全員で挑んだ早慶戦 ストレート勝ちで連勝記録更新!

女子バレーボール

 3年ぶりに完全な有観客で行われた第86回早慶バレーボール定期戦。多くの一般客が早稲田アリーナに来場し、屋外の暑さに負けず会場は熱い熱気に包まれていた。リーグ戦では見られない選手の活躍も見られ、総力戦で挑むとセットカウント3-0(25-15、25-12、25-19)で勝利を収めた。

 第1セットの立ち上がり、中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)のサービスエースを含めた6連続得点で慶大のタイムアウトを誘い、順調な滑り出しを見せる。南里和(商2=東京・女子学院)のサーブで相手を崩し、中澤がダイレクトを叩き込むなど3連続得点を決め、15-5とし完全に流れをつかむ。大学に入って初めての試合となる中河果子(法1=東京・大妻)がクロスにスパイクを決め、主導権を渡さない早大は、序盤の点差を維持したまま第1セット目を先取した。

レシーブをする橋本菜央(スポ4=神奈川・鎌倉女学院)

 続く第2セット、序盤から秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)の強烈なスパイクやフェイント、2連続サービスエースなどの攻撃で相手を翻弄(ほんろう)する。10ー5の場面では、大学からバレーを始め、早慶戦での出場を目指しサーブを磨いてきた留学生の朴秀彬(文構1=カナダ・エルピスカレッジ)がコートへ。サーブは惜しくもネットに届かなかったが、ベンチ内外からは温かい声援が送られた。レシーブが武器の神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)や大学からバレーを始めた桑野祐衣(教3=埼玉・早大本庄)のスパイクによる得点で、大きく点差を離し12-6となる。両者高い守備力を見せ、ラリーが続く場面が多く見られたが、早大は相手のスパイクでアウトなどのミスを誘い、25-12で第2セットもものにした。

早慶戦の運営に尽力した橋本彩主務。この日はサービスエースを取った

 慶大にとっては後がない第3セット、早大はセッターの南が交代したことにより、序盤は中澤がセッターを務めた。中澤が上げたトスから秋重が緩急をつけたスパイクで得点を重ね、ビーチバレーでペアを組む2人の活躍が光る。主務を務めコート内外でチームを支える橋本彩里(教4=東京・早実)のサービスエースを含む5連続得点で15-5と点差を広げた。その直後、中澤が「出していいミスではなかった」と振り返るように連続失点で15-10となり、流れが慶大に傾いたかに見えた。しかしセッターの南が戻ってきたことにより中澤、秋重の両エースが再び流れを早大に引き寄せる。着実に点を重ね、25-19で第3セットを勝ち取り、ストレートで勝利を収めた。

試合後和やかな雰囲気で写真撮影を行ったバレー部女子

 今年39回目を迎える早慶戦女子戦で、全員の力を出し切りチーム力で連勝記録を36に更新した。途中から出場した選手への声かけや、点を決めた際のチーム全体での大きな盛り上がりなど、早稲田らしい雰囲気で戦った。そのチーム力と明るさで、秋の1部昇格への期待が高まる。

 

(記事 渡辺詩乃、写真 五十嵐香音、宮島真白、楢林瑞葵)

セットカウント
早大 25-15
25-12
25-19
慶大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
センター 徳山奈々美(スポ2=兵庫・加古川西)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 山﨑葵(社1=岡山・就実)
途中出場
山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
橋本彩里主務(教4=東京・早実)
橋本菜央(スポ4=神奈川・鎌倉女学院)
桑野祐衣(教3=埼玉・早大本庄)
神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)
中山知花(スポ1=東京・女子学院)
中河果子(法1=東京・大妻)
朴秀彬(文構1=カナダ・エルピスカレッジ)
コメント

中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会 )

――今日の試合を振り返って

 去年に比べて、3-0でしっかり勝ち切ることができたのは良かったと思うのですが、自分たちがずっと課題としてやってきたブロックやぎりぎりのボールを粘るという点がちょっと足りなかったかなと思います。まだ秋リーグに向けて技術を伸ばしていかなければならないなという危機感を感じました。今日の試合に満足せず、もっともっと上のレベルを目指していきたいなと思います。

――1年生や、春季リーグ戦(春リーグ)でスタメンではなかった選手も多く出ていました。対談でお話しされていた経験値に関してはいかがですか

 出てうまくいった子も、ちょっとうまくいかなかった子もいますが、そういうのは出てみないとわからなかったことなので多くのことを吸収できたと思います。うまくいかなかった悔しいとか、うまくいってうれしいからもうちょっと頑張ろうとか、1人1人感じたことがあると思うので、そこを練習への取り組みに出してきて欲しいなと思います。

――第3セットは特にメンバーを入れ替えていました。このセットの評価は

 連続失点が一気に出ましたが、それはミスをした人を見ても許されるミスというか出していいミスではなかったなと思います。甘いところがちょこちょこあるので、夏合宿とかでも突き詰めてそういうミスがないように秋リーグを戦っていけるように準備したいと思います。

――ご自身のプレーを振り返って

 サーブの打ち方を少し変えようと思っていて、チャレンジしました。出だしは結構よくて、1セット目は点数決まって調子いいなと思っていたのですが、2セット目以降ミスを出してしまって修正することができなかったので、サーブの部分は自主練習などで回数を重ねて極めていきたいです。スパイクは、高い打点から自分の気持ちいいところだけでなく、相手のいないところを狙うなど、工夫して打てたなと思います。キャプテンとしては、いろいろな子がコートに入ってきていつもとローテーションが違ったので、細かい声掛けや試合展開を意識して経験がない子はテンパってしまったりするので、しっかり声をかけていけたことは良かったと思います。

