【連載】『伝説を刻め~Make Legend』 第6回 茂木栄五郎

野球

 持ち前の勝負強い打撃で稲穂打線に欠かせない存在となった茂木栄五郎(文構3=神奈川・桐蔭学園)。ケガに悩まされながらもたゆまぬ努力で結果を残し続けている。今季のさらなる成長の要因や憧れの舞台・早慶戦への思いなどを語ってもらった。

※この取材は10月24日に行われたものです。

「試合に出られる喜び」

謙虚な姿勢で自らの打撃について話す茂木

――今季ここまでを振り返って

チームとしては優勝争いにまだ残ることができているので、比較的いい状態なのかなとは思うのですが、個人的には正直イマイチと言うしかないですね。

――「走攻守すべてにおいてまだまだ」とおっしゃっていましたが、具体的にどういったところがまだまだなのでしょうか

チームの勝利への貢献度というのが全然足りないなと感じるので、まだまだ意味がないとな、と思っています。

――今季の好調の理由について、「自分でやると決めたことがしっかりできている」とありますが、自分で決めたこととはなんでしょうか

打撃の面なのですが、いままで取り組んできたことがいくつかありまして、それを打席に入る前であったり、打席の中でそれだけをやろうと決めて入れていたのでそれが一球に集中するということにつながって、いい結果にもつながっているのかなと思います。

――いくつかやろうと決めたことで一つ例を挙げるとどういったことでしょうか

バッティングはタイミングが重要だと思うので、ピッチャーとのタイミングを合わせるということを大切にして、それをネクストバッターズサークルであったりベンチであったり、意識してやっていたら結果がすごくよかったなと感じています。

――練習では実戦を想定していると思うのですが、どういった練習をされているのですか

練習ではいい打球を打ちたいとかホームランを狙ってみようかなという欲が出ると思うのですけど、いままではその欲が出てしまっていたので試合で崩れることが多かったと思います。でも今はバッティング練習でも逆方向、ショートの頭の上を強く抜くということを念頭に置いて練習をやっていたので試合でも大きく崩れることなくそういった打球が打てているのかなと感じます。

――東大戦のカードを欠場されて、ここまで途中交代もありますがご自身の状態はいかがでしょうか

万全な状態でリーグ戦に臨めているわけではないですが、その中でも自分のできるプレーというのは比較的できている方ではないかなと思います。

――春を振り返っていかがですか

打撃の面ではホームランとか長打も出るようになって、比較的成長したところが見られたかなと思います。でもやはり守備の面でチームの足を引っ張るというか失点に絡むミスをしたので、両方の意味でたくさん収穫があったと思います。

――いい意味での収穫もあり反省点もあったということですね

そうですね。

――春季リーグ戦が終わって、見つかった反省点を改善するのにどのようなことを行いましたか

やはり守備が課題なので、基礎練習やスローイングの練習をやっていましたが、途中ケガもあってなかなかうまく継続することができませんでした。正直あまり成長してはないかなと感じていますが、その中でも何とかプレーしないといけないなと思っています。

――春の早慶戦前にまだレギュラーが確約されていないとおっしゃっていました。今はどのように感じていますか

ありがたいことにずっと試合で使ってもらっていて、でも自分の中では常にレギュラーは確立されていないと思っていて。いい選手も控えていますし、常に調子がよくないと試合に出られないと思っているので自分の調子、状態の維持と、同じポジションの選手には負けたくないという気持ちを持って今季も臨めていると思います。それが油断というかレギュラーだという気持ちがなくプレーができている要因かなと思いますね。

――同じポジションの石井一成選手(スポ2=栃木・作新学院)が好調ですが

そうですね。石井もすごくいい選手で、下の学年ということで可能性もまだまだありますし、調子がいい中でも自分を使って頂いているという監督さんをはじめ首脳陣の方にありがたさを感じています。いまは試合に出られる喜びやうれしさを感じてプレーできていると思います。

