都留文科大に力及ばず、今季初黒星

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)3日目。前節からスターティングメンバーを入れ替えて臨む早大は、都留文科大との対戦を迎えた。相手は春季リーグ戦では3部リーグで戦い、今季2部リーグに昇格してきたチームである。しかし油断は大敵だ。相手チームについて、「一人一人の能力も高いですし、フォーメーションも2枚うまく使い分けてローテーションが約2周半する中で1つも穴がないようなチームを作られていますので、3部にいたとかは全く関係なくて2部の中でもすごく強いチームだと思います。」と試合後に評価した馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)。開幕3連勝を狙う早大であったが、相手の猛攻に対処できず3セットを連続で落とし、セットカウント0-3(22-25、22-25、17-25)でまさかのストレート負け。今季初の黒星を喫した。

 気合を入れて臨んだ第1セット。相手に先制点を許すも、富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)のスパイク、山下日和(社1=千葉・市船橋)のブロックなどで3連続得点を奪い、流れを早大のものにしていく。その後も富澤、中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)、山下の攻撃が光り8-3とリードを広げる早大。しかし、ここから都留文科大が牙をむき始める。スパイク、ブロックアウト、サービスエースなどが次々と決まり、一気に4連続得点、さらにその後もう1度3連続得点を奪われて9-10と逆転を許してしまう。中盤は中澤の強烈なスパイク、山下のブロックから相手を乱しての得点など好プレーが見られるも、一進一退の攻防が続き18-19。そこからお互いに3連続得点を重ねるも、次第に相手の大きな声援に飲み込まれていった早大は、最後は相手の勢いに負け第1セットを落とした。続く第2セット。気持ちを切り替えて臨みたいところだったが、またも相手に先制される。リードを許す早大であったが、富澤がブロックアウト、サービスエースを決め3連続で得点し5-5の同点に追いつく。その後は井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)がブロックアウトを決めるなどするも、徐々に点差が開き9-12とまたも苦戦を強いられる展開に。しかし、負けまいと山下が攻守ともに躍動。4連続得点を奪い巻き返しを図る。中盤、平行線の戦いが続く中、19-18の場面で相手がタイムアウトを取ると、一気に3連続得点を奪われる。そのまま数点の差を埋められず、相手に連取を許した。

早大バレーボールの中心を担う橋本

 後がない第3セット。中澤のブロックで先制すると、富澤、山下の攻撃で4-1。しかし焦りの出る早大はミスが重なり相手に4連続得点を許してしまう。梨本未央(社3=東京・駒場)のレシーブ、橋本美久(社2=福島・郡山女大附)のトスでリズムをつくろうと努める早大であったが、ここからは絶えず相手にリードを許す展開に。相手のダイレクトアタックやフェイントなど多彩な攻撃に翻弄(ほんろう)され12-16。富澤のスパイク、山下のブロードで果敢に攻め入るも点差は縮まらず、17-25でこの試合の幕を閉じた。

速攻攻撃で得点を重ねる山下

 「相手は6人全員で全員バレーとしてやってきていたけど、早稲田はチームでやっているようなプレーができなくてそこが課題だなってすごい思った」と語る中澤。「今週からメンバーが変わってしまって練習をしたことがないパターンで試合を進めなくてはいけない」(馬場監督)ものの、慣れない環境でどのように早大らしいバレーを展開していけるかが鍵になるだろう。だが、苦戦を強いられているのは早大だけではない。今季から2部リーグに降格となった桜美林大、春季リーグ2位の敬愛大もまた同じく苦戦している。この試合で振り出しに戻った早大はここからが正念場だ。早大らしい『笑顔』を取り戻し、粘りのバレーを見せられるか。

(記事 橋本和奏、写真 友野開登)

セットカウント
早大 22-25
22-25
17-25

都留文科大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
センター 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)
センター 山下日和(社1=千葉・市船橋)
ライト 吉内文(スポ3=山口)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 梨本未央(社3=東京・駒場)
コメント

馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

完敗ですかね。

――3試合終えられて、課題を含めて今のチームの状態はいかがですか

かなり選手の状況は厳しいですが、今できることは着実にできていると思います。選択肢がせばまれているなかで長いリーグ戦を戦っていかなければいけないので、選手の気持ちを大切にしながら戦っていきたいなと思います。

――夏休みの期間、チームとしてどこを強化してきましたか

秋季リーグ戦で優勝、1部昇格を目標にやってきていますので、戦い方としてはレシーブのフォーメーションを少し春と変えて徹底的に練習してきたつもりです。ただ、今週からメンバーが変わってしまって練習をしたことがないパターンで試合を進めなくてはいけないので、そこは苦しさもありますけど夏やってきたことや一人一人の実力は決して無駄ではないと思っていますので、そういうものを一つ一つ引き出してあげたいなと思います。

――3部から上がってきた相手でしたが、印象はいかがでしたか

本当にすごく強いと思います。一人一人の能力も高いですし、フォーメーションも2枚うまく使い分けてローテーションが約2周半する中で1つも穴がないようなチームを作られていますので、3部にいたとかは全く関係なくて2部の中でもすごく強いチームだと思います。

――秋季リーグ戦は続きますが、一言お願いします

状態の悪いところは少しでも早く回復をして今できることをしっかりとやるだけです。きょうやったゲームの戦い方は継続するしかないかなと思っていますので、気持ちだけ切らさないで頑張っていきたいと思います。

中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうはストレートで負けてしまって、チーム的な目標じゃなかったけど自分の個人的な目標としては、負けなしでしっかり優勝して入れ替え戦に行けるように秋頑張ろうと思っていったけど、ストレートという形で負けてしまって、相手は6人全員で全員バレーとしてやってきていたけど、早稲田はチームでやっているようなプレーができなくてそこが課題だなってすごい思ったし、ストレートで負けてしまったことは粘れなかった、決められなかった自分の責任でもあるので修正して来週の試合にもう1回臨みたいです。

――試合を通してやりたいことができていなかったように見えましたが、攻撃面はいかがでしたか

試合のセットをしていくに連れて相手のマークもきつくなってきて、3枚ブロックだったりついてきたんですけど、そこを決めきらなかったところとか、ただ打つだけじゃなくてフェイントしてみたり力を抜いたスパイクだったりを使いこなせていたらリズムも変わってきたかなと思うし、リズムが悪くて攻めきれなかったというのを攻撃面的には感じました。

――3試合を終えてチームの雰囲気はいかがですか

1試合目はすごく良くていいスタートが切れたなと思ったんですけど、代打で入っていた方がケガをしてしまって、本当のレギュラーで試合ができなくなってしまった中での今週の2戦だったんですけど、そこでは雰囲気とかがあまり良くなくて、早稲田のバレー的にも全員でバレーをしようっていうバレーだけど全員でバレーをするにはどうやったらいいんだろうなってきょうの試合は考えるような試合だったと思います。

――来週への意気込みをお願いします

今週負けてしまったんですけど、リーグも期間長いし全部の試合の結果で優勝が決まってくるので、1回切り替えて、来週は絶対勝てるように今週一週間しっかり準備して臨んでいきたいと思います。