――1年生のときぶりの有観客でしたがいかがでしたか

 1年生の時は6月に早慶戦があったのですが、「早稲田に入ったな」と実感した試合で、それが3年生以下は初めてで緊張するだろうなと心配していました(笑)。自分は大きい体育館でやるのは慣れているので、緊張とかはせずに観客がいるのを楽しめました。もっと大きい舞台でできる場が増えていくと、みんなももっとバレーボールを楽しんでいけると思うので、秋リーグや全日本インカレでも観客を入れてやりたいなと。もしそうなったらすごく楽しいなと思いました。

――最後の早慶戦でしたが、やはり何か感じることはありますか

 昨日の夜とか、もう4年生の早慶戦来ちゃったとか思って(笑)。自分が選手宣誓をしたり準備の段階でいろいろ指示を出したり、4年生として早慶戦を運営する側になったことで、卒業が近づいていることを感じました。自分のバレー人生でも大きな区切りになると思うので、そこに向けてやり切ろうと改めて思うきっかけになりました。

――秋に向けて意気込みをお願いします!

 自分が1部に立てなかったとしても、後輩たちが1部で戦えるように自分はキャプテンとして夏の合宿もさらに厳しい上のレベルを目指してチームに声掛けし、プレーでも言葉でも頑張っていきたいです。また、誰が出ても雰囲気が落ちることなく、レギュラー以外のメンバーも全員が昇格するんだという気持ちでバレーボールしようということを伝えながら頑張っていきたいです。

 

神戸彩有(文講3=松本県ヶ丘)

――今日の試合を振り返って

 まずは勝つことは第一条件として、控えの選手も含めてみんなが試合に出てみんなで戦う意識で試合をすることができて、みんなにとって貴重な良い経験ができた試合でし た。

――有観客の試合はどうでしたか

 自分自身、保護者や関係者以外の一般の観客がいる試合が初めてだったので、圧倒さ れそうになったのですが緊張してしまわないように自分のことに集中するようにしまし た。

――早慶戦と普通の試合は違いますか

 リーグ戦は限られたメンバーで戦うけれど、早慶戦はみんなで戦うぞっていう意識が 大きいです!

――今回たくさんスパイクを打っていましたが、振り返っていかがですか

 リーグ戦などではレシーブ専門で試合に出させていただくことが多いのですが、今回スパイクもやってみて、ネットも高いし身長も低いのでスパイク厳しいなと感じたのですが、みんながつないでくれたボールを最後に決め切るということは気持ちいいなと思ったので、これからスパイク練習を頑張っていきたいと思いました。

――秋に向けての意気込みをお願いします!

 早稲田としては春に逃してしまった1部昇格と、私自身としてはレシーブの強化をして、誰一人欠けることなく笑顔で楽しくやっていきたいです!

 

秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会 )

――今の率直な感想は

 久しぶりの有観客だったので楽しかったです! 

――応援の声は力になりましたか

 応援部やチアの方が観客を盛り上げてくれていてすごかったです。一体ワセダ、チームワセダを感じました。

――試合全体を振り返って

 今日はレギュラーではなく全員が出るというスタンスでやっていたのですが、案外それがうまいことハマったので良い感じにストレートで勝てたかなと思います。

――途中で入ってきたメンバーに積極的に声かけをする様子も見られましたが、どのような意識でしたか

 試合慣れしていないメンバーがかなり多かったです。自分は常に入っているので、コートに入ったら安心する声かけだとかコート内での声かけは意識しました。

――ご自身のプレーを振り返って

 観客もすごく入ってくれたので、久しぶりの有観客の中で自分ではのびのびプレーできたかな、楽しんでできたかなと思います。

――サービスエースを続けて奪う場面もありました。サーブについては

 サーブは練習ですごく頑張っています。ずっと課題とも言っているのですが、最近すごくいい感じになっているので、ミスは多かったのですが成長はしているのかなと思います。

――では、今後への意気込みをお願いします

 早慶戦を終えて、ここから夏合宿も控えています。夏合宿を乗り越えて秋リーグは優勝できるように頑張ります!

 

中河果子(法1=東京・大妻)

――大学に入ってご自身が出られた初めての大きな試合ですか

 そうですね

――いかがでしたか

 やっぱり観客の方がいらっしゃるのでいつもと会場の雰囲気も違ってより一層緊張した部分はあったのですが、早慶戦という伝統がある場で憧れの先輩達と一緒にコートに立てたことはすごく自分にとっても貴重な経験でしたしすごく嬉しかったです。

――有観客の中での早慶戦ということでたくさんの応援がかけつけましたが、いかがでしたか

 生の演奏の中で試合をして点が入ると太鼓を叩いてくださったり、チアの方が踊ってくださったり、一層盛り上がるなというのはすごく今日痛感した部分です

――今日はどのような気持ちで試合に挑みましたか

 自分にとっては早稲田のユニフォームを着て出る初めての試合だったので、すべてがうまくいくことは難しいと思っていましたが、私はアタッカーなのでどこかで1点決められるようにと思い試合に出ていました。

――点を決められた時の気持ちを教えてください

 試合をイメージしたゲーム練習で1点決めるのとは雰囲気が全然違って、自分の中で点をとることは目標にしていたことだったので達成できてよかったと思います。

――自分の持ち味は発揮できましたか

 もう少し強いサーブを打てればよかったなと心残りです。

――今後の意気込みをお願いします!

 夏休みからまた秋のリーグや全日本インカレに向けてチームが練習に入っていきますが、その中でも自分の得意なプレーを1個ずつ増やしていくことが今後の目