宇都宮大相手に大接戦!各所のミスが悔やまれる結果に

女子バレーボール

 細かなミスが悔やまれる一戦となった。秋季関東大学リーグ戦も最終週に突入し、今なお勝ち星に恵まれない早大の前に立ちはだかったのは、東日本大学選手権(東日本インカレ)で早大を破った宇都宮大。序盤から相手の速攻に苦しめられるが、第2セット後半から流れを引き寄せると続く第3、第4セットを連取し、試合の行方は最終セットへ。果敢に攻めるプレーを見せるも、肝心な場面でミスが続出してしまい勝負あり。セットカウント2-3(22-25、24-26、19-25、17-25、10-15)で敗れ、東日本インカレの借りを返すことはできなかった。

 第1セット序盤、シーソーゲームだった試合の均衡は、早大の5連続得点によって崩された。しかしリードを保って試合を進めようとした矢先、相手センターの速攻にブロックが対応できず2失点。焦りからかペナルティが続出、試合は振り出しに戻ってしまう。たまらずタイムアウトを取るも悪い流れは断ち切れず、2本のサービスエースを許すと試合は一転して相手ペースに。続くセットに突入しても、早大の動きはどこかぎこちなかった。しかし第2セット後半、流れを変えたのはエース森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)であった。ブロードや相手のブロックが組みあがる前に低いトスから打つスパイクで得点を量産しチームを盛り立てると、芹澤友希主将(スポ4=茨城・土浦日大)がコースを突いたサーブで援護し同点にまで追いつく。しかし、追いつけても追い越せないのが早大の現状であった。24-24からデュースにまで持ち込みながら、最後はレシーブが上がらず。セットカウント0-2と追い込まれてしまった。

スパイクを打つべくジャンプする森

 第3セット開始直前。芹澤はチームに向けてこう言った。「フルセットを必ずやるつもりで、自分たちの出せる力を全て出し切ろう」。その言葉に鼓舞された早大は、逆襲を開始する。粘り強くボールを拾い、森、富澤結花(スポ2=東京・文京学院大女)らが何度もスパイクを打ち込み一点一点得点を重ねていく。長いラリーから芹澤の意表を突くツーアタックも決まり、10点ものリードを奪う。その後追いすがられるもセットを取り切った。続くセットでも相手のミスに助けられるのではなく、自分たちの攻撃で点を取ってセットを奪取。芹澤の言った通りフルセットにまで持ち込んだ。しかしここでレシーブのミスが続出。手の届く位置に来ながら念願の1勝を取り逃す結果となり、選手たちは悔しさをにじませた。

ライトから打ち込む井上裕利恵(スポ1=岡山・就実)

 所々でミスが出てしまい、悔しい敗戦となった。来週の入れ替え戦に出場することも決定した。しかし、選手たちに暗い雰囲気は漂っていない。なぜなら1試合で2セットを取ったことがなかった早大が、ついにフルセットにもつれ込むまで肉薄したからだ。宇都宮大相手に1セットも取れずに敗退し、1部校との格の違いに呆然とした東日本インカレの時とはもう違う。1部の強敵相手に幾度も敗戦を経験し、着実に成長を遂げてきた。その成果の一端が垣間見えたことが自信となっている。だが、このまま全敗で終わるわけにはいかない。残すはあと1戦。共に1部に昇格した国士館大相手に、勝ってこの秋の集大成とできるだろうか。いや、しなくてはならない。

(記事 坂巻晃乃介、写真 吉澤奈生)

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セットカウント
早大 22-25
24-26
25-19
25-17
10-15

宇都宮大
スタメン
レフト 中川知香(スポ4=神奈川・川崎橘)
レフト 富澤結花(スポ2=東京・文京学院大女)
センター 浅野泉里(文4=岐阜)
センター 森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)
ライト 井上裕利恵(スポ1=岡山・就実)
セッター 芹澤友希(スポ4=茨城・土浦日大)
リベロ 飯田友美(商2=長野・諏訪清陵)
リベロ 河治えみり(社1=北海道・旭川実)
コメント

