接戦をものにし、名門UCLAに勝利!

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 1勝1敗で迎えたロサンゼルスでのオープン戦。この日は昨年の全米大学選手権王者・カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)と対戦した。ワセダの先発は竹内諒(スポ2=三重・松阪)。3日の南カリフォルニア大(USC)戦でも好投した左腕は、4回を1失点に抑える。打線は同点で迎えた最終回、1死三塁から内野ゴロで勝ち越しに成功。そのまま逃げ切り勝利を収めた。

 前回、救援で登板したUSC戦では4者連続三振を奪った竹内。「構えたところにしっかり投げられるように投げ込んできた」(竹内)と語るように投球はストライクが先行し、制球に安定感が出てきた。長打で1点を失うも4回を投げて無四球で4奪三振。以前のように四球から崩れることもなくなり、先発候補に名乗りを上げた。

先発の役目を果たした竹内

 一方の打撃陣は2回、道端俊輔(スポ3=智弁和歌山)の適時打で幸先良く1点を先制する。しかし3回以降はほぼ毎回走者を出すも点数に結び付けることはできず、試合はこう着状態にもつれこんだ。このまま引き分けで終わるかと思われた9回、1死から安打とけん制悪送球で1死三塁とすると、武藤風行(スポ4=石川・金沢泉丘)の内野ゴロの間に待望の勝ち越し点を挙げる。凡打でも泥臭く1点を取りにいくというワセダらしい野球で、米国の名門から白星を手にした。

同点打を放った武藤

 野球の本場でのオープン戦計3試合を勝ち越しで終えたワセダ。いずれもロースコアの接戦に持ち込み、体格面で勝る米国の大学生と互角以上に渡り合った。選ばれし精鋭たちはこの後宮崎・南郷へと移動し、覇権奪回を目指してその技術にさらなる磨きをかける。春季リーグ戦の開幕まで残り約1カ月。ワセダ復権の瞬間は、確実に近付いてきている。

(記事 川口真由、写真 荒巻美奈)

早大とUCLAの選手による集合写真

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※記事中の学年は新年度のものです。

※詳細な記事の掲載はリーグ戦開幕まで自粛させていただきます、ご了承ください 。

コメント

岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)

――きょうの試合を振り返って

こっち(米国)で3試合しかできないという中で1勝1敗となったので、ちょうどリーグ戦と同じできょう勝てば勝ち点、負けたら勝ち点を落とすということで、「とにかく集中しよう」ということでやりました。非常にしまったゲームで、ピッチャーが3人ともナイスピッチングをしてくれたので良かったと思います。

――米国に来てから3試合をやってみて、選手たちの動きは想像していたのと比べてどうですか

動きは自体は決して悪くないと思います。球場の環境など、いろいろ変わっている中で動きは悪くないと思います。2日間雨で思うようにできなかったけれども、プラスに捉えればいい休養が多少とれたかなと思うので、時差ぼけがあった人もいたかもしれないけれど、そういうのも解消できたのではないかと思います。

――成長は感じられますか

まだ投手におんぶに抱っこで、投手が良く頑張って投げてくれているというのがありますね。伸びているところは、ミスが少ないというところでしょうね。

――一方で課題というのは

こちらの打撃練習を見ていても低い打球を打とうという意識が非常に高いし実際に打っているのに比べて、うちはまだまだ振り負けたフライが多いということですかね。そういうところを課題としてやっていかなくてはいけないと思います。

――監督自身が感じる日米の野球の違いというのはどんなところがありますか

いや、根本は変わらないと思いますね。これは来る前から聞いていたことなんですが。やはり勝つことへの集中力であったり、必要性の認識であったり厳しい姿勢であったり。そういった部分では西も東も、プロもアマもないという風に聞いていましたし、実際にその通りだなと。もう一つ言えるのは基本に忠実に細かい野球、細かい練習というのをしっかりしていますし、非常に少ない人数の中で合理的で無駄のない練習をしているなという気がしました。

――監督としてはそのような部分がこのキャンプで勉強になっているということですか

そうですね、非常に勉強になってます。もっと粗いと想像していたけど、決してそんなことはない。やっぱり年間50試合くらい戦っていく中で勝ち残っていくチームはどのような野球をしているのか、というのがよく分かりましたね。

――残りのキャンプはどのようなことを狙いとしてやっていきたいですか

キャンプという位置づけでなく、こっちに遠征して試合ということで来ているので、あしたも集中してけがのないように。今回学習したことをもう一度あした復習するという意味で練習していきたいと思います。

中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)

