幕が迫っていますが、気持ちの高ぶりはありますか

 楽しみな部分もありますが、不安な部分もあります。きょねん先輩たちがすごい結果を出したので、優勝しなければという不安はありますね。

――昨年はご自身初めて優勝を経験されました。中澤選手にとってどのような一年間でしたか

 きょねんはチームの成績はすごかったですが、個人の成績を考えた時に秋が全然結果を出せずにいました。そのギャップに苦しんだ部分がありました。

――昨秋は苦しむ中でどのように調整していきましたか

 とりあえず振るしかないなと思っていたので、ひたすら練習していました。あまり深く考えないようにしました。

――他大で意識される選手はいますか

 特にいないですね。

――あまり他大の選手は気になされないのですか

 はい。

――ご自身がいかに打つか

 そうですね。

――チームメイトで頑張ってほしい選手はいますか

 まずは自分が頑張らなければならないので、特にいないですね。

――ことしは追われる立場となりますが、どのような戦いを予想しますか

 自分たちはそんなに強いチームではないので、一戦一戦を大事にして、接戦をものにできる『一戦必勝』でやっていきたいです。

――ご自身の目標を教えてください

 チームに貢献することが一番だと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 後藤あやめ)

中澤副将が早大を勝利へと『導』く

◆中澤彰太(なかざわ・しょうた)

1994(平6)年12月2日生まれ。177センチ、76キロ。静岡高出身。スポーツ科学部4年。外野手。右投左打。様々な場所でキャンプを経験した中澤選手に一番良かった場所を伺うと、2年生の頃のロサンゼルスキャンプというお答え。街の雰囲気に魅了されたようです。沖縄キャンプでの成果を春季リーグ戦で十分に発揮してください!