芹沢友希女子主将(スポ4=茨城・土浦日大)

――あと1歩というところでしたが、終わって率直な感想をお願いします

きょうは気持ちもみんな前に出ていて、すごく良い雰囲気の中やれたのですが、所々で自分たちの小さなミスが見られました。そういったミスがなければ勝つことができたと思うので、明日一試合しかもうリーグ戦は残されていませんが、そこを意識して明日は勝ちたいです。

ーーそういった小さなミスが今回の勝敗を分けたということでしょうか

はい、そうだと思いますね。

ーー相手は東日本インカレで敗退した宇都宮大でした

東日本インカレではとても悔しい思いをして、そこから休みなく一生懸命練習をしてきたし、絶対に勝ってやろうという強い気持ちがありました。でもそれは相手ももちろん同じですごく勢いよく向かってきました。取らなくちゃいけないポイントを自分たちのミスで落としてしまったので、もう少し頑張らなくてはと改めて思わされました。

ーー2セット目はご自身のサーブから流れをつくりました、その後もチーム全体としてサーブで攻めていたように思いますが振り返って

今日の試合は今までのリーグ戦を振り返っても1番全員で最初の1本から攻めていけた試合だったと思います。これからもそんな風に一球目のサーブから攻めていけば必ず良い流れがつくれると思うので、残り一試合しかありませんが、サーブで攻めてそこからは粘って粘ってやれたら良いなと感じています。

――2セットを落として迎えた3セット目はどのように気持ちを切り替えましたか

あと一つでもセットを落とせば負ける状態だったので、もうフルセットを必ずやるつもりで、自分たちの出せる力を全て出し切ろうとみんなに言いました。そこからチーム全員で頑張れたと思います。

ーー主将という立場から見てチームの今日の雰囲気はどうでしたか

レシーブに関してはみんなが絶対に落とさないという気持ちを強く持って、ボールがどこへ行っても全員が最後まで追いかけたりする粘りの場面が見られました。それをやり続ければ勝てるなという勝ち方が見えてきたので、明日に向けてもう少しそこを詰めていけたらと思います。

ーーあすの最終戦に向けて意気込みをお願いします

まずは入れ替え戦は決まってしまっているので、それに向けて良い流れをつくれるようにするということです。それと、一部の舞台で勝利できるように、みんなで力を合わせて向かっていけたらと思います。

森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)

――きょうの試合を振り返って

(前の試合から)一週間空いて、もう一度自分たちの課題とか弱みをしっかり克服するために練習してきたんですけど。第1、第2セットは取られちゃったんですけど、第2セットの後半から自分たちのバレーができてきて。第5セットで最後取り切れなかったのは細かいミスだったり、チャンスがチャンスじゃなくなったりしちゃったのが原因かなと。最後決めきれないのは課題だと思ったので、そこはしっかりあした発声を確認してつなげていきたいと思います。

――宇都宮大は東日本インカレで当たった相手ですが、どのような対策をされましたか

サーブを狙って攻めることと、自分たちの強みのレシーブでしっかりすることです。東日本の時はディグが全然上がらなかったので、きょうはディグをつなげて粘りを出せたかなと思います。

――スパイクの調子がよかったですが、その点については

セッターとコンビを合わせるという意味でこれまで高めのトスを上げてもらってたんですけど、それを低いトスにしてより早く打てるようにこの一週間詰めてきました。相手のブロックが完成する前に打てたので、この前よりは決まってたのかなと思います。

――ブロックも何本か決まっていましたが

速攻に対するブロックで止められなかったり、一発でサイドアウト取られてしまったりしたので、もう一回相手のコースの決定と速攻に対するブロックの練習をする必要があるなと思いました。

――あすの国士館大戦に向けて意気込みをお願いします

来週入れ替え戦があるので、そのことがそうしてもちらついてしまうんですけど、目の前の一戦を全力で戦うためにまずは目の前の国士館大戦にしっかり集中して出だしから自分たちのバレーができるように頑張っていきたいと思います。