――春季リーグ戦終了後、大学日本代表に初選出されましたが、選ばれた時の率直な感想はいかがですか

まさか選ばれるとは思っていなかったので、選ばれた時はうれしかったです。でも有原さん(航平、スポ4=広島・広陵)が落選してしまって、正直何でだろうという気持ちがすごく強くて。有原さんが最初に選ばれると思っていたのでびっくりしたのと同時に、有原さんの分までしっかり頑張らないといけないなと思いました。

――侍ジャパンのユニフォームに袖を通した感想は

実感というのはあまりなかったです。でも大学の看板というのもありますし、日本の大学を背負うまではいかないですけど、自覚を持ってしっかりやらないといけないなという気持ちにはなりましたね。

――代表チームの中には普段同じリーグで戦う選手もいましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか

明大の福田(周平)さんが主将を務めて下さったのですが、福田さんを中心にいいまとまりがあるチームだったなと思いますね。

――今春のロサンゼルス遠征には行くことができませんでしたが、代表チームでオランダ遠征を経験しました。海外でプレーした感想は

やはり日本とは違って、何もかもスケールが大きいなと感じました。日本の野球はすごいと思っていましたが、世界の野球もまた違った面から見ることができたので、いい経験だったなと思います。

――海外の選手やプレースタイルはどう感じましたか

日本人のようなきっちりした野球ではなかったですが、そもそもポテンシャルが違うなと思いました。身体能力の差というのはすごく大きいなと感じました。

――そういった代表での経験を通して得たものはありますか

日本もフィジカル面で負けている中で対等に戦うことができたと思っていて、その理由は日本の投手のレベルの高さというのと、守備で崩れないという日本の強さだと思いました。そういうところをもっと磨いていけば負けないチームというか世界でも通用するチームになるのではないかなと感じました。

――ではやはり守備の重要さを再認識されたのですね

そうですね、再認識しました。

「絶対に打ってやるという気持ち」

――今夏のオープン戦は1試合のみの出場になってしまいましたが、うまく調整できたでしょうか

正直法大戦も間に合わないと思っていて、何とか自分で合わせようとやっていたんですけど、やはり合わせられなくて。試合の前日にコーチの方からあしたはお前でいくみたいだと電話を頂いて、いまの調子は別にしてあしたの試合はチームの勝利に貢献できるように、いい結果を出せるようにと意気込んで試合に臨みました。それで1回戦はいい結果が生まれたのかなと思いました。

――いきなりの猛打賞でしたね

そうですね。調子うんぬんは別にして、絶対に打ってやるという気持ちというか。調子が悪い中でも自分がやってきたものをどう出すかということを考えて打席に入ることができました。それが3安打という結果につながったということに関してはすごく良かったなと思います。

――続く2回戦では5点を追う中で、3連打による好機で打席が回ってきて適時打を記録しました

チャンスだったのですが、とにかくランナーを進めたいという気持ちがありました。少し引っ張る意識で、2球ほど落ちる球に空振りしていて。引っ張るうんぬんの前にバットに当てなければ何も起こらないなと思ったので、引きつけてセンター中心に打とうと切り替えられました。それでセンター前が打てたので、その打席の中での修正というのができていい結果につながったのかなと思います。

――その試合、5回終了後に武藤風行(スポ4=石川・金沢泉丘)選手を中心に円陣を組んだそうですが、そういったことは普段からあるのでしょうか

武藤さんはすごく前向きなことを言う方なので、その試合以外にもありますね。でもその試合では悪い雰囲気があったので、そこでの武藤さんの言葉にはすごく勇気づけられたというか、存在が大きかったなと思いますね。

――来年ご自身がそうなろうと思うこともあるのでしょうか

自分としてはあまり言葉で引っ張る選手ではないので、プレーで引っ張っていければいいなと思います。でもやはり4年生の力というのはすごく大きいなと感じているので、自分たちの代になった時に何気ない一言であってもチームのプラスになるようにやっていけたら良いなと思います。

――明大1回戦で2回に放たれた先制本塁打を振り返っていかがですか

1球目に外にいい真っすぐが来てしまって、タイミング的に少し差し込まれているなと思いました。とりあえずつまらないように、真っすぐにタイミングを合わせて待っていたら真っすぐが来て、強く振ることができたのでホームランになったのかなと思います。