――3試合を戦っていかがでしたか

勝ち越せたので良かったと思います。

――特に得たものや参考になったことはありますか

こっち(米国の)選手の相手に対する姿勢とか取り組み方という面でみんなかなり刺激を受けたと思います。

――具体的にどのようなものでしょうか

勝ちにこだわる姿勢などですね。きのうはサヨナラ負けしたのですが、9回の好機の場面で一打で仕留める集中力だとかそういうところがすごいと思いました。

――ワセダとしてもきょうは9回に勝ち越し点を奪えました。試合内容としては満足のいくものだったのでは

いえ、まだ課題が多くて。もっと3試合とも完璧に勝てる内容でできたと思うのですが、自分たちの力不足で厳しい試合になったので、これから宮崎に戻ってしっかり練習したいと思います。

――けん制の技術など日本の大学生とは違う点もありましたがいかがでしたか

日本だとボークとかというのもあったのですが、そこももっと対応できていればまた違った試合内容になっていたと思います。

――渡米前に「経験を積む」ことを目標に挙げられたと思いますが、達成度はいかがでしたか

いろいろな面で達成できたと思います。雨で練習がなくなったときも少し観光してアメリカのことも知れて、試合を通じてアメリカの野球も知れたので良かったと思います。

吉澤翔吾(スポ4=東京・日大三)

――試合を終えての感想をお願いします

日本と全く文化が違って、ピッチャーの感じやバッターのパワーなども違って、新鮮な感じがありました。日本ではできない経験ができてためになりました。

――きょうは4打数4安打の大当たりでした。打撃面を振り返っていかがですか

いままでは大きいのを狙いすぎていて当たっていない部分があったので、きょうは打撃を少し変えてコンパクトに打ってみました。当たって良かったです。

――左翼から中堅へ打球が多かったですが、特に意識していたことは

引っ張りに入ってしまうとどうしても打てないので、右中間方向を目がけて踏み込んで打ったらセンター方向に良い打球がいきました。それがその方向に打球が飛んだ理由の一つだと思います。

――体格の大きな外国人投手に対する対策は何かありましたか

高めの球は速く感じるので、目線を下げて大きいのを狙わずに低い打球を心がけて、ストレートに絞って打ちました。

――米国でのオープン戦3試合を総括して

個人的には最初の2試合は全然打てなくて、結構苦しい感じだったのですが、バッティングを調整して最後に良い結果が出たので、これから行く宮崎キャンプでもリーグ戦でも生かしていきたいですね。チームとしてもロースコアのゲームが続きましたが、ピッチャーはすごく良い感じに仕上がっていると思いますし、バッターもきょう終盤に点を取れたということで勝負強さも出てきたと思います。これからのオープン戦も勝っていきたいです。

――ご自身としては最終学年を迎えますが、どんな1年にしていきたいですか

みんなと違っていままで全然成績を残せていないので、やはりことしこそはレギュラーを取ってチームに貢献するという思いが一番強いです。

竹内諒(スポ2=三重・松阪)

――きょう先発を告げられたときの気持ちは

味方に迷惑を掛けないように(試合の)入りをしっかり抑えようと思って、いつも通り投げようと思いました。

――前回登板した南カリフォルニア大(USC)戦でも好投されましたが、主に秋から強化したところはありますか

制球面をやはり鍛えてきて、ミットの構えたところにしっかり投げられるようにブルペンからしっかり投げ込んできたので、試合になっても投げられるようになりました。

――これまでと取り組み方を変えた点はいかがですか

特に変えていませんが、リリースポイントを前にするという意識を持って取り組んでいたらだいぶ制球が良くなりました。

――秋よりも自信を持って投げられているように見受けられました

イニングを重ねるごとにだいぶ自分の球に自信を持てるようになってきて、工夫してできています。

――米国の大学生と対戦して、日本の学生と違いを感じたことはありましたか

やはり(甘い球を)1球で仕留めてくるというのをすごく感じて、ベルトより上に行くとすぐ捉えられるなという感じはしました。日本の打者はまだ(甘い球を)1球で捉えられる打者が少ないと思うので、そういう面ではすごいなと思いました。

――ロサンゼルスキャンプも終盤ですが、ここで得たものは

ワセダらしい1球に対する執着心、集中力というのを自分も収得できたと思うので、それを日本でもつないでいきたいと思います。

――米国でボールの変化などは感じましたか

そうですね。縫い目が少し出ていて、日本のボールよりも縫い目が厚くて自分にとってはすごく投げやすかったです。

――新シーズンに向けてどのような役割を果たしていきたいですか

いま(先発の)2枚目が、有原さん(航平、スポ4=広島・広陵)の次の投手がいないので、そこに食い込めるように任されたところでしっかり結果を残せるようにしていきたいです。