3年ぶりの早関戦、ストレート負けで課題を再確認

女子バレーボール

 全日本大学選手権(インカレ)直前のこの日、3年ぶりに第3回早関女子バレーボール交流戦(早関戦)が行われた。良いラリーの連続となったが、相手リベロを中心とする好守備でものにできず、2セットを連続で落とす。第3セットはサーブで攻められ大差で献上し、0-3(22-25、28-30、14-25)で敗戦。インカレに向け、最後に課題を再確認した。

 第1セットは、神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)のプッシュやクイックが決まり良い滑り出し。その後はアタッカー陣が躍動し、終盤まで拮抗(きっこう)した展開が続いた。スパイクミスで相手が先に20点へ到達し、タイムアウトを要求したが、直後に神庭と秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)によるブロックポイントがあり20-20。山下日和副将(社4=千葉・市船橋)のクイックも華麗に決まり、流れをつかみたいところであったものの、ブロックアウトや軟打で点を取られ、22-25で先取された。

クイックを打つ神庭

 続くセット、序盤から中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)と秋重による、コースをよく狙った攻撃でリードする状況を作り出した。南里和(商2=東京・女子学院)のサーブがネットインしサービスエースとなるなど、早大有利の流れが続くかに見えた。しかし、ここから相手の連続得点を許し14-16と逆転される。神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)のつなぎや山下のブロックで攻撃陣を後押しし、中澤のサービスエースで22-22の同点に。神庭の威力あるスパイクが決まり早大ベンチも沸いた。山下のクイックが効果的に決まるなどしたが、最後は逃げ切られた。

 後がない第3セットは、滑り出しから関学大が主導権を握った。一点目のサービスエースを含む5連続得点で一気に流れをつかまれる。リリーフサーバーを投入しやや崩すも、流れを変えることができない。トスが合わない場面も見られるなど、サーブで攻められ理想的な攻撃の形につなげることが難しかった。早大はなかなかブレークできずにいる一方、関学大の攻撃は終盤にさらに威力を増し、6連続得点。14-25で敗戦した。

ブロックポイント後に喜ぶ秋重(左)、神庭

 「ラリーが長くなって体力的にきつくなると、自分たちの攻撃パターンは偏っているので、相手がマークをつきやすい(中澤主将)」と述べたように、長いラリーになればなるほど早大にとっては苦しくなる。早大のやりたい攻撃を展開するため、そしてサイドアウトを一度で切るためにもまず、サーブで攻めることが不可欠になる。また、流れを切りたい場面でのリリーフサーバーの働きも重要だ。いよいよ1年間の集大成となるインカレが開幕する。一度も戦ったことのない大学が相手になるが、攻め気を忘れず、まずは初戦の壁を『突破』する。

(記事、写真 五十嵐香音)

セットカウント
早大 22-25
28-30
14-25
関学大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)
コメント

中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会 )

――今日を振り返って

 昨日ミーティングをして、自分たちの課題となっている「サーブカットをサイドアウト一本で切る」ということに関して、どうやって切っていくかを具体的にしました。サーブカットからの切り返しの確認や、構える位置の変更などを話し合ったのですが、今日は競ったときにサイドアウトで切れていても、次にブレークが取れないと連続得点が生まれずに相手を離せなかったことが課題です。インカレにつなげるために、勝ちたいという思いはみんなあったのですが、その結果ストレートで負けてしまって残念で。でも、これが1回戦ではなく、課題が見つかってよかったと思うので、インカレに向けて月曜日に練習していきたいと思います。

――早大のつなぎも良かったと思うのですが、それでも長いラリーになった際取り切れないことが多かったと思います。どういったことが原因でしょうか

 体力面的なことがひとつと、ラリーが長くなって体力的にきつくなると、自分たちの攻撃パターンは偏っているので、相手がマークをつきやすいということがあります。自分や若菜や日和はそういった条件の中で決めに行くのが役割なのですが、それがしっかり果たせなかったところが、ラリーを取り切れずにリズムに乗れなかった原因かなと思います。

――第3セットについてはいかがですか

 第3セットはあまりラリーが長いというわけではなくて、サーブカットでリベロが狙われてパスが詰まったことで、スパイカーまで良い状態で上がらなかったです。相手のサーブの意図にもろにはまってしまってよいスタートが切れなかったと思います。目標としていた「サイドアウトで切る」ということが、スタートでは意識できていましたが、3セット目になってほかのことを意識し始めるとどんどん薄くなってきてしまいました。薄くなってきたとしても、自分たちが当たり前のようにサイドアウトが切れるようにはなりたいのですが、そう簡単にはいかないので、インカレではその意識をしっかり持っていきたいです。サーブカットを出さないと、自分たちのやりたいことはできないよねという振り返りになったので、修正していきたいと思います。

――インカレの組み合わせはいかがですか

 九州の志学館大というところと1回戦で当たります。動画は見ているのですが、初めて同士の対戦になるので、相手を伺うよりも自分たちを精一杯だしていくことが、リズムをつかむことにつながると思うので、まず出だしは自分たちらしく、今までやってきたことを全力で出します。4年間でまだ一度も初戦を勝ったことがないので、まずは一勝を目標として、その一戦に全部をかけてやっていきます。