――春に続いて逆方向への本塁打でした。これも練習での逆方向への意識が功を奏したのでしょうか

試合ではあまり逆方向へ意識することはないのですが、練習で逆方向に強い打球を飛ばすよう心掛けた成果かなと思います。

――打席ではセンター返しを意識しているのですか

そうですね、基本的にはセンター返しがモットーです。でも相手投手によって全然違いますね。基本的には相手の一番早い球につまらないように、差し込まれないようにタイミングを取ることを一番に考えてやっていますね。

――ドラフト会議で1位指名を受けた山﨑福也投手からの猛打賞でした

積極的にバットを振っていた結果が3安打につながったと思います。福也さんもいいピッチャーでどう打てばいいかをずっと考えてきて対戦してきたので、3安打も打てたということは自分にとってもすごくいい収穫になったかなと思います。

――試合後は打撃のことよりもご自身の守備の反省を口にされていました

そうですね。チームの勝利に貢献するということはすごく大切だと思うのですが、逆にチームの負けにつながるようなプレーは絶対にしてはいけないなという風に感じているので。それに関しては今後の課題になってくるかなと思います。

――立大との1回戦も猛打賞を記録しました。いずれも逆方向への安打でしたが

逆方向を狙って打っているわけではないので、すべて逆方向に飛んだというのは自分でもうまくいきすぎているなと思いました。外の球中心の配球だったので、逆方向に飛ぶことは必然かなと思いました。あの日も真っすぐに差し込まれないように打席に入っていたので、それがうまくいったことが3安打につながったのかなと思いますね。

――2回戦では初回に2点適時二塁打を放ちました。前日の試合でも最終回に二塁打を放ち追い上げの場面を演出しましたが、そのままの勢いでいけたということでしょうか

そうですね。ピッチャーがあっぷあっぷしていたので、初球の甘い球を狙って打席に入りました。その球をしっかりと捉えることができたのでよかったかなと思います。

――初球から積極的に振っていく姿勢は状況によって変えているのですか

そうですね。やはりチャンスの時は初球から打ちたいという気持ちはあるのですが、逆に先頭打者であったり前の打者が早いカウントで終わったりしていたら考えて打席に入るようにしています。初球から打つことの方が多いと思いますけど、一応考えて打席に入るようにしています。

――立大3回戦では同点の状況が続いているなかで中村主将が決勝打を放ちました。間近でご覧になっていかがでしたか

いままで中村さんはすごく苦しんできていて、本来の力ゆえにみんなからの期待もあった中で結果が出ず、ようやくあの苦しい場面で一本出ました。自分自身すごく苦しんでいる姿を見ているので、その苦しさというのがすごく伝わっていました。その分あの場面で打てたときは、まだ試合は終わってなかったですけど感動して。自分の打席ではあまり喜ぶようなタイプではないのですが、中村さんのあの打席は心から喜ぶことができたというか、うれしかったですね。

――中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)はどんな主将でしょうか

誰よりも能力が高いと思うのですが、誰よりも練習しています。それはやはり尊敬するべき点だなと思っています。ついてこいというか、俺が引っ張るというタイプの主将だなと思います。

――言葉というより姿勢で引っ張るタイプなのですね

そうですね。

――今季のチームの方針は

春も秋も変わらないチームの目標だと思うのですが、基礎基本に忠実なプレーですね。あとは常に攻めるという姿勢を忘れないというチームのスタンスかなと思います。

――中村主将の話が出ましたが、ドラフト会議はご覧になりましたか

はい。みんなでラウンジに集まって見ていました。

――中村主将が決まったときに何か言葉は交わされましたか

おめでとうございますと言ったらありがとうと。でも会見とかもお忙しそうだったのでまだあまり話せてはいないですね。

――間近にそういった瞬間をご覧になって、ご自身も憧れは感じますか

そうですね。野球をやっている以上最高峰の舞台なので、一度は立ってみたいなという気持ちは持っています。

――打順についてお伺いします。春は5番に座られて、小野田俊介(社4=東京・早実)選手が6番という打順でした。今季それが逆になりどう感じていますか

自分が5番だったときに小野田さんが打席に立っていることを想像しています。小野田さんほどの信頼感は自分にはないので、小野田さん自身俺が決めてやるという気持ちでいると思うので、気持ちの面では少し負担を掛けてしまっているなと感じています。自分にもっと力があれば小野田さんはもっと楽に打てるのかなと思います。でもその中であれだけの結果を残せているのでやはりすごいなと感じています。

