実力を出し切れず、大東大に敗れる

女子バレーボール

 上位リーグに進んだ早大は、春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)9日目に大東大と対峙した。序盤から大東大にペースをつかまれるとミスも重なり第1セットを先取される。第2セットこそ奪い返したものの、終始流れをつかむことができずセットカウント1-3(17-25、25-18、23-25、18-25)で2敗目を喫した。

 普段と違うローテーションで挑んだ第1セット。序盤に4連続得点を奪われ点差を広げられる。追いつきたい早大であったが、その気持ちが焦りとなりミスが重なる悪循環。そこで早大はセッターを植松知里(文構3=香川・高松第一)に代えて立て直しを図った。すると交代直後、難しい体勢から正確なトスを上げ連続得点を演出。早大が流れを手にしたかと思われたが、すぐさま大東大にタイムアウトを取られると、気持ちを切り替えた相手に連続得点を重ねられ第1セットを先取された。続く第2セットも立ち上がりでミスを連発し相手を追う展開に。早大は再びセッターを植松に代えて立て直しを図ると、またもこれが功を奏す。点差をひっくり返すと、その後もアタッカー陣を上手く操り点差を離していく。井上裕利恵(スポ3=岡山・就実)や河治えみり(社3=北海道・旭川実業)の好レシーブで長いラリーを制すなど完全に流れをつかんだ早大は第2セットを奪い返した。

攻撃陣をけん引する中澤

 山下日和(社1=千葉・市船橋)の得点で始まった第3セット。富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)や山下が立て続けに得点を奪い、10-5と相手を大きく引き離した。しかし、河治が「拮抗(きっこう)した場面でレシーブミスとかが目立ってしまった」と振り返るように、チームとして守備で精彩を欠く。そこに付け入られる形で4連続失点を喫し、一気に点差を詰められた。流れを手放しかけた早大は、三度植松を投入し立て直しを試みるも相手の勢いに呑まれ直後に逆転を許す。巻き返したい早大であったが、レセプションが安定せず攻撃に繋げることができない。井上のサービスエースなどで同点に追いつく場面もあったが、正念場でミスが出て第3セットを奪われる。後が無くなった第4セットは、中澤恵(スポ1=大阪府・金蘭会)のバックアタックなど随所に良いプレーが見られ、中盤まで競り合う展開が続いた。しかし、徐々に広げられた点差を詰めることができずこのセットも落として、春季リーグ2敗目を喫した。

ピンチサーバーの役割を果たす梨本未央(社3=東京・駒場)

 富澤が「自分たちでミスをして流れを切っちゃったりしている」と振り返るように、自陣のミスで流れをつかみきれない内容であった。実力があるゆえに掛かるプレッシャーが焦りとなり、プレーに出ているのかもしれない。しかし、反省点ばかりではなく攻守にわたり好プレーも多く見られた。確実にチームはいい方向に進んでいる。明日の敬愛大戦は春季リーグ最終戦にして、今後を左右する重要な一戦だ。プレッシャーに打ち勝ち、この春季リーグを『笑顔』で締めくくってもらいたい。

(記事、写真 友野開登)

セットカウント
早大 17-25
25-18
23-25
18-25

大東大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)
センター 齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)
センター 山下日和(社1=千葉・市船橋)
ライト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
コメント

富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

悔しいですね。

――苦しい展開が続きましたが、主将としてどのようなことを考えながらプレーされていましたか

自分たちの繋ぎのレシーブやスパイクはちゃんと通用してるのでそういうところを出せるように頑張ろうって言っていましたが、みんなのなかに勝たなきゃという気持ちとか焦りが見えてて、自分も焦っていたし、チームの焦りを落ち着かせて力に変えることができなかったので本当に悔しいって感じです。

――あえてチーム課題を挙げるとしたら

相手にどうこうやられているというよりも、自分たちでミスをして流れを切っちゃったりしているので、自分たちがいいときはいいので悪かったときに切り替える力とか、自分達でボールを取りにいったり決めにいったりする力をもっと出せるようにしたいです。そういうところが課題ですね。次の試合でも、多分劣勢になる場面もあると思うのでそういう時に私もそうですけど全員が切り替えて力が出せればいいかなと思います。

――富澤さん自身の攻撃面を振り返って頂けますか

比較的決まっていたからいいかなとも思ったんですけど、ちょっとトスが乱れちゃったり体勢が悪かったときに難しいので、そういうときこそ相手を見て落ち着いて決められればもっといいかなと思います。

――あしたに向けて意気込みをお願いします

勝ち急がないで頑張りたいですが、みんなももっと緊張していて勝たなきゃという気持ちがもっと出てくると思うし、前回負けている相手なのであまりいいイメージを持っていないと思いますが、最後なので自分たちの力がいっぱい出せるように頑張りたいと思います。

河治えみり(社3=北海道・旭川実業)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

1セット目を落として、2セット目から元のローテーションに戻して自分たちのいい波に乗れたかなってところで、3セット目とか拮抗(きっこう)した場面でレシーブミスとかが目立ってしまったというのが、最後詰めの甘さが出てしまったなという試合でした。

――チーム全体としてバタバタしていた印象を受けましたが、守備の中心としてどのようなことを心掛けてプレーされていましたか

ラリーが長くなったときとかに速攻を使うことは大事なのでチャンスが来たら1個高く上げるとかを意識していましたが、自分がもっとレシーブを持っていけたなと思うところはたくさんあったので、そういう1本目のリズムとかでバタバタしてしまったかなという印象です。

――あえて課題を挙げるとしたら

個人的にはやはりレセプションなんですけど、競った場面とかで力んだボールが出ちゃうので1本もっと近かったりとか、そういうところが課題だと思います。あとは、きょうはチームとして長いラリーで4セット目とかは特に粘り負けることが多かったので、そういうところだなと思います。

――負けてしまった反面、いいプレーも多かったですが、今のチームの状態はいかがですか

試合中も「悪くないよ」という声がベンチからあったのでいいところもあったとは思いますが、こっちのミスが多かったというのが原因かなと思います。

――あしたへの意気込みをお願いします

あしたの試合に入れ替えとか優勝とかが懸かっているので、1周目で負けてしまった相手ですけど自分たちらしくしっかりバレーができればいいと思います。