首位・東海大に歯が立たず、8連敗

女子バレーボール

 強豪校の牙城を崩すことはできなかった。先週の3連戦で課題と収穫を得た早大は、秋季関東大学リーグ戦(秋リーグ)8戦目で東海大と対戦。東海大はこの時点で7戦全勝、群雄割拠の1部リーグで首位をひた走っている。第1セットではこれまでとは違った攻撃を展開し手応えをつかんだが、相手の猛攻を上回ることはできず。セットカウント0-3(19-25、19-25、15-25)で敗れ、またしても連敗ストップはならなかった。

 強敵相手ではあったが、立ち上がりから臆することはなかった。マークが集中している森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)は、移動攻撃やフェイント攻撃を仕掛けることで相手ブロックを翻弄(ほんろう)。浅野泉里(文4=岐阜)は夏合宿から取り組んでいるというクイックをラリーの中で何度も試み、得点につなげた。このセット、センターの二人だけで10得点をマーク。本職のポジションにつく選手が少なく、単調な攻撃になることが課題である早大にとって、センター線の多彩な攻撃が機能し始めたことは収穫だ。しかし、東海大の高さと速さを併せ持つクイックは早大のそれを上回り、点差を縮めることはできなかった。

多彩な攻撃を繰り出すセンター森

 第2セットでも攻めの姿勢は変わらず、一時はリードを奪う。しかし中盤からトスが合わない場面やダブルコンタクトなどのミスが散見されるようになり、自滅というかたちで逆に大きなリードを許してしまった。それでも簡単には終わらない。13-19、6点ビハインドの局面で東海大が正セッターを下げるなどメンバーを変更。相手の態勢が整う前に速攻を仕掛け詰め寄ると、芹澤友希主将(スポ4=茨城・土浦日大)の2連続サービスエースで追いついた。だがここで焦ったか、ここまで好調のアタッカー陣がスパイクミスを連発。追いついてから6連続失点を喫し、このセットを落とした。第3セットでも早大のサーブから流れをつくることができない。チャンスサーブを三段攻撃につなげられ、失点が重なっていく。一方のアタッカー陣は何度も高いブロックに阻まれ、最終セットでは10点という大差をつけられてしまった。

芹澤のサーブで同点にまで追いついた

 これで開幕8連敗。秋リーグも残すところあと3試合となった。1部残留へ向け、今後はより負けられない戦いが続く。「自分たちが全力を出して、自分たちの試合を展開することが一番大事」(森)。どこが相手であれ、やるべきことは変わらない。最後に笑うため、全員でこの秋を駆け抜ける。

(記事 川浪康太郎、写真 坂巻晃乃介)

セットカウント
早大 19-25
19-25
15-25

東海大
スタメン
レフト 中川知香(スポ4=神奈川・川崎橘)
レフト 富澤結花(スポ2=東京・文京学院大女)
センター 浅野泉里(文4=岐阜)
センター 森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)
ライト 井上裕利恵(スポ1=岡山・就実)
セッター 芹澤友希(スポ4=茨城・土浦日大)
リベロ 河治えみり(社1=北海道・旭川実)
コメント

浅野泉里(文4=岐阜)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

所々準備がなってなくて。ポロっと落としちゃって士気が下がっちゃうという場面が多くて、いいプレーは出てるのにそういう場面が結構いっぱいあったので。それが心残りになってしまったので、悲しいというかもどかしいですね。あしたからもっと頑張らないといけないなと思いました。

――それはレシーブについてということでしょうか

そうですね。ブロックもそうだし、ブロックが付けなかった後のレシーブも触れたはずなのに触らずに終わるということもあって。触れて惜しかったね、というプレーの方が全員盛り上がるし、次に行こうという気分になるんですけど。そういうのがないと士気が下がってしまうのが多かったので。あしたからは無いようにします。

――個人では多彩な攻撃を仕掛ける場面も多かったですが、その点については

第1セットは相手が全勝チームだということもあって、どれくらい通用するのかなということを考えてて。速攻とかも結構呼んでたんですけど、第2セット辺りから速攻は減ってしまって。若干守りに入っちゃったかなというのがあって。もうずっと攻めていけるポジションでいたいなと思っているので、残念です。あしたは速い攻撃もいっぱい入れていきたと思います。

――秋リーグに入ってから速攻が増えていると思うのですが

そうですね。最後の夏合宿で速攻は始めたんですよ。今まで全くやったことが無くて。そういう練習もしてこなかったんですけど、結構友希(芹澤、スポ4=茨城・土浦日大)が合わせてくれるというのもあって、そこは不意を突けるようにやらないとということで。成果は出てるんじゃないかなと思います(笑)

――きょうの良くなかった点は

やっぱり守りに入っちゃったり、気分が沈んじゃったことですね。私は4年生だし、前衛にしか入らないのでもうちょっと頑張れたらと思います。

――最後にあすの東女体大戦に向けて意気込みをお願いします

東女体大はセンターが特徴的なチームなので。そこに引けを取らないような攻撃を自分もして、相手を悔しがらせたいなと思います(笑)

森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)

――きょうの試合を振り返って

きょうはすごく内容の薄い試合をしてしまって、ワセダの強みである粘りを出せなかったことが悔しいです。

――第1セットはセンター線の攻撃が機能していたように見えましたが

これまであまりブロード(移動攻撃)をしていなくて相手のデータにもなかったと思うので、それがよかったです。

――ブロードの練習は強化してきたのですか

相手にマークされていることを考えると私の打つコースも限られてくるし、今週はしっかり練習してきました。

――浅野泉里選手(文4=岐阜)がクイックを何度も試みる場面もありましたが、チームとして攻撃のバリエーションを増やそうと意識しているのですか

泉里さんは秋リーグ(秋季関東大学リーグ戦)に向けて速攻の練習をかなりしていて、ラリーからのB(クイック)もすごく決定率が上がっているのですが、もっとセンター線を試合の中で使って、それがおとりになればレフトのブロックも枚数が減るので、積極的に打っていきたいです。

――一方で守りの面の課題は

ワセダの課題としてブロックが挙がっていて、止めなければいけないコースと流していいコースの区別をしっかりつけられていないというのがあります。サーブでも、チャンスサーブを打ってしまうと拾われて速攻につなげられてしまうので、速攻を使えないくらいのサーブを全員が打たなければいけないと思います。

――残り3試合となりましたが、今後どう戦っていきたいですか

ここまできたら失うものは何もないし、自分たちが全力を出して、自分たちの試合を展開することが一番大事だと思います。3試合で収穫を得るためにもあしたしっかり切り替えて、粘りと1点への執念を持って試合に臨みたいです。