【連載】早慶定期戦直前特集 第4回 森佳央理主将×平泉優奈主将

女子バレーボール

 早慶定期戦(早慶戦)直前特集、第4回は女子主将対談。最上級生として、そして主将として挑む今年の早慶戦。プレッシャーや重圧があるに違いない。主将ならではの悩みややりがい、そして最後の早慶戦にかける思いについて、たくさんお話しいただきました!

※この取材は4月23日に慶応スポーツ新聞会と合同で行われたものです。

まとまったらすごい力を発揮する!

対談前からお互い笑顔が弾けていた

――移動中に相当仲良くなられているお二人ですが、面識自体はあったんですか

 早慶戦で毎年会ってるけど・・・喋ったことは・・・

2人 ない(笑)。

平泉 試合が終わった後は、OB、OGさんとご一緒するので関わる機会はあまりないですね。

――早慶バレー部の男子同士で交流会をやっているみたいですが、女子同士での交流会はないのですか

 なかったけど、やりたいよね(笑)。

平泉 やりたいやりたい!前にそういう話し出てたけどね(笑)。

 前回の話しが流れちゃったからやりたい!

平泉 やろ(笑)。

――それぞれの大学に進学された理由は

 大学受験をする時に、自分の学校は県内では進学校だったんですけど、私はその中の縁の下の力持ちポジションだったんですよ(笑)。なので、行きたい大学と行けれる大学のギャップがあって、悩んでいた時に声をかけていただいたのが早大だったので、即答させてもらいました(笑)。

平泉 私は一般受験で早慶を目指したんですけど、部活もやりたいなっていう気持ちもあって、色々な要因があるんですけど、家から近いというところもあって選ばせていただきました(笑)。

――それぞれの大学の特徴を教えて下さい

 他の大学は能力のある選手が10人くらい入って、高い競争意識の中でチャンスを勝ち取って試合に出るのが他大のスタイルだと思うんですけど、私たちは推薦や帰国子女など色々なバックグラウンドがある中バレーをしているので、個性豊かな分、みんなの力がまとまればすごい力があると思います。

平泉 スポーツ推薦が1人もいないので、全国経験者もいれば、大学からバレーを始めた選手もいるので、色んな選手が意見を言い合って、一つの方向を向き、まとまった時には力を発揮できるチームだと思います。そういう点ではワセダに似ているかなと思います。

――いつから主将という重役を意識し始めましたか

 人がいないということもあって、入部した時から言われていました(笑)。だからといって、意識していたこともないんですけど、各代のキャプテンのカラーは違うので、自分はどのカラーでいけばいいかを考えていました。

平泉 私も主将をやるんだろうなという雰囲気があったんですけど、主将になるというよりはとにかくチームの勝ちに貢献しようとプレーしていました。

「後輩の成長にやりがいを感じる」

――主将になって変わったことはありますか

 自分のプレーに集中できないことですね。

平泉 本当にそう!

 4年になると他の下級生にどうやって点を取らせようかやどうしたらチームがうまく回るかを考えてしまうんですけど、自分は自分で決めなければいけないところに難しさを感じますね。

平泉 今まででもバレーのことをずっと考えてましたけど、授業中もバレーのことを気づいたら考えるようになりましたね。

――主将になって感じるやりがいはありますか

平泉 新チームになってから、新しい取り組みを始めているんですけど、下級生が多いチームということもあって、実際にその取り組みを行った時に後輩の成長を感じるとやってよかったなと思います。

 試合には勝っていないですけど、みんなが意見を出し合って、うまく試合が作れた時には、これでよかったんだと思いますし、主将として全体に働きかけていく中で、アドバイスをしたことに対して後輩が受け入れて実際にやってくれた時はやりがいを感じます。

フリップを用いた質問に回答し、神妙な面持ちで答える森(写真左)、平泉

――影響を与えた人、物は何ですか

 中学校の監督ですね。バレーを始めたのは小学校5年生なんですけど、当時は走り高跳びとバレーを平行してやっていて、個人的にはその後も高飛びを続けていこうと思っていました。ですが、中学校の監督から声をかけていただいて、登校区外の中学校に行ってからバレー一色に変わりました。中学校に上がって、これまでとは違うレベルでプレーをする中で、苦しんだ期間もあったんですが、そこで伸ばしてくれたのが監督だったので、もし監督がいなかったら自分はバレーを続けていないかもしれないです。