――春はクリーンアップには勝負強い一本が必要だとおっしゃっていました。6番打者に必要とされている打撃はどうお考えでしょうか

6番はチャンスで回ってくることもあるのですが、やはりチャンスメイクというのがすごく重要だと思っています。どうしてもピッチャーが8番や9番に入るので、なんとしても6番や7番でチャンスを広げて1番に回すということが仕事だと思います。チャンスで打つことももちろんですが、5番と違ってチャンスメイクも大切なのかなと思っています。

――春よりも打撃が向上したということですが、具体的にどういった点でそう感じるのでしょうか

ミスショットというのがなくなりました。1回目のスイングで仕留められていることが多いなと感じたので、そこが向上したかなと思います。

――打ち損じが減ったことの要因は

いろいろあると思うのですが、一番は練習でやってきたことに打席の中で集中して取り組めているので、それが結果につながっているのかなと思います。

――現時点でご自身の成績を振り返ってみていかがですか

春に比べてコンタクト率が上がったなと観じています。それと長打も増えたなと感じているので、春よりはいい状態なのかなと思います。

――長打という点では二塁打が増えました

いままでの二塁打は野手の隙を突いて二塁にいくというものが多かったです。いまは外野の間を抜くという二塁打が増えたので、パワーもそうですけどタイミングよく打てたことがいい結果につながっているのかなと思います。

――ことしは三振数が少ないですが、春季は四死球が9つと多かったです。今季は四死球が1つしかないですが、その差は何だと思いますか

春季はミスショットが多い中で、際どいカウントになってからボール球を見極めるというのがありました。最近は追い込まれる前に捉えることができているので、必然的に四死球が少なくなっているのかなと感じています。でも追い込まれてからの粘りというのは春季ほど無いのかなと感じています。

――理想とする打撃はどういったものでしょうか

理想としている選手は元阪神の金本知憲選手です。インパクトの強さを真似したいなと思っています。理想の打球としては二遊間の頭をかすめるくらいの高さでスタンドに突き刺さるような、低く強い打球を目指しています。

――以前守備は苦手とおっしゃっていましたが、守備への意識は

バッティングよりも意識を持ってやっているのですが、試合になるとなかなかうまくいかなくて。試合でどうこなすかというのが課題だと思っています。

――試合ではどんなことを考えて守っていますか

練習以上のことは出ないと思うので、練習でやってきたことをイメージしています。一歩目であったりポジショニングであったり、足を使うことであったり。そういうことを考えながら守るようにしています。

――尊敬する先輩は

いま一塁コーチャーをやって頂いている三倉さん(健、教4=徳島・鳴門工)にすごくお世話になっています。自分が落ち込んだ時や壁にぶち当たった時に声を掛けて頂いて、食事に連れて行ってもらったり、いろいろと話して下さいました。野球以外の面もすごく教えられたというか、勉強させてもらっている先輩ですね。

――同期で仲の良い選手は

同じ学部の川原(孝太、文構3=静岡・掛川西)と一緒に学校に行ったりしていて仲がいいです。あとはキャッチボールをしている重信(慎之介、教3=東京・早実)や、自主練習では藤田(恭輔、商3=埼玉・早大本庄)とやっています。その三人が主に仲が良いですね。

――同じ打線で活躍する重信選手や河原右京選手(スポ3=大阪桐蔭)の存在はいかがですか

やはりいい刺激になるというか、あいつらが打ったら自分も打ってやろうという気持ちになります。自分たちの代も見据えると試合に出て活躍するというのはいい経験だと思うので、すごく影響を受けていますね。

