【連載】『真の王者への道』 第6回 中村奨吾

野球

 昨季、全試合でスタメン出場し、チームの中心選手に成長した中村奨吾(スポ3=奈良・天理)。ベストナインに選出されるなど六大学を代表する中村に、現在の心境をうかがった。

※この取材は2月13日に行ったものです。

「基礎基本をしっかりと」

表情を緩める中村

――昨季を振り返っていかがですか

春は優勝して秋は2位だったのですが、秋にはベストナインをいただいて良いシーズンを過ごせたと思いますが、打撃では自分が思ったような成績を残せてはいませんし、秋は優勝できず大変悔しい思いをしたシーズンでした。

――ベストナインを受賞したことは

嬉しかったのですが、あのような打撃成績でとれたことは自分の中で満足できていません。

――去年、規定打席を達成しての3割を目標とされていましたが

打席数が多いですが、春も秋も3割には届いていなく、打点も多く稼げていないのでまだまだ頑張っていかないといけないなという思いです。

――去年1番成長した点は

守備ではエラーも少なく、ここ一番の場面でしっかり守れたことは大きかったなと思います。

――1年時とは違って二塁手のレギュラーとしての1年間でしたが

ポジションが変わって不安な部分があったのですが、春をある程度守ることができたので自信を持つことになり、秋はエラーすることなく過ごせました。

――このオフに取り組んでいることは

守備では基礎基本をしっかりと取り組んでいて、また打撃では打率を上げることを目標に、バッティングスピードなど考えて取り組んでいます。

――去年、冬季静岡キャンプも行われましたが、いかがでしたか

相当の振り込みをしましたしきつかったですけど、いいキャンプになったと思います。

――きつかったとはどれほどきつかったのですか

一日の練習時間がものすごく長くて、休む暇がないというか、朝起きて寝るまでずっと野球のことしか考えないといけない環境だったので辛かったです。

――軽井沢キャンプとどちらがきつかったですか

静岡の方が、夜間練習があったりと本当にきつかったです。

――岡村監督(猛、昭53二文卒=佐賀西)に鬼軍曹の一面がありますか

いやそうは思わないですけど、秋は優勝できなくて、主力の方も多く抜けられたので。それぐらいの強い気持ちをもってやらないと優勝にはたどりつかないと思うので、気合が入っていたなと思っています。

――どんな先輩に?と言う質問で、相談される先輩にと答えられえていましたが、誰か相談に来られましたか

たまに来る人はいますが、怖い先輩とそういうことではなく、話しかけにくい先輩になっていると思うので、もっと相談しにきてもいいのですけどね。

――故郷についてはいかがですか

< 年末年始に帰った時に、父親がテレビとかで自分のプレーを見ていたようで、そういう話を聞くと、励みになります。

「何も言われなくて守れるように」

――東條主将(航、文構4=神奈川・桐光学園)との二遊間連携はいかがですか

試合中は歓声とかが大きくて声での連携が取りにくいので、アイコンタクトやジェスチャーなどで分かるようになってきていて、守りやすくしていただいていますし、頼りになる存在です。

――主将としての東條主将は

まだ試合を行っていないので分からないのですが、練習中からしっかりみんなに声をかけていらっしゃっていて、自分もしっかり支えていかなければいけないと思います。

――以前東條主将に引き付けられて声を出しているとおっしゃっていましたが、一二塁間では引っ張っていかなくてはいけない立場になっていくと思いますが

自分がどんどん指示を出して、ファーストには新しい選手が入ってくると思うので、ライト、センターにも聞こえるように引っ張っていきたいです。

――副将の二人についてはいかがですか

大野副将(大樹、社4=東京・早実)は気持ちの入ったプレーが多く、下級生がのっていけるようないい雰囲気を出してくれる存在です。横山副将(貴明、スポ4=福島・聖光学院)はピッチャーリーダーとして、多くのいいピッチャーをまとめていただいて、最強のピッチャー陣になると思っています。

――守備を武器にしている気持ちは大きいですか

去年しっかり守れたので、守備は何も言われなくても、守れる選手になりたいですね。

――去年は一つのファインプレーから試合の流れを変えることもありましたが

そのファインプレーは自分自身では流れが変わると思っていなかったのですが、次の回大きく変わっていったので、そういう打球が来ればしっかり一つ一つアウトを取っていけばいいかなと思います。

――次に走塁面について春に比べて秋は盗塁が減っていますが走塁についてはいかがですか

クリーンナップがしっかりしていたので、そこまで走らなくてもいいかなと秋は思っていたのですが、新チームになってクリーナップもまだ決まっていない状況で、どんどん点を取っていけるようなチームではないと思うので、今シーズンは足をからめていかないと得点をなかなかあげられないと思うので、盗塁を狙っていきたいと思います。

――盗塁は得意な方ですか

そんなに得意ではないですね。

――1番と3番での違いはありますか

1番はチームを勢いづかせる打順でもあり、先頭で周ってくる機会が多いですし、出塁を重視して、どのような形であれ出塁をしなくてはいけないです。3番は出塁もですけど、しっかりとランナーをかえす役割が大きいと思うので点に結びつくような打撃を意識しています。

――1番よりも3番をやりたいことには何か理由があるのですか

中学校、高校とずっと3番で、1番もやりがいがあったのですが、得点を稼ぐという3番の方が好きですね。

――初球からのバッティングが持ち味とおっしゃっていましたが、変わりませんか

変わらずにやっていきたいですが、状況によってはしっかりとボールを見極めて、打っていくことも大切だと思います。

――ファールを打って粘っていこうという気持ちは大きいですか

ファールを意識しているわけではないですが、しっかり塁に出られるように、いいバッターになっていきたいです。

「自分が活躍するかがチームの行方を決める」

表情を緩める中村

――タイトルへの意識はありますか

去年の秋、ベストナインをいただいたので、継続してとっていけるようにしたいですし、首位打者はできれば狙っていきたいなと思います。

――現在通算安打数が40安打ですが、100安打への意識はありますか

意識はするのですが、一本一本積み重ねた結果が100安打に届くと思うので、最終的には4年の秋にできればいいと思いますが、チームの為に一本ずつ打っていきたいと思います。

――新チームとしての戦い方はいかがですか

どんどん打って点が取れるチームではないと思うので、しっかり守りからリズムを作って、守りのミスがないチームになれば、勝っていけるのではないかなと思います。

――今季キーマンになる選手は

自分がどれほど活躍できるかが、チームがどうなっていくかが決まっていくと思います。

――日本代表への思いは

去年は大会がなかったので行けなかったですが、ことしはあると思うので、しっかり春のリーグ戦で成績を残して、選ばれるように頑張りたいと思います。

――今季の目標を教えてください

チームとしても優勝したいのですが、一つ一つ勝利を積み重ねていけるように頑張りたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 浦井拓也)

中村

◆中村奨吾(なかむら・しょうご)

1992年(平4)5月28日生まれ。180センチ、75キロ。奈良・天理高出身。スポーツ科学部3年。内野手。右投右打。仲良しの有原航平投手(スポ3=広島・広陵)と三倉健選手(教3=徳島・鳴門工)で結成している三倉組の動向はと聞くと「ほとんど活動していません」とのこと。すなわち、現在は野球だけを追い続ける中村選手。ことしも華麗な守備と巧打で観客を楽しませてくれることでしょう!