中大に快勝も、強豪・筑波大にストレート負け 実力差を実感し成長の夏へ

女子バレーボール

 入れ替え戦から2週間も経たずに、東日本大学選手権(東日本インカレ)が開幕。早大は、3セットマッチの1回戦で中大と戦った。トスとスパイカーが合わない場面が見られ、やや様子見をしながらのスタートとなったものの、セットカウント2-0(25-15、25-18)で危なげなく勝利を収めた。続く2回戦では、1部リーグでも上位かつ、5月に行われた黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会で8強入りを果たした強豪・筑波大との対戦。1セット目は相手の高さと攻撃力に慣れず大差で献上したが、第2セット以降攻守がかみ合い始め競った展開を作り出す。セットカウント0-3(11-25、20-25、17-25)でストレート負けを喫したものの、存在感を見せた。

 初戦の相手は、練習試合で何度か戦ったことのある中大。立ち上がりは両チームコンビミスが見られ、柔らかな攻撃を織り交ぜながらの発進となった。秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)がリベロからサービスエースを取り、10-6とする。続くプレーでは、柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)が、春リーグでも幾度となく見せてきた、絶妙なコースを突く緩めのスパイクを決めた。この攻撃を含む4連続得点で14-7。相手のアタックミスやダブルドリブルといったミスもあり、25-15で先取した。第2セットでは、いきなり山下のサーブから6連続得点。味方ブロックが大きく弾いたボールを、徳山奈々美(スポ2=兵庫・加古川西)がつなぐと、中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)が決めきり20点台へと乗せた。山下日和副将(社4=千葉・市船橋)が角を狙ったスパイクで23-16とし、最後は秋重のバックアタックで試合を決め、2回戦へと歩を進めた。

 2回戦は、先日の春季関東大学リーグ戦で2位の好成績を収めた筑波大。第1セットは高さのあるブロックと、どこから打っても強力な布陣に苦戦し、攻撃の糸口をつかめない。レシーバー陣は触りながらも、スパイクの威力にはじいてしまう場面が多く見られ、序盤から3―8と先行を許した。しかし、相手のブロードやバックアタックといった多彩な攻撃にもひるまずにつなぎ、相手のミスを誘って5-10。中澤が強打でクロスに決め9―15としたが、ここからも相手の攻撃が止まらず11-25でセットを落とした。

アンダーハンドでトスを上げる南

 第2セットも相手優位な展開は変わらず、中澤がブロックに阻まれるなどし、1-7でタイムアウトを要求する。しかしここから中澤と秋重が反撃を開始。今度は中澤が1枚でブロックポイントを決め3-7とした。秋重の鋭いスパイクで2点ビハインドまで迫る。中盤に神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)がサーバーで入り、そのままコートへ。二段トスをしっかり定位置へと運び、中澤につなげた。15-20の場面では、山下のクイックと、秋重の2本のサービスエースで3連続得点。再び2点差へ迫ったが、ブロックアウトでこのセットも奪取された。最終セット、トスが合わないながらも、山下がクイックを押し込み7―9。南里和(商2=東京・女子学院)がサーブで崩すと、伸びた2本目を秋重がダイレクトに叩き込み10-12として食らいつく。ところが、中盤タッチネットのミスが相次ぎ、タイムアウトを要求するが、流れを切ることはできず。5連続得点を許し12-19と突き放された。最後は惜しくも返球することができず17-25で敗戦した。

ブロックに跳ぶ神庭(右)、秋重

 普段2部リーグに所属する早大にとって、先日の入れ替え戦や今回の筑波大戦のように、1部のチームと対戦するのは希少な機会だ。筑波大相手にはストレート負けを喫したとはいえ、第2・3セットを見ると決して一方的な展開ではなかった。技術的に早稲田らしい良いプレーができたのに加え、「挑戦者側として強い気持ちでまとまって戦えていた」(柴田)という精神的な面での収穫も大きい。秋の昇格を目指し、夏の期間でまだまだ成長する早大から目が離せない。

(記事 五十嵐香音、写真 田部井駿平)

1回戦

セットカウント
早大 25-15
25-18
中大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 山﨑葵(社1=岡山・就実)

2回戦

セットカウント
早大 11-25
20-25
17−25
筑波大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 山﨑葵(社1=岡山・就実)
コメント

神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)

――今日戦った2チームの特徴を教えてください

 中大は粘り強さがあって、ちょっと苦戦した部分がありました。筑波大は高さと速さがあって、レベルの違いを感じました。

――押され気味の時に守備力強化で入ることが多いと思いますが、途中から入る上での難しさはありますか

 やはり途中から入るとスタメンの人とモチベーションや雰囲気を同じでやる難しさと、動いていない分、体が固まってしまうのでいかにそこを克服できるかが大事だと思っています。

――そこで意識していることはありますか

 声がけやアイコンタクト、笑顔を意識して自分を盛り上げて頑張っています。

――春出た課題と、よかったところはどこですか

 出番が少ない分、ミスしたらいけないという不安からミスしてしまう部分が多くあったので、練習の時から自分に自信を持ってプレーすることを意識してやりました。

――秋に向けて意気込みを聞かせてください

 今回一部昇格を逃してしまったので、しっかり練習の時から秋リーグを見据えて、自分ももっと長くコートに入れるように頑張りたいです。

 

柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)

――2試合を振り返って感想をお願いします

 中大戦は入りが悪くてミスが多かったんですけど、徐々に修正して、しっかり勝てたので良かったと思います。筑波大戦は実力的にもすごく上の相手で、チームとしてチャレンジャーとして向かっていくという気持ちで戦えたのは、結果的には負けてしまったんですけど良かったです。してはいけないミスがまだあったので、夏休みに修正して秋リーグに向かっていきたいです。

――1部の筑波大との対戦はいかがでしたか

 なかなか対戦できない初めての相手でしたが、やるべきことを1人1人がやるというチームの目標が達成できていたと思うし、挑戦者側として強い気持ちでまとまって戦えていたと思います。

――筑波大戦は第2セットからエンジンがかかった感じがしましたが、なにかきっかけや要因はありますか

 1セット目は相手が強いというのもあって、初めから対応していくのはなかなかできなかったんですけど、2セット目以降はブロックとディグの関係など、修正できるところをしっかり修正できたので、徐々にエンジンがかかっていったのかなと思います。

――春リーグの時から、スパイクのコースが絶妙でした。自身の攻撃面についてはいかがですか

 スパイクに関しては、打力がない分コースを狙うということとか、リバウンドをしっかりとるということを目標にして重点的に練習してきたので。当たり損ないで決まるということもあるんですけど(笑)。トスが上がる頻度は少ないですけど、点が決まったらみんなが盛り上がってくれるので、少しでもチームに勢いを与えられるように、上がったら思いっきり打とうと思ってやっています。

――春に出た課題と、秋に向けた意気込みをお願いします

 自分が試合に出させてもらっているのは、つなぎの部分で頑張ってほしいということなんですけど、そこでしっかり貢献できたとは言えないと思っていて。みんなみたいな強いスパイクは打てないけど、それでも、絶対にフェイントを落とさないとか、ここぞという時に思いっきり打ってもらえるような二段トスを丁寧に上げることとか、つなぎだけはチームに貢献できるように、夏これからもっと頑張ります!