――やはり負けたくないという気持ちが強いのでしょうか

そうですね。二人とも甲子園に出場していて注目されて入ってきているので。活躍してくれるのはうれしいのですが、正直悔しい気持ちもありますね。

「二度同じ悔しさを味わいたくない」

悔しさを味わった早慶戦で、茂木がリベンジの一撃を放つ

――今季のチームの状況を振り返って

やはり有原さんという存在が大きかったなと感じていて。有原さんの不在がチームに大きなダメージを与えているなというのと、そのなかでなんとかできているのは野手や代わりのピッチャーが頑張っているからだと感じています。

――今季は1年生投手が活躍されていますが、守っていてどう感じますか

1年生なのに度胸があるというか、物怖じしないでできているというのは自分が1年生の頃だったら考えられないことなので、すごいなと感じています。

――『早稲田野球の真髄』というスローガンがありますが、茂木選手の思う『早稲田野球』とは何でしょうか

球際に強いというか、打つにしても守るにしても、球際のプレーというのが野球の境界線になるのかなと思います。それはいくら練習してもその気持ちがないと身に付かないところだと思うので。ワセダの野球はそういうところに厳しくやっているので、そこを早慶戦でもう一度見せられたらなと思います。

――憧れの舞台とおっしゃっている早慶戦ですが、春に一年ぶりに出場していかがでしたか

観客の方もすごく入っていて、優勝が懸かった試合で、その舞台に立てたということはすごく良かったです。

――結果的には2試合で1安打しか打つことができませんでした

何度もいい場面で回ってきて打てなくて。憧れの舞台に立てたという気持ちはあったのですが、チャンスで打てなかったという悔しさの方が大きかったです。

――普段の試合とは違う空気があったのでしょうか

自分としてはあまりそういうふうに思いたくなかったのですが、正直観客の方もすごく多くて、優勝が懸かった試合だったので。平常心でいこうと思ってはいたのですけど、平常心では臨めなかったです。

――2回戦では失策も出てしまいましたが、やはり気持ちの面で悪い影響が出たのでしょうか

そうですね、普段通りのプレーというのができなかったです。

――目の前で胴上げを見ることになりましたが、どう感じましたか

一言で悔しい、という気持ちが大きかったです。

――今季も優勝決定戦になる可能性が残っていますが、今季にかける想いはいかがでしょうか

春は優勝が目の前に迫っていてつかみきれずに悔しい思いをして、今季は優勝の可能性が低い中で早慶戦が優勝決定戦になれば願ったり叶ったりという感じです。二度同じ悔しさを味わいたくないので絶対に2連勝して勝ち点を取りたいです。絶対に負けたくないという気持ちを持って戦いたいなと思います。

――今季の慶大の印象は

加藤(拓也、2年)があまり良くない中でも抑えてきていて、打撃陣も3番の谷田(成吾、3年)と4番の横尾(俊建、3年)がすごくいい働きをしているなというふうに感じます。

――加藤拓投手は代表で同じチームで戦い、春とは違う印象をお持ちだと思います

そうですね。真っすぐにすごく力のあるピッチャーなので、それに負けないように対策をしていきたいなと思います。

――春は勝負の分かれ目は守備だとおっしゃっていましたが、それはいまも同じ気持ちでしょうか

そうですね。やはり点を取られなかったら負けないので、まずはゼロに抑えるということが大事だと思います。

――春は慶大の投手を打つ自信がないとおっしゃっていましたが、いまはどうお考えですか

リーグ戦を通して自信を持って臨むということがあまりないのですが、早慶戦に関してはそういう気持ちが打てない原因だったのかなと感じています。なので、打てる打てないは別として、打ちたいなと思います。

――早慶戦への意気込みをお願いします

早慶戦で4年生が最後の試合になるかもしれないので、悔いなくいいかたちで、4年生ともっとプレーできるように絶対2連勝したいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 山辺剛士)

茂木

◆茂木栄五郎(もぎ・えいごろう)

1994(平6)年2月14日生まれ。172センチ、75キロ。神奈川・桐蔭学園出身。文化構想学部3年。内野手。右投左打。試合前のゲン担ぎとして、後輩の石井選手とご飯に行くという茂木選手。同じポジションを争うライバルと食卓を囲むことが、お互いにいい影響を生んでいるのかもしれません。