平泉 おじいちゃんです。慶大の部員はみんな知っているくらいいつも試合の応援に来てくれています。私がバレーをしているのが今の生きがいと言ってくれていて、試合があった日にはその試合の良かったところや悪かったところを電話で伝えてくれます。そんなおじいちゃんがいるからバレーを頑張ろうと思いますし、家族といった自分を応援してくれている人たちが私の頑張る源ですね。

――主将としてのモットー

平泉 これまでの私の1つ上や2つ上の主将は全国経験者で、技術もあるし、リーダーシップを発揮することもできる主将だったんですけど、私はそれに匹敵するような結果は残せれていなくて、私は主将として何ができるのか考えた時に、雰囲気のよくするという点で主将らしさを出せるんじゃないのかと考えて、後輩が意見を出しやすいように普段から友達のように接したりしています。そういう意味では、これまでの主将と比べて主将らしくはないかもしれませんが、そういうところで主将らしさを出せるようにしています。

 チームが苦しい雰囲気でも、笑顔と元気だけは絶やさないようにしようというのが、最初に決めたことなので、自分が一点取った時に誰よりも喜ぶこととか後輩が決めたら後輩よりも喜ぶことを意識してます。それに加えて、今までだと自分がチームのために何ができるかイコール自分の技術力の向上を目指してやってきたのですが、4年生になってプレーだけじゃなくてOB、OGさんなど自分たちがこれだけ多くの人に支えられているんだということを感じたので、サポートしてくれているメンバーも含めて感謝していきたいと思っています。

笑顔を交えながらフリップを出す森(写真左)、平泉

――早慶戦の見どころ

 早稲田の持ち味であるつなぎと粘りは毎年の色なのでそこを見て欲しいです。

平泉 :去年の主要メンバーが多く抜けてしまったこともあり、試合経験がほとんどないメンバーが多いんですよね。そういうところで新チームがスタートしたところから成長した姿を見て欲しいです。

――最後の早慶戦に向け一言お願いします

 4年目の最後の早慶戦なんだという実感は全くないんですけど、本当に1年でこれだけ応援団が来てくれて、盛り上がる試合というのはないですし、リーグ戦よりもたくさん人がいる中で、広いコートで1面を使って試合をするのは早慶戦しかないので、この舞台で戦えるありがたさや早稲田の誇りを感じながら戦いたいです。

平泉 私がバレー部に入部した大きなきっかけとなったのが、1年生の時に観客として観た早慶戦なので、夢の舞台で戦える嬉しさをかみしめながら、なんとか歴史に残る結果を残して終わりたいという思いがあります。また、多くのOB、OGさんや観客が来てくださりますし、一種のお祭りのような感じなので、今まで応援してくださった方々に感謝の気持ちを伝えるためにも全力で勝ちにいきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 早稲田スポーツ新聞会 遠藤伶、松谷果林/慶応スポーツ新聞会 藤澤薫)

早慶戦でも森(写真左)がスパイクを打ち、平泉(写真右)がレシーブをする場面はあるのだろうか

◆森佳央理(もり・かおり)(※写真左)

1997年(平9)2月20日生まれ。身長175センチ、最高到達点300センチ。群馬・高崎女子高出身。スポーツ科学部4年。小学生でバレーを始めてから今まで体調不良が原因で部活を休んだことがない森選手。大学バレー生活の皆勤もすぐ目の前に迫っていますが、最近森選手に異変が。咳が止まらなくなり、どうすることもできず咳をし続けていたら、肋骨(あばらぼね)の膜が炎症を起こしていたそうです。円陣の掛け声もダミ声化。声も資本の1つです。お大事にされてください。

◆平泉優奈(ひらいずみ・ゆうな)(※写真右)

1996年(平8)5月31日生まれ。身長167センチ、最高到達点275センチ。神奈川・横浜緑ヶ丘高出身。文学部4年。温かい笑顔が特徴的な平泉選手。その語る一言一言から伝わる愛のシンパシーには心を揺らされました。そんな平泉選手の活躍に期待です。

★早慶戦の場所と日程

場所

神奈川・とどろきアリーナ

日時

6月10日(日)

タイムスケジュール

11:00 会場

11:30 開会式

12:00 女子戦開始

14:30 男子戦開始(予定)

試合終了後、閉会式